Photography

February 24, 2021

LAOWA × サイトロンジャパン ライブ配信に登壇します!【CP+2021 ONLINE】

明日25日から開催のCP+2021 ONLINE、澤村もサイトロンジャパンのオンライン配信でトークします。お題目はLAOWAの開発中レンズのレポートです。澤村のところにくる話ですから、フツーのレンズじゃないですよ(笑)。レンズマニア必見の濃ゆい奴、ご覧いただきます。ぜひぜひお楽しみに!

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CP+2021 SIGHTRON JAPAN & LAOWA
2021年2月27日(土)15:00‐15:30
「LAOWAニュープロダクツ超速報!」
講師:澤村 徹

 

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February 09, 2021

純文学があるなら純写真があってもいいじゃないか

写真は表現技法として稚拙、という話を知り合いの写真家と議論したことがある。他分野から写真業界に入ってきた人には案外すんなりと受け入れてもらえる話なのだが、根っからの写真愛好家は気分を害するかもしれない。小説、絵画、映画、音楽、さまざまな表現手法ではあたりまえのことが、なぜか写真ではひどくぎこちない。

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●渡部さとる著『じゃない写真 現代アート化する写真表現』

たとえば、「ありのままを撮るべきか、作り込んで撮るべきか」という問題。事実と虚構。写真では永遠に交わることのない両者だが、他の表現分野では棲み分けと融合があたりまえのように行われている。写真の頑な姿勢はどこか稚拙に見えるのだ。

ただこのとき、ふたりともなぜ写真が稚拙なのか、という答えにはたどり着けなかった。得体の知れないモヤッとした感情だけが残った。

先日、渡部さとるさんの『じゃない写真 現代アート化する写真表現』を読んだ。先のモヤッとした感情がきれいに晴れた。もっと言うと、長らく写真について漠然と抱いていた得体の知れない印象が、すべてこの本で明瞭になった。「ライン川2」が4億4000万円で落札された理由、オリジナルプリント販売にまつわる価値創出の不思議、そしていまどきの写真が“わからない”という現象。おそろしいほどのわかりやすさですべての理由が記されている。それこそアカシックレコードを解き明かすような感動があった。

本書は撮りたい人には不要かもしれない。でも、写真の正体を知りたい人には必須の教科書だ。前提として「最近の写真はわかりづらいなあ」というモヤモヤ感があり、著者の歩みに寄り添いながら、そのわかりづらい写真を紐解いていく。上から目線で「写真とはこういうものだ!」と解説するのではなく、著者自身の写真集制作やポートフォリオレビューを通じて、ともに理解を深めていくのだ。語り口がやさしいのでついついページが進み、気がつくと写真の深淵をのぞいていておどろいた。

写真には好むと好まざると被写体が必要だ。純然たる写真を目指すとき、その被写体が妨げになる。写真は被写体に依存する。被写体という呪縛から逃れられない。仮に被写体から解放された写真、被写体不在の写真があるとしたら、それはそもそも写真なのか。

文学には純文学というカテゴリーがある。読み手にこびることなく、文学性だけを追求する文学が許されている。実のところ、最近はあまり元気がないけど。もしかすると、現代の写真は純写真を目指しているのかもしれない。渡部さとるさんの『じゃない写真』を読んで、そんなことを思った。

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February 06, 2021

書評、ありがとうございます!【オールドレンズはバベルの塔】

オールドレンズ・フォトエッセイ集「オールドレンズはバベルの塔」が発売になって一週間がたちました。たくさんのかたにご高覧いただき、ネット界隈の反応に一喜一憂しています。出版した本の評価は当然気になるわけですが、バベルの塔は澤村初のエッセイ本、そりゃもう物凄く気になるわけです。SNS画面リロードしまくりです(笑)。たくさんいただいたご感想のなかから、とくにうれしかった書評をピックアップしてみました。ご購入を検討されているかた、ぜひご参考に。

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ジェットダイスケ/JETDAISUKE(YouTubeチャンネル)
おすすめカメラ本「オールドレンズはバベルの塔」澤村徹著
オールドレンズ軸で書かれたエッセイの面白さ

カメラレビューでおなじみのジェットダイスケさんのYouTubeチャンネルでご紹介いただきました。すみません、力一杯自慢させてください。動画丸ごと一本「バベルの塔」です(笑)。ジェットダイスケさんとは取材がきっかけで知り合い、以降仲良くさせていただいてます。そのあたりの出会いも動画内で紹介されています。

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ルミエールカメラのブログ Lumière ~銀塩ライカとブラックペイントの店~
『オールドレンズはバベルの塔』

ライカカスタムで有名なルミエールのブログでご紹介いただきました。ここの職人さんとは10年来の知り合いで、レンズのメンテをお願いしたり、オールドレンズ談義をしたりと、仲良くさせてもらっています。本書内にルミエールらしきお店が出てくる……みたいな噂があるようなないような(笑)。

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オールドレンズはバベルの塔

こちらのブロガーさんは、ぼくの古い古い読者です。どのくらい古いのかというと、ぼくがまだパソコン誌で「吾輩は寫眞機である」というカメラ系連載をしていた頃からの読者様なのです。ぼくが新刊を出すたびにがっつり掘り下げた書評を書いてくださり、いつも励みになっています。今回もめっちゃ深掘りしてますね。とりあえず、ラノベネタにツッコミを入れてくれたはじめての人です(笑)。

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ブレイクニュース。オールドレンズはバベルの塔である!

田中長徳先生のnoteで取り上げていただきました。長徳先生とはオールドレンズパラダイスがらみでご挨拶をさせていただき、最近はカメラホリックの仕事で京都ロケに同行させてもらいました。あのロケはホント至福の時だった(笑)。ちなみにnoteの記事のほうですが、平たく言うと、「レンズ交換ばかりしてないで真面目に撮れ書け!」と叱られております。ありがとうございます!

SNS上の感想も気がついたものはすべて拝読するようにしています。もしブログなどにレビューを書かれたときはおしえてくださいね。

 

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February 01, 2021

エッセイ集だけど写真もたくさんあるよ!【オールドレンズはバベルの塔】

先週末に発売になった「オールドレンズはバベルの塔」、読了した皆さんから「おもしろかった」との声をSNS上で拝見し、安堵しています。今回の本は「一気読みしました」という声がとても多くて、物書きの端くれとして本当にうれしく思っています。さて、この記事は本書のちょっとした仕掛けをご紹介したいと思います。

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表紙の帯をめくると、澤村徹とゆかいな親父たちがあらわれます。バベルの塔撮影ワークショップという設定です(笑)。澤村のイラストですが、十年前のまだおなかがぽっこりする以前の澤村の姿です。イラストレーターさんの忖度ですね(笑)。

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左ページに注目。エッセイはまずブツカットからはじまります。軽くドレスアップしたオールドレンズ付きのカメラを撮りました。キャプションにはそのレンズの概要に加え、澤村の入手当時に価格を記しました。これは相場価格ではなくて、ぼくが買ったときのガチの値段です。当時の具体的な金額がここから読み取れると思います。

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ペロンとページをめくると、エッセイの本編がはじまります。実はエッセイなのに、うっすらと全編を貫くストーリーがあります。きっとそのため一気読みする人が多かったのかな。今回の本は文章が主役なので、原稿にはだいぶ気をつかいました。

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そのあと、写真が5カットつづきます。ページ数的なことをいうと、全ページの1/3~1/2ぐらいが写真ページですね。がっつり読む本ではありますが、写真もたくさん載せています。ただ、普段のオールドレンズ本のようなキメッキメの作例ではなくて、脱力感のある写真をあえて選びました。エッセイを読みながら写真を見てもらうと、このあたりのバランスは納得してもらえると思います。ちなみに、すべての写真に題名とキャプションをつけています。昔、metalmickey's montageというフォトブログで写真に題名をつけていたのですが、あの面倒な作業を復活させました(笑)。本の隅の隅まで楽しんでもらえると思います。

本書は電子版も紙と同時発売です。ご興味あればぜひご高覧いただけると幸いです。

 

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January 29, 2021

「オールドレンズはバベルの塔」本日発売です!

2008年以降、「オールドレンズ・パラダイス」を皮切りに、年1~2冊ペースでオールドレンズ本を書いてきました。「オールドレンズ・ライフ」に至っては10年10冊に達し、すっかりオールドレンズ本がライフワーク化しています。自分のライター人生、こういう歩み方になるとは思わなかったなあ(笑)。

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オールドレンズはバベルの塔[ホビージャパン][Amazon
発売:2021年1月29日
版元:ホビージャパン
判型:A5判
※AmazonのリンクはAmazonアソシエイトリンクを使用しています。

さて、本日1月29日、ホビージャパンから「オールドレンズはバベルの塔」が発売になりました。例によってオールドレンズ本ですが、いつもの本とはずいぶん趣きが異なります。これまでの本が“オールドレンズの解説書”であるのに対し、本書はオールドレンズ・フォトエッセイ集です。ちょっと気取った言い方をすると、“私的文脈でオールドレンズを語る”といった感じです。

ライターというのはフラットな視点で記事を書くことがほとんどです。エッセイのように私的な文章を書くことはごくまれ。事実、本書は澤村史上初のエッセイ本です(笑)。こんな機会は滅多にありません。

せっかくいただいたレアな仕事ですから、レンズ本の新機軸を打ち立てるつもりでがんばって書きました。オールドレンズファンはもちろん、オールドレンズどころか写真・カメラに興味のない人でも楽しんでもらえるように工夫をこらしています。ぜひ、たくさんの人に読んでいただきたいです。ご高覧のほど、よろしくお願いいたします。

 

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January 10, 2021

次の新刊はフォトエッセイ集【オールドレンズはバベルの塔】

来る1月29日、新刊「オールドレンズはバベルの塔」をホビージャパンより出版します。僭越ながら、澤村徹初のエッセイ集です。

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●オールドレンズはバベルの塔[ホビージャパン][Amazon
発売:2021年1月29日
版元:ホビージャパン
判型:A5判

2008年以降、毎年1~2冊ペースでオールドレンズ本を出してきました。本書はこれまでのオールドレンズ解説本とは異なり、オールドレンズ・フォトエッセイ集になります。平たく言うと、“読むオールドレンズ本”です。オールドレンズファンだけでなく、オールドレンズや写真に興味のない人でも楽しめるように工夫をこらしました。いつものオールドレンズ本とはひと味ちがったオールドレンズ本、ぜひたくさんの方にご覧いただきたいです。よろしくお願いいたします。

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January 07, 2021

O.L.C.写真展のお知らせ


関西方面の方にお知らせです。大阪を中心に活動しているO.L.C.(オールドレンズクラブ)のグループ展が本日より開催中です。今回、澤村は仕事の都合で訪阪できませんが、そのぶんいつもよりビッグなA2サイズの赤外メタルプリントを出展しました。コロナ禍ですのでお誘いするのも気が引けるのですが、近くにお越しの際はご覧いただけると幸いです。

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●O.L.C. オールドレンズの世界写真展 Vol.5
2020年1月7日(木)~1月12日(火)
11:00~18:00(最終日は16:00まで)
ホルベインギャラリー

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December 05, 2020

小澤太一さん「いつものいえ」拝見

小澤太一さんの個展「いつものいえ」を拝見しました。コロナ禍、ご自宅内で娘さんをひたすら撮り続けるという、撮り手としてはなかなかシバリのきつい作品。それだけに工夫が冴え渡り、楽しく拝見しました。

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●小澤太一「いつものいえ」
会場:ルーニィ247 fine arts
会期:2021年12月1日(火)~12月6日(日)

マンションの屋上で撮った写真が何枚かあるのですが、その開放感がものすごいです。突き抜けるような開放感は、日々の閉塞感の裏返しなのだなと感じずにはいれらません。同じく、娘さんのまぶしい笑顔も逆説的に我々に訴えかけます。子供たちの無邪気さを、我々大人は守っていけるのか。目の前の生活と、子供たちが大きくなった未来と、ちゃんと守り抜けるのか。がんばらねば、と思いました。会期は12月6日、日曜日まで。

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Leica M10 + Light Lens Lab 35mm F2 V2LC

 

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January 26, 2020

憧れたあの写真が目の前に【銘機浪漫 Osamu Moriya Photo Exhibition】

オルレアカメラに遊びに行ってきました。お目当ては森谷修さんの写真展。名著「銘機浪漫」に掲載されていた作品が、ズラリと会場に並んでいました。本で見ていた憧れの写真、その実物が見られるわけです。ホントたまらんよね。ちなみに、ギャラリーに森谷修さんと赤城耕一さんがいらっしゃって、スリーショットを撮ってもらいました(笑)。

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「銘機浪漫」を読んだのは、ぼくが「オールドレンズ・パラダイス」を出版する前、カメラをかじりかけの頃でした。そのせいか、中判カメラといえば「森谷修さんの写真」という印象が強く、いまだに「ハッセル買えばこんな透明感のある写真が撮れるんだ」と勝手に思い込んでいます。ちなみに、この腕組みはオールドレンズガチ勢のポーズです。オールドレンズガチ勢はいつか記事にしたいなあ(笑)。

森谷修さんの個展は1月27日(月)まで。ご興味がある方はお急ぎください。

 

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September 12, 2019

道内最古、築百年の写真館を訪ねる(旧小林寫眞館)

今年の初夏、オールドレンズ・ライフの取材で函館にある旧小林寫眞館を訪れた。築百年という道内最古の写真館だ。一見すると重要文化財のようだが、歴とした現役の写真館だ。完全予約制なので、通常はその中を拝むことはできない。

実は数年前、函館で作例撮りした際、旧小林寫眞館の前を歩いていた。何かしらの文化財のようだが中には入れず、反面、手入れは良く行き届いている。一体どんな建物なのか気になっていた。

館長の谷杉アキラさんはぼくと同世代の写真家だ。この旧小林寫眞館とは別に、Photo Studio TANISUGIという現代的な写真館も経営している。元々Facebookつながりだったこともあり、取材前から大いに盛り上がり、今回、取材にかこつけて旧小林寫眞館の内部を見せもらった。役得ってやつだ。

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淡い鶯色とでも言おうか。独特の色合いの壁だ。最初期に使われていたペンキの色を調べ、オリジナルに近い状態に塗り直したという。

旧小林寫眞館の外観はたしかに古いのだが、どこか素っ気ない佇まいだ。豪奢な洋館というわけではない。だからうっかり油断していた。引き戸をくぐった瞬間、完全に場に呑まれた。詳しく書くとネタバレになってしまうので、とりあえず比喩に止めておこう。ラノベでよく見かけるドアの向こうは異世界だった、みたいな感じだ。まあ、相当やばいことになっていた。

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取材の後、谷杉アキラさんにポートレートを撮ってもらった。この写真館でしか撮れない写真であり、かつ旧小林寫眞館らしさに満ちたプリントだ。

そんな旧小林寫眞館だが、残念なことに2020年3月末で閉館するという。開業から10年、けっして短い時間ではない。道内最古の写真館を、実際の写真館として運営する。古民家リノベーションでカフェを開業するのとはわけがちがう。当時の姿をできるかぎり忠実に再現した上での写真館営業だ。その苦労は並々ならぬものがあっただろう。谷杉さん曰く、旧小林寫眞館の収益はすべて修繕費に充ててきたという。函館駅からずいぶんと離れた地にある写真館だ。毎日のようにお客さんであふれかえるわけではない。写真館の売り上げは無論、私財をなげうって旧小林寫眞館を存続させてきたというのが正直なところだろう。

閉館は寂しいことだが、まだ半年ほどの時間がある。興味がわいた人はぜひ、予約を入れ、扉の向こうの異世界的空間を楽しんでほしい。


旧小林寫眞館
Photo Studio TANISUGI 写楽館

 

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