個展「視覚の陰謀論」ご来場ありがとうございました!
デジタル赤外線写真を展示した「視覚の陰謀論」、8日間の会期を無事終えました。たくさんの方々にご来場いただき、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
会場には約100点のデジタル赤外線写真を展示しました。黒、白、ピンク、赤。様々なタイプの写真を取り揃え、デジタル赤外線写真の世界観を包括的に感じてもらうのが狙いでした。むろん、そうした狙いとは別に作品自体のコンセプトがあり、それはタイトルの「視覚の陰謀論」という言葉が象徴しています。デジタル赤外線写真を通じて、時代の不穏な気配を感じていただければと思っています。
開催場所が新宿マルイ本館という場所柄、たくさんの一般の方(写真に興味のない人達)に写真を見てもらう形となりました。インバウンド、デート中のカップル、ホストっぽい男子。冷やかし程度に眺めていた彼らが、次第に写真に近づき、一枚ずつなめるによう見始め、いったいこの写真は何なんだと首を傾げる様を見て、心に中でガッツポーズです(笑)。本来緑である葉が白かったり赤かったりするわけですから、相当奇妙に感じられたことでしょう。
写真をやってる風の来場者には、できるだけ声がけするようにしました。結果、7~8割ぐらいが「すでにやってるけどうまくいかない」「興味があるけどどこからはじめていいのかわからない」という方々でした。そんな方のための「デジタル赤外線写真マスターブック」ではありますが、ワークショップをやってくれというリクエストが相当数あり、何かよいタイミングがあればイベント的なことも検討してみようと思っています。
個展を開催してうれしかったことがふたつ。ひとつはプリントが売れたこと。もうひとつは来場者のリピーターがいたこと。ともに自分の写真が“作品”として認めてもらえた証であり、とても誇らしく思っています。特にリピーターは複数名いて、再訪に値する展示ができたことは大きな自信になりました。
ちょっとマニアなネタとしては、外国人の来場者に声がけしたら、Kolari Vision(アメリカの赤外線撮影機器メーカー)のアンバサダーでした。たまたま来日していて見に来てくれたみたいです。うん、界隈が狭い。で、いまさっきその彼から「東京界隈のいいカメラ屋さん教えて」とインスタでメッセージが届きました。東京観光、満喫しているようで何よりです(笑)。
僕がオールドレンズの本をはじめて出したのが2008年、その当時は業界からずいぶんと奇異な目で見られました。デジタル赤外線写真を取り巻く環境は、その頃によく似ています。ユーザーが増えるにはきっと5年10年かかることでしょう。いずれSNSのタイムラインで当たり前のようにデジタル赤外線写真が流れてくる日を夢見ています。