カメラホリック レトロ ふたつの目標
新しいオールドレンズマガジンが発売になります。その名も「カメラホリックレトロ」。そう、ライカ好きの人たちにおなじみカメラホリックの姉妹誌として、オールドレンズマガジンを出版することになりました。
これまで「オールドレンズ・パラダイス」を2冊、「オールドレンズ・ライフ」を10冊作り、ついに媒体名に“オールドレンズ”がつかないオールドレンズマガジンを出すことに(笑)。果たしてレトロは何冊出せるでしょうか。オールドレンズファンの皆さん、応援のほどよろしくお願いいたします。
カメラホリックレトロ Vol.1[ホビージャパン][Amazon]
出版社:ホビージャパン
発売日:2021年10月18日
価格:2,970円
カメラホリックレトロを制作するにあたり、ふたつの目標を立てました。ひとつは「プロのガチ撮り」を見せたい。作例ではなく、スナップでもなく、プロフォトグラファーが作品制作でオールドレンズを使ったらどうなるのか。今あえてオールドレンズを使う意味を、プロの作品で問うてみたい。そんなプロのガチ撮りを特集してみました。形式的にはフォトギャラリーページということになるのですが、何度も打ち合わせを重ね、作品の方向性を写真家と編集者の二人三脚で考え、カメラホリックレトロのためだけに作品を撮り下ろしてもらいました。写真展の告知連動ではなく、ストックでもなく、ゼロスタートから制作をはじめたこのムックのためだけの作品です。協力してくれた写真家勢にはずいぶんと無理を強いてしまいましたが、そのぶん読者諸氏にとっては見応えのあるページになったと自負しています。
ふたつめは紙媒体であることにこだわりました。周知の通り、昨年以降、たくさんのカメラ雑誌が休刊しています。これはどういうことかというと、「もう写真を紙で見る必要はない」「カメラの新製品情報はネットで十分」という読者諸氏の意思表示でしょう。もう雑誌なんていらないと。そのことを真摯に受け止め、改めて紙媒体のアドバンテージ、紙でカメラ雑誌を作る意味を考えてみました。澤村なりの結論は“文章”です。写真に負けないくらい読み応えのある文章を載せる。カメラホリックレトロではこれをがんばってみました。これまで澤村がカメラ記事を書くときはフラットな文章に徹していたのですが、エッセイ集「オールドレンズはバベルの塔」を執筆してだいぶ気持ちが変わりました。カメラ記事でも攻めた文章を載せていきたい。写真だけでなく、文章でも読者を楽しませたい。オールドレンズの“解説書”からもう一歩踏み込んだ本、あえていえばオールドレンズエンターテイメントのようなものを目指しました。
澤村の目論みはさておき、今回の本もオールドレンズを存分に楽しめる一冊に仕上がっています。いつも通り、ユーザースキルを問わず、誰もが楽しんでいただけるオールドレンズ本です。新たなオールドレンズマガジン「カメラホリックレトロ」、ぜひお手にとってご覧ください。よろしくお願いいたします。
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