「オールドレンズはバベルの塔」でテレビ取材!
先日、テレビの取材を受けた。出版社の社長室でガチガチに固まってインタビューを受けた。取材クルーのブラックマジックに付いているレンズはHelios-44-2 58mmF2だった。
これまで雑誌の取材はちょくちょく受けてきたが、テレビはめずらしい。雑誌の場合、「オールドレンズの魅力を教えてください。ついでにレンズとか写真も貸してください」的な取材が多い。モノ雑誌、ライフスタイルマガジン、そういえばクレジットカードの会員誌からの取材もあった。1時間の取材で見開き程度のネタになる。効率はわるくないのだろう。
ただ、今回はいろいろと状況がちがう。雑誌ではなくテレビ、というちがいはもちろんだが、取材のお題目がオールドレンズではない。年明けに出したエッセイ集「オールドレンズはバベルの塔」について取材したいという。オールドレンズではなく、「本」が主役だ。なぜこの本を書いたのか、どんな内容なのか。著者自身の言葉で語ってほしいと。
もうドヤ顔である。取材依頼は出版社を経由して打診があったのだが、この時点で鼻息荒くドヤ顔だ。別にテレビに出られてうれしいというのではない(もちろんうれしい)。こちらの狙いがズバッと当たった気がしてドヤ顔なのだ。
「オールドレンズはバベルの塔」を書くとき、実は“縛り”を設けた。それは「カメラや写真に興味のない人でも読める本を書くこと」だ。極端な話、仮にオールドレンズに関する箇所をすべてすっ飛ばしても、エッセイとして楽しめる本を目指す。オールドレンズの本なのに、オールドレンズ抜きでも成立させる。そんな縛りを自らに課した。
あの本にはオールドレンズに翻弄される男の姿が描かれているが、「オールドレンズ」を「趣味」に置き換えれば、趣味に振り回されるダメな大人の話になる。オールドレンズはさておき、何かしら趣味の世界に足を突っ込んでいる人なら共感してもらえるはず。テレビというメジャーな媒体から取材の声がかかったとき、このあたりの狙いが伝わったのかなと思った。オールドレンズはニッチな趣味だけど、趣味を巡るマインドは老若男女みな共通だろう。
肝心の放映だが、番組の性格上、詳しい告知はNGだという。唯一いえるのは、6月25日から7月1日の間にかけて、どこかで流れるということ。実はぼくもいつ放送されるのか日時を知らされていない。とりあえず、録画用のHDDを買って連日自動録画かな。
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