オールドレンズフォトグラファー邂逅
函館在住の写真家、谷杉アキラさんがオールドレンズフェス2021に遊びに来てくれた。彼とは「オールドレンズ・ライフ」の取材で意気投合し、それ以来、ぼくが函館に行くと撮影につきあってくれる。本業の写真館の仕事で忙しいはずなのに、いつもクルマでいろいろな場所に案内してくれるのだ。
その代わりといっては何だが、ぼくは彼が好みそうなオールドレンズを函館に持ち込む。そう、覚醒させようという魂胆だ。もともと彼はDマウントレンズフリークなのだが、澤村としてはもっと幅を広げてほしい。悪の道を行く同世代の仲間がほしい(笑)。最近はイエナを試してもらい、だいぶいい感じに染まってきた。
谷杉アキラさんは「ピリカノカ」というモノクロ写真集を出している。この写真集自体は現行カメラで制作しているのだが、その眼差しというか方向性が、オールドレンズととても相性が良さそうなのだ。もちろんひとさまの制作を横から云々するのは憚られるけど、オールドレンズの森へハイキングに誘うくらいはいいよね(笑)。
最近のオールドレンズフェスは、写真家の上野由日路さんがいつも在廊している。彼はオールドレンズフェスの中心メンバーというか主催者なのだが、昨年、彼の著作「オールドレンズで撮るポートレート写真の本」をお手伝いした縁もあって最近仲良くさせてもらっている。連日の在廊、本業の撮影は大丈夫なのか。いやホント、大きなお世話だとは思うけど、こっちが心配になるくらいオールドレンズフェスの開催に全力投球している。
彼はオールドレンズやシネレンズで商業撮影をこなす稀有なカメラマンで、今回のオールドレンズフェスの展示でもぶっちぎりだった。前掲の写真に写っている、レントゲンレンズとズノーで撮ったポートレートは相当やばい。描写云々ということではなくて、このレンズを選んだ時点で戦いが始まり、そして戦いに勝利した絵が目の前に広がっている。写真の評価に相応しくない語彙力(笑)になっている自覚ありありだが、それくらい圧倒的という意味だ。
谷杉アキラさんと上野由日路さん、ふたりのオールドレンズフォトグラファーの作品を、いつかぼくが編集担当するムックでドーンと紹介できる日がくるといいなあ、なんて夢想している。
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