周八枚が想像以上に8枚玉だった。
コアなライカユーザーの間で話題になっている周八枚を手に入れました。初期型ズミクロン、「伝説の8枚玉」と呼ばれるアレを復刻したレンズです。外見と写りの両面で複刻を目指したこのレンズ、なかなか本格派でした。metalmickey's cameraにファーストインプレッションを書いたのでご覧ください。
●metalmickey's camera
周八枚と呼ばれる8枚玉クローン
コアなライカユーザーの間で話題になっている周八枚を手に入れました。初期型ズミクロン、「伝説の8枚玉」と呼ばれるアレを復刻したレンズです。外見と写りの両面で複刻を目指したこのレンズ、なかなか本格派でした。metalmickey's cameraにファーストインプレッションを書いたのでご覧ください。
●metalmickey's camera
周八枚と呼ばれる8枚玉クローン
「作品づくりが上達するRAW現像読本」の裏話を。Windows95時代、はじめてPhotoshopを使った感動をいまでもおぼえている。スライドバーひとつで写真の色や明るさが変わる。すごい時代になったものだと驚いた。パソコンライターにとって、画像編集の世界はとてもまぶしかった。
ただ、どうやって写真を編集すればいいのか、そのアプローチがわからない。何しろこちとら場末のパソコンライター、まだカメラや写真に興味がなかったので、写真をきれいに見せるノウハウがない。画像編集ソフトでできることと、やりたいことの関係がよくわかっていなかった。
いずれ、著名な写真家やライターが写真編集の解説本を書いてくれるだろう。そう思って待っていたのだが、いっこうに出てこない。一応、画像編集ソフトのマニュアル本は出てきた。ただ、どれだけ操作手順をおぼえても、写真編集のアプローチには至らない。手順とセンスはまったく別モノだ。
目の前の写真を分析して、「こういう○○な写真は、××して△△に仕上げよう」みたいな、写真編集の基礎をアドバイスしてくれる本はないものか。ソフトウェアの使い方ではなくて、写真編集を学問として紐解いてくれるような本。写真編集の何たるかを理解できるような本が読みたかった。
時が過ぎ、パソコン誌からカメラ誌に軸足が移った。当時、機種別ムックというのが流行っていて、メーカー純正RAW現像ソフトの解説記事をよく担当した。これは過去形ではなくて、いまもひんぱんに依頼がある。自分の中でも得意な仕事のひとつだ。
あるとき、某出版社からLightroomの解説書を書いてほしいとオファーがきた。当時の自分にとって、Lightroomの解説書は少々荷が重かった。ただ、かつて読みたいと思っていた写真編集の本を自ら書くチャンス、と思うことにした。Lightroomをベースに写真編集の基礎が学べる本を書こうと。
企画書が通り、台割を作り、テスト原稿へと進む。そして提出したテスト原稿が真っ赤に修正されて戻ってきた。自分で言うのもなんだが、27才でライターになって以来、原稿の大幅修正なんて一度もなかったのに。大きなトラブルの予感がした。
ぼくは企画書で提案した通り、画像編集の基礎体力がアップするようなテスト原稿を書いた。ところが版元は、手順だけを載せろと路線変更してきたのだ。作例を読者にダウンロードさせ、事細かに手順を指示。手順によって誌面と同じ結果が出ることを体験させる。要は達成感の得られる本にしろと言う。
達成感だけでは読者が上達しませんよ、読者の画像編集力が向上するような本を目指しませんか、と再交渉する。立て板に水だった。読者が本当に上達してしまったら、それ以上本が売れないじゃないですか? 返す言葉がなかった。達成感は快感。快感を売る本。自分の考えと、深く埋めがたい溝があった。
ライターになってはじめて途中で仕事を降りた。解説書である以上、読者の役に立つものを送り出したい。青臭い考えかもしれない。古臭いのかもしれない。ただ、情報の送り手、本の作り手として、役立つ本という線は死守したい。読者が上達したら本が売れない、そんなことを言う大人にはなりたくない。
さらに数年の時間が過ぎ、玄光社から声がかかった。「RAW現像の本を書きませんか」と。ちょっとぼんやりとした依頼だ。LightroomではなくRAW現像? 先方に確認する。「Lightroomの解説書ですか?」「澤村さんがLightroomを使われているならそれで」。前回のことがあるので、慎重に言葉を選ぶ。
画像編集の基礎を学べる本にしたい。読者に手順を押し付けるのではなく、理解を深めてもらう本にしたい。先方は「それでお願いします」という。本当に大丈夫だろうか。Lightroomのマニュアル本ではないですよ、全機能徹底解説的なことはしませんよ? 「澤村さんのよく使う機能だけでかまいません」。
某出版社はソフトウェアのマニュアル本を作りたかったのだろう。玄光社は写真編集の本を作りたがっている。玄光社となら、前々から思い描いていた本が書けるかもしれない。もちろん、自分が写真編集の基礎を語るにたる書き手かという疑問は残るが、そこはしっかり精進していこう。
こうした経緯で生まれたのが、「作品づくりが上達するRAW現像読本」だ。紆余曲折あったけど、初版以来6回の増刷を重ね、ついには増補改訂版を出す運びとなった。自分の写真編集に対する考えに、賛同してくれる読者がたくさんいたということなのだろう。とても励みになります。
RAW現像をやっていて、どこから手をつけていいのかわからない、という経験はないでしょうか。いまどきのデジタルカメラは高性能ですから、早々大きくハズすことはありません。とはいえ、撮って出しそのままというのも納得がいかない。「作品づくりが上達するRAW現像読本 増補・改訂版」は、そんな画像編集に対して一歩踏み出せない人にぜひ読んでいただきたい本です。
●作品づくりが上達するRAW現像読本 増補・改訂版[玄光社][Amazon]
出版社:玄光社
発売日:2020年6月15日
価格:1,980円
本書は画像編集の基礎体力づくりを目標に執筆しました。画像編集は詰まるところ、光と色の調整にすぎません。できるだけシンプルな操作で、狙い通りの効果が得られるように、わかりやすく解説しています。
今回の増補改訂では、最新のLightroom Classicに対応しました。合わせて、モバイル版のLightroomについてもけっこうなページ数をさいています。現在Lightroomは、デスクトップ版、モバイル版、ウェブ版と大きく3つの種類があります。本書は解説した操作がどのLightroomで可能か、対応マークを付けました。デスクトップ版、モバイル版、どちらのLightroomユーザーでも安心して読んでもらえると思います。
また、ゴミ取り、シャープ、ノイズ除去など、面倒だけどそれなりに重要度が高い機能を追加解説しました。といっても澤村の本ですから、マニュアルチックに解説するのではなくて、いかにラクして使いこなすか、に重点を置いた解説です。気負わずにちょっと面倒な機能が使いこなせるようになりますよ。
そんなこんなの「作品づくりが上達するRAW現像読本 増補・改訂版」、ぜひご高覧ください。
Nik Collection 3がバージョンし、Lightroomから再編集が可能になりました。前々から再編集できないことに不満をおぼえていたので早速バージョンアップ。その操作について、metalmickey's cameraにてレポートしました。
●metalmickey's camera
DxO Nik Collection 3 | Lightroomから再編集が可能に
Nik CollectionはもっぱらSilver Efex Proばかり使っていたんですが、再編集できると今後は気負わずに使えそうです。これまでは一発でキメないといけないから微妙にプレッシャーが(笑)。ちなみに、再編集はちょびっと設定が必要です。具体的な操作はmetalmickey's cameraのレポートをご覧ください。
●追記
デジカメWatchにもNik Collection 3の記事を書きました。合わせてご覧ください。
モノクロ好き注目「Nik Collection 3」の喜びポイント