ダマされたと思ってオールドズーム
今年のオールドレンズ・ライフはオールドズームを第1特集に持ってきました。本シリーズも長らく続いていますが、ズームレンズの特集ははじめてです。オールドレンズと言えば単焦点という暗黙の了解があり、ズームレンズってどうしても敬遠してしまうんですよね。しかし食わず嫌いはよくないですよ。まあ、ダマされたと思ってオールドズームを試してみてほしいです。
α7III + Angenieux Zoom 35-70mmF2.5-3.3
オールドズームと向き合うとき、ふたつの観点があると思います。ひとつめは高画質。ツァイスやシュナイダーのズームがこれに相当します。安いわりに本当によく写るんですよ。ヤシコンやコンタックスNの標準ズームはいまでも取材仕事で使っています。ぼくがヤシコンの標準ズームをカメラバッグから取り出すと、同行の編集さんは相当驚いてますが(笑)。
ふたつめはクセ玉。ズーム黎明期の製品は、光学的に相当無理をしています。もうおわかりですね。光学的に無理をする=収差多め=オールドレンズ的においしい、というやつです。ズーマーやヨンサンハチロクがこのタイプですね。あり得ないくらい暴れてくれます。昔のズームはそつなく写るから、と敬遠していた人は、黎明期狙いがオススメです。
実用できる高画質タイプ、収差たっぷりの黎明期タイプ。オールドズームの世界は単焦点オールドレンズに負けず劣らず奥深いです。最新刊の「オールドレンズ・ライフ 2019-2020」にて、その世界に触れてみてください。
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出版社:玄光社
発売日:2019年9月30日
税別価格:2,000円
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