LEICA TL2 はアリかもしれない
ライカTL2のローンチパーティーに参加してきた。要は製品発表会だ。立食パーティースタイルなので終始立ちっぱなし。人が多すぎてメモが取れない。取材にならない。でも、デジカメWatchの敏腕記者は最前列でガンガン写真撮ってがしがしメモをとってる。泣き言は言えない(笑)。
ちょいと早めに会場に着き、しかもありがたいことに、早い時間から開場していた。そして「どうぞご自由に触ってください」と実機を勧められたので、たっぷりタッチ&トライしてきた。
ライカの人が開口一番、パフォーマンスが良くなったという。たしかに操作フィーリングや撮影レスポンスがキビキビしていた。が、それだけでは後継機として弱いなあと感じた。むろん、イメージセンサーや画像エンジンも新しくなっているのだが、いまどきのデジタルカメラはスペック刷新ではなかなかユーザーを引き付けられない。そんなことを思いながらあれやこれや触っているうちに、パフォーマンス向上の真の価値が見えてきた。
知っての通り、TLシリーズはアイコンタイプのタッチパネル操作を採用している。有り体いうとスマホ風インターフェイスだ。いまどきのスマホを使うとき、誰もががしがしタップしてスクロールする。動作の待ちなんて論外。ノーウェイトで躊躇なく操作するのが当たり前だ。このノーウェイト・スマホ風操作が、ライカTL2では可能だ。従来機ではハードウェアを多少かばいながら使う感じだったが、TL2はおかまいなしだ。全体の操作パフォーマンスが向上したからこそ、スマホ風インターフェイスが本領を発揮できるようになった。
ライカTの発表当時、あのスマホ風インターフェイスは正直エキセントリックに映った。時代の先取りであることはわかる。そうは言っても、液晶パネルをフィジカルコントローラーと目するのは時期尚早ではないか。また、スマホ風という選択も安直ではないか。そんな風に感じていた。
ところが、いまや触れない液晶は液晶にあらず、という時代である。時代がライカTL2に追い付いた、というと褒めすぎな気がするが、たぶんTL2はアリだ。
ドイツから来日したライカTL2の開発者は、「スペック云々じゃなくて、このカメラでどんな写真が撮れるのか、あなたの写真生活がどんな風に変わるのか、ということを伝えたい」と話していた。ライカっぽいプレゼンだなあと思いつつも、TL2のようなミドルレンジのカメラは体験指向でいいんだろうなあと感じた。
なにぶん画質はまだ確認していないので、お薦めカメラという気はない。でも、タッチ&トライの機会があれば、ぜひいろいろと触ってみてほしい。このカメラの根底にあるコンセプトが、TL2ではわかりやすく体現されていることに気付くだろう。