カメラアクセサリーは永遠に主役です!
7年間つづいたデジカメドレスアップ主義が、ついに幕を下ろすことになった。ライターという職業柄、連載終了はさしてめずらしことではない。はじまった連載はいずれ終わる。それだけのことだ。感慨にふける暇があったら、減った仕事の穴埋めを考えなくてはならない。
●デジカメWatch デジカメドレスアップ主義
最終回 デジカメドレスアップの極意教えます
そうは言ってもデジカメドレスアップ主義については、さすがに単なる仕事と片付けられないものがある。デジカメWatchの編集長曰く、デジカメドレスアップ主義はデジカメWatch史上最長の連載だったという。もちろんぼくの手がけた連載の中でも最長だ。2010年からの7年間、デジタルカメラの興隆を、カメラアクセサリーという側面から照らしつづけた。カメラケース、ストラップ、マウントアダプター。カメラの脇役をあえて主役として語りつづけた本連載は、カメラ史の断片ぐらいは刻めたのではないだろうか。7年間とはそういう時間だと思うのだ。
デジカメドレスアップ主義は賛否両論の激しい連載だった。ぼくが担当した連載の中で、おそらく2番目ぐらいに激しかったと思う。カメラをファッション感覚で語るなど言語道断というお叱りの声もあれば、記事とまるっと同じスタイルに仕上げ、うれしそうにそのカメラを見せてくれる読者もいた。もともとドレスアップは好みに左右される部分なので、賛否両論はあってしかるべきだろう。それだけ記事が注目を集めたと思えば、ライター冥利に尽きる。
ちなみに、賛否両論がもっとも激しかった連載は、某パソコン誌で担当した「チューニング娘。」という記事だ。パソコン周辺機器のチューニングテクニックを紹介する連載だったのだが、某アイドルグループの人気にあやかり、チューニング娘。というふざけたタイトルに決まった。しかも「アイドルつながりで女の子が徐々に脱いでいく脱衣系連載にしようぜ」というあり得ないアイディアがうっかり採用されてしまい、タイトル横でモデルの女の子が毎号少しずつ脱ぎ、最後は水着姿になるというトンデモ展開になってしまった。もっともパソコン誌は基本的に男性誌なので、水着の女の子は大歓迎だろう。
しかし、現実はちがった。読者アンケートの統計を見ると、○マークとほぼ同数の×マークがつく始末だ。コメント欄には「水着なんて下品でけしらかん」という意見がとても多い。こう書くと「草食系かよ!」と思うかもしれないが、実はそうではない。奥さんや娘さんの目を気にせず、リビングで安心して読める雑誌、というニーズがとても多いのだ。これ以降、ぼくは誌面でセクシーとエロを封印した。
最終回の記事では、ぼくがドレスアップする際、どんなことを考えながらスタイリングしているのかをまとめてみた。ドレスアップにセオリーや定石があるわけではないが、とっかかりぐらいにはなるだろう。カメラに愛着を抱き、自分らしいスタイルで携行する。デジカメドレスアップ主義が終了しても、カメラドレスアップは不滅だ。
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