一色卓丸さんの「原宿ストリートポートレート」をお手伝いしました!
ぼくは写真仲間と呼べる友達が少ない。元々ライターという職種はひとりで作業することが多く、カメラ写真業界で書くようになってからは、撮影も執筆も編集もすべてひとりでこなすようになり、ますます人付き合いが減ってしまった。フリーランスなんて所詮、プロのボッチだからな(笑)。そんなぼくにとって、写真家の一色卓丸さんは数少ない写真仲間だ。
彼と知り合ったのは、ぼくが講師を担当するオールドレンズパラダイスがキッカケだ。第1期からおそらく5年近くは受講生として参加してくれた。当初はオリンパスペンにオールドレンズを付けて撮っていたが、そのペンにライカレンズが付き、ボディがM8に代わり、あれよあれよという間にライカな人になってしまった。
一色卓丸さんの撮影スタイルは首尾一貫している。原宿で、外国人を、ストリートで撮る。当初からずっとこのスタンスだ。ストリートでテンポよく撮ることを思うと、レンジファインダーのライカに行き着いたのもうなずける。
彼の撮るストリートポートレートはリアリティーが秀逸だ。被写体となる外国人は、目を惹くファッションに身を包みつつも、作り込んだような不自然さがない。予定調和の欠片もない素の佇まい。彼女はまちがいなく、その時、その場にいた。その証明としてのポートレート。彼のポートレートは偽りなき瞬間が宿っていると思う。
その後、ぼくが編集担当するムックに何度か作品を寄稿してもらい、時を同じく、個展を開催したり、ポートレート講座の講師を務めたり、彼は写真家として活動の幅を広げていく。その集大成とも言えるのが、今回の写真集だ。
●一色卓丸「原宿ストリートポートレート」[玄光社][Amazon]
出版社:玄光社
判型:B5変型判 224ページ
発売日:2017年3月7日
昨年、玄光社から「一色さんのポートレート集を作りたい。ついては編集を担当してほしい」と打診があった。二つ返事で快諾したのは無論、我がことのように興奮した。昨今、有名写真家ですら自らの作品集を出すのは難しい。そうした時代、自らの売り込みではなく、出版社サイドからのオファーだ。写真家のサクセスストーリーを目の当たりにした瞬間だった。
掲載写真はすべてライカで撮っている。レンズのセレクトもけっこう燻銀だ(キャプションでチェック!)。ポートレートファンだけでなく、ライカな人にもお薦めしたい。ちなみに、帯文はハービー・山口さんだ。ファッション、ストリートポートレート、そしてライカ。3つのキーワードが織り成すTakumaruワールドをご覧あれ!