「パオロとフランチェスカ」のその後
以前、「オールドレンズ・ライフ Vol.4」に、「パオロとフランチェスカ」という題で写真と文章を載せたことがある。二体のキスドールが心なき者に破壊され、それでもしばしの時を経て、二人は寄り添い口づけを交わすというストーリーだ。あれから数年ぶりに、ふたりに挨拶をしてきた。
Leica M8 + Summilux-M 35mmF1.4
最後に見たキスドールは木の下で身を寄せ合っていたが、数年ぶりのふたりははじめて見たときと同じく、小道を挟んで見つめ合っていた。ここのオーナーが修理したのだろうか。すっかり塗装が落ちて真っ白になってしまったが、それはそれで石膏像のようで美しいと思う。
男の子を見ると、足首に棒を差し込み、応急処置している。痛々しい感じは否めないが、地べたに転がっていたことを思うと、こうして立っていることが奇跡のようだ。
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