トレジャーグリップは本当にラッキーチャームだった
懺悔します。香港でライカを落っことした。ビクトリアピークで夜景撮影したときのことだ。三脚を立て、ライカMをセット。カメラから手を離した瞬間、コンクリの上にガチャンと落とした。生まれてはじめて「あ"ーっ」と大声で叫んでしまった。使い慣れていないトラベル三脚だったので、クイックシューがちゃんとはまっていないのに手を離してしまった。走馬燈のようにライカがゆっくりと落下し……なんて風情もへったくれもなく、手を離した直後、ガチャンと音がして、足下にライカが転がっていた。完膚なきまでにアウトだった。
が、電源を入れるとちゃんと起動する。シャッターも切れる。距離計連動はちょっと怪しい気もしたが、まあライブビューで撮ればOK。顔の高さから真っ逆さまに落としたわりに、撮影は可能だ。被害に気付くのは、その晩、ホテルに戻ってからだった。
ぼくのライカにはJAY TSUJIMURAのトレジャーグリップが常駐している。その向きがどうもおかしい。このサムグリップはグリップの端が上向きに跳ね上がっているのだが、明らかに下を向いている。どうやらグリップの先端から落下し、衝撃をすべて受け止めたらしい。このグリップがなかったら、軍艦部直撃で修理代十数万、最悪カメラ買い換えということもあり得ただろう。JAY TSUJIMURAのアクセサリーにはラッキーチャームという側面があるのだが、まさにラッキーチャームの面目躍如だった。
曲がったトレジャーグリップを持ち込み、このあたりの事情をJAYさんに説明する。すると快く直してくれた。トレジャーグリップ復活を祝して記念撮影したのが、上のカットだ。いつもの姿に戻ると心が落ち着くね(笑)。
最近完成したというシルバー製のシガーレストとアッシュトレイを見せてもらう。これがあればゴッドファーザーになる、と思った。ライカのシルバー製サムグリップしかり、JAY TSUJIMURAの実用品のジュエリー化に脱帽だ。
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