Leica SL にちょっとアレな広角レンズを付けてみた
ライカSLが登場して一年以上が経ちました。フルサイズミラーレス機ゆえにオールドレンズのベースボディとして期待がかかるところですが、思いの外情報が出てきません。ようやくKIPONからライカL/M/Rレンズが付くライカSL用マウントアダプターが登場したので、早速オールドライカレンズとライカSLの相性をチェックしてみました。
●KIPON×澤村徹 古典鏡玉ものがたり
第36回 ベースボディとしてのライカSLの可能性[焦点工房][新東京物産]
オールドレンズ装着時の操作性や作例については、本編をご覧ください。ここでは気になるアレを見ていくことにしましょう。そう、ショートフランジの広角レンズ、こいつらがライカSLでどんな風に挙動するのか!? 借り物のライカSLボディなのでリスキーなテストはしていませんが、主要な広角レンズの挙動はこんな感じでした。
Ultra Wide Heliar 12mmF5.6
マゼンタかぶりは軽微。周辺結像は未確認。
Hologon T* 16mmF8
装着は可能。周辺減光、マゼンタかぶりともにひどい。シャッター押し込みは未確認。ライブビュー像のみの確認。
Super-Elmar-M 18mm F3.4 ASPH.
マゼンタかぶりはないが、逆にシアンの過剰補正を感じることも。周辺結像はF8まで絞ると問題なし。開放近辺は甘い。タイプ240では問題なく使えたが、ライカSLだとα7と大差なしといった感じ。純正UV/IRフィルター付きだとケラレる。フードだけならケラレなし。
Super-Angulon-M 21mmF3.4
後玉の外周がセンサーのフレームと干渉。装着すらできない。
Super-Angulon-R 21mmF3.4
装着は可能だか、周辺減光がひどい。マゼンタかぶりも顕著。シャッター押し込みは未確認。ライブビュー像のみの確認。
G Biogon T* 28mmF2.8(Mマウント改造)
マゼンタかぶりは軽微。周辺にシアンを載せて相殺している。周辺結像は甘さがあるが、流れっぱなしという感じでもない。ライカSLでビオゴンはありだと感じた。
Gビオゴン28ミリF2.8がそこそこ使えるのはうれしかったです。が、スーパーエルマー18ミリはタイプ240の方が好相性でした。ホロゴンやスーパーアンギュロンは相変わらずダメですねえ。
ちなみにライカSL、オールドレンズの写りはけっこう良かったです。シャドウの粘りがすごくしっかりしていたので、きっと階調性の高いRAWデータなのでしょう。あと、色味が派手にならないので、オールドレンズらしい色味が楽しめました。もし湖から神様が現れて、α7とライカSLを差し出したら、落としたのがα7でも迷わずライカSLを強奪しますね(笑)。そんなわけで、オールドレンズとライカSLはアリです。ライカSLオーナーがうらやましい。