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November 2016

November 28, 2016

通すぎて何がスゴイのかわからないかもしれない(デジカメドレスアップ主義)

デジカメドレスアップ主義を更新しました。焦点工房オリジナルの木製グリップ、0291ファクトリーのブラックストラップシリーズ。これらでシックなドレスアップに仕上げてありますが、実のところ今回の目玉はレンズ、というかマウントアダプターです。

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●デジカメWatch デジカメドレスアップ主義
第172回 ありそうでなかったα7IIの後付けグリップ

オールドレンズにどっぷりの人なら、キヤノンFLマウントのヤバさはよくご存知でしょう。一部のFLレンズは後端に段差があり、これがマウントアダプターのピンに干渉します。要は付くレンズと付かないレンズがあるわけです。今回用いたFL 58ミリF1.2は付かないレンズの典型例なのですが、mukカメラサービスのポーランド製FDマウントアダプターを使うと、無加工で装着できます。FLレンズは長らく避けてきたのですが、このマウントアダプターのおかげでだいぶ抵抗感が薄れました。ただ、このポーランド製FDマウントアダプターでも付かないFLレンズがあり、楽観視は禁物です。FLレンズの森は深く険しいです(笑)。

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November 26, 2016

今日の仕事は撮影立ち会い

とある写真家さんの撮影立ち会いで、久しぶりに竹下通りを歩いた。シャッターアートに遠く及ばない落書き、蛍光ピンクのクレープ屋、アジア圏の観光客。高校生の頃にさんざん通った場所だが、あまりの変わりように言葉もない。入り浸っていた古着屋は、もはや姿も形もなかった。

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Leica M + Ultron 35mm F1.7

右からモデル、写真家、ヘアメイク、スタイリストだ。ぼくの後ろにもさらにスタッフがいて、総勢8名での作品撮りである。自分の撮影はもっぱらスタンドアローンなので、こういう大所帯での撮影は、立ち会いだけでもちょっと緊張する。分刻みでの進行はホント大変だなあと思った。

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撮影立ち会いの編集担当なんて何もやることがないわけで、とりあえずレフ板持ちだ。いい光集めるぜオレ、みたいな(笑)。どんな写真に仕上がってるかなあ。写真家さんからデータが届くのが楽しみだ。

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November 24, 2016

Leica Sofort 撮ったフィルムはどうしよう?

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インスタントカメラあるあるなのだが、撮影後のフィルムをどうするか、これは微妙に困った問題だ。剥き出しのままバッグに入れるわけにはいかないし、フィルムカートリッジの紙ケースに仕舞うのが一般的だが、この姿がベストとも思えない。そんなわけでガラクタ箱を漁ってみたら、いいものを見つけた。コンデジ用のレザーケースだ。

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このレザーケースはvaja casesというブランドのものだ。購入したのは2007年。当時、GR DIGITAL用に海外通販で購入したのだが、サイズが合わず、そのままお蔵入りした悲運のケースである。革質や仕上げはすごくよくて、捨てるのもしのびなく、ガラクタ箱の奥底で眠っていた。早速instax miniのフィルムを入れてみたところ、サイズ的には大丈夫なのだが、ケース側面のレザーが内側に曲がっているため、枚数を入れるとフィルムがたわんでしまう。

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そこでフィルムカートリッジの紙ケースの出番だ。紙ケースのベロをカットし、レザーケースにゆっくりと挿入していく。

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紙ケースを奥まで挿入したところだ。これならフィルムを無理なく収納できる。たぶん20~30枚は入りそうなので、このケースで半日分の撮影は保ちそうだ。

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とりあえず、ゾフォートを持ち出すときはこのレザーケースも携行することにした。こういう小物に凝るのは楽しいね。ある種のオモチャっぽさがあるカメラはテンション上がるわあ(笑)。オモチャっぽいものをいかに本物っぽく持つか。このあたりがドレスアップのキモかな。

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November 23, 2016

Leica Sofort 速攻ドレスアップ!

SX-70持ってます、INSTANTLABも持ってます。というわけで、ライカのインスタントカメラ、ゾフォートを手に入れた。ぶっちゃけ、ドレスアップ用途だ。ゾフォートが発表されたときからやってみたいドレスアップがあって、開封早々、事前に用意しておいたストラップを装着する。うん、いいね、いけてると思う(笑)。

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装着したストラップはAngelo Pelleの製品だ。Leica Rumorを見ている人なら、右サイドのバナーでおなじみのメーカーである。前々からここのカメラアクセサリーが気になっていたのだが、まんまLeicatimeモチーフという方向性が購入を妨げていた。久しぶりにウェブサイトを見てみたら、オリジナリティーが感じられるストラップを発見。ライカSL向けのストラップとして販売されていたのだが、ゾフォートに付けたらかっこいいにちがいないと速攻でポチった。カラーはサファリグリーンリミテッドエディションをチョイス。深いグリーンがオレンジのゾフォートを引き立てる、と思うのだがどうだろう。

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ゾフォートのストラップ取り付け部はスリットタイプだ。カジュアルなカメラのわりに大きな金具でけっこう自己主張している。たぶん、デザイン要素として重視しているにちがいない。

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Angelo Pelleのストラップを通した状態だ。革が厚めで取り付けにちょっと手間取ったが、問題なく装着できる。SX-70の金具付きストラップを合わせてもおもしろそうだ。

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ライカ銀座店の店員さんによると、案の定、オレンジの売れ行きがいいという。シボ付きのレザーは合皮。構造的には貼り革交換できるはず。ただ、純正のものがけっこういい雰囲気なので、これを超える革が用意できるかがポイントになりそうだ。

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レンズの一番外側のリングが可動式になっていて、ここを動かすとマクロモードと通常モードの切り替えが可能だ。それにしても、60mm F12.7ですごいスペックだなあ。

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ライカ銀座店でフィルムも買ったのだが、モノクロフィルムは売り切れだった。モノクロから売れていくというのがライカゾフォートらしい気がする。フィルムカートリッジには、「FUJIFILM」「instax mini」の字が見て取れる。まあわかっていたことだけどね(笑)。

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1枚140円もするから無駄打ちできない。とか言いつつ、屋内のどうでもいいものを色々撮ってみた。ファインダーは当然光学ファインダーだが、近接はパララックスがひどくて正直厳しい。テーブルフォトは慣れが必要になりそうだ。ちなみに、現像時間は短く、速やかに像が現れる。色ノリも良い。IMPOSSIBLEのフィルムと比べ、俄然ハンドリングしやすかった。

さて、どこかレザーケース作ってくれませんか?

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adequate store に行ってきました!

11月11日、アダクワッタストアがオープンした。アダクワッタはビンテージ系の衣料アクセサリーブランドで、ドレスアップの仕事でカメラストラップやカメラバッグの製作をお願いしてきた。実はこうした仕事以外に、被写体として何度も写真を撮らせてもらっている。オーナー兼クラフトマンの田中氏が生み出すアトリエは、とにかく世界観が圧倒的だ。アトリエでの彼の後ろ姿が、日本カメラの表紙を飾ったこともある。

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アダクワッタストアは静岡の大場という駅にある。東京からだと新幹線で三島に行き、そこから伊豆箱根鉄道に乗り換える。駅から5分ほど歩くと、青い屋根の倉庫が見えてくる。それがアダクワッタストアだ。

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一階はアトリエになっている。大きなミシンが並び、壁際の棚にはたくさんのビンテージマテリアルが詰まっている。ここからあのリアルビンテージなアイテムの数々が登場するわけだ。

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二階がストア、いわゆる店舗スペースだ。ウェブショップでおなじみのアイテムを、実際に手にとって試せる。ぼくの仕事ではカメラストラップを紹介することが多いけど、アダクワッタと言えばとにかくバッグ。ビンテージ全開のバッグがマストアイテムだ。今日も白いキャンバス地のボストンバッグがあって、かなり心揺らいだ。アダクワッタはホント白の使い方が上手だと思う。ビンテージというとどうしても濃い色のイメージがあるけど、あえて白というところがかっこいい。だまされたと思って現物を手にとってみてほしい。絶対クラっとくるから。

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その後、アダクワッタ田中氏のおすすめで、伊豆仁田駅にあるカフェ、irodoriに移動する。何でもカフェのオーナーがぼくの本のせいでオールドレンズにハマってしまったとか。責任をとって家庭訪問することにした(笑)。

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ケーキのうしろの並んでいるのがオーナー所有のレンズたち。かなり重症というか、のっけから末期だった。Cマウントのアンジェニューとクセノン、F0.95コンボは地獄への片道切符だと思う(笑)。ちなみに、ケーキとコーヒー、どちらも美味しく、というか、お店がすごく繁盛していて驚いた。平日日中だというのにお客さんの出入りがひっきりなしだ。都内のカフェだってそうそうこうはいくまい。

伊豆箱根鉄道は修善寺に続いている。修善寺スナップの帰りにadaquateirodoriに立ち寄ってみてはどうだろう。個人的には、新蒲原でスナップしてから立ち寄る、なんてルートで楽しみたいと思った。

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November 21, 2016

香港のオールドレンズ本事情

11月の香港行きで個人的に大収穫だった鯉魚門(レイユームン)、ここは海鮮レストラン街であると同時に、夕日の名スポットとしても有名だ。週末は観光客はもちろん、日暮れとともにガチ撮りのカメラユーザーもごっそりとやってくる。大型三脚持参の人もめずらしくない。

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ワークショップ一行で鯉魚門を散策中、現地スタッフが地元のガチ撮りカメラマンらと談笑していた。ひとりのカメラにツァイスレンズが載っていて、カメラレンズ談義に花を咲かす。広東語なので詳しい話はわからないのだが、「おまえのツァイスいいなあ」「そういうおまえだってOtusじゃねえか!」みたいなやり取りだと思う(憶測MAX)。彼らとは撮影中に二度遭遇し、そのたびに二言三言言葉を交わした。

我々一行は夕焼け撮影を堪能した後、海鮮レストランでワークショップの打ち上げへとなだれ込む。美味しい海鮮料理を楽しみ、店を出た頃にはけっこう遅い時間になっていた。鯉魚門から地下鉄の駅に向かう。オクトパスカードで改札を通ったそのときだ。例のガチ撮りカメラマンたちとまたもや遭遇した。どんだけ愛し合ってるんだオレたち(笑)。同じ方向だというので、地下鉄に乗ってカメラ談義を再開する。そこで衝撃の事実が発覚した。

ぼくの本の読者だった。オールドレンズライフのせいでツァイス地獄にハマったという。どうやら本人の知らぬ間に、国際的に悪の伝道師として名を馳せていたようだ(笑)。

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彼が読んだのは日本語版のオールドレンズライフのようだ。実は香港のカメラショップ巡りをした際、何軒かで自分の本を見かけることがあった。たぶん、ぼくらが洋書のカメラ本で情報収集するように、香港のカメラファンは日本語のカメラ本を好むのかもしれない。

ちなみに、ぼくの書いたオールドレンズ本は、その何冊かが台湾語に翻訳されている。台湾はオールドレンズが流行っているのかなあ、なんて思っていたら、現地スタッフ曰く、香港の人も台湾語の本を読むらしい。香港では、話し言葉は広東語、読物は昔ながらの漢字「繁体字」を用いるという。中国は漢字を簡略化した簡体字を用いているのに対し、台湾と香港は昔ながらの繁体字だ。台湾は香港よりも人口が多く、繁体字で書かれた台湾の本を香港に輸入しているという。台湾語版は台湾の人向けと思っていたのだが、どうやら香港というマーケットも対象になるようだ。この話を聞いてはじめて、自分の本の普及範囲を認識できた。今度香港に行ったら本屋巡りだな。

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Leica M + Ektar 47mmF2

※香港と台湾の漢字表記について詳しい情報をいただいたので、記事を修正しました。

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CONTAX645 復活の儀

KIPONからCONTAX645用マウントアダプターが発売になりました。今年のCP+で展示してあった製品です。ボディ側マウントはキヤノンEFマウントで、CONTAX645レンズのAF動作が可能です。今回の古典鏡玉ものがたりでは。このCONTAX-EF AFを、あえてα7IIに付けて試写してみました。中判カメラの名レンズが、ミラーレスで使える。テンション上がりますね(笑)。

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●古典鏡玉ものがたり
第35回 コンタックス645の銘玉が甦る[焦点工房][新東京物産

CONTAX645のレンズは何度か借り物を使ったことがあるのですが、つくづく別格の領域があるのだなあと痛感します。今回のディスタゴンT* 45ミリF2.8は立体感の良さに驚きました。ゲンキンなもので、いいレンズを使える回は気持ちがのりますね。時代を問わず通用する絵作りに脱帽です。

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November 20, 2016

穴守稲荷の旧車街

オールドレンズパラダイスの撮影実習で、穴守稲荷から羽田可動橋のルートを撮り歩いた。元々は田中長徳さんにこの界隈に廃車のシトロエンDSがあると教えてもらい、散策がてら撮影実習のルートに仕上げた。駅から距離があってちょっと疲れるコースだが、被写体のバリエーションは多い。もちろんここで言う被写体とは、オールドレンズに適した被写体、という意味だけど(笑)。まあこんな↓やつね。

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田中長徳さんのシトロエンDS(って長徳さんの愛車という意味ではなく、彼に教えてもらったシトロエンDSね)も再訪。初見から変わりない廃車っぷりを拝む。

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帰路、羽田可動橋から穴守稲荷駅へ向かう途中、年季の入ったアルファロメオとも出会えた。ビートルと二段重ねというあたり、貴重な産業遺跡だと思う。

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今日のカットはすべてヴェラテッサー。中心しか合焦しない正統派オールドレンズだ。

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November 18, 2016

Kistar 35mm F1.4 の発売日が決まりました

木下光学研究所のオリジナルレンズ第2弾、Kistar 35mm F1.4の発売日が決定しました。当初、11月末を予定していましたが、ちょっとズレ込んで12月8日発売になります。「Kistar the other side」に作例をたっぷり掲載したので、ご興味ある方、ぜひご覧ください。

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●Kistar the other side
第5回 開放にこだわったキスター35ミリF1.4

Kistarシリーズは「開放でやわらかく、絞ってシャープ」がコンセプトのレンズですが、その緩急の効いた描写を作例から感じてもらえるとうれしいです。絞るとすごくシャープなので、開放とのギャップがあっておもしろいですよ。

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November 15, 2016

香港ワークショップ・ダイジェスト!

デジカメWatchにて、Turtlebackオールドレンズワークショップ「澤村徹と行く香港ワークショップ」のレポートが掲載されました。ワークショップは4日間にわたってたくさんのスポットをまわったのですが、その中から特に印象深いスポットについて紹介しています。

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●デジカメWatch
オールドレンズユーザーにおすすめしたい「香港撮影地ガイド」

デジカメWatchでは長らく記事を書かせてもらっていますが、撮影地ガイドははじめてですね(笑)。写真と文章、両方で楽しんでもらえるとうれしいです。ぜひご覧ください。

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November 13, 2016

ガチの中判レンズは凄かった

久しぶりに中判レンズをフルサイズ機に付けて撮った。四隅にピントを配置しても余裕で解像する。イメージサークルのデカさを実感するなあ。でもイエナの中判レンズなんかは周辺に期待できないし、やはり本家ツァイスの面目躍如といったところだろう。ちなみに、レンズはCONTAX645用のディスタゴン。どうやってα7IIに付けたかはヒミツ、というか、調べればすぐネタバレしちゃうけどね(笑)。

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α7II + Distagon T* 45mmF2.8 CONTAX645

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November 12, 2016

ワケあってトリオプランの写真はアップできません

息子の学芸会をトリオプラン100ミリF2.8で撮る。が、昨今は学校行事の写真をSNSにアップしてはいけないそうだ。自分の子の写真であろうと、一律にNGらしい。理由はここに記すまでもないが、写真を取り巻く環境は実に息苦しい。

気晴らしにFL 58ミリF1.2で近所を撮り歩く。mukカメラサービスで取り扱っているポーランド製のFDマウントアダプター、こいつは後端に段差のあるFLレンズが無加工で装着できる。FLマウントは鬼門ゆえに距離を取っていたが、そろそろ足を踏み入れてみようかな。

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α7S + FL 58mmF1.2

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November 11, 2016

鯉魚門(レイユームン)という名の聖地

今回の香港行きで、鯉魚門(レイユームン)を二度訪れた。香港ワークショップの最終日に訪れる予定の地だが、実は4月のロケハンで下見できなかった場所なのだ。そのため、ワークショップ初日、集合時間前にレイユームンを下見することにした。

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レイユームンはひなびた漁村であり、同時にちょっとした観光地でもある。船溜まりの奥に古い建物が並んでいるのがわかるだろう。この一帯は生け簀とレストランが軒を連ねている。生け簀で魚介類を注文し、レストランで調理してもらうというシステムだ。日本で言うと、おいしい魚を食べに伊豆に行く、みたいな感じだろうか。

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それなりに観光地化した場所なのだが、建物は古く、寂れたバスケットコートに放し飼いの犬が寝そべるなど、なかなかどうしてフォトジェニックな場所だ。香港通からすると、手垢にまみれたスポットかもしれないけど。

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レストラン街を抜けるとこの燈台(!?)にたどり着く。ここがレイユームンのランドマークだ。観光客はここまでやってきて記念写真を撮り、折り返していく。しかし、写真好きにとっては、むしろここからが本番だ。

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燈台から東に歩き出すと、超絶ひなびた漁村があらわれる。たぶん、ひとりだとブルって歩けないほどの枯れようだ。

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下着類もかまわず外乾しだ。生活空間に立ち入った感がハンパない。ただ、観光地と隣接しているためか、通行人や撮影に対し、それほどナーバスな感じはない。

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さらに歩くと廟に到着する。この廟の中にはらせん状の線香がたくさん吊してあり、被写体にもってこいだ。ここまで歩いてくる観光客もそこそこいる。実は夕方になると夕焼けの名スポットと化し、三脚持参のカメラマンでごった返す。とりあえず、ここまでがレイユームンのお約束スポットである。ただし、我々ロケ隊はさらに東に向かって歩いて行く。

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道幅が急激に狭くなり、屋根の上から犬に吠えられる。このあたりは放し飼いの犬がたくさんいて、ひとり歩きはかなりリスキーだ。この屋根の上の犬がやたらと吠える。それでも我々は進む。ちょっと尋常じゃないくらい吠える。それでも歩みを進めると、なんと民家に囲まれ行き止まりになってしまった。引き返してみると、犬が吠えだしたところに分かれ道がある。どうやらこの犬、「ちがうって、道ちがうって! そっちじゃないから」と訴えていたらしい。番犬としていい仕事していたわけだね。犬は我々が分かれ道を歩き出すまで執拗に吠え続ける。ごめん、ホントごめんて。

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最大の難関はここだろう。ここを左に折れて進むなんて、ひとりだったら絶対に無理だ。もちろんまっすぐ進むのは罰ゲームに他ならない。ただ壁をよく見ると、赤いペンキで「←可」と左に進めることが記されている。いやあ、仮にこの矢印に気付いてもひとりだったら進めないって(笑)。

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生活臭はMAXモードに突入。ロケに同行しているスタッフもめっきり口数が減った。ときどきぼくを振り返り、いくの? マジでまだいくの!? と目で訴えてくる。

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ひなびた漁村とかいうレベルじゃないね。部外者NGでしょ完全に。かろうじて遠くに見える高層ビルが香港であることを臭わすが、とんでもないところに来たなと泣きそうだ。しかし、このあと我々は至福の時を迎える。

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いきなり採石場跡があらわれた。戦時中のものだろうか。突端の釣り人がいい雰囲気を醸してくれる。

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ええ、ここに来たかったんです。ビビって引き返さずによかった。産業遺跡万歳!

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さらに進むと、野っ原に地層剥き出しの崖というありえない光景があらわれた。現地スタッフも香港にこんなところがあるなんて知らなかったとのこと。ひなびた漁村→過剰な生活臭→トドメの最果て感と、トリプルコンボなロケーションだ。と、これだけなら、スゲエなあレイユームン、で終わるわけだが、実はこの話にはさらなる続きがある。ワークショップ最終日の日曜日、この場所を参加者ともども訪れたときのことだ。我々はこの最果ての地で桃源郷を目にすることになる。

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カップルが廃墟に腰掛け、カメラマンに写真を撮らせている。右手前の三人もセルフィー目的の女の子たちだ。女子率急上昇である。

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キャッキャうふふと黄色い声がする。そこいら中で写真の撮り合いっこだ。何のことはないレイユームンの突端は、セルフィーのメッカ、インスタグラマーの聖地だった。最後の二枚はエクター47ミリF2の開放である。女の子たちのキャピキャピふわふわした感じがよく表現できたと思う、ともっとらしくまとめるのすらアホらしい(笑)。レイユームンの秘境、日曜日はぜんぜんフツーに賑わってますからね。

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November 09, 2016

Turtlebackオールドレンズワークショップ、行ってきました!

5泊6日で香港に行ってきました。このブログでも何度か告知しましたがが、11月3日~6日にかけてTurtlebackオールドレンズワークショップが開催され、その講師として参加してきました。

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α7II + Quinon 50mmF2

今回10本のレンズを持ち込みました。画角的にマッチしたのは28ミリ。スーパータクマー28ミリF3.5とズイコーオートW 28ミリF2.8が活躍してくれました。、描写的にはキノン50ミリF2とエクター47ミリF2がおもしろかったです。ロケーションや被写体によってレンズを変えるよりも、付けたオールドレンズを自らの目として、そのまま切り込むような撮り方がしっくりきます。わかりやすく言うと、好きなレンズで大いに撮るといった感じですね。身も蓋もないなあ(笑)。

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