「ザ・レンズマニアックス」の印刷がパーフェクトな件について
先日、「ザ・レンズマニアックス」の見本誌が届きました。長年ライターをやっているので、自分の本が仕上がっても特に感慨深い気持ちになることはありません。みなさんにとってお仕事がそうであるように、ぼくにとっても自分の記事が本になったり雑誌に載ったりするのは、ごくごく日常的なことです。が、しかし、今回はちと油断してました。今回の本、印刷がいい! マジでいい!! これまで手がけた本の中で、ナンバーワンじゃないかと思います。
みなさんは「写真の本なんだから印刷が良くて当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、現場に身をおく立場から言うと、理想と現実は遠くかけ離れていたりします(泣)。色校正という印刷の色味をチェックする作業がありまして、十分に気を配りながら指示を出すのですが、ことオールドレンズの作例に関しては、こちらの意図がうまく伝わらないことがしばしばです。何しろオールドレンズの写真はコントラストがマイルドで色味もあっさりしていますから、印刷現場のオペレーターさんが良かれと思ってビビッドに仕上げてしまうことが多いんですね。また、作例を重視するとブツカットのシャドウが浮いてしまったり、かといってブツカットに重きを置くと作例が色かぶりしたり、思い通りの仕上がりに近づけるのが大変なんです。
その点、「ザ・レンズマニアックス」は、あえてパーフェクトと言い切ってしまいましょう。色かぶりなし、シャドウの締まりもグッド! キャリブレーションしたモニターで見たイメージが、そのまま紙の上で再現されています。思えば、日本カメラ本誌に載っている写真も、いつも再現性が高いですね。老舗カメラ系出版社のプライドといったところでしょうか。
そんなこんなで、オールドレンズの作例集として理想的な本に仕上がりました。軟らかいレンズも硬いレンズも、静謐なレンズもジャジャ馬なレンズも、そのテイストをじっくりと堪能していただけます。発売が少々遅れていて、いま日本カメラ社のホームページを見たところ、10月31日発売とのことです。著者としては発売を待たず、ぜひAmazonで予約ボタンをポチっていただきたく(笑)。よろしくお願いいたします!
●ザ・レンズマニアックス ~ミラーレスと一眼レフで陶酔するオールドレンズの世界~
出版社:日本カメラ社
発売日:2014年10月31日
価格:1,944円
[日本カメラ][Amazon]
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