本年10月29日、日本カメラ社より「ザ・レンズマニアックス」が発売になります。これは日本カメラ本誌で2011年1月号~2013年12月号にかけて連載していた同名コーナーを、一冊にまとめた書籍です。基本的にオールドレンズ本ですが、ラインアップはちょっとクセがあります。定番オールドレンズももちろん取り上げていますが、ちょい斜め上ぐらいを狙ったレンズをたくさん載せています。Amazonのページにリストが掲載されているので、ラインアップについてはそちらをご参照ください。
●ザ・レンズマニアックス ~ミラーレスと一眼レフで陶酔するオールドレンズの世界~
出版社:日本カメラ社
発売日:2014年10月29日
価格:1,944円
[日本カメラ][Amazon]
ライターとしてこれまで色々な連載を手がけてきましたが(「吾輩は寫眞機である」をおぼている人、いますか?)、「ザ・レンズマニアックス」は常にプレッシャーを感じながら書いていました。前年にAPS-CミラーレスのNEX-5が登場し、オールドレンズ撮影が大きく成長しようというタイミング。ブームにのれるか、ブームで終わるか、カメラホビーとして定着化できるのか。色々な思いがよぎります。さらに、ポッと出のライターが老舗カメラ誌で連載をさせてもらうのですから、舞台の大きさにも圧倒されました。あの頃はよく腹下してたなあ(笑)。とりあえず自らに課したのは、「あとあと書籍化した際に、恥ずかしくない写真と文章を載せる」ことでした。とはいえ、本当に書籍化できるとは思っていなかったのですが(笑)。
あの連載が三年も続いたのは、やはり時代の趨勢でしょう。元来オールドレンズ撮影は、ごく一部のマニアが楽しむ領域でした。マウントアダプターも種類は少なく、特定のカメラショップがオリジナルで製造したものを漁るように買っていました。ミラーレスの登場以降、マウントアダプターはカメラ量販店で普通に買えるようになり、ミラーレスなら内部干渉のリスクも少なく、その気になればカメラビギナーでも気軽に楽しめます。2011年~2013年という時期は、特別だったオールドレンズが当たり前になる変遷期と言えるでしょう。本書と通しで読んでもらうと、前半は装着可能ボディにあくせくしていますが、後半は「今回はどのボディに付けようかなあ」と余裕が見て取れると思います。この本を読むと、ホント、いまはいい時代だなあと実感します。ついこの間まで、M42レンズのピン押しであたふたしていたのに、ね(笑)。
本書はオールドレンズ本というスタンスですが、一眼レフからミラーレスへの変遷を記した一冊としても楽しんでもらえると思います。「ザ・レンズマニアックス」の発売は10月29日、ぜひよろしくお願いいたします!