Gホロゴンはα7/7Rに付くのか!?
いよいよソニーα7/7Rが発売になり、オールドレンズファンはそわそわしていることかと。なにしろ「ナンでも付くフルサイズ機」ですから、最強のオールドレンズ向けベースボディです。ぼくもご多分にもれずあんなレンズやこんなレンズを取っ替え引っ替えしているわけですが、初日にメインイベントはこいつです。
そう、コンタックスGマウントのHologon T* 16mmF8です。無改造だとレンズガードが内部干渉し、APS-Cミラーレス機ですら使えなかったオールドレンズの鬼門です。α7/7Rはフルサイズイメージセンサー搭載ですから、センサー外周のフレームが従来よりも外側に広がりました。要は内部スペースがいくぶん広くなったわけです。「もしかしたらα7でGホロゴン、いけるんじゃねえの!?」と期待が高まります。しかし、鬼門は鬼門、様々なハードルが待ち構えていました。
今回、Kipon製のコンタックスGマウントアダプターを使ったんですが、ご覧の通り、ピント調整用のシャフトが飛び出しています。GホロゴンはMFレンズなので、このシャフトの受け軸がありません。よって、レンズのマウント底面とがっつり干渉するわけです。幸い、このシャフトはスプリング式になっていて、指で押すと簡単に引っ込みます。干渉することを無視すれば、レンズをマウントアダプターに付けること自体は可能です。ただし、装着後、シャフトがそれなりの力でレンズを押し上げるため、フランジバックに微妙に影響を及ぼす可能性は否定できません。また、レンズを取り外す際、このシャフトが引っかかってすんなり外れないことがあります。ぼくも何度かいやな汗をかきました。この時点で、自己責任の度合いはかなり高いです。
無理を承知でマウントアダプターに装着してみました。後玉が強烈に出っ張っているのがわかりますね。Gビオゴン21mmおよび28mmの場合は、レンズガードが1~2mmほど飛び出します。それに対し、Gホロゴンは5mmぐらいは飛び出してますね、すごくヤバイ状態です。これをカメラに付けてシャッターを切るなんて、理性があったら試せませんね。一応、レンズガードが後玉よりせり出しているため、後玉直撃はなさそうです。ただし、イメージセンサーの真上にレンズガードが下りていくため、干渉したときはシャッター幕がグチャっと当たることになります。買ったその日にα7壊しますか? このネタ、仕事じゃないですよ、ノンギャラですよ。保証も効きませんよ!? 恐る恐るボディに取り付け、α7の電源を入れます。ライブビューに像があらわれました。シャッターボタンに指をかけます。半押しします。α7のボディとGホロゴンの金額を足すと、軽く30万を超えます。人柱って、名誉職ですか? 逝ったら二階級特進でお願いします。
撮れました。どうやらまだ生きてます(笑)。が、しかし、このあと落とし穴が待ち構えていました。カメラが水平もしくは上向きの場合はシャッターが切れます。カメラを下向きにすると、シャッター幕と干渉します。シャッターボタンを押した瞬間、鈍い音がします。下向きで当たるって、重力!? 重力のせいなの? マウントアダプターやレンズの個体差にもよるかもしれませんが、オールクリアでシャッターが切れるわけではありません。むしろ、干渉しなければラッキーぐらいの感じ。すごくビミョー。撮れるけど、ひとにお薦めできない。斜俯瞰NGのレンズってどうなんでしょう。しかも、周辺色かぶりはマゼンタではなく、青。青かぶりですよ。ナンかもう輪をかけてビミョーだなあ。
さ、ら、に、無限遠に届いていませんでした(泣)。使用したマウントアダプターはGビオゴン21mmおよび28mmでフツーに無限遠撮影できる個体です。所有するGホロゴンも良品コンディション。シャフトのテンションがフランジバックに影響しているような気がするのですが、このあたり、どうなんでしょう。GホロゴンはF8固定ですから、これ以上絞って被写界深度を深くすることもできません。マイッタね(笑)。
というわけで、もろもろビミョーな結果に終わったGホロゴン試写、リスクポイントをまとめておきます。
●マウントアダプターのシャフトがレンズマウント面と干渉。マウントアダプターからレンズが外れなくなるリスクがある。
●カメラが水平および上向きのときはシャッターが切れるが、下向きにするとシャッター幕と干渉。カメラ故障、ならびに後玉を傷つけるリスクがある。
●シャフトのテンションのせいか、無限遠が出ない。
マウントアダプターとレンズの個体差により、結果は異なってくると思います。もっと派手に干渉することも考えられます。試す際はくれぐれも自己責任でお願いしますね。とりあえずぼくは、GホロゴンをMSオプティカルでMマウント改造して、レンズガードを少しだけ削ってみようと思います。どうせ改造するなら、ライカMタイプ240とα7、双方で使えるようにしたいですね。
そうそう、Gビオゴン21mmと28mmですが、これらは無干渉でα7/7Rに付きます。NEXより安全に使えるのでお薦めです。これらの試写はまた近々に。
Comments
いやぁ~、正に私がやりたいと思ってHologonを17万円でポチろうと思っていたところにこの記事を目にしました。私が推測して自分でやってみなきゃしかたがないと思っていた懸念点を実証していただき感謝感激です。国外におりα7Rは既にポチって従兄弟の家に配達済みで来週帰国するまでお預けなのですがHologonもポチって来週一緒にやってみようかと思っておりました。Contax Gレンズにはハマっており既に21 / 28 /35 /45 /90 /35-70mmの6本揃えております。TechArtのEマウントAFアダプターを介してですがこれが曲者で脱着が極めて難しく事実ピンを1本折ってしまった事もありレンズ1本にアダプター1個、アダプターを付けたままレンズ交換をしております。M240も所有しておりますがMマウント用のアダプターが探せてないのでやっておりません。今後もよろしくご指導お願いいたします。
Posted by: Kubota, Y. | November 16, 2013 09:38 AM
お役に立てたようで何よりです。ライカMのコンタックスGマウントアダプターは、フランジバックの都合で製造が難しいです。そのため、コンタックスGレンズを直接Mマウント改造するスタイルが定着しました。MSオプティカルのMマウント改造が有名です。ぼくもMマウント改造したGビオゴン28mmを愛用しています。
Posted by: metalmickey | November 16, 2013 02:20 PM
ついでに教えて下さい。Contax GレンズをMマウントに改造するってフォーカスのヘリコイドはどうなるのでしょうか?
オールドレンズ・ライフは全て購入して楽しく読んでおります。この雑誌でオールドレンズファンになったと言っても過言ではありません。今後の執筆にも期待しております。
Posted by: Kubota, Y. | November 16, 2013 09:20 PM
MSオプティカルの場合は専用鏡胴になります。レンズユニットを抜き出し、ヘリコイド付きの専用鏡胴に移植するという感じです。こちらのホームページにGビオゴンなどの写真がありますよ。
http://www.hayatacamera.co.jp/services/miyazaki/index.html
Posted by: metalmickey | November 16, 2013 09:49 PM
ありがとうございました。
Posted by: Kubota, Y. | November 18, 2013 06:22 AM