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December 2012

December 30, 2012

オールドレンズファンとたくさん交流した一年でした

ここ数年、年末年始は作例撮影強化週間と化します。今回の課題はボディ3台とレンズ8本。1日2本ペースで撮り進めます。ムックや雑誌の作例、ストック、作品などなど、写真のタイプは様々ですが、撮影だけに集中できる時間は貴重です。

今年はオールドレンズ本を1冊しか出せなかったのが心残りですが、そのぶんオールドレンズライフのトークイベントを東京大阪のオリンパスプラザで開催したり、クローズドのオールドレンズイベントに呼ばれるなど、たくさんのオールドレンズファンたちと交流できた一年でした。また、東急セミナーBEオールドレンズパラダイスではメンバーからグループ展の話が持ち上がり、オールドレンズというハード系のホビーを通じて、写真に興味を持つメンバーが増えてきました。来年のテーマは「写真」かなあ、とぼんやり思い描いているところです。とりあえず、個展やらないといけませんね。作品のストックはあるので、どんな見せ方をするか思案してみます。

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NEX-6 + E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

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December 27, 2012

冬はG Biogon、という勝手な思い込み

今日は冷えるというので着ぶくれして作例撮りに出かけたのですが、思ったほどの寒さではなかったですね。指先がかじかむこともなく、気持ちよく撮れました。この季節になると、M8にG Biogon T* 28mmF2.8を付けて撮りに出たくなります。高コントラスト高発色なレンズなので、本来世間的には夏のイメージかな!? ただ、ぼくがこのレンズを入手したのが冬だったせいで、寒くなるとこのレンズを持ち出したくなります。

Gビオゴン28mmは開放からキリッとシャープなレンズですが、個人的にはそれ以上にリッチな階調に魅せられています。はじめてこのレンズを持ち出して青空を撮ったとき、雲が薄くたなびく様子が階調豊かに描かれていました。それまで階調の美しさといのがいまひとつピンとこなかったのですが、この描写を見て「すぐれた階調ってこういうことか」と目が覚める思いでした。冬の冷たい空気に触れると、あの美しいトーンを見たときの感動がいまでも甦ります。

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Leica M8 + G Biogon T* 28mmF2.8


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December 24, 2012

クリスマスはANGENIEUX

クリスマスイブ、独身の皆様はいかがお過ごしでしょうか。ブログ見るヒマがないほどのリア充を願ってやみません。所帯を持つと、クリスマスイブだからとって特にソワソワすることもなく、今日も終日書き仕事でした。パーティーと無縁の我が家ですが、それでも一応クリスマスケーキなんぞがテーブルを彩ります。ホールケーキは家族の誕生日とクリスマスだけの特別行事です。

ホールケーキを撮るときは、Angenieux 25mmF0.95と決めています。キャンドルライトを手持ちで撮れるのは、やはり大口径シネレンズの特権でしょうか。子供がケーキを食べるようになってから、ホールケーキのたびにAngenieux 25mmF0.95で撮っています。アンジェニューのケーキショットもだいぶたまりました。10年分くらい並べたら、何か意味が出てくるかな!? 貼り付けたカットは軽く補正してあります。

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PEN E-P3 + P.Angenieux Paris 25mmF0.95 M


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Kindle写真集の作り方

先日、Kindleで写真集「BLACK MORNING」を自主出版してみた。Kindleダイレクトパブリッシングは、今後フリーランサーやアマチュアにとって強力なツールになる。そうはいっても、デジタルスキルがないとかなり歯ごたえのある世界で、かくいうぼくも相当苦労して出版にこぎつけた。そこで自分のための覚え書きもかねて、制作の流れをまとめておきたい。

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●BLACK MORNING Digital Infrared Photography

まず、制作の大まかな流れを列挙しておこう。
(1)KDP(Kindleダイレクトパブリッシング)にアカウントを登録
(2)EPUB形式およびMOBI形式の書籍データを作成
(3)KDPに書籍データをアップロード
(4)KDPサイドでレビューが完了すると出版される

要は自前で書籍データを作り、KDPにアップロードすればよい。出版社を経由せず、完全自力で本を出版できるわけだ。販売数という問題を棚上げすれば、パソコンひとつで誰もが自主出版できる。現状はマーケットとして微々たるものだが、本のインディーズレーベルといったところだろうか。出版社に持ち込んでも書籍化が難しいような企画は、「とりあえずKindleで」という流れが今後できてくるかもしれない。

さて、問題は書籍データの作成だ。ぼくが作成に用いたアプリケーションは以下の通り。

ドキュメント作成:Adobe InDesign CS6
MOBI形式出力:Kindle Plugin for Adobe InDesign
プレビューソフト:Kindle Previewer

02_2 InDesignでドキュメントを作り、プラグインでMOBIに出力。出力したものをKindle Previewerで動作チェック、という流れになる。ドキュメントは、表紙画像、目次、本編をそれぞれ用意する。これらの具体的な作り方はケースバイケースだが、ぼくの場合は表紙画像をPhotoshopで作り、目次と本編をInDesignで作成した。目次はInDesignの目次作成機能で作っておくと、Kindleプラグインで出力した際にtoc.ncxとして認識される。実はこれが書籍としてとても重要なポイントだ。

左の画像はKindle本で移動メニューを開いた状態だ。Kindle本を数冊買ってみたところ、いくつかは目次がグレーアウトしていた。toc.ncxがちゃんと作成されていないと、「目次」がグレーアウトしてしまうようだ。実はこの目次まわりを完備したいがために、わざわざInDesignでドキュメント制作した。書籍としてお金を取る以上、最低限の体裁は整えたい。ぼくはEPUBを手書きするだけのノウハウがないので、ソフトの機能で補うことにした。

Picture0004 一通りドキュメントができたら動作チェックだ。完成したドキュメントをKindleプラグインでMOBI出力し、Kindle Previewerで表示してみる。ところがこのプレビューソフトがクセモノで、カラー画像なのにモノクロ表示しかできない。これが仕様と気づくまでにずいぶんとムダな時間を費やしてしまった。プレビューソフトは画面上でこそ「Kindle Paperwhite」と「Kindle DX」を選択できるようになっているが、どうやらKindle Paperwhiteモードしか動作しないようだ。プレビューソフト上はモノクロでも、KDPにアップロードすればちゃんとカラーで表示される。

また、リフロー型のドキュメントを作成した際は、見え方についてもさほどナーバスにならない方がよいだろう。書籍データはKindleだけでなく、iPhoneやAndroidでも表示されることになる。画面サイズが様々なので、ディテールにこだわってもあまり意味がない。ただし、ひとつだけ留意したいのは、改ページという概念だ。リフロー型コンテンツはページという概念がないものの、画像とテキストが混在した状態でベタ打ちすると、写真の上下にテキストがひっついて体裁がわるい。InDesign上で適宜改ページを打ち、リズムをつけるとよいだろう。

一冊出版してみて、大きな反省点はふたつある。ひとつはキャプションをしかるべき位置に表示できなかったこと、ふたつ目は表示環境によって不要な余白ページが入ってしまうこと。リフローという形態に慣れていないため、このあたりをもっと明示的にハンドリングできるようになりたい。一方、写真を見せるデバイスとして、タブレットはある種理想的な環境だと感じた。デジタルフォトはやはり透過光と相性がよい。BLACK MORNINGをiPhoneとiPadで表示したところ、発色、階調、シャドウの見え方、どれも及第点だと感じた。

画像解像度については賛否両論あるだろう。すでに「もっと高解像度な画像で見たい」というリクエストも届いているが、これは「写真」を見たいのか「画像」を見たいのか、という問題だと思う。BLACK MORNINGはKindleプラグインのデフォルトで画像出力しているが、iPadで見て取り立てて劣化は感じないので、「写真」を見せることに関しては及第点だと思う。ただし、オールドレンズ解説本の作例という場合は、もう少し高解像な画像を用意し、拡大してディテールが確認できる形で提供したい。

現状はとかく作業が繁雑だが、いずれKindle本作成ソフトなるものが登場するだろう。というか、登場してほしい。個人的にはデジタルステージあたりがリリースしてくれると期待している。使い勝手のよいツールが登場すれば、ZINE、同人誌、自費出版の様相は大きく変わってくるだろう。

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December 20, 2012

悩ましき究極の選択(日本カメラ2013年1月号)

728_0 カメラ雑誌の仕事は、撮影半分、執筆半分、というのが通例なんですが、今月は少々勝手がちがいます。日本カメラ1月号の第1特集「究極の選択」にて、デジタルファインダーの可能性とプレミアムモデルについてテキストオンリーでみっちりと語りました。カメラ雑誌でこれだけ書いたのは久しぶりです。

●日本カメラ2013年1月号[日本カメラ社][Amazon
究極の選択-2013年の主力カメラを決める

カメラ雑誌に限ったことではないのですが、年末年始号はテキスト多めの雑誌が多いですね。正月休みにまったりじっくりと読んでもらおうというのが狙いです。寝正月派の方はぜひご覧ください。ちなみに、連載レンズマニアックスは3年目継続が決まりました。今月号はロボットマウントのテッサー3cmF2.8を取り上げています。極薄パンケーキのかわいらしいレンズで、描写も見た目に相応しくほのぼのとしています。

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December 18, 2012

ホントに待ってましたX-Pro1エバレディケース

本年最後の更新となるデジカメドレスアップ主義は、鳥井工房のX-Pro1エバレディケースをピックアップしました。実はこのケース、個人的にずうっと発売を心待ちにしていた製品です。以前、日本カメラ社のX-Pro1機種別ムックでドレスアップ記事を担当したことがあります。その際、鳥井工房に製作予定をたずねたのですが、残念ながら製作に時間がかかるという返答でした。

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●デジカメWatch デジカメドレスアップ主義
第86回 待ってでも買いたい本格レザーケース

待つこと数ヶ月、ついに登場したX-Pro1エバレディケースは、ビンテージ感出まくりのレザーで見事に度肝を抜いてくれました。今回、Grok Leatherのストラップを組み合わせていますが、このスタイル、そのまんまプライベートで使っている姿です。ケースの詳細は本編をご覧ください。

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December 17, 2012

オールドレンズで作品づくり(オールドレンズパラダイス)

昨日の東急セミナーBE「オールドレンズパラダイス」では、オールドレンズを使った作品づくりについて解説してみました。最近、グループ展に参加するメンバーが増えてきたので、作品づくりのアプローチを模索してもらおうという趣向です。今回は「技術と表現」というふたつの側面から作品づくりを解説し、技術面はオールドレンズの使いこなしテクニックを、表現では「創作活動全般における表現のあり方」という大きなテーマで話をしてみました。こうしたテーマで話をするのはぼくもはじめてで、自分自身の制作スタンスの整理にもなりました。

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講座のあとはメンバー全員で銀座にくり出し、中古カメラ店をひやかした後、忘年会に突入です。自慢のカメラやフォトブックがテーブルの上を行き交い、カメラ談義に花が咲きます。iPadで作品を見せてくるメンバーもいて、ポートフォリオの作り方も時代とともに変わってきた印象を受けました。

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オールドレンズパラダイスは当初ハード寄りの講座としてスタートしましたが、第4期に突入し、写真に興味を抱く人が増えてきました。「来期はグループ展を!」という声もあがり、今後がますます楽しみです。

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December 12, 2012

NEXシリーズに外付けファインダーを!

今回のデジカメドレスアップ主義は、オールドレンズファン必見のNEX-6ネタです。ポイントはふたつ。ひとつ目は非テレセントリックな広角オールドレンズを組み合わせた際、周辺色かぶりがどうなるかという点です。すでに本ブログで軽くレポートしましたが、デジカメドレスアップ主義ではGR Lens 21mmF3.5で追検証してみました。

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●デジカメWatch デジカメドレスアップ主義
第85回 嗚呼、念願の外付けファインダー

ふたつ目は外付けファインダーです。既存のNEXユーザーなら周知の通り、NEXシリーズのホットシューは独自形状で、これまでは外付けファインダーが付きませんでした。NEX-6はついにISO準拠の形状になり、外付けファインダーでクラカメドレスアップが楽しめます。NEX-6はそこそこ大きめのボディなので、SLOOZのような大柄なファインダーもよく似合いますね。ちなみに、レザーケースはNEX-7用が流用できると耳にしました。オールドレンズはもちろん、ドレスアップのベースボディとしてもNEX-6は魅力的です。

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December 05, 2012

ついに来た! AF対応マウントアダプター

今回のデジカメドレスアップ主義は特別編として、AF対応マウントアダプターをレポートしています。AF対応マウントアダプターといっても、カメラメーカー純正品ではなく、サードパーティー製です。ついにサードパーティーからAF対応マウントアダプターが登場する時代になりました。

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●デジカメWatch デジカメドレスアップ主義
第84回 胎動するAF対応マウントアダプター

今回試用したのは、メタボーンズとテックアート製の2種類です。メタボーンズは既出の電子端子付きEF-NEXマウントアダプターを、ファームアップでAF対応させてきました。このジャンルの先駆者だけあって、手堅い動作です。テックアートは新興マウントアダプターブランドで、今回の製品がファーストプロダクトになります。なんでもコンタックスGのAF対応マウントアダプターを予定しているとか。今後に期待大のブランドです。では本編をお楽しみください。

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December 03, 2012

DP1/2 Merrillをドレスアップ(DP1&DP2 Merrill マニュアル)

Dp12 日本カメラ社からシグマDP1/2 Merrillの機種別ムックが発売になりました。ぼくは例によってドレスアップ企画を担当しています。DP1/2 Merrillはシンプルなフラットボディですが、そのぶんケースやストラップでイメージが一新します。今回はコンデジカスタマイズのセオリーに則って、外付けファインダーとフードもがっつり盛ってみました。

●DP1&DP2 Merrill マニュアル[日本カメラ][Amazon
SIGMA DP1 Merrill & DP2 Merrill ドレスアップ

ドレスアップ記事はイメージカットを大きく掲載することが多いのですが、今回はいつにも増して大きく、縦位置ドーンとビッグな掲載です。最近は雰囲気のあるレザーを使ったケースやストラップが増えており、それらの質感をじっくりとご覧いただけると思います。ぜひご一読のほどを。

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