かねてから告知していたオールドレンズレジェンド、本日発売です。春に出版した玄光社「オールドレンズ・ライフ」とはまた方向性が異なり、オールドレンズのエピソードを紐解きながら、各レンズの魅力を解説しています。見応えアリ、読み応えアリの一冊、ぜひお手にとってご覧ください。
●オールドレンズレジェンド[翔泳社][Amazon]
執筆:澤村徹/監修:和田高広
出版:翔泳社
価格:2,310円(税込)
発売:2011年11月17日
本書の特徴をひと言でいうと、「オールドレンズ噂の検証」です。和製ズミクロン、ゾナーコピー、ライカに化けたロッコールなど、よく耳にするオールドレンズのエピソードを、実際にレンズをそろえて検証してみました。リケノンは本当にズミクロン級の写りなのか。ゾナーコピーは本家ゾナーと比べてどうなのか。エピソードをベースにしながら、オールドレンズの魅力と描写傾向を探ってみようという一冊です。
実はこの本、ずいぶん前から企画を練っていました。オールドレンズを使い始めた頃、とあるレンズを買うとき必ずといっていいほど第二候補があり、「こっちを買うか、そっちを買うか!?」と悩んだものです。この悩みの源となるのが、オールドレンズにまるわる様々なエピソードでした。ゾナーコピーは安くてよく写るらしい。それは本家ゾナーに迫るくらいの描写なのか。それとも、あくまでも値段のわりによく写るという話なのか。安物買いの銭失いに陥るくらいなら、最初からゾナーが買った方がいい。本当にゾナーそっくりの描写なら、安価なゾナーコピーで十分。さて、どちらを買おうか、といった具合です。オールドレンズレジェンドは、この「どっちを買おうか!?」という悩みの数々を、わかりやすくまとめた書籍です。
翔泳社からはオールドレンズパラダイスシリーズを2冊出していますが、パラダイスシリーズがベースボディを限定しているのに対し、オールドレンズレジェンドはレンズにとってベストなベースボディとの組み合わせで解説しています。オールドレンズとベースボディの関係性という側面からも、お楽しみいただける一冊です。また、巻末では本編で取り上げたマウントアダプターの着脱方法を詳しく解説しています。オールドレンズビギナーの方もぜひお手にとっていただけると幸いです。
ハッセルを超えるフレクトゴン■MC Flektogon 50mmF4/Distagon C 50mmF4 T
和製ズミクロンの実力■XR Rikenon 50mmF2/DR Summicron-M 50mmF2
ライカに化けたロッコール■MC W.Rokkor-SI 24mmF2.8/Elmarit-R 24mmF2.8
侮れないゾナーコピー■Jupiter-8M 50mmF2/Sonnar 50mmF2
大口径シネレンズ頂上決戦■P.Angenieux Paris 25mmF0.95 Type M1/Macro Switar 26mmF1.1 RX
ゼブラ柄とMC、どちらを選ぶ?■Flektogon 20mmF4/MC Flektogon 20mmF2.8
HFTコーティングはT*を超えるか■Planar 50mmF1.4 HFT/Planar T* 50mmF1.4
オールドマクロレンズの饗宴■Macro Kilar D 4cmF3.5/Elmar 65mmF3.5
富岡光学の幻影を追う■ML 24mmF2.8/Distagon T* 25mmF2.8
MFズームレンズという選択■Vario-Sonnar T* 28-85mmF3.3-4/Zoomar 36-82mmF2.8
ミッキーマウスがデジタルで甦る■Ektar Lens 44mmF3.5/Cine Ektar Lens II 25mmF1.9
ドイツコダックのフレンチレンズ■Kodak Anastigmat F2.8 Angenieux 50mm/P.Angenieux Paris 35mmF2.5 R1