やっとカラーチェッカーパスポートを買った。キャリブレーション系アイテムで目下一番人気の製品だ。ホワイトバランスと発色を、ほぼ全自動で補正してくれるアイテムである。カラーチェッカーを被写体といっしょに撮影し、あとはLightroom上でプロファイルを自動生成。このプロファイルを適用するだけで、正確なホワイトバランス、本来の発色が手に入るという。手軽さといい、補正具合といい、完成度が高いと各方面で人気急騰中だ。そこで思いついたのが、Leica M8のマゼンタかぶりをコイツで補正できないものかと。もし成功すれば、お高いUV/IRフィルターが不要になる。さて、うまくいくのか!?
【カラーチェッカーパスポートの使い方】
カラーチェッカーパスポートの使い方をざっくり説明しておこう。まず、上の写真のように、被写体といっしょにカラーチェッカーパスポートをRAW撮影する。スタジオワークだけでなく、屋外スナップでもOK。要は本番撮影と同じ光源下で、カラーチェッカーパスポートを撮影するわけだ。
本製品はプロファイル作成するためのLightroom用プラグインと単体ソフトが付属している。ここではLightroom用プラグインの使い方を見ていこう。撮影したRAWデータをLightroomに読み込み、書き出し画面を呼び出す。上の画面がカラーチェッカーパスポート用のプラグインだ。任意のプロファイル名を入力し、書き出しボタンをクリック。これでプロファイルを自動生成してくれる。
Lightroomを再起動すると、作成したプロファイルが選択可能な状態になる。同一の光源下で撮影した画像を選び、現像モジュールのカメラキャリブレーションからプロファイルを選択しよう。これだけでホワイトバランスと発色を整えてくれる。
左がAWBで撮影した画像、右がカラーチェッカーパスポートのプロファイルを適用した画像だ。ストロボ撮影なのでホワイトバランスはさほど変化していないが、発色が気持ちブースト気味になっている。単なる彩度アップではなく、色相も微調整している印象だ。ブツ撮りに関してはちょっと色味がきつめだろうか。屋外スナップなら、プロファイル適用だけでほぼOKの状態に持って行けそうだ。本来の色(もしくは本来と色を称されているもの)がほしい人には、手軽で強力なツールになるだろう。
【M8マゼンタかぶりは解消できるか】
さて、肝心のM8マゼンタかぶりはこいつで解消できるのだろうか。そもそもの発端は、プロミネント用のUltron 50mmF2だ。このレンズはフィルター径45mmという特殊口径で、そのままでは市販のフィルターやフードが装着できない。面倒なのでUV/IRフィルターなしで撮っていたものの、やはりマゼンタかぶりが気になる。黒が紫になったり、緑が気持ち悪い褪せ方をしたり、なんとも微妙な画になってしまうのだ。カラーチェッカーパスポートでプロファイルを作れば、サクッとビビッドカラーに仕上がる……はず。とりあえず、テストショットは以下のような具合だ。
黄色く濁った緑、たまらんです(笑)。というわけで、こいつをLightroomに読み込み、プラグインで処理してみた。すると、こんなメッセージが……。
クリップアウトして処理不可能ですとぉ! アンダー目の画像でも試してみたが、やはりダメ。光源を変えてみてもダメ。M8&オールドレンズという特殊事情、どうやらこの壁は想像以上に厚いらしい。泣くな、雨の日もあれば晴れる日もある。明日に向かって打て!