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November 2009

November 30, 2009

「SILKYPIX4.0 & PRO RAW現像ウルトラテクニック」を出版します!

思い起こせば7月、世間がPEN E-P1で盛り上がっているのを尻目に、ぼくはとある書籍に付きっきりでした。ひと夏つぎ込んだ渾身の一冊が、12月25日、ようやく発売になります。といっても、以前プレ告知したE-P2/E-P1本ではありません(こっちもじき本告知いたします)。実はもう一冊、密かに進めてきた書籍があるんです。ぼくが得意とするRAW現像の本が出ます。

Silky_cover ●SILKYPIX4.0 & PRO RAW現像ウルトラテクニック
著者:澤村 徹
出版元:技術評論社
発売予定:2009年12月25日
価格:2,079円

SILKYPIX Developer Studio ProならびにSILKYPIX Developer Studio 4.0の操作解説本です。補正機能の詳細解説に加え、撮影シーンごとに作例を用意し、具体的かつ即効性の高い補正テクニックを紹介しています。作例は「オールドレンズパラダイス」や「GR DIGITAL カスタムブック」で監修をお願いしている和田高広さんにお手伝いいただき、付属DVD-ROMにRAWデータを収録。誌面と同じ画像を操作しながら、補正テクニックを試していただける内容になっています。

こう書くとオーソドックスなSILKYPIXマニュアル本という印象ですが、いかんせん、著者は澤村徹……こっそりとエグイことをやってます(笑)。RAW現像ソフトの本というのは、ひとつ大前提があります。それは「フォトコン向けの写真を仕上げる」というお約束。RAW現像に取り組むユーザー層にとって、フォトコン入選は大きな目標です。そこに向けて原稿を書くというのが一般的なRAW現像本です。

実は、この点がすごく引っかかっていました。

王道的な補正テクニックでは、たとえきれいに仕上げても横並びになってします。フォトコン向けテクニックを書籍で学んだがゆえに、横並びでフォトコンに入選できない。これはどうにも矛盾しています。そこで本書を執筆するにあたって、こんなお題目を立ててみました。

かっこいい写真に仕上げよう!

きれいな写真よりもかっこいい写真、セオリーよりも自分らしい写真表現。横並びから一歩踏み出すためのヒントを、随所にちりばめています。もちろん基本的な補正の考え方、オーソドックスな補正テクニックもみっちり解説しています。その上で型を破るコツを盛り込み、RAW現像の楽しさを実感していただけるような書籍を目指しました。

RAW現像は何でもできます。しかし、目の前の写真をどう仕上げたいのか、いわゆる落とし所が見えないと、多機能高性能の海におぼれてしまいます。この落とし所が自分なりにイメージできるようになると、俄然RAW現像が楽しくなるでしょう。本書はSILKYPIXという特定ソフトの解説本ですが、落とし所をイメージするヒント集という側面も持たせています。ぜひ書店やカメラ量販店でお手にとっていただけると幸いです。

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November 29, 2009

オールドレンズ漬けの末路

先週、EOS 7Dのテスト撮影に出かけた。レンズはL玉標準ズーム、EF 24-70mm F2.8L USMだ。普段はこのレンズ、あまり外に持ち出さず、ブツ撮り専用と化している。なもんだから、作例撮りでしでかしてしまった。

西日を背負った椿が一輪、物憂げにうつむいている。頭のなかに画が浮かぶ。やわらかいフレアに包まれ、まぶしそうに目を細める椿の姿が。シャッターを切る。

Lm_mg_2069
EOS 7D + EF 24-70mm F2.8L USM

パキーン、ズボッ! ああ、そうだった、今日はL玉ズーム。逆光でもたいしてフレアでないんだよね。しかもパキッとハイコントラストなんだよね。オールドレンズばかり使っているから、肝心の仕事でダメっぷり発揮です。今後はちゃんと現行レンズも使おうと、猛烈に反省中。

Lm_b271568
PEN E-P1 + Macro Switar 50mmF1.8 AR

ホントは椿もこんな風に撮りたかった。険しいなあ、写真道。

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November 27, 2009

「EOS 7Dマニュアル」と「はじめての中古カメラ」でお仕事

今月発売の日本カメラMOOKにて、いくつかお仕事をさせてもらいました。そのご報告です。

602_0 ●「はじめての中古カメラ」日本カメラ社
銀塩中古カメラの入門ガイドです。王道、定番、キワモノまで、隅から隅まで銀塩カメラのオンパレード。初心者向けムックとはいえ、おもしろいカメラが次々に登場し、メカ好きにはたまらない内容です。デジタル全盛の昨今、時流に流されないムックの登場はどこかホッとしますね。なんていうか、最新機能を追いかけないでいい(笑)。ぼくが担当したのは、交換レンズとマウントアダプターのススメ、といった企画です。交換レンズのページは取り上げたレンズの作例も掲載しています。

 

 

601_0 ●「キヤノンEOS 7D マニュアル」日本カメラ社
EOS 7Dの機種別ムックです。こちらの担当は付属ソフトウェアの解説。機種別ムックの定番コンテンツですが、ハイアマチュア向けAPS-C機ということもあり、Digital Photo Professionalの裏ワザ隠しワザ的な内容を随所に盛り込んでみました。一般にDPPは簡易RAW現像ソフトと位置づけられていますが、応用的に使うとけっこう高度な編集もできますよ。

ぜひご覧いただければ幸いです。

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November 26, 2009

写真展 在廊スケジュールです

写真展BLACK MORNINGの在廊スケジュールです。
時間帯は少々暫定的ではありますが、全日顔を出す予定です。

1日(火):終日います
2日(水):夕方~
3日(木):夕方~
4日(金):夕方~
5日(土):終日います
6日(日):終日います
7日(月):ギャラリー定休日
8日(火):終日います
9日(水):夕方~
10日(木):夕方~
11日(金):終日います

「夕方」と書いてあるところは、仕事が片付き次第、とお考えください。
おおむね午後4~5時あたりには顔を出すつもりです。
仕事が早めに終われば日中から顔を出します。
みなさまのご来場、お待ちしております。

●追記
アローカメラさんで個展をご紹介いただきました。ありがとうございます。

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November 25, 2009

写真展前から裏話 【プリント編】

先日のエントリーで尻切れトンボに終わった写真展舞台裏のお話です。技術面というか、プリントの話です。去年の合同写真展ではピクトラン局紙を使いました。局紙にカラースワップした赤外写真をプリントすると、油絵チックで濃厚な雰囲気が出ます。このあたりのおもしろさも含め、昨年は赤外写真を楽しんでいただきました。

で、今年はどういう方向性かというと、モニターで見ているトーンをそのまま出したいな、と。ぜんぜんヒネリがなくてすみません(笑)。ただし、モニターは透過光、プリントは反射光。当然ながら同じようにはいきません。そこで今回はピクトランクリスタルという紙を選んでみました。

実はこの用紙、バックライト展示に対応しています。当初はバックライト展示を検討してみたのですが、「壁から垂れる電気ケーブル、かっこわるいよなあ」というきわめてリアルな問題にぶつかって挫折(笑)。あとは透過光で見たときにシャドウの浮きが気になり、バックライトは断念しました。それでもなおピクトランクリスタルを選んだ理由は、反射光展示でもトーンの出方がモニターに近かったからです。半透明の皮膜で覆ったような、ぬめり感のある光沢。ハイライトはやや抑え込まれる印象ですが、シャドウはギリギリまで拾ってくれます。けっして万人向けの用紙ではありませんが、少なくとも今回の作品との相性は抜群でした。

プリントの印象をひと言でいうと、ものすごくデジタル臭い(笑)。これが気に入りました。なにしろぼくの作品はゴリゴリのフルデジタルですから、出力形態もデジタルっぽくてOKだな、と。

そうはいっても、トラディッショナルは表現も気になります。実はマジックリーに出力してみたところ、これがかなりいい雰囲気。黒がキリッと締まるんですね。マジックリーかピクトランクリスタルか、これは最後の最後まで悩みました。悩んだ結果……マジックリーもご用意することに(笑)。さすがに大判プリントすると制作費が大変なことになるので、A4相当でプリントしてファイリング。ブックを会場に置いておきます。両者を見比べて、「紙質でこんなに写真が変わる」というあたりをお楽しみください。

写真展は純粋に写真を楽しんでいただく空間ですが、テクニカルな話もぼくがわかる範囲で積極的にお答えするつもりでいます。期間中は気軽にお声がけください。

そうそう、デジカメWatchさんで写真展の告知をしていただきました。なにかこう、後戻りできない感じがヒシヒシと……。大丈夫かなあホントに。いまから緊張してきました。

●デジカメ Watch 「澤村徹写真展 BLACK MORNING」

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November 20, 2009

日本カメラ12月で GXRとかE-P2ブラックとか

本日発売の日本カメラ12月号にて、今が旬のRicoh GXRとPEN E-P2がらみでお仕事しました。

●リコーGXR 4本目のカメラユニット大予想
4本目のカメラユニットはこんなのがいいなあ、という座談会記事です。メンバーは飯田鉄さん、河田一規さん、そしてぼくの三名。GXRは可能性を秘めたカメラだけに、話があれやこれやと膨らみます。

●PEN E-P2 ブラックボディカスタム
待望のブラックボディを早速カスタマイズしてみました。当然ながら黒レンズが似合うわけですが、そのままでは地味になってしまいます。ブラックボディとはいえ、ホビーカメラらしいカジュアルなスタイルを考えてみました。

ああ、いま思い出しても楽しい仕事でした(笑)。ぜひご覧いただければ幸いです。

■日本カメラ2009年12月号

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November 15, 2009

BLACK MORNING 写真展の目論み

着々と写真展の準備を進めております。着々と進めておりますが、順調というわけではありません。どうしても一枚だけ、うまく仕上がらない写真があるんですよ。ボツにするか、もうひと踏ん張りするか。ぼちぼちマット制作に入らないといけないし、いい感じに焦ってます。

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それはさておき、今回の写真展の目論みなんぞを書いてみます。まずメンタル面から(ってナンだかなあ)。昨年同様、ライカM8で撮影したデジタル赤外線写真を展示します。去年はカラースワップのデジタル赤外というだけでめずらしく、ある程度お客さんを呼ぶことができました。が、今年はそうはいきません。Flickr!をうろつけばいくらでもカラースワップの写真がありますし、しかも今回は個展。自分の世界観を明確に打ち出す必要があります。

世界観、きついですねえ。世界をどうとらえるか、世界とどう関わるか。41歳妻子持ち、ごくフツーのおっちゃんの世界観。大丈夫でしょうか。勝負できるんでしょうか(汗)。

とりあえず、自分がなにゆえ赤外で撮るのか、その理由から探ってみましょう。赤外撮影の楽しさは、「見えないものが写る」に尽きます。ぶっちゃけていうと、覗き趣味、暴露主義みたいなもんでしょうか。ただし、「見えないもの」といっても、それは我々人間の目に映らないというだけで、常に現存する世界です。つまり赤外撮影とは、「見えないけど、常にそこにある世界」を撮る行為といえそうです。

「見る」は「知る」と通じるところがあります。自分が知っている世界、知らない世界、知らされない世界。赤外撮影というアプローチで、多層化する世の中に切り込んでいけそうな気がしませんか? ぼくは漠然とですが、このあたりが赤外撮影しているときの自分の世界観なのかなあ、なんて気がしています。ちょっとわかりづらいですよね!? 写真展当日までにちゃんとまとめ、コンセプトのテキストに仕上げます。

技術面について……はまた次回にしましょう。ちと長くなりそうなんで(汗)。

そうそう、写真展の告知ページを作りました。ひまつぶしがてらご覧ください。
●澤村徹写真展 BLACK MORNING

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November 12, 2009

E-P2 / E-P1 の書籍を作ってます!

ようやくPEN E-P2が国内でも正式発表されました。おおかた予想通りのブラックボディ&EVFというスタイルですが、E-P1ユーザーのぼくとしてはかなり悔しい気分です。なにしろEVFの見え具合が最強! ファインダーの隅でピント合わせできる平滑さ、144万ドットならではの精細さ。現時点でダントツのクオリティーです。とはいえ早々に買い替えるわけにもいかないし、うむ、やはり悔しい……。EVFでこのクオリティーが出せるなら、レンズ交換式カメラは今後、着実にミラーレスに進むのだなと痛感しました。

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で、こっそりご報告なのですが、このE-P2/E-P1で目下書籍を制作中です。このところブログ更新が滞っていたのは、実はこの書籍のせい(笑)。ぼくが企画した書籍なので、機種別ムック的な内容とは一線を画します。E-P2/E-P1をベースにオールドレンズとドレスアップを同時に楽しもうという、えらくハードルの高い世界へ突入してしまいました。ざっくりいうと、「オールドレンズパラダイス」と「GR DIGITALカスタムブック」の世界観を、E-P2/E-P1に凝縮したような内容です。

自分で企画しておいて愚痴るのもナンですが、これがエラく大変なんですよ。オールドレンズパラダイス的な内容なら、レンズとマウントアダプターを解説して作例を掲載すればOK。でも今回は、そのレンズをつけた状態でドレスアップしないといけない。ワンスタイルでは寂しいのでバリエーションも載せよう、なんて欲張ったものだから、さらに作業が増大してエラいことに……。なんでこんなにつらい書籍を作っているのか、自分でもよくわからんです。

まあ著者がつらい分、読者には楽しんでもらえるものと信じております。詳細内容や目次などは、オープンにできるタイミングで追々ご紹介します。ぜひご期待ください。

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November 03, 2009

BLACK MORNING 個展を開催します!

少々先の話ではありますが、12月初っぱな、写真展を開きます。昨年はカメラマンの和田高広氏のご厚意で合同展を開きましたが、今回は個展。しかもフォトギャラリーの企画展。いろいろとプレッシャーを感じつつ、目下仕上げの真っ最中です。

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●澤村徹写真展 BLACK MORNING
LEICA M8で撮影したデジタル赤外線写真を展示します。

●日程
2009年12月1日~11日(7日月曜は休廊)
※初日17:30よりオープニングパーティー

●場所
ギャラリー・フォトス
最寄り駅:東京メトロ銀座線 外苑前駅
〒107-0061 東京都港区北青山2-12-27 パル青山2階
TEL:03-3404-9543 FAX:03-3402-7118

コンセプト等はおいおいご紹介しますが、昨年と打って変わり、今回はダークな写真でまとめる予定です。metalmickey's montageの雰囲気を、そのままデジタル赤外に落とし込んだような感じでしょうか。赤外写真であることにとらわれず、自分らしい風合いに仕上げました。ぜひたくさんの方にご覧いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

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