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May 2009

May 31, 2009

Kern Switar 25mm F1.4 は高画質トイカメラみたいだ

DMC-GH1が出て、オリンパスのマイクロフォーサーズ機の足音が聞こえ、いろいろと気もそぞろな今日この頃、以前から気になっていたシネレンズを手に入れた。ケルン社のSwitar 25mm F1.4。16mmフィルムムービーカメラBOLEXの標準レンズだ。スウィターといえば、ALPA用のMacro Switar 50mm F1.9が有名。ただ、元を正せばシネレンズが元祖で、それを35mmフィルムカメラ向けにリファインしたとか。さてこのレンズ、どんな描写を見せてくれるだろう。

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【こんなに小さくても憧れスウィター】
Switar 25mm F1.4はeBayで200ドル程度。シネレンズが全般に高騰気味とはいえ、手頃な価格で遊べるレンズだ。BOLEXの標準レンズだったため玉数が多く、事実、BOLEXボディにこのレンズが付いて300~400ドル前後で買える。コストパフォーマンスを考えると、ボディごと買った方がお得かも。10万円オーバーのMacro Switar 26mm F1.1と異なり、値段も見た目もかわいらしい。ただし、日本国内では流通量が少なく、やはりeBayでの購入がメインルートになりそう。この点、ちとハードルが高いレンズだ。

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このレンズはとにかく小さい。G1に付けた状態だとピンとこないかもしれないが、比較のためMC FLEKTOGON 35mm F2.4と並べてみた。楽勝でお猪口より小さい。そのくせ、前後レンズキャップはメタル製で、ビンテージガジェットの匂いがプンプンだ。G1使用で難点を挙げると、レンズ指標が下を向いてしまう。これは組み合わせているマウントアダプタにもよるが、スクリュー式マウントなのでやむなしか。

【さながらリッチなトイレンズ!?】
さて、肝心の描写傾向を見ていこう。アルパのマクロスウィターは、ボケ味が美しいと評判のレンズだった。Switar 25mm F1.4は「Macro」の文字こそ付かないが、れっきとしたKern社の標準レンズ。自ずと期待が高まる。最短撮影距離は1フィート強で、近接時のボケ味も楽しめそうだ。ボディはLUMIX DMC-G1を使用。RAW撮影してLightroomでストレート現像している。例によってFlickrにオリジナルサイズをアップしたので、ディティールチェックしたい方はそちらをどうぞ。

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完全にふいを突かれた……。スイス製美ボケレンズの源流? いやいや、G1との組み合わせだと凄まじくアグレッシブだ。周縁は流れ、周辺光量がスコンと落ち、そのくせ中央部はしっとりと繊細。G1はRAWでも発色がやや持ち上がるため、オールドレンズといえどもほどよい鮮やかさだ。正直、ケラレはある。だいたいF5.6を超えたあたりから顕著になり、F8まで絞るとレンズの外枠が見えてくる。そうした部分もコミコミで、高性能レンズベビーデジタルHOLGA !? とにかくエラく楽しい画作りだ。

以前、シネ用アンジェニューの記事で触れたように、16mmフィルムはG1のイメージセンサーよりも小さい。つまりこの画像は、本来BOLEXでの撮影なら写らないエリアまで写っている。要は周縁部の描写はオマケだ。厳密には、外周部をトリミングした画像がスウィター本来の写りになる。ただこのレンズに関しては、周縁込みで楽しんだ方が幸せになれそうな気がする。ローファイとハイファイの同居を、かなり高次元で楽しめるからだ。反面気になったのは、DMC-G1の画質。よいレンズを使うと、ダイナミックレンジの狭さが目立つ。特にハイライトはもう少し粘りがほしい。オリンパスのマイクロフォーサーズ機、画質はどうでしょうね。気になります。

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May 29, 2009

GR DIGITAL II フルカバード 白カメバージョン

どうも今年は白がキテるらしい。ペンタックスのK-m whiteといい、ライカのM8ホワイトといい、限定モデルは白カメが目白押し。そういえば、コンデジ用のボディケースもたいてい白がラインナップされている。もうすぐ夏だし、やってみますかGRD夏仕様、今回は白カメカスタムです。

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とはいえ、白のボディケースを付けてハイ終わり、ではあまりに芸がない。実のところ白カメカスタムの発端は、ボディケースではなく、LC-1用のパネルキットだ。mixiのコミュニティ「GRD Customize!!」でレーザー加工の職人さんと知り合い、オリジナルデザインのアクリル板パネルキットを作ってもらった。こいつを主軸にアレこれドレスアップしてみた結果、白カメカスタムに落ち着いたというわけだ。

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このパネルキットは、B.PHANTOMさんに依頼して製作してもらったもの。オリジナルデザインで作ってくれるのがポイントだ。オリジナルデザインといっても難しい話ではなくて、手書きでざっくり「こ~んな感じ」というラフを送信。すると先方さんがカチッとデザイン化してくれる。パネルキットは分割済みの状態で届き、裏面には粘着シートが貼ってある。LC-1にペタリと貼り付けるだけで完成だ。

アクリル板はレザーを当てたところが凹んで黒くなる。シルバーとブラックのツートーンだ。画像データを用いれば、グラデも描けるという。今回のデザインのポイントは、右肩上がりの帯。以前の記事で紹介したとおり、GR DIGITALにLC-1を付けると、ちょびっとだけ向かって右側に傾いてしまう。この傾きが気になっていたので、デザイン自体を斜めにして目立たないように配慮してみた。まあ、ヒジョーに些末な世界ですが、カスタム魂は細部に宿りますから(笑)。

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ボディケースはAki-Asahi.comのものをチョイス。ストラップはMINUITの一点吊りだ。最近、白のストラップやケースは種類が増えているので、好みのものを選べばよいだろう。この組み合わせも、とりあえず手持ちのものを合わせてみただけ。厳密にいうと、白のテイストがちがうのでちょっと不満だったり。ボディケースは純白、ストラップはオフホワイト。やっぱ微妙だ……。黒も千差万別だけど、白も奥深いですね。

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May 28, 2009

DP2カスタマイズ をムックに掲載しました!

いまカメラファン大注目のカメラといえば、やはりSIGMA DP2だと思います。ボケ味が楽しめる大口径41mm相当のレンズはもちろん、発売当初から価格がこなれている点も魅力といえるでしょう。そんなDP2のムックをちょっくらお手伝いしました。

●日本カメラ社 シグマ DP2 & DP1 マニュアル
発売日:2009年5月30日
価格:2000円+税

今回の担当ページはズバリ、DP2&DP1カスタマイズです。「澤村さん、DP2をカスタマイズしてください!」というストレートなオファー。原稿ではなく、カスタム……。長らくライター業をやってきましたが、ついにカスタムを受注してしまいました。もちろん原稿もちゃんと書いてますが(笑)。

DP2とDP1、それぞれ2パターンのカスタムをこしらえました。各カスタムの派生スタイルも紹介しているので、けっこう見応えのある内容だと思います。Leitz 12501を用いたカスタムを紹介しており、今回はスペースを確保して装着手順を詳しく解説しています。D-LUX 4やGR DIGITALにも応用できる装着方法ですから、ご興味ある方はぜひご覧ください。よろしくお願いいたします。

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May 22, 2009

Leica M8 侮れないナイロンストラップ

そろそろ汗ばむ季節、みなさんカメラのストラップ、どうしてます? 以前肩パット付きのレザーストラップを使っていたら、白いTシャツの肩がムラサキに……。汗で染料がしみ出して、エライことになった。そんなわけで、ウチのカメラは夏になると一斉に衣替え。汗もへっちゃらナイロンストラップの出番だ。

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これまでM8付属のナイロンストラップを使っていたのだが、ハーフケース付きのM8だとどうもバランスがわるい。着脱しやすいものの、ボディに対してやや細身。そこで古いライカのナイロンストラップを付けてみた。それが上の写真。幅広で編み目がざっくりとして、どことなくミルスペック風の外観がおもしろい。実はこのストラップを前々から狙って いたのだが、それなりに人気があるようでヤフオクだとすぐに値が釣り上がってしまう。運良くeBayで安いBuy It Nowを発見。送料込みで40ドルだから、まあ順当な買い物か。

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心惹かれるのは取り付け具のギミック。2枚の金属プレートを互い違いに引っかけ、ストラップを通して吊り下げる。取り付け部分は一見リアルレザーのようだが、入手したものは樹脂製だった。以前ヤフオクで見かけたのはリアルレザーだった記憶が……。いくつか世代があるのだろうか。書籍やネットで調べてみたのだが、どうもこのストラップの年代がよくわからない。そもそもどこにも「Leica」「Leitz」のロゴがないし、こいつパチモンか!? まあ、 40ドルで目くじらたてるのもナンですかね。

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ふと思うに、ゴツめのナイロンストラップって、案外レザーケースと相性がよいかも。ナンテいうか、ミリタリー風!? いや、レザーとナイロンの組み合わせがミリタリーってわけがない。正確には、ミリタリールックに似合いそうなスタイル、ってことか。なんだかこの方向性、コンデジカスタマイズにも使えそうな気がしてきた。今度試してみます。

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May 15, 2009

GR DIGITAL カスタムブック を出版します!

思えば「GR DIGITAL カスタマイズ」という記事をアップしたのがキッカケでした。あれから2年半にわたり、GR DIGITAL、DP1、D-LUX 4など、さまざまなコンパクトデジタルカメラのドレスアップに没頭……。皆さんからたくさんのアクセス、励ましのコメントをいただき、今日に至ります。最近は雑誌やウェブ媒体でカスタマイズ記事を掲載する機会も増え、ようやくホビーとして認知されてきた感触があります。これからです! が、本ブログをご覧のみなさんには、あえて「お待たせしました」というべきでしょう。ついに、丸ごと一冊GRDカスタマイズな本が出ます!

Coverfixs 「GR DIGITAL カスタムブック」
クラシックカメラへと続くドレスアップの誘い

●翔泳社の紹介ページです
●metalmickey's webの紹介ページです

著者:澤村 徹
監修:和田高広
発行:翔泳社

予価:1980円+税
発売予定:2009年6月8日

これまでブログ、雑誌、ウェブ媒体で紹介したカスタムから、特にお薦めできるスタイルを厳選。さらに新作カスタムを多数収録した一冊です。GR DIGITALを軸に、DP1、D-LUX 4、デジタル一眼レフのドレスアップも取り上げました。カスタム向けのフードやファインダーは流用できるものが多いので、GRDユーザー以外の方々にも楽しんでもらえる内容だと自負しています。

本書で取り上げるカスタムスタイルは、使用したパーツ名、取り付け方法、そしてスタイル作りのコンセプトをていねいに解説しています。はじめてコンデジドレスアップに挑戦する人はもちろん、すでにカスタムを楽しんでいるベテラン層の方々も、オリジナルスタイル作りの参考にしていただける内容を目指しました。また、操作系チューニングや写真加工のポイントにも触れ、外と内の両面からGR DIGITALを徹底カスタマイズしています。ぜひ、お手にとってご覧いただけると幸いです。

●追記
監修の和田高広氏が、ブログにてCOOLPIX P6000のカスタムを紹介しています。こちらも併せてご覧ください。

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May 14, 2009

マイコミジャーナルで「SIGMA DP2 レビュー」を執筆しました

毎日コミュニケーションズの総合ポータル「マイコミジャーナル」にて、SIGMA DP2のレビューを執筆しました。思えば、標準域の単焦点コンデジってDP2が初モノですね。ボケ味が大きく、撮影中の気分は文字通りデジイチ感覚でした。

●マイコミジャーナル
シグマ DP2 実写インプレッション

個人的に便利だなあと思ったのはMFダイヤル。DP1も搭載してますが、やはりピント合わせがシビアなDP2でこそ、MFダイヤルは威力を発揮しますね。おわりの方でちょこっとだけ、カスタムネタも盛り込んであります。なお、カスタムに関しては、6月8日に「GR DIGITAL カスタムブック」を出版します。こちらもぜひご覧ください。

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May 01, 2009

IT PLUS 「G1で甦るオールドレンズ」公開

マイクロフォーサーズが登場して、にわかにオールドレンズとマウントアダプタ界隈が賑わっています。特にLUMIX DMC-G1はレンズキットで5万円程度。G1でオールドレンズデビューを目論んでいる人も少なくないでしょう。そこで日経ネット IT+PLUSにて、オールドレンズとマウントアダプタの短期集中連載を公開しました。

●日経ネット IT+PLUS G1で甦るオールドレンズ
第1回 マウントアダプタ概論編
第2回 キヤノンFDマウント編
第3回 ライカL/Mマウント編

初回はマウントアダプタの基本を解説しながら、マイクロフォーサーズがなぜオールドレンズ遊びに適しているのかをていねいに紹介しました。第2回以降では、マイクロフォーサーズならではオールドレンズ遊び、キヤノンFDマウントとライカL/Mマウントを取り上げる予定です。第2回以降は作例もたくさん用意しました。ぜひお楽しみください。

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