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January 2009

January 19, 2009

Poladroid で手軽にアナログ写真

ポラロイド、トイカメラ、針穴写真にクロスプロセス。相変わらずこの手のアナログ写真は人気がある。ぼくもひと頃、SX-70やホルガをよく持ち出していたが、いかんせん、最近はめっきり出番が少なくなった。なにしろSX-70は代替フィルムの600 filmすら生産中止。中判フィルムは現像に時間がかかるし、ついデジタルカメラの利便性に身をゆだねてしまう。でもアナログ写真の味わいは捨てがたいし……という優柔不断なぼくにウッテツケのソフトがあった。ポラ風写真をドラッグ&ドロップで作ってくれるPoladroidというソフトだ。

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【ドラッグ&ドロップでポラ風写真】
Poladroidは「http://www.poladroid.net/」からダウンロードできるドネーションウェア(いわゆるカンパウェア)だ。そもそもはFlickr Groupに端を発するようだが、単独のソフトウェアとして利用できる。画像をポラロイドのアイコンにドラッグ&ドロップするだけという簡単操作。解説はさておき、まずは作例からどうぞ。

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どうでしょう。いい味出てると思いませんか。ぼくはオリジナルのSX-70 filmは使ったことがないのだけれど、もしエイジングフォトというカテゴリがあるとするならば、十分合格点の仕上がりではないか、と。なにしろドラッグ&ドロップするだけでこの風合いですから、俄然お得な気分です。

【ツッコミどころ満載のディティール】
さてこのソフト、シンプルな操作方法に反して、ディティールにえらくこだわっている。その不毛ともいえるこだわりぶりをいくつか紹介しょう。まずは画像変換処理からだ。

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画像をポラロイドのアイコンにドラッグ&ドロップすると、「ガシャコーッ」という音とともにポラが排出される。排出直後のポラは茶色。ジワジワと画像が浮かび上がり、紙の部分にチェックマークが付くと現像完了だ。変換後の写真は、事前に指定したフォルダへ自動保存される。オフィシャルサイトには「待って待って、さらに待って、写真を振ると画像が見えてくるよ」と書いてあるが、まあ写真をシェイクする必要はない。待っていれば自ずと浮き上がる。この間、3分半程度。デジタルなんだから、そこまで待たすことないだろ! というのが第1のツッコミどころだ。念のため、現像中にマウスハンドしてシェイクしてみたのだが、やはり現像時間に変化はなかった。って何をマジモードで検証してんだか(汗)。

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ちなみに、現像中のサムネイルをダブルクリックすると、「現像中の状態でファイル保存する?」とたずねてくる。「Save」ボタンをクリックすればサムネイルの表示状態で画像保存が可能。これは何度でも途中保存でき、もちろん現像完了後の状態も別画像として自動保存される。つまり、1枚の写真から複数の版が作成できるのだ。恐るべしポラドロイド!

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11枚目の画像をドラッグ&ドロップすると、こんなメッセージがあらわれる。「フィルムカートリッジが空になったから、ソフトを再起動してチョーダイ」と。そりゃたしかに600 filmは1カートリッジ10枚だけど、ソフトなんだからカンケーねえだろ!? というのが第2のツッコミどころ。そしてさらに、第3のツッコミどころまである。

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写真に指紋やホコリが付着しているのがおわかりだろうか。これがまた、「アァ、指紋ついちゃったよお」と残念な気持ちになるくらいにリアル。ポラ撮影経験者ならことのほか感慨深いのでは!? ちなみに、この指紋やホコリはStripesという機能で再現できる。使い方は以下の通り。

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ポラロイドアイコンの青いマークをクリック。プルダウンメニューがあらわれるので、「Settings」をクリックしよう。

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「Post-Processing」タブを開き、「stripes」のチェックボックスをオンにする。「Photo」にチェックすれば写真面に、「paper」にチェックすれば外周の紙の部分に指紋やホコリが付く。ちなみに、その下の「Vignetting」とは周辺光量落ちのこと。初期設定でMax設定の「strong」になっている。これはこのまま使った方が「らしく」仕上がる。

Poladroidは簡単にポラ風エフェクトが楽しめるわけだが、どんな写真でも……というわけではない。ドラッグ&ドロップしたものの、フツーな写りで肩すかしを食らうことも。以下はそんなショットを並べてみた。

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元画像の絵柄や色彩、トーンによっては、いわゆるポラ風にならないこともある。色調調整機能は搭載していないので、ある種の出たとこ勝負だ。そもそもSX-70の仕上がりも画が出てくるまで運任せだし、あまりシビアにならず、いろいろな写真で偶然を楽しむのがPoladroid流か。昨今、この手の味だし写真加工ソフトが増えているが、Poladroidはアナログ写真のスローテイストまで上手に再現している。だからといって「オリジナルの再現性」なんて無粋なことは言わず、雰囲気重視で楽しみたい。

●追記
ちと気になったので、色調をテストしてみました。同じ画像をポラドロイドに20回ほどドラッグ&ドロップ。案の定、現像のたびにちがうトーンで出力されました。ただ、色調はプリセット化されているようで、ざっくり7パターンほど確認できました。

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この写真に関しては、紫、黄、緑の3色相、そしてコントラストの強弱を組み合わせている印象。元画像によって見え方は変わってくると思いますが、このソフト、シンプルなわりに奥深いです。プリセットの割り当てはランダム? それとも画像解析を行っているのか……。いずれにせよ、思ったような効果が得られなくても、トライ&エラーで好結果が得られる可能性大です。

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January 17, 2009

Echo of Light 展示作品をアップしました

久々にmetalmickey's webを更新しました。今回の更新はギャラリーページ。以前、写真展で展示したLeica M8の赤外線写真をアップしました。

●Digital Infrared - Echo of Light

展示作品に加え、展示候補として用意した作品も合わせて公開しています。既出の写真もいくつかありますが、仕上げのちがいを見比べながらお楽しみください。

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January 11, 2009

SIGMA DP1 LENSMATEのレンズアダプタを試す

前々から気になっていたアイテム、LENSMATEのレンズアダプタを手に入れた。そもそもはコンバージョンレンズ向けのアイテムだが、もちろんぼくが目論んでいるのはDP1カスタマイズ。さて、どんなドレスアップが楽しめるだろう。

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【樹脂製アダプタの哀愁】
SIGMA純正のアダプタ「HA-11」は46mm径。それに対し、LENMATEのアダプタは52mm径だ。オフィシャルサイトによれば、ワイコンやフィッシュアイコンバーターがダイレクトに装着できるとのこと。でもぼくが気になっているのは、より大口径なレンズフードがダイレクトに装着できるという点だ。まずは両アダプタを比べてみよう。

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左がLENSMATEのアダプタで、口径は52mm。右は46mm径のシグマ純正「HA-11」だ。口径は異なるものの、高さ(長さ)はいっしょ。デザインも似通っている。ただ、LENSMATEのアダプタは悲しいほどチープだ。ともに樹脂製なのだが、純正品はボディと同テイストの光沢感がある。それに対し、LENSMATEは灰色がかったマットな雰囲気。見るからに「樹脂製でござい!」という外観だ。購入したオリエンタルホビーの商品解説ページによると、米国デュポン社アセタール樹脂、デルリンという素材を使っているそうだが、カスタムアイテムとしては見た目が冴えない。また、ルミックスDMC-LX3のアルミ製レンズアダプタが2000円で買えることを思うと、6000円弱という価格はつい尻込みしてしまう。

【アダプタ直付けがアドバンテージ】
とまあ、思うところはいろいろありますが、早速カスタム例を。一発目はPETRIの54mm径カブセ式フードを付けてみた。

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アダプタに52mm径保護フィルターを付け、その上からかぶせている。ジャストフィットで装着はスムーズ。ケラレもない。ちなみに、シグマ純正アダプタに46-52mmステップアップリングと52mm径フィルターを付け、その上からこのフードを装着すると、筒が長くなるため若干ケラレてしまう。保護フィルターとこのフードを組み合わせるには、LENSMATEのアダプタが欠かせない。

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二例目は三穴スリットフードを付けてみた。このフードはコシナのNOKTON 35mmF1.2 Asphericalのオプション品。型番は「LH-3」で現行製品だ。52mm保護フィルターの上からかぶせている。取り付けはやや甘いが、気になる場合はフィルターの外周にパーセルテープを1~2周巻くとよいだろう。このスタイルもケラレなしで撮影可能。DP1はコンデジとしては大柄なので、こうした押し出しの強いフードがよく似合う。

樹脂っぽさ全開が気になるものの、ボディをハーフケースで覆ってしまえば「これはコレでアリか」なんて気がしてきた。でも、「6000円弱もかけるなら、46-52mmステップアップリングで十分」という覚めた自分もいたりして(笑)。ちょっと微妙なアイテムです。

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January 01, 2009

Leica D-LUX 4 カスタマイズ

Lumix DMC-LX3とLeica D-LUX4、この選択肢は悩ましい。実用本位ならLX3、デザイン重視ならD-LUX4。カスタムを前提とするなら、やはりD-LUX4だ。そうとわかっていても、あの値段はひるむ。デザインだけにLX3の倍の金を払えるか!? 払えるかもしれません。払ってしまいました……(汗)。そんなわけで、D-LUX4 カスタマイズですよぉ。

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上のカスタムは、デジタルカメラマガジン2008年12月号で紹介したスタイル。ライカM型用のレンズフード「12501」をキーアイテムにしたカスタムだ。「ライカにはライカ」というわけだが、このフード、並品クラスで2万、リプロダクト品でもやはり2万弱とエラくお高い。個人的にはイチ押しなのだが、誰にでも勧められるスタイルではない。

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D-LUX4のサイズ感はGR DIGITAL IIに近い。というわけで、GR DIGITALカスタマイズで使ったパーツを流用してみた。コシナ丸型28mmファインダーと、MSオプティカルのM46システムスリットフードの組み合わせだ。わるくはないが、フードが華奢に見える。D-LUX4はグリップレスのボディなので、このスタイルだとややパンチ不足か!?

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そんなわけでフードを変更。M-HEXANON 28mmF2.8用の三穴スリットフードだ。46mm口径なのでパナソニック製レンズアダプタに直接ねじ込み装着できる。フードが肉厚になり、だいぶバランスがとれてきた。

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D-LUX4はズーム機だ。ということは、画角にとらわれないカスタムもアリか!? コシナの50mm View FinderとM-HEXANON 35mmF2用の三穴スリットフードを組み合わせてみた。フードがますます肉厚になり、だいぶ押し出しが強くなった。ただ、画角を無視すると、タガが外れたみたいでどうにもツメが甘い。カスタムするとき、ナンでもアリは案外つまらないものだ。何らかの縛りのなかで工夫する方が、カスタムを深く楽しめそう。

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なんてことを考えていたら、待望のオプションパーツ、純正ハンドグリップが届いた。この三穴フードとハンドグリップの組み合わせ、実はそれとなくモチーフがある。Noctilux 50mmF1を付けたLeica M8。あのインパクトには遠くおよばないが、ミニチュアとしてはいい線いっているのでは!? GR DIGITALやDP1は単純にスタイル重視でカスタムしてきたけど、こんな元ネタありきのカスタムもおもしろい。そういえば、ヤマハSR400のカスタムも、ノートンマンクス、トライアンフ、BSAゴールドスターを模したスタイルが流行ってたっけ。

コンデジドレスアップ、まだまだアプローチがたくさんありそうだ。

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