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December 2008

December 27, 2008

オールドレンズパラダイス講演会 ご参加ありがとうございました

本日は「オールドレンズパラダイス」の講演会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。こちらが想定したよりもベテランの方が多く、物足りない内容ではなかったか……と少々反省気味ではありますが、みなさんお楽しみいただけたでしょうか。ぼくの本業は書き仕事。人前で話すのは不慣れな上に、今日は田中長徳先生にまでご参加いただき、アタマ真っ白けの一時間でした(笑)。

とはいえ、書籍という形では伝えづらい本音の部分を、多少なりともお届けできたのはよかったなあ、と感じております。もし次回があれば、ああしよう、こうしよう、と色々なプランがアタマを飛び交っています。来年はトークに磨きをかけます! ってどこに向かってるんだぼくは!?

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December 25, 2008

Ai Nikkor 50mm F1.4S は開放寄りが楽しい

ニコン系シャープさ、この言葉を聞いたのは10年ほど前のことだ。クールピクス950をテストしたとき、そのシャープさに驚いた。ニッコールってすごいレンズなんだな、と。いっしょにテストしていたカメラマンが「キリッとシャープだけど、やわらかさがある。こういうのをニコン系シャープさって言うんだ」と教えてくれた。そのニコン系シャープさをキヤノンで試してみた。

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手に入れたのはAi Nikkor 50mm F1.4S。無骨な面構えなのでオールドレンズだと思っていたが、何のことはない、こいつAi-sの現行レンズなんですね(笑)。最少絞り(このレンズの場合はF16の刻印)がオレンジ色の場合、Ai-sに分類されるらしい。ニコンFマウントは昔から互換性が保たれているものの、世代によって細かい仕様のちがいがあるそうだ。このあたり、一度しっかり勉強しなくては。

現行レンズとはいえ、そのルックスはオールドテイスト満点。カニ爪の迫力も相まって、ニコンF用のレンズフードがサマになる。EOS 20Dとのバランスもわるくないだろう。まあ、キヤノンでニコンというアイロニックな点が何ですが……。ちなみにキヤノンとニコンは、ピントリング、絞りリング、レンズキャップの着脱に至るまで、すべての回転が逆になる。いろいろな意味で両社はライバルだ。

早速、画質を見ていこう。今回はEOS-1D Mark IIIでRAW撮影し、Lightroomに読み込んでそのまま現像している。ほとんど無補正なので、JPEG撮って出しよりはおだやかに仕上がっているはずだ。

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EOS-1D Mark III + Ai Nikkor 50mm F1.4S

このレンズ、かすかにクセ玉の匂いがする。おもしろいのは開放F1.4~F2.8のあたり。開放ではほどよく滲み、そのわりに合焦部はキリッと引き締まる。ややハイキーで撮ると、ボケ味が階調たっぷりでとても立体的だ。ただし、同じ開放撮りでもアンダーではつまらない表情に……。ボケ味がベッタリとして平坦に見えてしまうのだ。やや大袈裟な言い回しになるが、初期玉Summilux-M 35mmF1.4のにじみと、Planarのハイライトの粘り、これを掛け合わせたような妙味がある。なお、開放撮りではほどよく周辺光量が落ちる。現行レンズなのにオールドっぽくて個人的には好みだ。

一方、F5.6あたりまで絞るとフツーによく写る。開放寄りの表情が独特なだけに、絞り込むとつまらなく思えてしまう。よく写るのにつまらない……。贅沢な話だ。今回購入した個体は1万円ジャスト。コストパフォーマンスはわるくない。

写りはとても気に入ったのだが、ひとつ問題が発生。EOS 20Dにマウントアダプタ経由で装着すると、開放F1.4~F2.8あたりで絞りリングが引っかかって動かない。力を入れて回せば動くのだが、あきらかに内部で干渉している様子。EOS-1D Mark IIIではちゃんと動くが、それでもかすかに動きが重く感じられる。ウェブ検索してみると、50mm F1.4で干渉するという情報はなく、これはレンズの個体差なのか? それともノンブランドの安いアダプタを使った報いか……。誰かニコンに詳しいヒト、教えてください。

●追記
これまでノンブランド品を使っていたのですが、RayqualのNF-EOSマウントアダプタに交換。絞りリングの引っかかりはウソのように消えました。改めてアダプタの品質が大切だと痛感しきりです。

●追々記
Mattさんから情報をいただき、ノンブランド品の引っかかりの原因がわかりました。言葉で説明すると少々わかりづらいのですが、ボディ側のレンズロックの突起が、アダプタの可動金具をごくわずかに押し上げ、そこに絞りリングが干渉していました。要はマウント内部の干渉ではなく、外部。ノンマークの部位だけに、思わずうなりを上げました(笑)。マウントアダプタ、奥深い世界です。

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December 21, 2008

オールドレンズパラダイス講演会 詳細決定

先般ご報告したオールドレンズパラダイスの講演会、詳細が決定しました。

日時:12月27日(土) 午後1時から
場所:アローカメラ前集合(会場へご案内します)
講演者:和田高広(写真家) 澤村徹(ライター)
参加:申し込み制(入場無料)

なお、参加人数に応じて会場を確保するため、以下のアローカメラさんのブログからメールにてお申し込みください。よろしくお願いいたします。

●アローカメラ 講演告知

講演内容は、著書「オールドレンズパラダイス」にからめ、マウントアダプタの使い方、オールドレンズの醍醐味を解説する予定です。具体的には、まずぼくがマウントアダプタを中心としたハード面の説明を行います。M42マウントレンズを例に、マウントアダプタの着脱や撮影方法を実演。その後、和田高広氏がオールドレンズならではの味わい、現行レンズとの相違点などを解説します。

講演といっても形式ばったものではなく、カメラ談義の延長で和気藹々と楽しめるようなイベントを想定しています。ぜひ気軽にお越しください。よろしくお願いいたします。

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December 19, 2008

日本カメラに書評が載りました

本日発売の日本カメラ2009年1月号に、「オールドレンズパラダイス」の書評が掲載されました。マウントアダプタ遊びの楽しさと緊張感を、上野修さんが洒脱な文章で表現されています。

●日本カメラ2009年1月号

実は関係者一同この事実を知らず、アローカメラさんから電話で教えていただき、小躍りするやら腰抜かすやらエライことになってます(笑)。長らく文章で食ってきましたが、書評を書いていただいたのはこれがはじめて。とても感激しております。

オールドレンズの世界につい気後れしてしまう方も、上野修さんの文章を読むと試してみたくなるのでは!? ぜひご覧ください。

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December 17, 2008

Magiclee シルバーラグを使ってみた

せっかくColorMunkiを買ったので、ド本命のインクジェット紙、Magiclee シルバーラグを試してみた。Magicleeについては銀一のホームページに詳細が載っているが、肉厚、半光沢で、階調性にすぐれる超高級インクジェット紙だ。どのくらい高級かというと、実売価格でクリスピアの3倍、ピクトラン局紙の1.5倍。さて、どんなプリントが楽しめるだろうか。

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今回の試用環境は、プリンタがエプソンPX-5600、アプリケーションはLightroom。ColorMunkiでプリンタキャリブレーションして、カラー、モノクロ、撮って出し、加工モノなどなど、いろいろな写真をプリントしてみた。

【正統派だが、パンチに欠ける!?】
第一印象は正統派プリントという感触。紙色に片寄りがなく、写真の色合いがストレートに出る。階調も豊かで申し分ない。半光沢だから展示中のライティングによるテカリも最小限に抑えられそう。肉厚用紙で存在感があり、売り物としてのプリントに適している。どこに出しても恥ずかしくないプリント、という印象だ。

こうした点を踏まえた上でも、もう少し細部を見ていこう。まず階調から。シャドウが引き締まり、しかも粘りがある。クリスピアはシャドウのちょい上あたり(中間調の下側)が妙に浮き上がるが、Magicleeは気持ちよく沈んでいく。一方、ハイライトは粘りと伸びが足りない。画像をやや明るめに補正して、中間調にデータを集め、白から黒までしっかり見せる。そんなデータ作りが必要かもしれない。

解像感はやや甘い印象を受けた。ただ、今回A4サイズしか試していないので、これはA3ノビで改めてトライしてみたい。色合いはあくまでもニュートラル。紙色に合わせて色温度を補正する必要はなかった。カラー、モノクロ、どちらもていねいにプリントしてくれるが、どちらかといえばモノクロ向けか。色合いがストレートに出力されるため、カラーだとインパクトに欠ける。キレイだけど、キレイなだけで終わってしまう。。

【Megicleeはごまかしが効かない】
ピクトラン局紙との対比で考察してみると、ピクトランは独特のテクスチャがラメ入り印刷みたいでおもしろい。また、カラー印刷持は絵画風の濃厚な仕上がりになり、一見したときのインパクトは強烈だ。これはデジタルならではの表現として貴重だろう。ただし、見方を変えると、子供っぽい表現ともいえる。音楽に例えるとパンクロックだろうか。片やMagicleeはジャズ、もしくはクラシックだ。写真の実力がそのままプリントされる。良いところも悪いところもそのままあらわれる。場合によっては、Magiclee向けにデータを作り込む必要もある。

ピクトランは紙が助けてくれる。Magicleeは実力が試される。
ピクトランは第一印象が強烈。Magicleeは飽きがこない。
ピクトランはパンクロック。Magicleeはジャズ。

さて、どちらの紙が好みですか?

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December 15, 2008

アローカメラで講演会!

エライことになりました。今月の第4土曜日、四谷三丁目のアローカメラにて講演会を行います。著書「オールドレンズパラダイス」をベースに、マウントアダプタの使い方、オールドレンズの醍醐味などを解説する予定です。

日時:12月27日(土) 午後イチくらい
場所:アローカメラ
関連リンク:アローカメラの告知記事

アローカメラでは毎月第4土曜日、ガラクタ市を開催しています。そのプチイベントとして「オールドレンズパラダイス」の講演を行うことになりました。規模や内容はこれから詰めていくところですが、個人的には講演会というよりも、カメラ・写真好きが集まってワイワイとカメラ談義をするような、サークルのりの楽しいイベントにしたいと考えています。お時間のある方、ぜひ遊びに来てください。

詳細が決まったら追って告知します。

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December 01, 2008

OLDLENS PARADiSE 作例ギャラリー更新

著書「オールドレンズ パラダイス」が発売になって早一ヶ月、おかげさまで好調な滑り出しと担当編集者より連絡がありました。ご購入いただいたみなさま、本当にありがとうございます。また、ブログやホームページでご紹介いただいた方にも御礼申し上げます。

写真展が終わり、溜まっていた原稿をやっとこさ書き上げ、ようやく時間がとれるようになりました。第1弾からだいぶ日がたってしまいましたが、オールドレンズ作例ギャラリーを更新しました。

●OLDLENS PARADiSE 作例ギャラリー

今回追加した作例は、エキザクタマウント、ペンタコンシックスマウント、そしてライカMマウントです。ライカMマウントはLeica M8での撮影になりますが、なんていうか、オールドレンズつながりということで……。

そういえば、マイクロフォーサーズの一号機「LUMIX DMC-G1」が出ましたね。しかもレイクォールがLeica MマウントとFDマウントのアダプタを発売予定だとか。ってことは、これまで使えなかったレンズで撮れるようになる、と。来年以降、オールドレンズ遊びがますます加速しそうです。

●追記
作例ギャラリーの一部にリンク切れがありました。申し訳ございません。現在は修正し、すべてのページがご覧いただけます。

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