オールドレンズ パラダイス 発売日決定
最近はあちこちのブログでオールドレンズの作例を見かけます。そして当ブログでも、各種オールドレンズやマウントアダプタを取り上げてきました。デジタル一眼レフの普及にともない、こうした遊び方もずいぶんと手軽になったものです。しかし、初心者にとってまだまだ敷居が高いのも事実。そこで誰もが気軽にこうした世界で遊べるように、マウントアダプタの入門書を執筆しました。
●「オールドレンズ パラダイス」翔泳社 (11月4日発売)
監修:和田高広 執筆:澤村 徹
メーカーの異なるレンズとボディで撮る。これを実現するマウントアダプタは、長らくベテランカメラユーザーの閉ざされた世界でした。なにしろメーカー保証外の行為ですし、撮影もMFになってしまいます。初心者にはハードルの高い世界にちがいありません。しかしデジタル一眼レフなら、フィルム代がかからないから何度でもシャッターが切れます。ライブビューを活用すればシビアなピント合わせもクリアできるはず。これまで敬遠していた人たちも、気負わずマウントアダプタやオールドレンズの世界に飛び込めるのではないでしょうか。
しかし、ここでひとつ問題があります。そもそもマウントアダプタは中上級者向けの世界ですから、参考書のたぐいがほとんどありません。オールドレンズガイド的なものは時折見かけますが、マウントアダプタの着脱方法、撮影手順、コンディションのよいオールドレンズの選び方など、初心者向けのガイドブックがないのです。ウェブで検索しても、オールドレンズの作例、歴史的背景や描写解説は簡単にヒットします。でも、初歩的な情報は驚くほど少ない……。ぼくがマウントアダプタで遊びはじめた当時、この点にずいぶん手を焼きました。
ないなら自分で書いてみよう。そう思い立ったのが昨年のことです。ぼくはライターという職業柄、カメラマンや写真家の方々からいろいろとアドバイスをもらえる立場にあります。オールドレンズ選びやアダプタの使い方で悩んでも、いつも近くに教えてくれる人がいました。しかし、誰もがこのような恵まれたスタンスにいるわけではありません。教えてくれる人がいない……。ガイドブックも見当たらない……。ウェブ情報さえも上級者向けのものばかり。これでは興味があってもマウントアダプタの世界に飛び込めません。そこで本書「オールドレンズ パラダイス」は、初心者がひとりでマウントアダプタの世界を歩けるように、極力ていねいに解説しています。初心者がつまづきそうなポイントを整理し、監修の和田高広さんからは各レンズの位置づけや描写傾向についてアドバイスをいただき、マウントアダプタとオールドレンズの総合入門書としてまとめました。マウントアダプタの指南書として、またオールドレンズ選びのガイドブックとして、きっと役立てていただけるものと信じています。
●OLDLENS PARADiSE 目次
第1章「合い言葉はM42」
はじめてのオールドレンズといえば、やはりM42マウントが筆頭にあがります。カールツァイスイエナやロシアレンズといった、安くて写りの良いものを中心にピックアップしています。特にマウントアダプタの着脱方法、MFの基本操作はていねいに解説しています。近年増えている電子マウントアダプタにも触れています。
第2章「MFなんて怖くない!」
AF全盛のいま、MF(マニュアルフォーカス)に抵抗を感じる人は少なくありません。そこでMFで撮影するコツをまとめてみました。マグニファイアやフォーカシングスクリーンなど、MFのサポートアイテムも取り上げています。
第3章「憧れのブランドレンズたち」
CONTAXのプラナー、ライカRのズミクロン、そしてエキザクタのアンジェニューなど、銘玉と呼ばれるレンズたちを結集しました。第1章と同様に、マウントアダプタの着脱、銘玉の個性を引き出す撮影方法、フードやフィルターの選び方など、基本をおさえた構成になっています。また、個々の作例は、レンズの特長がよくあらわれているものを中心にセレクトしています。
第4章「マウントアダプタの深淵」
マウントアダプタを使い込むと、いろいろな専門用語に突き当たります。自動絞りと手動絞り、ピン押し、フランジバッグにコーティング。専門用語の意味を知らなくても撮影はできますが、知ることでより自由に撮れるようになります。単なる用語解説ではなく、カメラの歴史を踏まえながら、その意味と機能を解説しました。
第5章「中判レンズをデジタルで」
マウントアダプタ遊びは、なにも35mm判レンズだけではありません。中判カメラのレンズもデジタル一眼レフに付きます。旧東ドイツ製のペンタコンシックス、そしてプロ御用達だったハッセルブラッドを例に、中判レンズでの遊び方を解説しています。
ぼくがまだオールドレンズビギナーだった頃、「こんな入門書がほしい!」と感じていたことを、そのまま一冊にまとめました。本書を片手に、マウントアダプタとオールドレンズの世界を楽しんでいただければ幸いです。
●参照リンク:翔泳社の「オールドレンズ パラダイス」解説ページ
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