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August 05, 2008

Opton Sonnar 50mm/f1.5 はストーンウォッシュデニムみたいだ

以前、距離計連動のライカR-ライカMマウントアダプタで撃沈したが、実はぜんぜん懲りてない。ヤフオクでContax/Nikon S-ライカMマウントアダプタを買ってしまった。M8でオリジナルツァイスレンズを遊ぼうという魂胆だ。が、レンズ最高、アダプタ最低という微妙な結果に……。そんなこんなのM8マウントアダプタ第2弾をお送りしよう。

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【後ピンアダプタに腰砕け】
ここでいうContaxとは、Zeiss Ikonが製造していたレンジファインダーカメラのこと。京セラCONTAXと区別するためか、旧Contaxなどと表記されることもあるようだ。このアダプタのために用意したレンズは、Zeiss-Opton Sonnar 50mm/f1.5だ。第二次世界大戦後、西側ツァイスは一時期Zeiss-Optonを名乗っていた。東側ツァイスと商標問題が決着する間のことだから、1950年代のレンズである。そう、楽勝で半世紀前のレンズというわけだ。当時は現在のようなライセンス生産ではなく、ツァイス自身がレンズを製造していたという。古き良き時代を楽しめそうなレンズだ。

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アダプタは前述の通り、ヤフオクで入手したものだ。おそらくContaxのジャンクボディからマウントを取り出し、底面にライカMマウントを装着したものと思われる。ぶっちゃけ手作り感覚満点のアイテムだ。ヤフオク即決で38000円。これまで購入したアダプタのなかでもっとも高い。ただ、高いだけあって距離計と完全連動してくれるのがメリット。レンズのヘリコイドをまわせば、そのままカメラ側の距離計が動作。ライカレンズと同じ操作フィーリングだ。この点は疑似距離計連動のライカRアダプタと大きく異なる。まあ、4万弱もするのだから当然といえば当然か。ただし、今回Opton Sonnar 50mm/f1.5と組み合わせたところ、明らかな後ピンであることが発覚。ちょびっと後ピンなら微調整で対処できるが、被写界深度目盛の「4」あたりまで前ピンシフトしないとピントが合わない。もしかしたら他のレンズではちゃんとピントが合うのかもしれないが、後ピンが発覚したときは腰砕けだった。後日、別のレンズで追検証してみたいところだ。

【すっきり爽やか描写が真骨頂】
とまあ、アダプタの精度は最悪だが、デジタルで撮影する分には運用でカバーできる範疇。ここはグッとこらえて撮影にいそしむとしよう。以下の作例は、Lightroomで軽く整えて現像したものだ。

Lml1001058 Lml1001013
Lml1001056 L10010192
Leica M8 + Zeiss-Opton Sonnar 50mm/f1.5

下段の2枚は開放撮影だ。アウトフォーカスのにじみと流れが気になるが、ピントの合った部分は思いのほかシャープ。F2まで絞ればより気持ちよいシャープさになる。半世紀前のレンズであることを踏まえると、にじみも含めて開放でオールドレンズらしさを楽しみたいところ。でも、後ピンだから開放撮りは難しいわけで、う~ん、もっと吟味してアダプタを買うべきだった。

Lml1003005 Lml1003054
Lml1003022 Lml1003003
Leica M8 + Zeiss-Opton Sonnar 50mm/f1.5

上の4枚は、猛暑のなか撮ってきたものだ。どうだろう、炎天下の写真だというのに、すっきりと爽やかさな発色。ここにOpton Sonnarの真骨頂がありそうだ。オールドレンズだから淡泊な発色は当然といえば当然のこと。ただ、単に色褪せているのではなく、ストーンウォッシュデニムのような爽やかさがある。一般に発色の淡いオールドレンズは、特定色だけ強く出てぎこちないカラー描写になりがちだ。でもこのレンズは、一定のトーンですっきりと写る。これは得難い描写といえるだろう。ボケ味は自然で背景の様子を感じさせてくれる。ただ、ところどころ階調がべったりして、無理な補正をかけると陰影が破綻しがちだ。データ的には少々デリケートかもしれない。地味さのライカ、派手さのツァイスというけれど、Opton Sonnar 50mm/f1.5はそのどちらとも異なる。実売2万円程度で個性を楽しめるのはお得な気分だ。

Lmimg_0049

レンズの口径は40.5mm。ライカ純正のUV/IRフィルターが見当たらなかったので、Rayqualのものを装着している。フードはYAMAスペシャルパーツのパンチングメタルフードを選んでみた。フードを黒にすると、M8ブラックとシルバーレンズの組み合わせもけっこうサマになる。描写もスタイリングも好みなだけに後ピンが惜しまれます。総計6万近く使って後ピン……。痛い、痛いなぁ。

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