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April 22, 2008

Google Earth 4.3 想像を超えない進化

Google Earthがバージョン4.3になった。インターフェイスの改良、サンライト機能、ストリートビューのサポートなど、かなり力の入った内容だ。でもなぜだろう、あまり熱くなれない。これまでGoogle Earthのバージョンアップは毎回楽しませてもらっていたのに……。新機能を紹介しつつ、熱くなれない理由を探ってみたい。

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【非リアルタイムな日の出日の入り機能】
まずはサンライト機能から。これは地上から見た太陽の動きをシミュレートする機能だ。任意を場所を表示してサンライト機能をオンにすると、日の出から日の入り、そして星空までも再現してくれる。使い方はシンプルで、手軽に遊べる機能だ。

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任意の場所をメイン画面に表示して、ツールボタンの日の出アイコンをクリック。

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タイムスケールの再生ボタンをクリックすると、以下のように太陽の動きがシミュレートされる。

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陽が沈んでいく様子はなかなかリアルで、3D都市やアルプスのような起伏の激しい場所で再生するとおもしろい。ただし、太陽の様子は非リアルタイム。これがどうにも惜しい。あくまでも天文的なデータをもとにシミュレートしているに過ぎない。たとえば気象情報とリンクして、雲や日照の様子を再現してくれたら心に響くのだが。

【3D前提のインターフェイスに進化】
ナビゲーションが新しくなった。上から順に、3D地形や3D都市の閲覧に便利なルックアラウンド、中央は従来からのカーソルボタン、そして昇降用のスライドバーが並ぶ。ルックアラウンドとカーソルボタンはともにホールド操作に対応。マウスの左ボタンをホールドして、上下左右に移動。これで画面をグリグリと動かせる。

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ルックアラウンドをホールドしたときの感覚は、SpaceNavigator PEの動作に似ている。基点が固定されるため移動こそできないが、自在に角度を変えて俯瞰できるのが気持ちいい。

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地表にズームインするときは、右クリックのホールド機能を使うといい。右クリックボタンをホールドするとこのようなマウスアイコンに変わり、垂直降下からそのまま地表に降り立つことができる。

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右ボタンをホールドして下方向にマウスと動かすと、まずはそのまま垂直降下していく。地表が近づいてくるにつれ、少しずつ角度がつき、ついには路上に降り立つことができる。従来は地表に激突した挙げ句、トンデモない場所に勝手に吹っ飛ばされていたので、これでずいぶんと3D都市を散策しやすくなる。ただし、着地後はナビゲーションを使った操作になるため、シームレスなオペレーションとは言い難い。おそらくは3Dコントローラの操作をマウスで再現しようと考えているのだろう。狙い目はいい。ただ、直感的ではない。地表に降り立ったら、そのままレーシングゲームのように自由に街を走りたい。

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ちなみに、東京が少し3D都市っぽくなってきた。左は新宿、右は汐留の様子。Virtual Earthの3D化にはかなわないが、それなりに3Dウォークスルーが楽しめそうだ。

【ストリートビューのぎこちなさ】

ストリートビューとはパノラマ写真を連続的に見せ、あたかもその場所を歩いているような臨場感を味わえる機能だ。Google Maps向けに提供されていた機能だが、バージョン4.3でGoogle Earthも対応することになった。

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使い方は簡単で、レイヤパネルの「ストリートビュー」にチェックを入れるだけ。提供エリアは北米の一部に限られているが、順次対応エリアは増えていくだろう。

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これはストリートビューを表示した様子だ。カメラアイコンをクリックすると、その場所のパノラマ写真を表示。奥のアイコンを次々にクリックしていけば、その場を歩いているような気分になる。マウスで画面をドラッグすると、周囲の様子をみまわすことが可能だ。

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ちょっと俯瞰してみると、こんな具合に写真が並んでいる。これらの写真を次々に表示していくわけだ。要はフォト機能(地表に写真を立てて表示する機能)の応用。こうした舞台裏が見えてしまうと、一気に興ざめしてしまう。

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上の写真はGoogle Mapsのストリートビューだ。メイン画面にはあくまでも現在位置を示しつつ、バルーンでストリートビューを表示している。どう考えても、こちらの方がインターフェイスとして洗練されている。Google Earthのストリートビューは力業という印象を拭いきれない。

長々とローテンションで愚痴っぽい解説がつづいてしまった……。それもこれも、今回のバージョンアップがサプライズに欠ける点に尽きる。サンライト機能はリアルタイム表示であってほしいし、3D操作は3Dコントローラに遠く及ばず、ストリートビューはGoogle Mapsの方が使いやすい。Google Skyが登場したあたりから感じていたのだが、最近のGoogle Earthはビジョンが見えない。場当たり的な機能追加のくり返しだ。

そういえば、KMLはOpen Geospatial Consortium(OGC)のオープン標準に認定されたそうだ。いまやKMLは、Google MapsやLive Mapsも正式サポート。地勢データに基づいた情報公開は飛躍的に加速していくだろう。結局Google Earthは地勢情報プラットフォームであって、地球シミュレータではなかった。そういうことなのか? ちょっと寂しい気分だ。

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バージョン4.3になって、大気圏表示がきれいになりました。地球温暖化が進む昨今、プチアイロニー!?

 

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