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March 07, 2008

Lightroom カタログファイルにリベンジ

抜かりました(汗)。先日の記事でLightroomはカタログファイルの別名保存・分割保存ができないと書きましたが、できます! yanzさんからのアドバイスでアドビ社のチュートリアルを見たところ、カタログファイルの書き出し応用テクニックを紹介してました。そこで今回はライブラリ機能の追補として、カタログファイルと改めて闘います。

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【プロとアマで管理スタイルがちがう】
はじめにアドビ社のチュートリアルの内容をざっくり紹介しておこう。チュートリアルで解説しているテクニックは、すべての写真を含むカタログファイルから、特定の写真だけを選んで画像データごとカタログファイルとして書き出すというもの。このテクニックは、たとえばこんなシーンで活用できる。製品撮影の写真を含むカタログファイルから、OKカットだけを選び、画像データごとカタログファイルを外付けHDDに保存。外付けHDDの画像データ込みのカタログファイルをクライアントに納品し、不要カットの写真群はまるまる削除する。てな感じ。

これならOKカットを確実にバックアップできるし、不要カットでHDD容量を圧迫することもない。抽出保存とでもいうべきテクニックだが、これを応用すれば、別名保存や分割保存も可能になる。毎日のように仕事で撮影するプロフォトグラファーには便利な機能だ。でも、アマチュア写真家はどうだろう。たとえば土日の一泊旅行の写真、OKカットをバックアップしたから残りを全削除……なんてできるだろうか。少なくとも、ぼくにはできない。プライベートフォトはOKカットもNGカットも分け隔てなく、かけがえのない思い出だ。時間をおいて見直すと、NGカットの方がいきいきしていた、なんてこともよくある。仕事の写真は納品して終わりだが、プライベートフォトは記録なので終わりがない。プロは写真を捨てられる。アマは写真を捨てられない。ここでプロとアマの管理スタイルのちがいが明確になってくる。

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じゃあ、どんな風に管理したらいいのさ!? ということになる。ぼくの場合は、シンプルにフォルダ管理だ。photoと名付けた写真保存用フォルダの下層に「年月日+カメラ名+レンズ名+イベント名」という名前のフォルダを作る。具体的には「20080307_mk3_flek35上野動物園」といった感じ。こうしたフォルダを撮影のたびに作り、そこに該当写真を放り込んでいる。おそらく未来永劫、こうやって写真をひたすら貯め込んでいく予定だ。なんのひねりもない管理方法だけど、年月日の数値で簡単にお目当ての写真を探し出せるし、エクスプローラ上では昇順に並んでくれるのでとても見やすい。年月日は重複のないユニークコードなので、死ぬまでフォルダを作り続けても大丈夫。西暦が五桁になるとこの管理スタイルはアウトだが、幸いそれまでには死んでる。きっと地球も消滅してる。年月日フォルダ管理はある意味、最強かもしれない。

最近はHDD内の写真を自動で年代順に管理する機能が流行っているが、そうしたものには頼らない。あくまでも意図的かつ明示的にフォルダ管理している。ちなみに、これらのフォルダはけっしてクローンを作らない。もちろんバックアップは別ドライブにしているが、オリジナルデータの複製は行わない。なにしろほとんどの画像がRAWデータだから、複製するとどちらのデータに現像処理を施したのかわからなくなってしまう。また、写真を分散保存するとパソコンを乗り換える際に移行し忘れる可能性があるので(90年代に一度、やっちまいました……)、写真専用フォルダを決め、そこに一括保存するようにしているのだ。

とまあ、こんな風にオリジナル画像を管理しているのだが、カタログファイルの登場でちと面倒なことになりだした。Lightroomを使い出す前は、SILKYPIXとDigital Photo Professionalを併用。どちらもフォルダを直接参照するタイプのソフトなので、別段ノントラブルでRAW現像を楽しんでいた。ところがLightroomのカタログファイルは単なるプレビューインデックスではなく、現像設定を含んだデータベースだ。たとえば、「上野動物園」というフォルダの写真を、カタログファイルAとカタログファイルBで別々に読み込み、別々の現像を施し、それぞれ独立して保存できてしまう。もちろんこれは多機能かつ高性能というわけだが、ぼくとしては「一度現像処理した写真は、どのカタログファイルに読み込んでも同一の現像設定をキープしている」状態にしたい。つまり、カタログファイル間で整合性をとっておきたいのだ。そのための処理がxmpファイルの生成であり、先日書いた「Lightroomのライブラリは本当に便利か!?」の骨子だ。

【カタログだけを書き出すプチTips】
実は「カタログの書き出し」機能については以前から知っていた。あれはアドビ主催のLightroom beta 4の説明会だったと思うが、画像と現像設定を一括出力できて便利だなあと感心したのをおぼえている。ただひとつ、勝手な思い込みで誤解している部分があった。その誤解とは「常に画像データを含んでしまう」ということ。〈ファイル〉メニューの〈カタログとして書き出し〉を実行すると、常に画像データ込みのカタログファイルを書き出してしまうと勘違いしていた。ええ、純粋にカタログファイルだけを書き出す方法、あるんですね。見落としてました(笑)。別名保存、分割保存、思いのままです。以下、その使い方例として、別名保存のやり方を載せておきます。

まず、別名保存したいカタログファイルを読み込む。もし、一部の写真だけを書き出す場合は、それらの写真を選択。たとえば、星3つ以上とか、フラグ付きのみとかは、〈編集〉メニューからまとめて選択するとよい。とりあえずここではカタログファイル全体の別名保存が目標なので、該当カタログを読み込むだけでOKだ。

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メニューバーの〈ファイル〉→〈カタログとして書き出し〉をクリックする。保存先のフォルダを選び、ファイル名を付ける。そして、画面の下段に注目してほしい。

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〈使用可能なプレビューを含める〉にだけチェックを入れるこれが純粋にカタログファイルだけを書き出すコツだ。〈元画像を書き出し〉にチェックが入っていると、書き出し実行で画像+カタログの状態で出力してしまう。ちなみに、選択画像に限定したカタログファイルを書き出したいときは、〈選択した写真だけを書き出し〉をチェックしておく(複数画像を選択した状態で〈カタログとして書き出し〉をクリックすると、自動的にチェックが入るようだ)。要は〈使用可能なプレビューを含める〉だけチェックしておけば、読み込んだカタログファイル全体の、カタログ情報のみの別名保存が可能になるわけだ。

とりとめもなく書いてしまったが、yanzさんのアドバイスがきっかけとなり、どうにかカタログファイルをハンドリングできそうな予感がしてきた。ふと思うに、画像なしカタログを自由に書き出せるということは、xmpファイルなんて生成しなくてもいいのか……。アドビのソフトは高性能でさらに自由度が大きいけれど、ときとして使い方のメインルートが見えなくて途方にくれる。闘えどリベンジ果たせず。そんな気分です。

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