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February 03, 2008

GR DIGITAL II GT-1の紅炎は我慢できるか!?

GR DIGITAL IIの発売から遅れること1ヶ月、ユーザー待望の40mmテレコン「GT-1」が店頭に並んだ。標準画角へのニーズは多く、文字通り待望のテレコン登場というわけだ。ところがこのGT-1、発売直後から評判がすこぶる悪い。意図せぬゴーストが出るともっぱらの噂だ。いやいや噂ではない。実際試写してみると、豪快に赤いゴーストが四隅を覆う。さてこいつ、一体どうしてくれようか?

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【赤いコーティングが妖しい怪しい】
GT-1の発表はGR DIGITAL IIと同時だった。そして当初から発売が遅れるといわれていた。その時点の風評は「前評判が高くて生産が追いつかない」という好意的なもの。しかしいま思えば、当時から問題を抱え、その問題を解決できないまま市場に出してしまったことになる。その問題とは、予期せぬ赤いゴーストだ。論より証拠、まずはゴースト発生サンプルをご覧あれ。

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GR DIGITAL II + GT-1

四隅が赤い。程度の差こそあれ、確実に赤い。ゴーストといえば逆光撮影の産物だが、こいつは光の状態を問わない。順光でも半逆光でも出る。意図せず予期せず赤くなる。おそらく内面反射の類だろうが、ハンドリングできないのがつらい。

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レンズ表面の赤いコーティングがご覧いただけるだろうか。この色合い、赤いゴーストとそっくりだ。内面反射でも起こしてコーティングの赤が写り込んでいるのか。ウーペを貼って反射を抑えようと考えたが、すでに一部のユーザーが内面反射防止を施してみたらしい。結果は、改善の気配なし……。撮り方や工夫でハンドリングできるならいざ知らず、為す術なしというのが悲しい。

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GR DIGITAL II + GT-1

これらはGT-1で普通に撮れた例。コントラストが少々暴れるが、シャープネスを大きく損なうことなく、コンバージョンレンズとしてはまずまず優秀な写りだと思う。それだけにあの赤いゴーストは惜しい。さらに対策がなされぬまま販売がつづいている点も残念だ。LEICA M8のマゼンタかぶりも大きな問題になったが、UV/IRフィルターの無償配布で現在は沈静化。M8系ブログを見るかぎり、多くのユーザーはメーカーの対処に納得して使っているようだ。一部では、「スクエアモードで撮ればゴースト部分をカットできる」と好意的な救済策を提案する人もいる。ただそれは、根本的な解決策ではない。画質で高評価を得たカメラなのだから、画質で応えてほしい。特にGR DIGITALユーザーはその高画質に惹かれて買うのだから、なおのことだ。

で、ぼくはというと、こういうのは全然平気だったりする。普段からオールドレンズで撮っているせいもあるが、ゴーストやフレアのたぐいはさほど気にならない。むしろトイカメラっぽくておもしろいかな、と。ただまあ、ずいぶんと割高なトイカメラアタッチメントだけど……。

【テレコン装着時のカスタムギア】
そんなわけで、40mmテレコンも存分に楽しませてもらうことにする。当然、カスタムだ。40mmテレコン装着時、どのようなスタイリングが可能であろうかと、いろいろ考えてみた。まずひとつめはファインダー。40mmファインダーはRICOHから発売されていないので、ユーザーが自前で用意しなくてはならない。写りがアレなテレコンにお金を使うのは気が引ける。でも、ここまできて(ってどこまで!?)引き下がるわけにもいかない。いろいろ大変です。

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ライカな人には説明不要かと思われるが、バルナックライカ時代の逆像ビドムを付けてみた。フレームは35mmから135mmの無段階調整。ざっくり40mmあたりに合わせて使う。ただ、逆像ビドムという名称通り、ファインダー内の像は左右反転している。正直、慣れが必要だ。そして、慣れても面倒なシロモノだ。

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フードは樹脂製カブセ式を選んでみた。BUTLER CREEKのバトラーキャップ(46OBJ)。本来ライフルのスコープに付けるものだが、サイズが合うのでテレコンに装着。樹脂製なので高級感と無縁のチープさだが、パコッとキャップが開いて便利といえば便利。ただ、ここでひとつ大きな問題が……。ケラレる。しかも豪快に。深めに装着してもスクエアモードにしてもダメ。フードのフチが内側にせり出しているので、どうもそれがケラレの原因になっているようだ。かといって削ってしまうとフタが使えないし、う~む。

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後姿はなかなかインパクトがある。でも、ケラレるのでは意味がない。この手の失敗はよくあること。また今度がんばります。

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Comments

こんばんは
毎日、見させて頂いてます
こちらのブログはいつも内容が濃くて無料で見ていいものか??っと思えるレベルです
もう1つのブログの方も毎朝、更新されてるので、題名と写真の組み合わせにいつも「ググ」っと来てます
これからも、期待して見てます^^

ちょっとアレな雑誌買うよりずっと為になります

Posted by: michiru78h | February 08, 2008 02:08 AM

michiru78hさん、こんばんは。
応援ありがとうございます! とても励みになります。

先月以降仕事が立て込み、あまり写真を撮りに出られませんでした。フォトブログの方は連日更新が唯一の自慢でしたが、今月はストックが枯渇してけっこうピンチです。

がんばらなくては(汗)。

Posted by: metalmickey | February 08, 2008 02:45 AM

はじめまして、台湾在住のecと申します
いつも面白い改造や写真を見せてくれて、本当にありがとう!
僕もgrdを持っているですが、grd2を購入ために
売却しまいました。
今、考えてちょっと悔しいな気持ちである
もちろん2代目の機能面初代よりいい感じですけど
同じレンズなのにナゼフレアやゴースト初代よりよく出てくる この点について理解できません
今もGT-1の購入検討中ですが、しかもなかなか決められない><
しかし、リコーさんのBLOGを見て、こういうフレアやゴーストの現象殆どなかった
もしかして、何が特別の調整あるんでしょうか?
これからも、期待して見てます
では またよろしくお願いします!

Posted by: e.c | February 15, 2008 05:56 PM

ecさん、はじめまして。
GT-1はなかなか悩ましいアイテムだと思います。たしかにリコーのGR BLOGの作例はほとんどフレアやゴーストがありませんね。GT-1の特性を知り抜いた撮影者なのかもしれませんし、ぼくが知らないだけでテレコン使用時のコツがあるのかもしれません。ただ、作例をよく見ると、そのほとんどが日陰で撮影しているようです。あえて日陰のサンプルを中心に選んだのか、単なる偶然か……。

GT-1はたしかに赤いゴーストが出ます。現代の万能レンズに慣れた人だと少々面食らうと思います。出現する条件が絞り込めず、しかも赤いのでレタッチソフトでも補正が困難。オールマイティな40mmがほしいなら、GR DIGITAL II以外の選択肢を検討した方が結果としてシアワセかもしれません。

ただし、あくまでも私見ですが、これはこういうものとして楽しむのもアリだと思います。GT-1装着時にもGRレンズの切れ味は健在ですし、40mmの画角はパースがおだやかでマクロやポートレートに便利です。液晶でプレビューできるので、赤いゴーストが出たら条件を変えて再度撮ればいいだけのこと。クセのあるテレコンということで納得してしまえば、GT-1は十分に楽しいアイテムです。ひとりのカメラ好きとして、そう考えています。

赤いゴーストが出るとわかった上で購入すれば、それなりに納得して楽しめるはずです。もし完全なものを求めるのであれば、GT-1以外の選択肢(たとえばデジタル一眼レフやズーム搭載コンパクト機)を検討するべきでしょう。

きれいに撮ることも大切ですが、楽しく撮れることも重要だと思います。

Posted by: metalmickey | February 15, 2008 10:24 PM

ついにGT-1購入しました。やっぱりイイ感じですね!
しかも例のゴーストが出てきます
一昨日metalmickeyと大体同じ感じの金属製フードを装着して、やっぱり四隅ケラレる
ちょっと質問ですが、ケラレる主な理由はフードの形もしくは深め装着してから?
metalmickeyはGT-1のどこまで装着するよく分からないですが僕の場合大体GT-1の内径フチくらい
もしMS宮崎光学ような穴があるフードを使うなら
ケラレる状況改善できるかな!?

Posted by: ec | March 10, 2008 12:51 PM

ecさん、こんにちは。
四隅のケラレは、やはりフードの形状のよるところが大きいです。フードの口径が小さいと、どうしてもケラレがちですね。スリットフード(穴のあるフード)の穴は、あくまでもファインダーから覗いたときに視界を遮らないためのものです。スリットフードでも口径が小さければ、やはりケラレが発生します。GT-1のフード選びはなかなか難しいです。よいフードが見つかったらぜひ教えてください。

Posted by: metalmickey | March 10, 2008 01:18 PM

早速のお返事ありがとうございました!
やっぱりフードの形の影響多いですね!
ちなみにこれは僕使ってるフードの写真です
もし良ければ、見てください
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=28292075&comm_id=1191540
もし見れない場合があれば、ゼヒ教えてください!
台湾でフードの形少ないです、大体僕使ってるあんな形が多いです、先日フードを探しに行く時
花の形のフードもあったんですが、なかなかサイズが合わなかった、あのスリットフードの形結構気にいたですがGT-1無理かな!

Posted by: ec | March 10, 2008 03:27 PM

> ecさん、こんにちは。
今日は終日原稿書きでパソコンにかじりついてます。なもんで返信は速攻ですよ(笑)。

さて、フードの写真、拝見しました。かっこいいフードですね。あのフードはどうやって取り付けてあるんでしょうか。カブセ式? それとも加工してねじ込み!? それがすごく気になります。

ケラレの件ですが、おそらくフードの直径が小さいためだと思われます。GT-1のレンズ面をみると、かなり湾曲してるんですね。そのためフードのフチが写り込んでしまうのではないか、と。きっと広角レンズ用みたいに口径が大きくて、それなりに深くて遮光性のあるフードが理想的ということになりそうです。もちろん適合する花形フードなら話は別ですが。

GT-1に関しては、装着可能なフードを見つけるだけでも大変です。

Posted by: metalmickey | March 10, 2008 03:53 PM

お疲れ様です!
このフードはsoniaっていうメーカーです
インドのメーカーらしい

装着の方法ですが、口から言うとちょっと難しいですので写真送りたいですが、良ければメールアド、教えて貰いませんでしょうか?

Posted by: ec | March 10, 2008 05:33 PM

> ecさん
写真、ありがとうございました。
すごい、インド製のフードですか!
ぼくもecさんのテクニックを学んで、
GT-1のフード探しに本腰入れてみます。

Posted by: metalmickey | March 10, 2008 07:59 PM

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