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December 2007

December 25, 2007

Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5 はじめてのMFズーム

マウントアダプタ遊びといえば単焦点がお約束。しかし世の中には、MFズームレンズが数多ある。単焦点の銘玉とくらべ、MFズームは安い。でも食指が動かない。絞りとピント合わせだけでも大変なのに、それにズーム(焦点距離移動)まで加わるなんて、全自動カメラに慣れた身にはあまりに酷。そんなわけで自然と避けていたMFズームだが、知り合いの写真家さん、ていうか師匠から強く進められ、ついに手を出すことにした。ライカRマウントのVario-Elmar-R 75-200mm/f4.5である。

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【日本製だから安心という逆転の発想】
実はこのレンズ、ライカRマウントのなかでもひときわ安い。相場は5万円程度らしいのだが、ヤフオクで並品を3万円で落札してしまった。安い理由は明白、MADE IN JAPAN、そうミノルタ製だからだ。ライカの一眼レフカメラは初期のLeicaflexこそ西ドイツ製だが、R3以降はミノルタとの協業となる。コシナ製Carl Zeissに微妙な印象を抱いてしまうように、ミノルタ製のライカRボディとレンズもブランド欲をなみなみとは満たしてくれない。しかし、そんな先入観を払拭してくれたのが、師匠のひと言。「日本製だからダメなんじゃなくて、日本製だから安心なんだ」と。言われてみればその通り。しかも写りだってそれとなくライカっぽい。そんなわけで、まずは作例からどうぞ。

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EOS 20D + Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5

掲載したのは開放f4.5からf5.6あたりでの作例だ。ズームという点を差し引いても、十分に開放から使えるレンズといえる。そもそもライカRレンズの開放F値は、明るさを誇示するためのF値ではなく、実用可能な開放F値というのがポリシー。このVario-Elmar-R 75-200mm/f4.5もその例外ではなく、開放から気持ちいいシャープネスを見せてくれた。曇天下の作例はやや眠い印象だが、地味な発色が気持ちいい。これで重厚さを備えると単焦点ライカRレンズと対等なのだが、さすがにそこまでは到達していない。ただし、濃厚さは十分に感じられるだろう。シャドウにもしっかりと粘りがあり、ElmaritやSummicronといったライカRレンズと共通項が見いだせそうだ。ミノルタ製だからこそ、ライカらしさを受け継ぐズームレンズが開発できた。そんなところだろうか。ただそうはいっても、単焦点クオリティのズームレンズというわけではない。やはり安いには安いなりの理由もある。

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EOS 20D + Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5

熱っぽい西日とフューエルタンクの硬質な感じがステキ、というサンプルではなくて、KAWASAKIのエンブレムとエンジンのフィンに注目してほしい。しっかり出ております、パープルフリンジ。そうはいっても、当然のごとく非デジタル設計のレンズなわけで、色収差をあまりあげつらうのはアンフェア。このあたりは運用でカバーするのがオトナというものだろう。手頃な価格でライカっぽさが味わえるのだから、コストパフォーマンスは上々だ。

【ピント再調整不要で使いやすい】
Lm_00108652 もうひとつ、このレンズは大きな利点がある。一般的なMFズームは、焦点距離を移動するたびにピントを再度調整しなくてはならない。ところがこいつは直進ズームだから、レンズ筒の前後動作で焦点距離を調整できる。筒を回さなくていい。つまり、ピント再調整が不要なのだ。最望遠の200mm側でピントを合わせ、あとはツツツゥと筒を前後させて画角を決める。これならMF単焦点レンズの撮影ステップとさほど変わらない。ちなみにフードは組み込み式。この点も扱いやすくていい。細身のボディで中級デジタル一眼レフとの装着バランスもよく、ストリートスナップに持ち出してもそれほど大げさにならない。f4.5というF値は暗めという印象を受けるかもしれないが、開放から十分にシャープだから実用上の支障はない。望遠寄りでも開放F値が変わらず、何かとハンドリングしやすい一本だ。

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EOS 20D + Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5

最近、地味だけど濃い、そんな画が好きです。

●追記
バリオエルマーの作例は随時こちらにアップしています。

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December 16, 2007

Mitaka & Google Earth で3D宇宙ツアー

今日はちょっくらお仕事の宣伝をさせてください。このブログでは幾度か、MitakaやGoogle Earth、ならびにGoogle Skyを取り上げてきました。記事ではおもに、3Dソフトの動向、位置づけを論じてきましたが、基本的にはやはり遊んでナンボのもんだと思います。そんなエンターテイメント志向のムックを上梓しました。

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パソコンで3D宇宙ツアー(毎日コミュニケーションズ)
http://book.mycom.co.jp/mook/68397-69-07/68397-69-07.shtml


4次元宇宙シミュレータ「Mitaka」、Google EarthのSkyモード。これらを使い、パソコンで宇宙を飛びまわろうというムックです。そうはいっても、ただ操作方法を解説するだけではおもしろくない。そこで、惑星直列(グランドクロス)、探査機の惑星大接近、かぐやでクローズアップされた地球の出など、どこかで耳にしたことにある宇宙的現象を、Mitakaを使ってシミュレーションしてみました。パソコンをあまり使い慣れていない人でもわかりやすいように、ステップバイステップで世紀の天体ショーを再現できるように配慮しています。

そしてもうひとつ、本書には個人的な野望(笑)を盛り込みました。長年パソコン誌で仕事をしてきましたが、悲しいかな、誌面にパソコンの画面写真が載った途端、どんなにレイアウトにこだわっても野暮ったくなってしまう……。このパソコン誌的宿命を何とか払拭できないだろうか。そんなことを思いながら十数年、書いてきました。しかし、MitakaやGoogle Earthの画面は、緻密な3Dグラフィック、高精細な写真で構成されています。もしかしたら、パソコン画面でグラビアが作れるかもしれない。そんな思いにかられ、本書を企画しました。手前味噌ではありますが、パラパラとページをめくってみるだけでも楽しいムックに仕上がったと自負しています。

PC系宇宙ネタというニッチなムックではありますが、もし書店で見つけたら、立ち読みしてやってください。親子で本書を手にとって、宇宙のロマンを共有してもらえれば……。これが企画者であるぼくの、ひそかな希望です。

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