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May 14, 2007

Exakta-EOS マウントアダプタの不人気ぶり

Exaktaマウントのレンズは安い。FLEKTOGONやAngenieuxといった高級クラシックレンズが、M42マウントよりも5000円から10000円ほど安く手に入る。Exaktaというカメラはレリーズが左側にあるため不人気機種だ。安いには安いなりの理由がある。しかし、マウントアダプタ経由でデジタル一眼レフに装着するなら関係ないよね、なんて思いつつ、Exakta-EOSマウントアダプタを買ってみた。

Exak01

Exakta VX1000の購入にともない、Tessar 50mm/f2.8P.Angenieux Paris 35mm/f2.5が手元にある。せっかくだからデジタル環境でもこれらのレンズを楽しみたい。そんな思いから買ってみたわけだが、このマウントアダプタ、実に微妙なスタンスなのだ。購入したのは近代インターナショナル製。15000円程度とかなり高額なアイテムだ。もうちょっとお金を足せばExaktaのボディが買えてしまう。デジタル全盛のいまでもExakta用レンズが安いのは、マウントアダプタが高いという理由もありそうだ。ただまあものは考えようで、Exaktaマウントのレンズを増やしていけば一本あたりのコストが下がっていく。なんて皮算用を自らに言い聞かせないと、やはり手を出しづらいアイテムだ。

【絞りボタンの凸部がジャマです】
Exak02 Exak03

左の写真はAngenieuxにマウントアダプタを取り付けたところだ。M42マウントアダプタと異なり、ずいぶんと凝った造りになっている。レンズから取り外すときは板バネを内側に押して回転。いわゆるバヨネットタイプのマウントなので、レンズとアダプタをしっかりとロックできる仕組みだ。

右の写真はTessar 50mm/f2.8の裏面だ。絞りボタン(レリーズボタン)に凸部がある。実はこいつが干渉するためマウントアダプタが取り付けられない。絞りボタン付きレンズはExaktaの特徴なのだが、この手のレンズをマウントアダプタ経由で使いたいときは要注意。前もって凸部の有無を確認しておこう。ていうか、確認しないで凹んだのはぼくです……。

【無限遠は出るの出ないの!?】
取扱説明書をよく読むと、100メートル以上の撮影はF8以上に絞りなさない、と書いてある。これはつまり、「厳密には無限遠が出ないのだが、絞ればそこそこ見られるようになるよ」ということなのだろうか。早速テストしてみた。

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脱力しきったサンプルで恐縮だが、左から開放、中間絞り、f8で撮影している。シャープネスがわかりやすいように、撮影した一部を切り出して掲載した。取説にあるとおり、絞り込まないとフワフワもやもやだ。なんでもミラーとの干渉を防ぐためにフランジバックを厚めにとっているとかで、そのせいで厳密には無限遠が出ない設計になっている。しかし、f8以上に絞り込めばそこそこシャープに写るので許容範囲内、ということのようだ。

そんなこんなでExakta-EOSマウントアダプタは、いろいろと制約の多いアイテムだ。Exaktaマウントのレンズが安いからといって、わざわざ買うほどのものではないだろう。あくまでも手元にExaktaマウントのレンズがあり、それをデジタルで使いたい人向けと考えた方がいい。とはいえ個人的な損得勘定でいうと、Angenieuxをデジタルで使えるというだけで大満足なのだが。

Lm_mg_7366_2 Lm_mg_7378_1 
Lm_mg_7372_1
EOS 20D + P. Angenieux Paris 35mm/f2.5

Angenieuxのやわらかさって、ハードにイジっても破綻しないんだもの(笑)。きっと階調性豊かなレンズなんだろうな。

※Exaktaのレビューはこちらをご覧ください。

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Comments

イエナテッサーを数年前に購入し、全く同様の問題に直面しています。しかも5DⅡのAvダイヤルで使える事を今日知り、以前のMダイヤルで使っていたことを反省しました。図に乗って調べてみるとメイヤー100/2.8はミラーが当たるらしくブラックアウトです。50mm玉はシャッター部を撤去すれば、取り付け可能ですが、変な窪みが奇妙なので、今アダプターを削るか、シャッター部(出っ張り)ごと撤去し、アルミなどで塞ぐか、レンズを手に取り思案中でございました。黒いねじを外すと、内部にばねがあり、シャッター部本体が取れます、復旧は簡単ですが、内部に絞り開放のノッチがありそれをカバーするための突起部がアダプターに当ります。それら周辺ごと撤去するとなると面倒だなあと、思案中でありました。このレンズをeosに着けるとかなりシュールなので、レンズは極力オリジナルを維持したいですね。参考になりました、ありがとうございました。デジイチはどうもドスが効いたデザインばかりで、この辺を崩したいのが本音でしょうか。今後とも宜しくお願いいたします。

Posted by: inokin | July 20, 2009 12:52 AM

inokinさん、こんばんは。
テッサーの解体レポート、ありがとうございます。ぼくも何度かドライバーを握りしめたものの、元に戻せなくなると怖くてそのまま放置の今日この頃です。結局、M42マウントのテッサーを買い直し、EOSにつけて遊んでいます。ルックスは断然Exaktaマウントの方がかっこいいだけに、惜しいです。クセノン50mm F1.9はEOSに装着でき、あのプレビューボタン付きの勇ましい姿が堪能できました。まあ、「だからどうした」の世界ではありますが(笑)。今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: metalmickey | July 20, 2009 01:37 AM

初めまして
いろいろ参考になりました。エキザクタのシャッターの位置ですが、私も初めは何でこんな所に?と思いましたが、ウエストレベルファインダーで覗くときにはピント合わせの親指の第一関節あたりがシャッターレリーズのヘッドにピタリと添い、そのままカメラに押し当てればシャッターが切れる仕組みになっているようです。
正しい使い方かどうかは判りませんが・・・

Posted by: nobrin-7 | May 04, 2011 09:33 AM

オールドレンズはオリジナルボディと組み合わせると成り立ちがよくわかりますよね。ぼくもVX1000と組み合わせてレリーズボタンの機能性に納得しました。

Posted by: metalmickey | May 04, 2011 09:43 PM

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