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May 26, 2007

EOS 20D リモート撮影 LIGHTROOM編

困ったことになった。Digital Photo Professional3.0のアップデートがあったのだが、バージョン3.0.1のリリースノートを読むと「Windows Vista環境だとね、トリミングツールとかクイックチェックツールが使えないんだよ」なんてことがシラッと書いてある。インストールしてからそのことに気づいた……。3.0では使えた機能なので、これは明らかにグレードダウン。世界的大企業の良識を疑うアップデートです。せっかくVistaでリモート撮影できるようになった矢先の出来事だけに、とても残念。仕方ないのでLightroomでEOS Digitalのリモート撮影環境を構築してみた。

Rlm01

【ちょっと面倒なLightroomのリモート撮影】
以前のエントリーで紹介したとおり、初期設定のLightroomではうまくリモート撮影できない。EOS Utility側で転送先アプリケーションをLightroomに設定すれば良さそうなものだが、これがどうしてうまいこと動いてくれないのだ。そこでLightroomの自動読み込みという機能を使い、合わせ技的にリモート撮影環境を作り上げる。作業の流れはこんな具合だ。

(1)EOS Utilityで特定フォルダに撮影データを記録。
(2)Lightroomの自動読み込み設定で上記特定フォルダを監視。
(3)特定フォルダのデータを保存用フォルダに移動。
(4)ライブラリに保存用フォルダ内のデータを読み込む。

このセッティングでわかりづらいのは、一度保存したデータを別のフォルダに移して読み込んでいるところだ。単純に保存フォルダを閲覧すりゃいいじゃん、とぼくは思うわけだが、残念ならがそれがうまくいかない。何とも面倒な話だが、とりあえず詳細な設定方法を紹介していこう。

【EOS Utilityのセッティング】
Rlm03
EOS Utilityを起動して、メニューバーの〈ファイル〉→〈環境設定〉をクリック。まずは「連携ソフト」タブを開こう。ここでLightroomのexeファイルを設定……と思いきや、そうじゃない。ここは「連携ソフトウェア」を「なし」に設定するのがポイントだ。連携先にLightroomを指定してしまうと、撮影するたびにLightroom側で読み込み確認画面が表示されてしまう。これはどうにも鬱陶しい。ソフトに転送せず、HDDに直接保存した方が結果として好都合なのだ。

Rlm04
〈保存先フォルダ〉タブを開き、「保存先フォルダ」で任意をフォルダを指定する。EOS DIGITALで撮影した画像はソフトに転送されずに、このフォルダに保存されるわけだ。なお、その下にサブフォルダの作成設定があるが、ここはすべてチェックを外しておこう。この保存先フォルダは、Lightroom連係リモート撮影でテンポラリーフォルダという役割になる。撮影データの一時保存場所にすぎない。そのためサブフォルダ管理というアプローチは不要だ。

【Lightroomのセッティング】
Rlm05
Lightroomの自動読み込みとは、指定したフォルダを常時監視してライブラリに追加するというもの。ただし、監視中のフォルダをそのまま読み込むのではなく、別フォルダにコピーしてライブラリ登録する。なぜこのような仕様になっているのか理解に苦しむが、ぼくの撮影データ管理のスタイルと照らし合わせると、結果論としてはこちらの方が使いやすい。まずはメニューバーの〈ファイル〉→〈自動読み込み〉→〈自動読み込み設定〉をクリックだ。

Rlm06
監視フォルダ」にEOS Utilityで設定した「保存先フォルダ」を指定する。その上で「保存先」に、画像ファイルを最終的に保存しておきたいフォルダを指定しよう。ぼくは画像管理の関係でサブフォルダも指定している。その理由については後ほど。この設定により、Lightroomは監視フォルダに画像が追加されるたびに指定したフォルダへデータを移動(コピーじゃなくて移動!)。その画像はライブラリにリアルタイム表示されることになる。仕上げにメニューバーの〈ファイル〉→〈自動読み込み〉→〈自動読み込みを有効にする〉をチェックON。これでLightroom連係リモート撮影のセッティングは完了だ。

【理想的な運用スタイルを探求】
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実際にリモート撮影をはじめると、「保存先」で指定したフォルダ名がライブラリにあらわれる。サブフォルダとして指定した名称が表示され、撮影するごとにサムネイルが増えていく。普段ぼくは西暦フォルダの下に「年月日+カメラ/レンズ名+撮影内容」を組み合わせたフォルダを作成し、撮影画像を管理してきた。そのためLightroomを使ったリモート撮影環境では、新たな撮影セッションをはじめるごとに「サブフォルダ」を再設定。要は画像を記録したいフォルダは、自動読み込み設定の「サブフォルダ」で指定すればいい。それ以外の設定はLightroomもEOS Utilityも変更する必要はない。セッティングは面倒だが、運用ルールが出来上がってしまえばスマートなスタイルだ。

なお、読み込み速度はDPPよりもモタツキを感じる。結局テンポラリーフォルダに保存したファイルを別フォルダに移動しているので、1回の撮影で2度HDDにアクセスしている。今回テンポラリーフォルダをストライピング仕様の起動ドライブ(Cドライブ)、最終的なデータ保存先はDドライブといった具合に書き込み分散させてみたのだが、それでもDPPよりも時間がかかる印象を受けた。

Rlm08
読み込み時の表示はサムネイル表示でもルーペ表示でもOK。個人的にはルーペ表示で撮影画像を大きく見せ、下段にサムネイルを表示しておくスタイルが気に入っている。右パネルはEXIFで絞りとシャッタースピードが見られるようにしてみた。

DPPはHDD上の画像を直接参照する。つまりビューワだ。それに対しLightroomは、ライブラリに登録してはじめて閲覧可能になる。Lightroomのライブラリ機能とは、ビューワではなくデータベースだ。そのため監視フォルダのデータを別フォルダに移動するという工程が必要となるが、一度理解してしまえばそれほど面倒な機能ではない。ソフトウェアを応用的に使うとき、ソフトのカルチャーを知っているかどうか、それがキーポイントになるようだ。

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Comments

はじめまして。
marupei.net photographyの まる彦 と申します。
自分のブログのアクセスログからmetalmickeyさんのブログにたどり着きました。
リモート撮影の解説で、私のブログにリンク貼っていただいていたのですね。
今回のこの解説を読んで感激しました。
道具に対する徹底した研究と端正な文章には脱帽です。
私には到底マネのできない分かりやすい解説には本当に頭が下がります。
また、造詣深いmetalmickeyさんにも驚きました。
これからも楽しく拝見させていただきますのでよろしくお願いします。

p.s.こちらもリンクさせていただいてもいいですか?

Posted by: まる彦 | May 28, 2007 10:33 PM

> まる彦さん
勝手にリンクを張ってしまって失礼しました。
もちろんこちらはリンク大歓迎です。

Lightroomを使ったリモート撮影は
当初うまいことできずに断念していたのですが、
まる彦さんのブログを拝見してナンとか
自分なりに使いやすいセッティングを
見つけることができました。
この場を借りてお礼申し上げます。

更新頻度がゆったりとしたブログですが、
今後ものぞきに来てやってください。

Posted by: metalmickey | May 29, 2007 12:41 AM

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