RDT261WH 今年はHDCP対応ワイドでいこう!
今年買うべきものナンバーワン、それはディスプレイだ。まずWindows Vistaに備えてワイド画面がほしい。画面右側にズラリと並ぶガジェット。あれは4:3画面では使いづらい。どうやらマイクロソフトは時すでにワイドディスプレイがディフェクトスタンダードと踏んだようだ(単にGoogle Desktop潰しというウワサも……)。さらに次世代ディスクの市販タイトルを表示するにはHDCP対応DVI端子かHDMI端子が必須。もちろんフルHDであることも重要だ。ワイドでフルHD、しかもHDCP対応。こうした条件をすべて満たした三菱電機「RDT261WH」を手に入れた。
今回ディスプレイを買うにあたって、対抗馬となったのはEIZO「S2411W」だ。これまでメインで使っていたのがEIZO「M170」だったので、同じメーカーならではの安心感、そしてEIZO初のHDCP対応モニタという点が気になっていた。早い話がEIZOのHDCP対応モニタを待ってこれまで17型で我慢してきたのだ。ただし、このところEIZOはコンシューマ向けのFlexScanシリーズがマルチメディア寄りになっている。CRT時代は正確な色再現を売りにしていたが、液晶にシフトしてからというもの動画性能向上をアピールする製品ばかりだ。色再現性を重視するならカラーマネージメントモニタ「ColorEdge」を買えということか。 自分のパソコン用途と省みると、ここ最近はカメラにどっぷりハマッてRAW現像ソフトの稼働率がいい。動画性能よりもカラーマネージメント。とはいえColorEdgeは到底買えない……。そうこうしているうちに三菱電機から「RDT261WH」が出た。ワイドでHDCP対応。さらにAdobeRGBの色空間をほぼカバーするという色表現力。これだコレだろ! いま買うべきモニターはコイツじゃないのか!? そんなわけで興奮気味にポチッとクリックしてしまった。
やはり気になるのは発色だろう。ホントにAdobeRGBイケるの? 「RDT261WH」の色表現力を実感したのは、意外なことにテキストエディタだった。改行マークに緑の「↓」を使っているのだが、「RDT261WH」にリプレイスしてからというものこの緑がどうにも目に刺さる。同様にウェブブラウザ上の原色系の赤や青も目に刺さるのだ。見慣れた色よりも明らかに高彩度。当然ながら、ディスプレイのOSDに彩度という調整項目はない。これまで沈んでいた色が鮮やかに浮き上がり、それが眩しいのだ。妙なところで色再現域の広さを実感してしまった……。また、普段RAW現像を行うときはhuey(過去の記事を参照)のプロファイルをロードしているのだが、「M170」を使っていたときはロードしたとたんにガラリと色調が変化した。それに対し「RDT261WH」は、ややマゼンタ寄りになるものの色調が変わるほどではない。初期状態のトーンバランスが良い証拠だ。
25.5型ワイドというサイズについて考えてみよう。解像度は1920×1200ドットでフルHDを満たしている。画面サイズとデスクトップ解像度のバランスはいい。アイコンや文字サイズを変更することなく、そのまま使って見やすいバランスだ。今回17型(4:3画面)から25.5型ワイドへステップアップしたが、これは文字どおりステップアップになった。テレビの買い換えでもよく言われることだが、4:3からワイド画面に買い換える場合、数字の上で2サイズ以上アップしないと大画面になったと実感できない。上の写真を見てもらうとわかるように、17型と25.5型ワイドを並べると、ちょうどひとまわり大きい程度なのだ。おそらく4:3の19型を使っている人なら、25.5型ワイドを買っても「横幅が広がっただけかよ……」と感じるかもしれない。
かつて大画面液晶を採用したリビングPCなるものが流行ったことがある。画面はたしかに液晶テレビ並みにデカイ。今回購入した「RDT261WH」は、いま思えばリビングPCクラスのビッグなワイド液晶だ。しかし、リビングPCのデスクトップ解像度はWXGA(1280×768ドット)。一画面の情報量は限られ、なおかつフルHDには遠く及ばないシロモノだ。あのときすでに次世代ディスクの時代がやってくることはわかっていたはず。メーカーが投入する製品は、ときに先見性や将来性とまったく無縁のものが少なくない。特にパソコン関連はそうしたケースが濃厚だ。きっとメーカーは消耗品のつもりで開発販売しているのだろう。購買者は資産のつもりで買っているのに……。
なお、まだ次世代ディスクドライブを導入していないため、ハイビジョン映像の表示性能は検証できなかった。これは追ってレポートしたい。
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