GR DIGITAL お散歩ケース製作記
外付けファインダーを付けたGR DIGITALはかっちょいい。フードアダプタはケースバイケースで取り外すが、外付けファインダーだけはいつも付けっぱなしだ。しかし、この状態では専用ケースに入らない。専用ケース以外でも、いわゆるコンパクトデジタルカメラ向けケースでは収納不可……。そんなわけで、ファインダー付きGR DIGITALオリジナルケースを作ってみることにした。
【DOAのミリタリーショルダーをカスタマイズ】
とはいっても、ぼくは皮革加工職人でもないし、バッグ職人でもない。イチからケースを作るのは難しいので、手持ちの使っていないバッグをカスタマイズすることにした。俎上に上げたのはDOAのリメイクミリタリーバッグ。ユーズドのミリタリーケースにビンテージスタッズを打ち込んだというチープなシロモノだが、実はこいつ、ちょいとお高い。DOAはスタッズベルトで有名なHTCの元スタッフが立ち上げたブランド。ハンドメイドということもあって、原価を遙かに上回るお値段なのだ。
そんなにお高いバッグなら大事に使えばいいじゃない!? いやもう、まったくその通りなのだが、しょせんはアイディア一発、雰囲気重視のアイテムなので、バッグとしてはあまり実用的ではない。まず、内部が裏革むき出しだから収納アイテムは革クズまみれ……。もちろんそのままGR DIGITALを入れるなんて論外だ。さらに縦長なわりに間口が狭く、携帯電話やタバコを入れるとどうにも取り出しづらい。そんなわけで、買ったものの1~2回使っただけでクローゼットの肥やしになっていた。しかし、せっかくのこじゃれたバッグ、このまま放置しておくのはもったいない。ちょっと手を加えてGR-D専用ケースに改造だ。
【内装リメイクでGR-D専用ケースに!】
改造の条件はふたつ。カメラを革クズまみれにならないようにすること。そしてクッションで振動対策を施すこと。要は内装リメイクしようというわけだ。まず、前面と背面は東急ハンズで購入した固めのスポンジシートを貼り付けた(写真左)。側面はフードアダプタの革巻きで余ったビニックスレザーを貼る。本当は側面にもスポンジシートを貼りたかったのだが、右側面が湾曲していて厚みのあるものはうまく貼り付けられない。やむなし、か。ちなみに、スポンジシートとビニックスレザーはどちらも両面テープで貼ってある。底面は厚手のスポンジで上げ底することにした(写真中央)。このケースは間口が狭いので、ケースを開けてすぐカメラを取り出せるように上げ底しておく。切断面がギザギザになってしまったが、まあ外から見えないからいいか(笑)。なお、底部のスポンジは両面テープを使用せず、ただ底に詰めただけ。上からモノを入れるのだから、別段固定する必要はない。写真右が改造後のケースにGR DIGITALを収納した状態。指を伸ばせばすぐにカメラが取り出せる。手軽な改造でいい感じに仕上がった。
ちなみに、GR DIGITALにつけているハンドストラップは、Daniel & BobとBEYESのダブルネームモバイルストラップだ。非売品のネックストラップを使っていて気づいたのだが、GR DIGITALには白ステッチがよく似合う。白ステッチのハンドストラップを探してみたところ、こいつにたどり着いた。まあ見た目はありがちなケータイストラップだが、そこはやはりDaniel & Bob、ヴァケッタレザー製なのでとても質感がいい。なんていうか、ほどよくしんなりクタッとした感触がステキ(笑)。ただ、しょせんはケータイストラップなのでヒモの部分がどうにも華奢だ。フードアダプタなしならさほど気にならないが、フードアダプタ+レンズフード+フィルターをアドオンすると不安になる。留め具のアタリからプチッ……ガチャン。泣く、泣くだろうなあマジで。
【中年オヤジ、手ぶらの散歩は即通報!?】
今回、ミリタリーバッグをカメラケースに改造したのは、実は切実な理由がある。フリーライターという職業柄、真っ昼間からそこいらをプラプラと歩くことがある。駅前の本屋に行ったり、近所のパチンコ屋に行ったり……。自他共に認める中年オヤジ、手ぶらで散歩していると、世間的には正体不明の怪しい人になってしまうのだ。幸いこれまで職務質問を受けたことはないが、巡回中のおまわりさんから熱い視線を注がれることはしばしば……。ならばと首からカメラをぶら下げ写真好きのおじさんを演じたところで、このご時世だ、かえってマズイことになる。公園や校庭にレンズを向けようものなら、即通報もあながち冗談ではない。
ただ世間の視線はおもしろいもので、バッグさえ身につけていれば何らかの目的があって歩いているように見えるらしい。また気持ちの上でも、バッグがあるとちゃんとした社会人になったような気がする……。そんな世間的精神的言い訳として、GR DIGITAL用お散歩ケースを作ってみた。カメラケース然としていないから、これなら普段着と合わせても違和感はない。運が良ければ、こじゃれたお父さん今日は有給中――ぐらいには見てもらえるかもしれない(笑)。さらにいま画策しているのは、フードアダプタ付きの状態で収納できるお散歩ケース。中年オヤジの散歩は何かと苦労が多い。
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