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December 12, 2006

Google Earth 待望のWikipedia対応

年甲斐もなく、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!? と叫びたくなるほど興奮している。以前、Google Earthの記事で「基礎データベースとしての衛星写真に情報をマッピングすることがGoogle Earthの本質だ」と解説した。そのときは具体例としてWikimapiaを紹介したが、その際、Wikipediaの情報をGoogle Earth/Mapsに引っぱってこれればいいのに……とボヤいたことをおぼえているだろうか。どうやら皆考えることは同じらしい。ついにGoogle EarthでWikipediaの情報を表示できるようになった。

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【新レイヤーGeographic Webが登場】
Ge02_112月10日、GoogleはGoogle EarthにGeographic Webという新しいレイヤーを追加した。英語のみの提供だが、Google Earth 4.0 日本語版でもそのまま表示できる。Geographic Webは3つのレイヤーが含まれていて、そのひとつにWikipediaがあるというわけだ。表示した情報はすべて英語となるが、インターネット百科事典の情報をGoogle Earthからワンクリックで呼び出せるのは画期的。この他には、Google Earthコミュニティのプレイスマーク、PanoramiaというGoogle Mapsとマッシュアップした写真投稿サイトの情報を表示できる。早速、Geographic Webのすばらしさを体感してみよう。

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ためしにサクラダファミリア(41.403553,2.174469)を表示してみた。Geographic Webをチェックオンするとたくさんのプレイスマークがあらわれる(写真左)。左から2枚目がWikipediaのプレイスマークをクリックしたところだ。ウェブ検索しなくても詳細情報が手に入り、これはまちがいなく重宝する。3枚目と4枚目はPanoramiaのプレイスマークをクリックしたものだ。精細な写真を閲覧することで、ビジュアル的に情報を補完できる。テキストと写真、この双方から情報収集することで、その場所をより深く知ることができるだろう。

【Wikimapiaはもういらない!?】
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Google EarthがWikipediaに対応したことで、Wikipamiaはお役ご免なのか!? 実はそうとも言い切れない。いろいろなポイントで両者の情報を比較してみると、興味深い相違点が見えてきた。ケネディ宇宙センター(28.608303,-80.604219)でそれを解説していこう。ここには数多くのプレイスマークがあり、特にGoogle Earthコミュニティのプレイスマークがたくさん見受けられる。メジャーな場所なので、ビデオ、3Dモデル、フォトギャラリーと表示情報も多彩だ。では、同じ場所をWikimapiaで表示するとどうなるだろう。

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テキストと写真という情報量はGeographic Webレイヤーにかなわないが、プレイスマークの多さが目立つ。Wikimapiaは有志によって書き込まれた情報なので、メジャースポットはどうしてもプレイスマークが多くなる。しかし、情報の質を加味して考えると、トータルな情報量はWikipediaの足もとに及ばないというが現状だろう。ただここで、Wikimapiaのプレイスマークの場所に注目してほしい。建物をピンポイントで指している。実はこれが重要なのだ。

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ではもう一例。「Google Earth 風景が事実に変わる瞬間」でも紹介した寧辺の核関連施設上空(39.927760,125.569255)だ。さすがはWikipedia(写真中央)、実に詳細な情報が閲覧できる。建物内部のモノクロ写真まで掲載され、ビジュアル面でも抜かりない。しかし、Wikimapia(写真右)を表示すると愕然とする。圧倒的なプレイスマークの数。いや、数だけではない。建物の名前、役割が見て取れる。これこそがWikimapiaの真骨頂だ。

つまりこういうことだ。Wikipediaで東京大学を調べたとしよう。日本でもっとも学力が高い最高学府。名だたる知的エリートを輩出してきた大学、ということがわかるだろう。片やWikimapiaを使うと、ここが赤門、こっちが安田講堂といった情報が得られる。Wikipediaは場所にまつわる事象を解説する。Wikimapiaは衛星写真に写っているものが何であるのか、建物レベルで名前と役割を教えてくれる。この指向性のちがいは、情報収集する際におぼえていくと便利だろう。

【教養ソフトから情報収集ツールへ】
今回加わった新レイヤーGeographic Webは、Google Earthにとってかつてない大きな一歩となる。初期からレイヤーパネルではさまざまな情報が提供されてきたが、にも関わらず人々の注目度はさほど高くなかった。なぜか? 答えは簡単だ。従来のレイヤーは、多彩でこそあるが、教養を深めるための情報が主だった。特集コンテンツなどはその冴えたる例だ。「Google Earthはこんなにおもしろいことができるんですよ」という可能性を見せてくれるものの、実践的情報収集ツールとしては使えない。たしかに飲食店や宿泊施設のプレイスマークも表示できるが、きっと大半の人がウェブで検索を済ませてしまうにちがいない。

しかし、Geographic WebレイヤーでWikipediaと連携したことで、Google Earthは真の情報収集ツールに昇華した。ウェブで調べてGoogle Earthで確かめる。もしくはGoogle Earthで面白いポイントを見つけてウェブで検索する。これまではそうした手順を踏んできたが、これからはストレートにGoogle Earthで調べればいい。場所とリンクした情報を、Google Earthひとつで手に入れることができるのだ。ただし、課題がないわけではない。Google Earthの検索性はあまりにおそまつだ。ジーコで淡路島にジャンプしたり、エリア51で石川県に飛んだり、これではお話にならない。ジーコと入力したら出生地のリオデジャネイロに飛ぶ。それくらいの柔軟性はほしいところだ。

サーチエンジの覇者Googleなら、近い将来やってくれるにちがいない。

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