ブログエディタ「Windows Live Writer」ってどう?
当ブログは@niftyが提供するココログを使っている。しかもフリー版ではなくて、有償のココログプラスだ。最近でこそ安定して使えているが、数ヶ月前はひどい有り様だった。レスポンスが劣悪で、管理画面の呼び出しにやたら時間がかかる。時間がかかるだけならまだガマンできるが、記事を書いて保存(投稿)ボタンをクリックしたら、さんざん待たされた挙げ句「サーバーにつながりましぇーん、ごめんちゃい」なんて白地の画面があらわれるのだ。金とってこれかよっ、と天を仰いだことは一度や二度ではない。この間の大規模メンテナンスのおかげで現在は良好なレスポンスをキープしているが、そのとき受けた心の傷――オンラインを信用するな!――はいまだ癒えない。ブログはお仕事原稿ではないものの、せっせと書いた原稿が消えてしまうと泣きたい気持ちになる。脆弱なオンラインはもうこりごり。やっぱローカルがいいね。というわけで、ブログエディタ「Windows Live Writer(Beta)」を使ってみた。
そもそも「Windows Live Writer(Beta)」はWindows Live Spaces向けのブログエディタだが、それ以外のブログサービス(Blogger、LiveJournal、TypePad、WordPress、Metaweblog API、Movable Type APIなど)でも投稿できるようだ。英語版でしかもベータ版。いろいろと不安はあるが、とりあえず日本語は問題なく通る。今回はココログ(TypePad)の投稿機能と比較しつつ、その実力を検証してみたい。
【高性能な画像貼り付け機能】
ローカルの強みをもっとも痛感したのは画像関連機能だ。上の画像を左から順に説明してこう。まず画像にドロップシャドウや枠線を付けられる。フォトログをやっている人なら魅力を感じる機能だろう。貼り付けサイズとクリック時の拡大サイズは、大中小、そしてオリジナルサイズが選択可能。大中小はプリセットになっているが、大きさを任意の数値に調整できる。真骨頂はエフェクト機能だ。ウォーターマークで署名を入れたり、画像の簡易補正が可能。ローカル作業ならではの強みを感じさせる機能だ。
左の写真は枠を付けてウォーターマークで署名を入れたもの。中央の画像はエフェクト機能で調子を変えてみた。右の写真はココログの画像投稿機能で貼り付けたもので、見比べるとそのちがいは一目瞭然。筆者は当ブログとは別に光学仕掛けのモノローグというフォトログをやっているが、そちらで積極的に使ってみたくなった。特にドロップシャドウとウォーターマークはグッとくる(笑)。が、ここでひとつ大きな問題が……。それぞれのサムネイルをクリックしてみてほしい。ココログで貼り付けた写真はジャストサイズの別画面を表示してくれるが、Windows Live Writerで貼り付けた写真はメインウィンドウと同じサイズの別ウィンドウがドーンを開いてしまう。これはちょっと興醒めだ。なお、投稿済みの記事をWindows Live Writerで読み込んだ場合、既存の画像にドロップシャドウやエフェクト機能を施すことはできなかった。
【地図連携でマッシュアップ】
複数のウェブサービスを組み合わせ、新たなウェブサービスを作り出す――これをマッシュアップと呼ぶ。Web2.0の解説に必ず出てくる重要なキーワードだ。Windows Live Writerは地図情報サービス「Windows Live Local」と連携し、ブログに地図情報の挿入が可能。ロードマップだけでなく、航空写真に地名をかぶせて掲載したり、キャプションをつけることもできる。Windows Live Localは海外向けのサービスだが、日本国内についても詳細なロードマップが表示可能。ただいかんせん、航空写真はGoogle Mapほど精緻ではないし、地図に付随する関連情報も申し訳程度だ。。Windows Liveはマイクロソフトがやっとこさ重い腰を上げた統合Web2.0サービス。ベータ版ブログエディタにもとりあえず(そしてさりげなく)Web2.0的アプローチを組み込んでみた、というところか。
【基本機能は抜かりなし!】
本ソフトは4つのインターフェイスを備えており、ツールボタンで目的に応じて切り替えられる。「Normal」(画像左)はリッチテキストエディタ風の画面で、原稿を一気呵成に書き上げたいときに便利。「Web Layout」(画像左から2番目)はブログデザインを踏襲した画面で執筆が行える。これが本ソフトのデフォルト画面だ。本文エリアとサイドバーの領域も設定済みデザインに準じているので、レイアウトを意識しながら執筆や写真の貼り付けが行える。「HTML Code」(画像右から2番目)はHTMLの直接編集が可能。たとえば前述した写真の拡大表示の制御などは、この画面でHTMLを追加記載すればいい。「Web Preview」(画像右)は投稿時の状態を再現したいわゆるプレビュー画面だ。タイトルやサイドバーもちゃんと表示してくれるので、投稿した状態が正確に把握できる。
記事執筆にまつわる基本的な機能を見ていこう。まっ先に気になったのは投稿済み記事が再編集できるのか否か。これはファイルオープン画面に登録済みのブログが表示されるので、そこから読み込みたい記事を選べばいい(画像左)。リスト表示する記事数はプルダウンメニューで数を調節できる。カテゴリの選択はメインウィンドウ右上のプルダウンメニューから可能(画像中央)。これも登録済みブログのカテゴリがちゃんと反映されており、オンラインのブログ編集画面と同じような感覚で使える。本ソフトは複数ブログに対応しており、ウィンドウズ右上のプルダウンメニューからブログの切り替えが可能(画像右)。ブログのアカウントを追加したいときは「Add Weblog Account」をクリック。ウィザードが起動するので、指示に従ってブログのURL、アカウントのIDをパスワードを入力する。投稿機能に関しては投稿即公開ではなく、下書き状態のまま投稿できる(画像下段)。詳しくは後述するが、実は現状のWindows Live Writerを使う際、この下書き投稿が役に立つ。
トラックバックとコメントに関する制御は、ウィンドウズ下部をクリックするとパネルがあらわれ、ここでトラックバックとコメントの公開/非公開が選択できる。もちろん、投稿時にトラックバックを送信することも可能。このあたりはオンラインの編集画面を踏襲しており、普段やっている作業がそのまま行える。
【で、使うの使わないの!?】
この記事はWindows Live Writerで書いている。ベータ版ということもあり、執筆中2度ほどクラッシュしたが、テキスト入力と画像貼り付け程度の作業はしごく安定していた。本ソフトの利点はローカル環境で記事を確実に保存できる点だ。それ以外にも「Web Layout」で投稿時のレイアウトを把握しながら書けるというメリットがある。これはオンラインの編集画面にはない利点といえるだろう。では即本番投入かというと、残念ながらそう簡単に踏み切れない。一番のネックは写真をクリックしたときのポップアップだ。別ウィンドウズがドーンと開くのはやはり見栄えがわるい。結局、テキストを本ソフトで入力し、前述した「Post Draft to Weblog」で下書き状態のまま投稿。その後、オンライン編集画面で写真をひとつずつ貼り付けることにした。要するに、テキストはWindows Live Writerで、画像はオンライン編集で、というわけだ。ただし、オンライン編集画面で画像を貼り付けて再度Windows Live Writerで読み込むと、なぜかオンライン編集で貼り付けた写真が読み込めない。このあたりは正式版リリースまでに改善されている可能性が高いので、しばらく様子見といったところか。
最後にひとつ、便利な小ワザを。Windows Live Writerはリンク先を別ウィンドウで表示できる。「Insert Hyperlink」ダイアログで「Open link in new window」をチェックオンすればいい。ココログはブログを表示しているウィンドウにリンク先を表示してしまうので、この機能は重宝する。なにしろブログを書く身としては、せっかくアクセスした人が再び自分のブログに戻ってきてくれるか心配で仕方ない。こういう書き手の身になった機能は大歓迎だ。
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