EOS 20D ファインダー改造計画
鼻の脂、気になりませんか? ファインダーにグッと目を押しつけ、シャッターを切る。液晶でプレビューを確認しようとすると、脂べっとり……。夏場ともなればオイリー指数は急上昇。とはいえ、脂を気にして目をファインダーから浮かせると、構図はおざなりになるしホールドが甘くなって手ブレも増える。そんなときに便利なのが、写真右側のアイピースエクステンダー「EP-EX15」だ。
こいつをファインダーに装着すると、接眼部が後方に15ミリ伸びる。おかげで液晶に鼻が当たらなくなり、目を思い切ってファインダーに押しつけられるというプチ便利なアイテムだ。左側の写真が標準のアイカップ、中央がアイピースエクステンダー「EP-EX15」を付けた状態だ。後方にググッとせり出しているのがわかるだろう。なお、アイカップ自体はEOS 20D標準装備のものを流用することになるため、目を押し当てたときの感触は標準状態と変わりない。
とまあ、このアイピースエクステンダーのおかげで快適に撮影を楽しんでいたのだが、最近になって困った問題が発生した。ロシアレンズのINDUSTAR61-L/Z-MC 50mm/f2.8を買ってからというもの、ピンぼけ増産中なのだ。MFレンズは当然のことながらファインダーを覗きながらフォーカスリングをまわし、ピントの山をつかむ。ジャスピンを狙って撮るものの、ピクセル等倍だとかすかにボケているのだ。ボディ自体が前ピン気味という懸念がないわけでもないが、それ以前にやはりファインダーが見づらい。EOS 20DのファインダーはEOS Kiss Digitalよりも見やすいと一般に言われている。とはいえ、そもそもがマニュアルフォーカスを前提にした機種ではないし、EOS 5Dのようなフルサイズイメージセンサー搭載機と比較するとお世辞にも見やすいとはいえない。これではせっかくロシアレンズを買ったのに楽しめないじゃないか。
というわけで、奥の手を使うことにした。マグニファイアの投入だ。マグニファイアとは拡大鏡のこと。要はファインダーに拡大レンズを装着して、大きく見えるようにしようというわけだ。しかしながら、キヤノンからEOS 20D向けのマグニファイアは発売されていない。いろいろとウェブを徘徊してみると、どうやらオリンパスのマグニファイアアイカップ「ME-1」が無加工で装着できるらしい。実際に購入して取り付けてみると、「こりゃ純正品か!?」と思うぐらいのジャストフィット。スライドインで簡単に取り付けられるし、見た目も違和感がない。ファインダー像は約1.2倍になって視認性が向上。マニュアルフォーカスの操作は俄然やりやすく、合焦するポイントが手にとるようにわかる。後方へのせり出しは標準アイカップと同程度で、佇まいもスマートだ。
しかし、これはこれで問題がある。それは四隅のケラレだ。左の写真は標準アイカップを装着したファインダー。その隣が「ME-1」を装着したものだ。像が大きくなっているものの、ファインダーの四隅が暗くなっているのがわかるだろう。実際の撮影では、目を左右に動かして覗き込むと四隅を確認できる。腰を据えて撮る場合は覗き込むことで正確な構図を確認できるが、テンポよく撮りたいときにいちいち四隅を覗くのは面倒だ。拡大ファインダーをとるか、ケラレに目をつむるか、なかなか難しい選択である。
さらにここで、衝撃の新事実が判明した!
右端のファインダー画像を見てほしい。これはアイピースエクステンダー「EP-EX15」を装着したものだ。標準アイカップよりもひとまわり、いや、ふたまわりほど像が小さい。いやあ、これじゃあマニュアルフォーカスは無理。ピンぼけ増産も納得だ。EOS 20Dの標準ファインダーは噂通り優秀。問題はアイピースエクステンダーにあった、と。
ってことは、「ME-1」を買わなくてもよかったのでは(汗)。
「ME-1」は手軽にファインダーを拡大できて便利だが、四隅のケラレはシビアに構図を決めたいときの妨げになる。「EP-EX15」は液晶脂まみれを回避できるものの、ファインダー像が小さくてMFレンズだと使いモノにならない。ええと、つまり、EOS 20Dは標準アイカップがイチバン、という結論に相成りました……。むりむり使い分けを考えてみると、開放&マクロのようなシビアなピント合わせが必要なときは「ME-1」を、汗が気になる夏場は「EP-EX15」を付けるといった感じだろうか。とはいえ、EOS 20Dのファインダーはカスタマイズいらず、そんな結論に落ち着きそうだ。
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