RD-A1の疑問
東芝から初のHD DVD/HDDレコーダ「RD-A1」が出た。デジタルハイビジョン放送のHD DVD直接録画ができ、もちろんHDDから画質を損なわずにムーブが可能。再生機能は「HD-XA1」に匹敵し、外観の仕上げもハイエンドAV機器に相応しいものになっている。そして価格は39万8千円。初任給二ヶ月分だ。
同社は「RD-XD92D」というデジタル×デジタルのダブル録画対応レコーダを先頃発売したばかりだが、「RD-A1」はデジタルダブル録画に対応していない。アナログ×アナログのダブル録画には対応しているものの、そもそもデジタル放送を録画するための次世代DVDでアナログダブル録画は必要なのだろうか。「HD-XA1」のリリース時にも感じたことだが、なにかとてつもなく割高感のあるものを買わされるような気がしてHD DVDに踏み切れない。むろん、初モノは高いという市場心理は理解している。それを差し引いても割高な気がするのだ。突き詰めてしまうと、「東芝はハイエンドAV機器メーカーではなく、総合家電メーカーにすぎない」というイメージが一因かもしれない。プレイヤー10万、レコーダ40万。いくらなんでも強気がすぎる。
結局東芝は、どこよりも早く出すということに終始している。その姿はまるで最近のマイクロソフトとそっくりだ。Office 2007、IE7、WMP11、そしてWindows Vista。マイクロソフトはこうした次世代ソフトウェアのベータ版を次々とフリーで公開し、正式版投入までユーザーの気持ちをつなぎとめようと必死になっている。東芝のHD DVD関連製品も、普及価格帯モデル投入時期までの場つなぎという気がしてならない。
本年11月11日、もうひとつの次世代DVD、BDドライブを搭載したプレイステーション3が発売される。PS3は格安BDプレイヤーという側面を持ち、この発売タイミングに東芝が普及価格帯HD DVDプレイヤー/レコーダをぶつけてくるのは自明の理。東芝としてはそれまでにHD DVD先行という既成事実を作りたいのだろうが、それはいわばメーカーのエゴ。規格やハード、そして価格がこなれるのを待ち、年内は静観するのが賢者の選択といえそうだ。
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