単焦点並みってホント?
EF24-70mm F2.8L USMを買って一週間ほどたち、すこし冷静に画質チェックなんぞしてみようと思ったわけですが、あいにく仕事が忙しくて連日の雨つづきで撮影に出かけられない。そんなわけで屋内でサンプルを撮ってみた。
FE24-70mm F2.8L USMは単焦点レンズ並みの解像力といわれている。解像力ってのは月並みに言うと、きめが細かい、シャープな画像ということ。最近のデジタルカメラは
イメージセンサーの解像度が高いので、レンズ解像力の優劣が如実にあらわれる。解像力にすぐれたレンズならそれこそキューティクルまで見えそうな勢いだが、反面ぼちぼちなレンズだと、ジャスピンでもモヤッと感が残ってしまう。
まあ、ピクセル等倍で見れば、ですが。
で、この解像力に関しては単焦点レンズが圧倒的に有利だ。なにしろ焦点距離固定だからレンズ特性をフルに活かして設計できる。でもズームレンズは焦点距離が変動するので、どうしたって設計にムリが生じてしまう。わかりやすい例をあげると、虫眼鏡で太陽の光を集めて紙を焼いたことありませんか。ぼくは新聞の束を炎上させたことがあります。ホントもう火事寸前。いまとなっては武勇伝。
なんてヨタはどうでもよくて……。
その際、紙と虫眼鏡の距離を一定にたもってしっかり光を焦点させるのがポイントですが、もし虫眼鏡の位置を前後に移動させたら焦点距離が合わなくてそりゃ面倒。でもズームレンズってやつはその焦点距離をグリグリ動かすわけですから、シロート考えでもなんかすごそうなことをしてるのはおわかりでしょう。
すっかり前置きが長くなりましたが、要は、ズームレンズは単焦点に画質で勝てない!ということです。その点を踏まえつつ、FE24-70mm F2.8L USMとFE50mm F1.4 USMの画質を比較していきましょうか。
FE24-70mm F2.8L USMはキヤノンが誇る最高級標準ズームレンズだ。この最高峰レンズに相応しい被写体を用意してみた。アフラック四兄弟とウサギさんだ。ある日、アフラック四兄弟の長兄がクラシックカーを購入した。長兄はごきげんで庭をブンブンと走り回る。残る三兄弟がうらやましいそうに眺めていると長兄は言った。「もう一周したら運転させてやるよ」兄弟たちは大人しくならんで順番を待つ。その奥では近所に住んでいるウサギさんが「ボクも乗せてもらえるかなあ」と指をくわえている。そんなシチュエーションである。焦点距離はFE50mm F1.4 USMと比較するために50mmに設定。開放F2.8で撮ってみた。クラシックカーのアウトラインがとてもきれい。長兄の毛並みもハッキリ見える。開放からこのシャープさはすばらしい。
次にF5.6まで絞り込んでみた。長兄の毛並みがさらにキリリと鮮明で、付着したホコリまで判別できる。アフラック兄弟とウサギさんのボケ味もうつくしい。ただこのボケ味に関しては、F2.8、F5.6ともに、もうちょっとボケてくれてもいいはずだ。ボディがAPS-CのEOS 20Dなので、フルサイズのようなボケを味わえないのはやむを得ないところか。
さて、つづいてFE50mm F1.4 USMだ。FE24-70mm F2.8L USMと条件をそろえるため、F2.8に絞って写している。F1.4から一段絞り込んでいるので、とてもシャープだ。長兄の毛並みをFE24-70mm F2.8L USMと見比べてほしい。僅差とはいえ、その解像力はFE24-70mm F2.8L USMより勝っている印象だ。
F5.6まで絞り込むとこんな具合になる。同じく長兄の毛並みを見てみよう。すさまじい解像力。いやあ単焦点おそるべし、といったところか。ちなみにFE50mm F1.4 USMは型番からわかるようにLレンズではない。それでもってこの解像力。コストパフォーマンスよすぎです。ていうか、FE24-70mm F2.8L USMを買う必要、あったのかしら……(汗)。
とまあ、アフラック四兄弟 with ウサギさんでFE24-70mm F2.8L USMの解像力を検証してみた。掲載画像は縮小してあるため、正直ちがいはわかりづらいだろう。ただ、ピクセル等倍で見てもちがいは極わずか。結論としては、単焦点を超えるとまではいかないが、単焦点と肩を並べるズームレンズという表現は偽りなし、という感触を得た。色味に関しては蛍光灯下の撮影のせいかさほど大きなちがいは見て取れない。この点はまた別のサンプルで比較してみるとしよう。比較テストを行って唯一不満を感じたのはボケ味だ。カメラ雑誌などのサンプルと比較すると、明らかにボケ味が足りない。APS-CではFE24-70mm F2.8L USMを実力を発揮し切れていない印象だ。EOS 5Dを買えってことですか、ね?
■追記■
縮小画像だとやはりちがいが見えづらい……というわけで、ホームページの方にフルサイズの画像を掲載しておきました。ちがいのわかる男を自認する方、ぜひご覧ください。
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