LUMIX L1でM42遊び
ようやくという感じだが、「LUMIX L1」の全容が明らかになった。かつて「LUMIX F1」ユーザーだったのでちょっと気になる存在だ。ボディはCONTAXの銀塩コンパクト機みたいだし、シャッタースピードと絞りを別々のダイヤルで操作するアナログ感覚もユニーク。ホームエレクトロニクスの大御所が、MFライクなデジタル一眼レフを投入したという事実は興味深い。エプソンのデジタルレンジファインダーカメラ「R-D1s」もそうだけど、外様がキヤノン、ニコンといった二大メジャーに立ち向かうには、すきまで上手に勝負しなくてはならないということなのだろう。
レンズは本体付属のライカDバリオ・エルマリート14-50mm/F2.8-3.5 ASPH.だけだが、フォーサーズシステム対応だからオリンパスのZUIKO DIGITALシリーズやSIGMA製が利用できる。ただ個人的には、M42マウントアダプタを取り付け、ロシアレンズ遊びにウッテツケのような気がしてならない。中古レンズはホコリが気になるけど、LUMIX L1はノンダストシステム搭載だから気兼ねなく遊べそう。ただ、本機はレンズ込みで24.8万ほどなので、それなら「R-D1s」が買えてしまう。LUMIX L1を本体のみで販売してくれればかなり揺らぐのだが……。
LUMIX L1で気になるのはその操作性だ。シャッタースピードはシャッターボタンを取り巻くシャッターダイヤルで調整する。そして絞りはレンズの絞りリングで調整。それぞれ「A」というポジションがあり、シャッターダイヤルをAにすると絞り優先AE、絞りリングをAに合わせるとシャッタースピード優先AEになる。両者をA以外にすればマニュアルモードとなるわけだ。まるでMFカメラの操作体系。ますますロシアレンズ向けという気がしてくる。ただ、他社フォーサーズ対応レンズには絞りリングがない……。どうしたらいいんだろう、と思ったら、本体背面のダイヤルで調整するらしい。嗚呼、実機さわってみてえ。
さて、これで一通りのデジタル一眼レフが出揃った。先行するキヤノンと追うニコン。デジイチ市場はキヤノンとニコンの一騎打ちと思いきや、オリンパスを筆頭にパナソニック、富士フイルム、コダックなどが名を連ねるフォーサーズシステム陣営、ミノルタの資産を引き継いだソニー、そして孤軍奮闘するペンタックスが猛追をかける。いま改めて実感するのは、一眼レフはシステムを売るビジネスモデルという事実だ。これまでカメラメーカーは独自システム(オリジナルマウント)で顧客を囲い込んできた。自社製品ユーザーにクソ高いレンズを買わせる反面、その売り上げがレンズやボディの開発費にまわり、ユーザーはより高画質な写真を楽しめる。しかし、オープン規格のフォーサーズシステムしかり、ソニーがミノルタの資産を引き継いだという事実しかり、現在はシステムの流動化が起きている。携帯電話会社が番号ポータビリティで流動化していくように、デジタル一眼レフ業界も激動の時代を迎えるのではないか。たとえば、ニコンがフォーサーズシステム対応機を出したら!? そんなシナリオを想像しただけで、デジイチ勢力図は大きく塗り変わる。そろい踏みはホンの序章。天下獲りはこれからだ。
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