NASでバックアップ
バッファロー「HD-HG250LA」を買った。ギガビットイーサに対応したNASだ。最近デジタル一眼レフのRAWデータがずいぶん貯まったので、バックアップ用である。
導入はひどく簡単だ。ウィザードに従ってケーブルをつなぐだけ。DHCP環境なら呆気なく接続できる。唯一注意すべき点を挙げるとすれば、共有フォルダにアクセス制限をかける際、登録ユーザーはウィンドウズ上でパスワードを設定しておくこと。これを忘れると、NAS側のユーザーにはパスワードが設定してあるのに、OS側のユーザーアカウントはパスワードなしという状態になってしまい、同一ユーザー名なのにパスワードが一致しないという矛盾が生じてしまう。要はウィンドウズ上でパスワード設定したアカウントを、NAS側に登録すればよい。
さて、この製品には「簡単バックアップ」というバックアップソフトが付属している。NASを自動認識してそこにファイルやフォルダをバックアップしてくれるソフトだ。増分バックアップやスケジュールにも対応しているのだが、思ったよりも使い勝手がわるい。まず、タスク単位でバックアップが実行できず、設定したタスクを律儀に全部実行してしまう。今回は未圧縮で増分バックアップしてみたのだが、初回バックアップと同じぐらいの時間がかかり、パフォーマンスがどうにもよろしくない。そして極めつけはこれだ。
なんだかフツーにバックアップ失敗してるじゃないですか! これはいただけない。遅い上にバックアップ失敗では目も当てられません。そこで別途バックアップソフトを用意することにしたのだが、改めて買うとなると、これが結構なお値段なのだ。システムバックアップではなくあくまでもデータバックアップ、要はファイルコピーに一万ちょいなんて金は払えない。いろいろネットで調べてみたら、「BunBackup」というフリーソフトが優秀らしい。早速インストールしてみた。
素っ気ないくらいの画面だが、タスク単位でバックアップでき、増分バックアップやミラーリングにも対応。もちろんスケジュール、圧縮、暗号化もサポートしている。
しかもこのソフト、機能を選択するスタイルを採用していて、必要に応じて機能を追加していくのだ。初期状態ではちょっと物足りないくらいにシンプルだが、この画面で機能をアドオンしていくことで市販ソフトに負けないくらい高性能になる。
バックアップ先がNASということでネットワークへの対応状況が気になるところだが、問題なく保存先に指定できた。さらにネットワークログインにも対応しているから、アクセス制限をかけた共有フォルダにもバックアップ可能。ログインでモタつくこともなく快適だ。
一点だけ気になったのはフォルダの扱い方だ。たとえば、以下のようにバックアップを設定したとしよう。
バックアップ元 c:\doc
バックアップ先 f:\share
docフォルダをshareフォルダにバックアップしたいのだが、このままだとdocフォルダの内容(ファイルやサブフォルダ)をshareフォルダ内にぶちまけてしまう。docフォルダをそのままバックアップしたい場合は、「f:\share\doc」と明示的に指定する必要があるのだ。メールデータや日本語変換ソフトの辞書データのようにファイル単位でバックアップするための配慮と思われるが、フォルダ単位でバックアップする際は注意が必要だろう。
当面「BunBackup」を使っていこうと思うが、やはり釈然としないのは「簡単バックアップ」の不出来だ。NASは比較的PCスキルの高いユーザー向けの製品。そうした製品に柔軟性に乏しいソフトを付属してどうするつもりだろう。パソオタならバックアップソフトのひとつやふたつ、どうせ持ってるでしょ、とタカをくくっているのか。せめて市販パッケージのライト版を付属するぐらいはしてくれてもいいはずだ。
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