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May 2005

May 15, 2005

無線LAN大混乱

家中電波だらけで死にそうだ。

仕事部屋をリビングから4畳半に移動することにした。かつてはパソコン7台を並べてご満悦だったのだが、最近は原稿マシンとテスト機、そしてモバイル用のノートパソコンがあるのみ。なにもリビングで仕事をする必要もあるまい。というわけで、仕事部屋大移動の真っ最中なのだ。

問題は、光ファイバの回線がリビングにきていて、4畳半までは廊下を隔てているという点だ。LANケーブルがうねうねと廊下を這うのはいただけない。そこでリビングと4畳半にそれぞれLANを構築して、ワイヤレスでLAN間接続することにした。いわゆる無線LANのブリッジ接続だ。ちょっとわかりづらいけど、こんな感じのレイアウトを考えた。

●リビング
モデム(FTTH終端装置)-ルータ-無線LANアクセスポイント

●4畳半
スイッチングハブ-無線LANアクセスポイント

各部屋のルータとスイッチングハブにはそれぞれパソコンが有線/無線LANでつながっている。要は両部屋のパソコンでファイル共有とインターネット接続ができるようになればOK。知り合いの某ライター氏によると「無線LANのブリッジ接続なんて簡単ですよ」とのことなので、オレもその程度だろうとタカをくくっていた。が、しかし、これがけっこう面倒なのだ。実際問題として、一般ユーザーでブリッジ接続をノントラブルで構築できる人なんているのだろうか。いやもう特集1本十分に組めます。ていうか組もう組みたい、組むならその仕事はオレにチョーダイ。

そんなわけで、いかに面倒がご堪能くださいませ。

今回用意したのはバッファローの無線LANアクセスポイントWLA2-G54Cを2台。それぞれリビングと4畳半に設置して、ふたつのLANを相互接続する。そそくさとアクセスポイントを各部屋に設置。ノートパソコンから無線LAN経由でセッティングに取りかかる。リビングのアクセスポイント(ルータに接続)はすぐ設定できるのだが、4畳半(スイッチングハブに接続)にはうまく接続できない。ちょっと考えればわかることだけど、スイッチングハブにつなげただけではIPアドレスがちゃんと割り当てできない。そりゃつながりませんよ。というわけで、ブリッジ接続の設定を行うときは、アクセスポイントを2台ともルータに接続してから設定に取りかかりましょうね。

さて、ブリッジ接続するときは双方のアクセスポイントで以下の点を共通設定にしておく。これはWLA2-G54C固有の問題かもしれないが、概ね原則と考えていいだろう。他社製品を使っている人は適宜読み替えて作業を進めよう。

(1)無線チャンネルを共通にする
(2)暗号化キーはWEPを使用(WEP以外は不可)
(3)WEPのパスワードは共通にする

こうした作業を行った上で、ブリッジ接続を有効にしよう。WLA2-G54Cではブリッジ接続のことをWDS(アクセスポイント間通信)と呼んでおり、まずはこれを「有効」にする。そして「通信するアクセスポイントの無線側MACアドレス」の欄に、相手のアクセスポイントのMACアドレスを登録。これでアクセスポイント同士の相互通信、いわゆるワイヤレスLAN間接続が可能になる。設定直後、双方のアクセスポイントに接続して通信状態を確認したくなるが、ここで一点注意。ルータに2台のアクセスポイントをつないだままだとうまく接続できない。まあこれも当然といえば当然。ルータに有線接続した状態で、アクセスポイント間で無線接続してしまうわけだから……。ループしちゃいますね。あせらずに片方のアクセスポイントを所定の場所(今回は4畳半のスイッチングハブ)につなぎ直してから接続確認を行おう。

これでLAN間接続は完了したが、まだ仕事場移動に着手できない。というのも、メインで使っているレーザープリンタが依然パラレル接続だからだ。いや、パラレル接続が問題というわけではない。4畳半ではメインマシンとプリンタをどうしても離して設置せざるを得ないので、このままだとあのぶっといパラレルケーブルが室内を這うことになる。それは許せない許されない。勢いでプリンタも無線化することにした。

チョイスしたのは同じくバッファローの無線LANプリントサーバーLPV2-WS11GCだ。プリンタのパラレルポートに接続して電源ケーブルをつなげる。無線LAN搭載ノートパソコンで「ワイヤレスネットワーク接続」を表示すると、LPV2-WS11GCがすんなりと見える。奇妙なことにアドホックモードで稼働している様子。これにはちゃんとした理由がある。LPV2-WS11GCを設定する際、まずはじめてに無線LAN搭載パソコンからLPV2-WS11GCにアクセスし、その後各種設定を進めながらインフラストラクチャモードに切り替える。アドホックモードとは要はピアトゥーピアなので、既存のワイヤレスネットワークと混乱することなく設定が進められる。この方が何かと都合がいいのだ。

LPV2-WS11GCにアクセスしたら付属ユーティリティ「LPV2マネージャ」で各種設定を行う。ところがLPV2マネージャを起動しても肝心のLPV2-WS11GCを検出してくれない。ウィンドウズ上ではちゃんとLPV2-WS11GCに接続しているし、ファイアウォールもオフにした。マニュアルを隅々まで読んでみると、無線LAN以外のネットワークにTCP/IPがバインドしてあると、検出に失敗することがあるらしい。 ものは試しで有線LANとIEEE1394のTCP/IPをオフにする。するとあっさりLPV2-WS11GCが検出できた。正直いってTCP/IPのバインドを外すという発想はなかった。かなりマニアックな設定だと思う。自力でこの設定に気づく人が何人いるだろう……。その後、LPV2マネージャで各種設定を進めるのだが、通信モードをアドホックモード(無線LANパソコン間通信(WiFi))からインフラストラクチャモード(エアステーション経由通信)に切り替えるのがポイント。その上で以下の点に注意してほしい。

(1)既存のアクセスポイントのESS IDを指定
(2)チャンネルはアクセスポイントと共通にする
(3)WEPのパスワードはアクセスポイントと共通

そしてこの時点で重大なことが発覚した。LPV2-WS11GCで使用できる暗号化技術はWEPのみなのだ。幸いブリッジ接続の設定ですべてWEPに統一していたからいいものの、別の規格でそろえている人はちと面倒なことになりそうだ。

これで設定完了、などと侮ってはいけない。さらにプリンタのプロパティを開いて新たなローカルポートを追加し、そこでLPV2-WS11GCのネットワークパスを指定する。またLPV2-WS11GCは双方向通信不可なので、これもチェックボックスをはずしておくこと。このあたりはマニュアル通りに進めていけば問題ないだろう。

いやはやその作業量たるや自作パソコンに負けず劣らずだ。あなたもぜひ、ハイエンド無線LANの世界に足を踏み込んで、いや踏み外してみませんか?

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May 09, 2005

命名カメレオン

EIZO FlexScan M170はカメレオンみたいな液晶ディスプレイだ。

これまでEIZOの19型CRTディスプレイを使っていたのだが、ついにようやく、液晶ディスプレイにリプレイスした。EIZOのCRTディスプレイは映像美に加え、使い勝手もなかなか秀逸だった。パソコンとUSB接続すると、タスクトレイに常駐したユーティリティでコントラストと輝度が調整可能。日中はコントラストと輝度を全開、夜は輝度を50パーセントまで抑えるという使い方をしてきた。いちいちOSDで調整するよりもスマートだし、マウスでディスプレイ設定を調整するという操作がヤミツキだ。液晶ディスプレイに乗り換えるとき、この使い勝手だけはなんとかキープしたいと思っていたのだが、FlexScan M170は大きく期待を裏切ってくれた。もちろん、いい意味で。

FlexScan M170はBrightRegulatorと呼ばれる自動輝度調整機能を搭載している。設置場所の明るさに応じて液晶パネルの輝度を自動調整するというものだ。実際に設置してみると、自動調整が効いているのかどうかよくわからない……。明るさの過不足が気にならないほどごくごく自然に画面表示している。液晶上部に小さなセンサーがあり、どうやらこれが明るさを検知している様子。ものは試してでこのセンサーを指でふさいでみた。するとみるみるうちに画面が暗くなり、指を離すと今度はじわじわと明るくなっていく。

マジで自動調整している! エライぞ液晶。

fs01 さらにFlexScan M170で秀逸なのがオートファインコントラストだ。このディスプレイは画面表示モードを搭載し、Text、Picture、Movie、sRGB、Customといったプリセットが用意されている。むろん、この程度は最近のディスプレイなら概ね搭載していて、別段めずらしいものではない。FlexScan M170がエライのは、オートファインコントラストを有効にするとアプリケーションごとに表示モードを切り替えてくれる点だ。事前にアプリケーションと表示モードを関連づけておく必要があるものの、この関連づけも簡単に行える。まずタスクトレイに常駐しているScreen Manager Pro for LCDを起動。一度起動したアプリケーションが「アプリケーションの選択」にリストアップされているので、ここからアプリケーションの名前を選び、その後関連づけたい表示モード(ファインコントラストモード)を指定する。とりあえず関連づけたいアプリケーションを次々に起動してからScreen Manager Pro for LCDを起動。あとはチャッチャカ表示モードを選んでいけばいい。一通り設定が終わったら、アクティブなアプリケーションを次々切り替えてみよう。色温度と明るさが忙しなく変化する。その様子がナンとも甲斐甲斐しく、また滑稽でもある。

環境にその身を合わせるカメレオンの如し、なのだ。

fs02 本機はSRS WOW対応ステレオスピーカーを搭載している。SRS WOW対応とはいえ所詮は2W+2Wのスピーカーだから、取り立てて高音質とは言い難い。小さいわりにていねいに鳴っているというレベルだ。サラウンドはMode1/2の2タイプを搭載していて、Mode2だとワイドステレオを強調しすぎた印象を受ける。しかしMode1だと低音が圧倒的に物足りないので、低音部を持ち上げて使っている。バスブーストは音がふやけがちなのだが、本機のスピーカーに関してはそうした心配は無用。むしろ小音量で聴いても音に芯があり、小容量スピーカーといえども質の良さを感じさせる。

なお、FlexScan M170はオフホワイトとブラックの2種類がある。ただし、オフホワイトはほぼ真っ白なのでヘビースモーカーは要注意。数ヶ月でまちがいなくベージュに染め上がるだろう。EIZO Directでは限定色のシルバーが購入可能。タバコのヤニや埃が気になる人はシルバーを選ぶべし。

ていうか、シルバーにすればよかった……。

ポイントを貯めたいばかりにヨドバシカメラでオフホワイトを買ったのだが、こんなにも真っ白だなんて……。性能とクオリティ、使い勝手は大満足なんだけど、真っ白な「オフホワイト」はちと疑問です。

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May 02, 2005

スキャナ大活躍!

CanoScan LiDE500Fを買った。いまさらスキャナである。

目的はただひとつ。雑誌のスキャンだ。1996年にフリーになって丸9年、今月末で10年目に突入する。その間に書き散らした掲載誌が文字通り山積みなのだ。どのくらい山積みかというと、雑誌を詰めたダンボールがクローゼットを占領し、なおかつ入りきらない雑誌が床のそこかしこに積み重なる……。

正直、生活に支障をキタしてます。

スクラップしてもこれだけの量になるとスクラップした記事自体が膨大になり、それを収納するスペースが必要だ。クリアファイルを購入する費用だってバカにならない。それならばいっそデジタル化、というわけでスキャナでPDF化することにした。そのために選んだのがCanoScan LiDE500Fというわけだ。

scan01 スキャナは総じて縦開きなのだが、この製品は横開き。雑誌スキャンに関していえば、あまり便利とはいえない。左ページはそのままの向きでスキャンできるが、右ページは逆さまにしてプレビューボタンを押し、その後スキャン方向を180度回転させて読み込むことになる。その程度の手間といってしまえばそれまでだが、数百、数千ページのスキャンになると、その手間もなかなか無視できなかったりする。とはいえ、机にスキャナを横向きに置けるのは便利。奥行きのある机を使っているなら縦開きでも支障ないだろうけど、奥行きの狭い机を使っているならこのスキャナは重宝するはずだ。ちなみにキヤノンは薄型スキャナをもう一機種リリースしていて、実はそちらもかなり気になっていた。定番の縦開きだし、しかも下位機種だからお値段も安い。たかだか雑誌のスキャンなら読み取り解像度もそこそこで問題なし。でも、見た目はCanoScan LiDE500Fの方がカッチョイイ。不便を承知で買ったのは、まったくもってそれだけの理由です、ハイ。

scan02 このスキャナは前面にワンタッチボタンが4つあり、付属ユーティリティ「CanoScan Toolbox 4.9」に連動している。PDFボタンを押すと、左のような画面があらわれ、スキャン画像をPDF化してくれるという仕組みだ。もちろん複数ページのPDF化、ページの追加にも対応している。Adobe Acrobatを買わなくてもスキャンデータのPDF化が可能。この機能はおいしい。しかもPDF変換の前にスキャン画像のサムネイルが表示され、並べ順の変更やPDFに含める画像の選択にも対応。よく使い勝手が考えられている。ただ、実はひとつだけ致命的な問題があった。これはウチの環境によるものかもしれないが、PDF変換時にスキャンデータもろともクラッシュしてしまうのだ。1、2ページなら再スキャンも大した手間ではないからまだ我慢できる。でも、10ページ以上スキャンした挙げ句に異常終了するのはいかがなものか、と。しかもクラッシュするタイミングが不規則で、雰囲気的にはPDF変換処理中に別タスクが稼働するとクラッシュしやすい……。なかなかどうしてナーバスなソフトだ。

そんなわけで、現在ではAdobe Acrobat 6.0でPDF化を行っている。こちらはPDFの本家だけあってさすがに動作は安定。7.0ならスキャン時に傾いた画像をまっすぐに補正してくれるようなので、バージョンアップも検討中だ。

さて、そんなこんなで過去3年分の雑誌をスキャンしてみた。1冊1ファイルで196ファイル、容量448MB。オレの仕事なんてその程度と思うべきか、けっこうなボリュームと思うべきか、実に微妙な分量だ……。ちなみに、過去3年分というのは床に散らばっていた雑誌だけで、まだ6年分がクローゼットを占領中。仕事やスロの合間を縫って、まだまだスキャン漬けの日々はつづく。

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