March 17, 2023

デジタル赤外線写真の解説書、ついに出ます!

2008年からデジタル赤外線写真に取り組んで十数年、ついに書籍化です。これまで培ったデジタル赤外線写真のノウハウを、この一冊に凝縮しました。澤村の知るかぎり、商業ベースでは初となるデジタル赤外線写真の解説書だと思います。個性的な写真を目指している方、ぜひご高覧ください。

デジタル赤外線写真マスターブック[ホビージャパン][Amazon
発売:2023年3月31日
版元:ホビージャパン
価格:3,300円


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まず本書はフォトギャラリーを充実させました。3部構成で様々なタイプのデジタル赤外線写真をご覧いただけます。おなじみの青空と真っ白な葉の組み合わせはもちろん、ピンクとグリーンの組み合わせ、モノクロテイストなものなど、多彩なデジタル赤外線写真をたっぷり載せました。このフォトギャラリーでデジタル赤外線写真の世界観を体感してもらえると思います。

 

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本書はデジタル赤外線写真の入門書です。これからデジタル赤外線写真をはじめたい人、およびはじめたけどうまくいかない人のために、機材選びから撮影方法、そして画像編集にいたるまで、やさしくていねいに解説しています。まったくのビギナーという方は1章に目を通してください。この章を読むだけで、最短ステップでデジタル赤外線写真が撮れるようになります。

 

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2章以降はより実践的な内容を、赤外線写真の制作上のポイントごとに掘り下げていきます。カメラとレンズの選び方、赤外線フィルターの役割と描写傾向、具体的な撮影方法などを、細部にわたってじっくり解説しました。昨今人気の赤外線改造ボディ、フルスペクトラム機についても取り上げています。ノーマルボディと改造ボディでどう写りが変わるのか、赤外線フィルターの種類でそれぞれどんな写りになるのか。実写結果を一覧にしてその違いを比較しました。機材選びの参考になると思います。

 

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デジタル赤外線写真のクライマックスといえばカラースワップ。この赤外線写真独自の画像編集に、本書はたっぷりページを割きました。カラースワップの手順はもちろん、きれいに赤外線写真を仕上げるためのテクニックを多数掲載しています。といっても小難しい話はなし。シンプルな操作で最大限の効果が得られるように工夫してあります。“赤外線写真らしさ”を常に意識し、実践的なテクニックを解説しました。

 

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本書は入門書の体をとっていますが、中上級者向けのお楽しみコンテンツも用意しています。それが特殊な赤外線フィルターのコーナー。たとえば、カラースワップ不要で葉っぱが白く写るフィルター、エアロクローム風の赤い葉が撮れるフィルター、さらには赤外線とは真逆の紫外線撮影できるフィルターも紹介しています。

 

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さらにもうひとつ。オールドレンズによる赤外線撮影の章も必読です。ミラーレス機ならマウントアダプターでオールドレンズが付け放題。その利点を赤外線撮影にも活かしてみました。オールドレンズ特有の柔らかい写りが赤外線写真にどういう影響を与えるのか。実はオールドレンズ×赤外線撮影には描写傾向のみならず、ちゃんと実用的なメリットもあります。そのあたりは本編にてご覧ください。

 

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ストはライカM8をクローズアップしました。周知の通り、ライカM8は無改造で赤外線撮影できる稀有なカメラです。僕もいまでも愛用してます。でも、でもね、お世辞にも使いやすいとはいえないんですよ。むしろ不便。そんな使いづらいライカM8なのに、どうしても手放せない。便利はフルスペクトラム機があるのに、ついついライカM8を持ち出してしまう。そんな愛憎半ばするエッセイで本書を締めくくりました。

海外ではデジタル赤外線撮影による作品づくりが盛んです。日本で赤外線改造というと、天体撮影のほうがポピュラーでしょうか。作品表現としてのデジタル赤外線写真は、日本ではまだまだマニアックなジャンルです。本書が微力ながらも、日本でInfrared Photographyが広まるきっかけになれたら幸いです。「デジタル赤外線写真マスターブック」、ぜひご一読ください。

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March 14, 2023

新刊の表紙が確定!【デジタル赤外線写真マスターブック】

今月末に発売の新刊、ついに表紙がFIXしました。今回はオールドレンズ本ではなく、デジタル赤外線写真です。ついにやっと、赤外を書籍化できました。デジタル赤外線写真って「青い空と白い葉」のイメージが強いですが、あえて「グリーンの空とピンクの葉」の写真をチョイス。これはデザイナーと編集者がイチ押しだった写真を採用しました。ちなみにこの写真を撮ったレンズ、Ektar 47mmF2というレア玉です。赤外の本なのにオールドレンズ……。抜かりありません(笑)。

デジタル赤外線写真マスターブック[ホビージャパン][Amazon
著者:澤村 徹
発売日:2023年3月31日
出版社:ホビージャパン
税込価格:3,300円

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February 24, 2023

マニアな人のためのCP+2023レポート、書きました!

4年ぶりにリアル開催されたCP+2023、初日にあちこち巡ってきました。毎度ながら澤村のレポートですから、メインどころのカメラメーカーはスルー。ひたすらマニアックなネタを漁ってます。週末のCP+2023散策に役立ててください。

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アレな人のためのCP+2023レポート

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February 21, 2023

ChatGPTはライターの水増し原稿

ChatGPTを使って感じたこと。まるでライターが書いた水増し原稿みたいだ。たくさん書いてあるけど何も語ってない……みたいな。「Aを正常進化させるとBに似た側面が見える。しかし、けっしてBそのものになることはなく、AはAとしてのコンセプトを保ちつづける」。要は「AはAだ」を水増ししただけ。

ライターという職業は、「何でもいいから何か書いて」という依頼がけっこうある。プレスリリース1枚だけで製品レビューを書く、なんてこともめずらしくない。特集内容を知らされず、その特集の総論を書くこともある。情報が足りない。製品を触っていないからインプレッションも書けない。当たり障りのない言葉で水増しするしかない。

この手の原稿を書くとき、基本的に主観や独創的な発想は加えない。どんな原稿が求められているのかわからないので、当たり障りのないことしか書けない。客観的な情報と一般論を書き連ねる。「AはAだ」を千の言葉で水増しするのだ。これは特別なことではない。ライターとしての常套手段。既知の情報を当たり障りなく連ね、とりあえず何か書く。この感じがChatGPTから滲むのだ。

ChatGPTはわかることもわからないことも、とりあえず「何か答えよう」という姿勢を感じる。この姿勢が水増し原稿を書くライターにそっくりなのだ。「何でもいいから何か書いて」と頼まれたライターは、全力で「何か書こう」とする。文章力と知識はあるので、どんなことでも何かは書けてしまう。ChatGPTの受け答えを読んでいると、若い頃、文化的雪かきな仕事をやっつけていた自分を思い出してつらい気持ちになる。

一応、ライターという職業を擁護しておくと、こういう水増し原稿でも必ず“キメぜりふ”を考え、内容をキャッチーかつ手早く読者に伝える工夫をする。さすがにサマリーを作るだけでは原稿料はもらえない。細かい部分でライターとしての“独自性”を発揮する。この点はChatGPTとはちがう。

現状のChatGPTは情報サンプリングがベースだろうから、いわゆる独自性は見てとれない。うまく言葉を並べているけど、結局に何も語ってないよね、という感じ。既知のものは上手に生み出す。でも、未知のものは見せてくれない。サンプリングの果てに独自性はあるのか。別の要素が必要なのか。さて、今後はどうなるのだろう。

それはさておき、ChatGPTにカメラの詩を書かせると抜群におもしろいから試してみて。

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February 20, 2023

KISTAR 40mm F2.4 M、再販スタート!

発売早々に完売してしまったKISTAR 40mm F2.4 M、今月から再販がスタートしたとメーカーから連絡がありました。やはりMマウントレンズは動きが早いですね。そんなわけで、「Kistar the other side」もKistar 40mm F2.4 Mで更新しました。お題目はモノクロ。あの柔らかい滲みでモノクロ写真を楽しんでみようという趣向です。ぜひご覧ください。

●Kistar the other side 第43回
KISTAR 40mm F2.4 Mでモノクロに浸る

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January 29, 2023

こんなデザイン見たことない【Angelo Pelle】

数年前にお付き合いのあったイタリアのカメラアクセサリーメーカーに、しれっと一般人のふりをしてストラップを注文。速攻バレてダイレクトメールが飛んできた(笑)。いっしょにサンプル送るから、よかったらSNSで紹介してよ、みたいな。サンプル製品はまた後日紹介するとして、まずは衝動買いした2本のストラップから見てほしい。唯一無二のデザイン、ガチのオリジナルデザイン。かっこいいです。ぜひご覧あれ。

●metalmickey's camera
Angelo Pelle Trecciato Neckstrap Limited Edition
唯一無二の編み込みストラップ

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January 11, 2023

オールドレンズ成分が足りない

最近、どうも人生に覇気が足りないと思っていたら、昨年9月以降、オールドレンズを買っていませんでした。そんなわけで久しぶりにオールドライカレンズをゲットです。多くのライカファンに黙殺されがちな、エルマー50ミリF2.8第1世代を買ってみました。

F3.5の沈胴エルマーはあんなに有名なのに、なぜかF2.8はスルーする人が多いんですよね僕みたいに(笑)。食わず嫌いはいけません。良玉を6万弱で購入。いまどきのライカレンズとしては激安でした。

そつのない写りかと思いきや、開放は柔らかく、フレアが出やすく、しかも絞るほどにフレアビームと化し、いろいろと表情豊かなレンズでした。こんなことならもっと早く買えばよかったなあ。

Leica M11 + Elmar 50mmF2.8 1st

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January 03, 2023

新春球面ズミ礼賛

レンジファインダーは撮っている最中にフレア・ゴーストが見えない。プレビューしてはじめて気づく。「やっちまった」とガッカリするときもあれば、「やるなオレ」と自画自賛することもある。でも球面ズミは過剰なので大抵「すげえなお前」って感じになる。
 
Leica M8 + Summilux-M 35mmF1.4 1st Later

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ちょっとした逆光でこのゴースト。さすが。

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開放の滲み健在。その上品な滲み、真似できるレンズはない。

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後ボケの怪しい感じ、わかるでしょうか。たまりません。

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January 02, 2023

ターレット式ピンホールレンズZNONZ Is【metalmickey's camera】

metalmickey's camera、2023年一発目の更新です。今回は新進気鋭のレンズブランドの製品、ZNONZ Isをレビューしました。ターレット式を採用したピンホールレンズで、高精度に作られた日本製アイテムです。ぜひご覧ください。

●metalmickey's camera
ZNONZ Is ターレットで回折光学写真を究める

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January 01, 2023

2023年は赤外がんばります!

新年明けましておめでとうございます。いつもオールドレンズ漬けの澤村ですが、今年はデジタル赤外線写真をがんばります。フルスペクトラム機を導入してデジタル赤外線写真のポテンシャルを実感する一方、M8赤外の良さを改めて感じました。デジタルでしかなし得ない表現として、デジタル赤外線写真に取り込んいきます。

そんなわけで、ニューイヤーズカードはライカM8にしました。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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