05.お仕事

December 16, 2007

Mitaka & Google Earth で3D宇宙ツアー

今日はちょっくらお仕事の宣伝をさせてください。このブログでは幾度か、MitakaやGoogle Earth、ならびにGoogle Skyを取り上げてきました。記事ではおもに、3Dソフトの動向、位置づけを論じてきましたが、基本的にはやはり遊んでナンボのもんだと思います。そんなエンターテイメント志向のムックを上梓しました。

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パソコンで3D宇宙ツアー(毎日コミュニケーションズ)
http://book.mycom.co.jp/mook/68397-69-07/68397-69-07.shtml


4次元宇宙シミュレータ「Mitaka」、Google EarthのSkyモード。これらを使い、パソコンで宇宙を飛びまわろうというムックです。そうはいっても、ただ操作方法を解説するだけではおもしろくない。そこで、惑星直列(グランドクロス)、探査機の惑星大接近、かぐやでクローズアップされた地球の出など、どこかで耳にしたことにある宇宙的現象を、Mitakaを使ってシミュレーションしてみました。パソコンをあまり使い慣れていない人でもわかりやすいように、ステップバイステップで世紀の天体ショーを再現できるように配慮しています。

そしてもうひとつ、本書には個人的な野望(笑)を盛り込みました。長年パソコン誌で仕事をしてきましたが、悲しいかな、誌面にパソコンの画面写真が載った途端、どんなにレイアウトにこだわっても野暮ったくなってしまう……。このパソコン誌的宿命を何とか払拭できないだろうか。そんなことを思いながら十数年、書いてきました。しかし、MitakaやGoogle Earthの画面は、緻密な3Dグラフィック、高精細な写真で構成されています。もしかしたら、パソコン画面でグラビアが作れるかもしれない。そんな思いにかられ、本書を企画しました。手前味噌ではありますが、パラパラとページをめくってみるだけでも楽しいムックに仕上がったと自負しています。

PC系宇宙ネタというニッチなムックではありますが、もし書店で見つけたら、立ち読みしてやってください。親子で本書を手にとって、宇宙のロマンを共有してもらえれば……。これが企画者であるぼくの、ひそかな希望です。

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March 22, 2007

PX-G930 & MP960 スペック崇拝の人々へ

原稿でダメ出しをくらった。お題目は単体ハイエンドプリンタ。いまやメインストリームは複合機だが、画質を求めるなら単体ハイエンドプリンタだね、というコンテンツだ。エプソン「PX-G930」を借り受け、手持ちのキヤノン「MP960」と比較してみたところ、PX-G930はかなりイケてるプリンタだった。そこで思いの丈をブチまけてみたのだが、「ハイスペックプリンタが高画質なのはアタリマエ、原稿のテンションが高いからリライトしてね」という指示だった。

一応これでも、90年代後半から数多くのカラーイメージング機器をテストしてきた。テンションが高くなったのは、それなりに理由があってのこと。ハイエンドプリンタはスペックがいいから高画質、という編集者の画一的な見方に疑問を感じる。仕事のグチになって恐縮だが、今回はスペックと画質の関係を考えてみたい。

【スペックから読み解く画質の優劣】
まずはスペックを比較してみよう。PX-G930とMP960の特徴は以下のようになる。

PX-G930
・セミプロ仕様のA4単体プリンタ
・Adobe RGB対応
・8色インク(内ひとつはグロス系インク)
・発色特性のよい顔料インク
・インクドットは最小1.5pl

MP960
・キヤノン複合機の最高峰モデル
・プリント機能は同社A4単体ハイエンド機と同等と思われる
・7色インク
・1plの微少インクドット

PX-G930はA3クラスの性能をA4プリンタで実現しているのが特徴。一方MP960は、複合機でありながら単体プリンタクラスの画質を備えているのが強みといえる。キヤノンのアドバンテージは1plという極小インクドット。粒状感はほぼ皆無で、なめらかな仕上がりだ。エプソンは発色のよい顔料インクと光沢感を向上するグロスオプティマイザが強み。もちろんAdobe RGB対応という点はデジイチユーザーにとって大きな魅力となる。

実際にプリントしたものを見比べると、PX-G930はわずかにインクの粒状感が気になる。しかし、発色の落ち着き方が実に気持ちいい。「顔料インクだから発色がいい」という表現は、どことなく鮮やかな色合いを想起させる。しかし単に鮮やかということではなく、深みのある発色だ。片やMP960はやや黄色に偏る。これはここ最近のキヤノンの傾向。必ずしも日本人好みとは思えないが、ワールドワイドで展開するためのカラーバランスなのかもしれない。

【ぬり絵的高画質の向こうにあるものは!?】
ここまでの比較では、両者それぞれの良さがあるという結論だ。キヤノンの1plはやはり強烈で、粒状感ほぼ皆無のなめらかさは特筆モノ。とはいえエプソンの深みのある色合いも気持ちいい。ハイエンド製品はさすが、そんなありきたりな感想に落ち着いた。しかし、下の画像をプリントしたとき、ぼくは冷静さを失った。PX-G930とMP960の決定的なちがいが浮き彫りになったからだ。

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EOS 20D + EF24-70mm F2.8L USM

EOS 20Dを使ってAdobe RGBモードで撮影し、その後SILKYPIX 3.0で加工している。画面ではわかりづらいかもしれないが、カメラ底部の影が黒つぶれし、コンディションはあまりよくない画像だ。これをPX-G930とMP960でプリントしてみた。各々プリンタドライバの補正機能をONにし、プリント用紙は富士フイルム「写真仕上げPro」を使った。メーカー専用紙を使わなかった理由は、ある種の公平性を期すためだ。用紙に記されている推奨用紙設定に準じ、PX-G930は「写真用紙」で、MP960は「プロフォトペーパー」に設定して印刷している。なお、掲載にあたってGT-X900でスキャンを行った。解像度は600dpi。その後傾き修正とゴミ取りを施してリサイズしている。

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がキヤノン「MP960」、がエプソン「PX-G930」だ。比較前に注釈しておきたいことがある。MP960の色味がオリジナル画像と異なっているが、これはモノトーンライクなプリントをスキャンしたためだ。実物のプリントサンプルでは、MP960がオリジナルに忠実で、かすかに緑がかった色合いを再現。むしろPX-G930の方がセピアトーンに転んでいる。そうした画像をスキャンしたことで、さらに色調が逆転してしまった。しかし、今回問題にしたいのはこうした色調の話ではない。注目してほしいのはカメラ底部画像の右上だ。

MP960のプリントはハデにトーンジャンプしている。オリジナル画像の階調性が破綻しているのでこれは画像に忠実ということなのだが、その上コントラストをいくぶん高めているらしく、このようなハデなトーンジャンプが発生した。なお、誤解のないように付記しておくと、これはけっしてMP960の性能がわるいというサンプルケースではない。MP960はオリジナル画像を比較的ストレートに、その上で見栄えよくするため若干コントラストを上げる特性があるようだ。一般にデジタルカメラは、白飛びや黒つぶれを回避するためにコントラストを抑えめにして記録する。そうしたやや眠たい画像をコントラストアップで整えていくれるわけだ。

さて、PX-G930のプリントを見てみよう。カメラ底部にかすかに黒つぶれが認められるが、オリジナル以下に抑えられている。粘りのある描画とでもいおうか、まるでネガフィルムのような表現力だ。この仕上がりを見て、ぼくは俄然PX-G930が気に入った。手持ちの画像を次々にプリントアウトしてみた。

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これらのサンプルは、フィルムスキャンした画像をSILKYPIX 3.0でLOMO風に加工したものだ。クロス現像とまではいわないが、かなりギトッとした色合いにしてある。それをPX-G930でプリントし、スキャンしている。まあいろいろと作業工程がややこしいが(笑)、こってりとした色合い、ただハデなのではなく、世界が目の前にあるような濃密さは伝わってくると思う。

色の深みと粘り――その結果PX-G930というプリンタは、写真っぽい高画質ではなく、写真そのものの濃厚さを目指しているのではないか。インクジェットプリンタは、どれだけインク数を増やしても、インクドットを微細化しても、どこか塗り絵的な世界観から抜け出せなかった。その点PX-G930でプリントしたものは、手にした瞬間「ああ、これが写真だよなあ」と実感できた。「わあキレイ、写真みたい!」ではない。単純に「これは写真だ」と認められるクオリティ。実際の紙焼き写真と比べたりしなくても、またスペックや技術的ウンチクをまったく知らない人たちでも、それは実感できるはず。だからこそぼくは、テンションの高い原稿を書いた。わざと書いたのではない。いい製品に触れたから、勝手にテンションが上がったのだ。

【スペックよりも自分の目と感動が指標】
ボツになった原稿はこんな文章で締めくくった。

「インク数とか解像度とか、はたまたインクドット○plとか、そんな数字で画質は計れない。プリントしたものを手にしたとき、「写真」と思えるか否か。画質は感動指数、なんてキャッチコピーが浮かぶほどにPX-G930のプリントは美しい」

ここまでブログ記事を読んでくれた人ならば、言わんとすることはわかってもらえるだろう。しかし、編集者からの赤入れはこんな具合だ。

「低価格プリンタの救済的結論としてならいざしらず、PX-G930はハイエンド機。あなたが否定したインク数やスペックにこそメリットがあるんじゃないですか!?」

彼の赤入れを全面否定するつもりはない。PX-G930はA4プリンタとして最高峰の性能を備えている。ハイスペックだからこそ高画質なのだ。しかしこれは結果論であって、ハイスペックは高画質のお墨付きになりえない。たとえばレックスマークというプリンタメーカーがある。かつてプリンタが解像度競争をしていた当時、この会社もエプソンやキヤノンと同程度の解像度を誇るプリンタをリリースしていた。しかし悲しいかな、画質はあまりにお粗末……。高画質とはハイスペックの結果論であり、けっしてハイスペック自体が高画質を証明するわけではない。これをはき違えた人々を、スペック信者、スペック偏重主義と呼ぶ。

デジタル畑はスペック信仰者が多い。パソコン、デジタルカメラ、デジタル家電など、どの分野も依然スペックをありがたがる風潮が抜けきらない。デジタルは所詮、効率性を求めたアナログの置換だ。デジタルがドットという概念を捨てない限り、どれだけ解像度を高めても真円すら描けない。色調にいたってはRGB各色256段階でしかあらわせない。デジタルとは詰まるところ、そういう世界だ。数々の制約を抱えながら、メーカーは技術力を高めてきた。特にこの10年、カラーイメージング機器の進歩は飛躍的だ。しかし、こうした技術的進歩はアプローチのひとつでしかない。スペックが美醜を決めるのではない。我々の目が、我々の感性が美しさを決めるのだ。

ぼくにとってPX-G930とは、ハイスペックだから高画質なのではない。プリントしたものを手にしたとき、「写真だ!」と感じられたから高画質なのだ。写真高画質という言葉はもはや陳腐だが、そのレベルは多くのプリンタがクリアしている。その上でPX-G930は写真表現の領域に踏み込んだ気がした。基準や感じ方は人それぞれだろう。ただ、デジタル畑十数年のライターとして、その感動を読者に伝えたかった。

残念ながらその機会は失われてしまったけど、ここにひっそりと記しておくことで、こんな駄文も誰かの役に立つかもしれない。いまさらスペック偏重主義を嘆くのもずいぶんと青臭い話だが、ぼくが言いたいことはひとつ。ハイクオリティを装ったものと、真のクオリティを宿しているもののちがい、それを見抜くことが大切だ。

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February 19, 2007

Windows Vista 導入受難記

先週末、次期メインマシン、VAIO type R masterが届いた。ウィンドウズビスタ搭載はもちろんのこと、地デジ、BDドライブ標準搭載のハイエンド機だ。早速ハイビジョン映像でも観賞……といきたいところだが、そうはいかない。仕事用マシンなのでまずはデータを移行し、常用ソフトをインストールして、とまあ毎度毎度のことなのでさしたる手間ではないが、環境整備に着手する。が、今回はチト勝手がちがった。ビスタ、こいつは想像以上に手強い相手だ。

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【管理者特権と互換性の問題】
何が手強いかといえば、ソフトウェアのインストールにひどく手間取るのだ。ビスタは管理者特権という概念がことのほか強化されている。そのためsetup.exeをダブルクリックすると、「マジでexeファイルなんて実行しちゃっていいんですか?」「こっから先は管理者じゃないと進めないんだよねえ」なんて確認画面がイチイチ出てくる。むろん、それだけならクリックして進めるだけなのだが、ソフトウェアの互換性の問題があるのだ。

Picture0002たとえばWZ Editor 5.02を例にとると、ウチの環境ではダブルクリックしてもセットアップウィザードが起動しなかった。右クリックメニューを出して〈管理者として実行〉を選び、やっとインストールがはじまる。しかも拡張子.txtと関連づけはなされず、コントロールパネルの〈既定のプログラム〉で明示的に設定する必要があった。また、なぜかcfgファイルをコピペしても環境設定が再現できず、結局はイチから設定し直す始末……。WZ Editorは一応Vista対応済みということなのだが、よくよく調べてみると別段アップデートせずに「とりあえず動いてるみたいだからそのまま使ってね」というスタンスのようだ。旬を過ぎたソフトウェアメーカーの製品は対応が遅々としている。やっぱ秀丸ですか……。

Picture0003WZ Editor固有の問題かというと、そういうことでもないらしい。アドビ「アクロバット8スタンダード」でも似たような現象に直面した。バージョンアップ版をインストールする際、どういうわけかプログラムファイルの解凍でコケる。このパソコンは起動ドライブをストライピング(RAID-0)にしているので、ドライブ認識の問題で起動ドライブにうまく解凍できないのかもしれない。実はマイクロソフト「エンカルタ総合大百科2000」がそうだったのだ。このDVDにはBookshelfという辞書ソフトが付属していて、辞書データをHDDにコピーして使うことができる。ところが何度試しても「HDDに空き容量がありゃしまへん」とダメ出ししてくるのだ。しかも空き容量をみるとマイナス表示……。RAIDとバッティングしているのはほぼ確定。仕方なく別ドライブにインストールして事なきを得た。しかし、アクロバット8は旧バージョンのソフトではない。リリース間もない最新版だ。そのダメもとで右クリックメニューの〈管理者として実行〉からインストール。すると今度はうまくいった。まったく最新ソフトでこのありさま。もちろん、ビスタのアカウントはadminで作成している。しっかりしてほしいものだ。とにかくも、ウィンドウズビスタのソフトウェアインストールでは、この「管理者として実行」というのがひとつのお作法になりそうだ。

【アップデータが……シリアルが……】
ソフトウェアのバージョンにも注意が必要となる。今回は3年ぶりのメイン機入れ替えということもあり、板(インストールCD)を持っているソフトの大半は幾度かバージョンアップしていた。当然、最新バージョンをインターネットから入手してインストールするわけだが、バージョンアップ版ではなく、アップデータという形態で配布されているソフトが思いのほか多いのだ。特に顕著だったのがプリンタやスキャナ、デジタルカメラなど、周辺機器の付属ユーティリティ。いったん、手持ちの板でインストールを試みるのだが、プログラム互換性の問題云々というメッセージがあらわれ、作業にずいぶんと手間取る。その上でアップデータをあてがうのだから面倒なことこの上ない話だ。

シリアルナンバーの問題も避けて通れない。かつてアクロバット6スタンダードのパッケージ版を買い、その後ダウンロード版でバージョン7にアップデートしたのだが、どうしてもバージョン7のシリアルが見つからない。アドビストアのアカウントサービスでシリアルを確認できることを思い出したものの、正しいパスワードを入力しても一向にログインできない始末……。どうやらこのサイト、ファイアウォールがONになっているとログインできないようだ。ようやくアカウントサービスにアクセスできるようになったのだが、購入履歴はまっしろ……。おいおい、なんのためのアカウントサービスだよ! 仕方なくアクロバット6をそのままインストールしたのだが、ここでもやはり「プログラムの互換性がないんだよねえ、ほらオレ、ビスタだから」なんてメッセージが出てくる。しぶしぶアクロバット8のバージョンアップダウンロード版を購入。そして前述のようなプチトラブルに遭遇したというわけだ。

【呆気ないドライバインストール】
デバイスドライバまわりは意外と順調だった。プリンタやスキャナといったメインどころはもちろん、hueySpaceNavigator PEといったキワモノアイテムも最新ドライバでとりあえずは稼働している。鳴り物入りの新OS登場だけに、どのメーカーも対応は順調な様子だ。唯一問題が発生したのはグラフィックボードだった。このマシンはGeForce 7600 GTを搭載しているのだが、ウィンドウズスイッチャーを起動すると画面が乱れる。最新ForceWareをインストールしてみたところ、今度はフリーズ。まあ、使用頻度の低い機能なのでどうでもいいか(笑)。ていうかこのウィンドウズスイッチャー、どういうニーズに応えた機能なんだろう。見た目がハデというだけで、きわめて実用性は低いと思うのだが。

今回のメイン機入れ替えは丸二日かかった。といっても特別なことをしたわけじゃない。周辺機器のデバイスドライバをインストールし、仕事のデータをコピーして、常用ソフトをインストールしただけ。たったそれだけのことに土日を費やした。ビスタを上書きインストールしてトラブったわけでも、新品マシンの初期不良でもない。ソフトウェアのバージョン、これにひたすら振り回された。ビスタの何らかの機能が一日も早く使いたいということなら話は別だが、そうでないなら春まで待ってもいいと思う。その頃にはきっと、ソフトウェアメーカーの対応ももう少し洗練されたものになっているだろう。

【何もするな!というメッセージ】
ウィンドウズビスタでは、権限を制限したユーザーモードドライバが復権したという。カーネルモードドライバはシステムを直接叩くため、予期せぬトラブルが発生したり、悪意ある制御でシステムを不安定にさせることが可能だ。そのため権限の低いユーザーモードドライバで、ウィンドウズの安定性を確保するのが狙いだ。ウィンドウズXPは抜群の安定性を誇った一方、セキュリティという問題を残してしまった。ウィンドウズビスタがそうした反省のもとに設計されているのはいうまでもなく、ユーザーモードドライバはその象徴ともいえるだろう。

そしてこうしたアプローチはドライバにとどまらない。管理者特権、プログラムの互換性といった厳格性も、強固なセキュリティでウィンドウズを守ろうというあらわれだ。その反面、ユーザビリティを大きく損なっているわけだが……。皮肉めいた言い方をするならば、「ウィンドウズに何もインストールしないでくれ。ウィンドウズ上で何もしないでくれ!」ということになるだろう。泥棒や強盗を怖がるあまり、家中のあらゆる出入り口にカギをかけ、自分自身が外に出られなくなってしまった……。ウィンドウズビスタをセットアップしていると、そんな気持ちになってくる。

ビスタって、小うるさい管理人のいる女子寮みたいだ。

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June 14, 2006

Windows Vista β2

ウィンドウズVista β2が公開になり、
早速インストールしてみた。
ウェブを見ると特にトラブルもなく
みなさん順調にインストールしている
ようですが、なぜかうまくいかない
テスト機はNECのバリューワン。
ペンティアムDとインテル945G Expressを
組み合わせたいまどきマシンです。

なぜオレだけが……とすごく寂しい。

いろいろ調べてみると、SATA HDDには
そのままだとインストールできないらしい。
ありがちな話ですが、SATAコントローラの
デバイスドライバがVista β2には収録
されてない
とのこと。要はインストールの
途中でドライバをロードしてやればいい。

セットアップ中にインストール先ドライブを
指定する画面がある。SATAコントローラの
ドライバをCD-Rに焼き、そこでドライバを
ロードしてやればOK。ためしにUSBメモリでも
試してみたが、こちらはうまく認識せず。
FDかCD-Rならスマートにロードできる。

たしかにWindows Vista Upgrade Advisor beta
実行したときに、「Intel ICH7R SATA RAID Driverが
ちょいビミョ~なんだけどどする?」とメッセージが出た。
まあなんとかなるさと思ったけど、なんとかなりません。
ていうかいまどき、SATAコントローラぐらいは
β版でもサポートしてほしいな、と。

ちなみに、インテル945Gの内蔵グラフィックでも
エアログラスはぼちぼち使えます。
メインメモリは1GBが下限と考えた方がよさそう。
1GB×2で2GBってのが年末以降の主流かな。

いろいろと期待薄なVistaですが、
とはいえ新OSをイジるとわくわくしてきます。

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May 02, 2005

スキャナ大活躍!

CanoScan LiDE500Fを買った。いまさらスキャナである。

目的はただひとつ。雑誌のスキャンだ。1996年にフリーになって丸9年、今月末で10年目に突入する。その間に書き散らした掲載誌が文字通り山積みなのだ。どのくらい山積みかというと、雑誌を詰めたダンボールがクローゼットを占領し、なおかつ入りきらない雑誌が床のそこかしこに積み重なる……。

正直、生活に支障をキタしてます。

スクラップしてもこれだけの量になるとスクラップした記事自体が膨大になり、それを収納するスペースが必要だ。クリアファイルを購入する費用だってバカにならない。それならばいっそデジタル化、というわけでスキャナでPDF化することにした。そのために選んだのがCanoScan LiDE500Fというわけだ。

scan01 スキャナは総じて縦開きなのだが、この製品は横開き。雑誌スキャンに関していえば、あまり便利とはいえない。左ページはそのままの向きでスキャンできるが、右ページは逆さまにしてプレビューボタンを押し、その後スキャン方向を180度回転させて読み込むことになる。その程度の手間といってしまえばそれまでだが、数百、数千ページのスキャンになると、その手間もなかなか無視できなかったりする。とはいえ、机にスキャナを横向きに置けるのは便利。奥行きのある机を使っているなら縦開きでも支障ないだろうけど、奥行きの狭い机を使っているならこのスキャナは重宝するはずだ。ちなみにキヤノンは薄型スキャナをもう一機種リリースしていて、実はそちらもかなり気になっていた。定番の縦開きだし、しかも下位機種だからお値段も安い。たかだか雑誌のスキャンなら読み取り解像度もそこそこで問題なし。でも、見た目はCanoScan LiDE500Fの方がカッチョイイ。不便を承知で買ったのは、まったくもってそれだけの理由です、ハイ。

scan02 このスキャナは前面にワンタッチボタンが4つあり、付属ユーティリティ「CanoScan Toolbox 4.9」に連動している。PDFボタンを押すと、左のような画面があらわれ、スキャン画像をPDF化してくれるという仕組みだ。もちろん複数ページのPDF化、ページの追加にも対応している。Adobe Acrobatを買わなくてもスキャンデータのPDF化が可能。この機能はおいしい。しかもPDF変換の前にスキャン画像のサムネイルが表示され、並べ順の変更やPDFに含める画像の選択にも対応。よく使い勝手が考えられている。ただ、実はひとつだけ致命的な問題があった。これはウチの環境によるものかもしれないが、PDF変換時にスキャンデータもろともクラッシュしてしまうのだ。1、2ページなら再スキャンも大した手間ではないからまだ我慢できる。でも、10ページ以上スキャンした挙げ句に異常終了するのはいかがなものか、と。しかもクラッシュするタイミングが不規則で、雰囲気的にはPDF変換処理中に別タスクが稼働するとクラッシュしやすい……。なかなかどうしてナーバスなソフトだ。

そんなわけで、現在ではAdobe Acrobat 6.0でPDF化を行っている。こちらはPDFの本家だけあってさすがに動作は安定。7.0ならスキャン時に傾いた画像をまっすぐに補正してくれるようなので、バージョンアップも検討中だ。

さて、そんなこんなで過去3年分の雑誌をスキャンしてみた。1冊1ファイルで196ファイル、容量448MB。オレの仕事なんてその程度と思うべきか、けっこうなボリュームと思うべきか、実に微妙な分量だ……。ちなみに、過去3年分というのは床に散らばっていた雑誌だけで、まだ6年分がクローゼットを占領中。仕事やスロの合間を縫って、まだまだスキャン漬けの日々はつづく。

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February 01, 2005

消費者はラットか?

掲載前なので詳しいことは書けないが、
某誌のお仕事で4大パソコンメーカーを取材した。
取材内容はメーカーによってまちまちだ。
一機能のついての取材もあれば、
特定機種に関しての取材もある。
ただ、まったく別々の話にも関わらず、
行き着くところはひとつだった。

物作りの姿勢。それが浮き彫りになった。

4社中、3つのメーカーは、
常に完成度というものを意識していた。
実用に耐えうるというレベルでは満足しない。
その一歩上を見据え、ユーザーの期待を
裏切らないレベルに達してはじめて、
新機能を実装したり、新製品を投入している。
ただ1社だけ、そうではないメーカーがあった。

そのメーカーはとある新機能をパソコンに搭載した。
機能自体、取り立てて斬新なものではない。
同機能を提供する周辺機器はすでに存在するし、
おそらく他メーカーだって実装するだけなら可能なはずだ。
ただ、質の向上が難しい機能だけに二の足を踏んでしまう。
そんな機能に、某メーカーはあえて挑戦した。

チャレンジしたことは評価したい。
しかし、エンドユーザーの視線でその機能を見たとき、
満足からほど遠い出来だった。少なくとも僕はそう感じた。

その印象は心に秘め、取材にのぞむ。
開発行程、開発秘話を中心に話は進む。
彼らなりの苦労と満足感が言葉の端々ににじむ。
さらに話が進む。今後はああしたいこうしたい。
とても近い将来、その機能はブラッシュアップされそうだ。
そのブラッシュアップされた姿こそが、
おそらくエンドユーザーが求めているであろう機能と合致する。
期待通りの機能。それは四半期待てば登場するかもしれない。
つい、声を荒げたい衝動に駆られた。

消費者はラットですか?

業界初という売り文句。
先んじることで蓄積されるデータ。
それらを欲するがために、完成型にほど遠い
状態の機能をエンドユーザーに買わせていいのか!?

もちろん、未完成の状態でもそこに
ユーザーニーズがあるなら話は別だろう。
しかし、今回の機能はその手の類ではない。
むしろユーザーが欲しているのは完成型なのだ。

たまりかねて「その機能をオプションとして
投入する予定はないのか」と尋ねた。
オプションならば、今期購入したユーザーも
いずれブラッシュアップの恩恵に与れる。
答えは煮え切らないものだった。
「現状ではまだわからない」と。

彼らは決して手を抜いているわけではない。
それどころかよりよいものを作りたい
という向上心に満ちている。
ただ、二言目には「コストが……」という言葉が
口をつき、結果としてユーザーの期待を裏切る。

エンドユーザーは、パソコン購入のために
20万円程度のお金をつぎ込む。
安くない。けっして安くない。
新機能をアピールする以上、
メーカーはエンドユーザーの期待に
応える義務がある、と僕は思う。
ましてその障壁が、技術的なことではなく、
コストレベルの話であるならば。

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January 13, 2005

パソコンってやつは

パソコン春モデルのリリースラッシュだ。
パソコンのことを知りたいならパソコン誌。
という考え方はもう古いのかもしれない。

ここ数年、パソコン誌でパソコン特集を
書いた記憶がない。パソコン特集のオファーが
あるのはモノ雑誌やデジタルギア雑誌が中心。
もちろん、パソコン誌は新製品情報を
リアルタイムに掲載しているので、
わざわざ特集を組むまでもないわけだが……。
でも、長らくパソコン誌で仕事をしてきた
自分にとって、この変化はちょっとショックだ。

パソコンってもう、日用品、なのかもしれない。

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August 28, 2004

大人になれないPC業界

とあるソフトのレビューを引き受けた。
支障があるので具体的なソフト名は伏せます。

モノはDVDコピーソフト。

この手のソフトに共通しているのは、
市販DVDはコピーできないけど、
暗号解除ソフトと組み合わせれば
その限りではない、という暗黙の了解。
今回レビューしたソフトもその手のソフトだ。
片面2層DVDを片面1層に自動圧縮、
特典映像やDTSもコピー可能、
複数音声やDVD+R DLだってサポート。
要は市販DVDがばっちりコピーできる。
しかし、このソフト単体ではコピーできない。

なんとも妙な話ではある。

まあ、それはそれとして、
市販DVDのコピーを試してみた。
当然アラートが表示されてコピー中断。
ただ、そのアラートの文面がビミョーなのだ。

「このソフトは暗号化されたDVDのコピーはできないよ。
暗号解除ソフトを使っている場合はさ、ためしに
暗号解除ソフトを再起動してみそ。うまくいくかもね」

ナンなんですかコレ!?
暗黙の了解がかなり前面に押し出されてませんか?
このソフトのニュースリリースを改めて読んでみる。
すると衝撃の一文が記してあった。

「当然だけど映画みたいにCSSでコピープロテクトされた
DVDは複製できないよ。『○○○』(具体的な暗号解除ソフト名)
とか使えば複製できるけど、一応ナンていうか法律違反だし」

ってアナタ、暗号解除ソフト名あげちゃあダメでしょ。
そんなの不正コピーをあおってるも同然……。
このソフトメーカーが何をどう釈明しようとも、
明らかに不正コピーを助長してませんかどうですか!?

いや何もメーカーだけの問題ではない。
こうしたソフトをシラッと取り上げる媒体、
そしてこうした問題点にふれず
サクッと原稿を仕上げるオレ……。
みんなそろって同罪でしょ。

PC業界は依然、アンダーグランドな空気を
ひきずっている。その空気はPCならではの
醍醐味でもあるし、新しいテクノロジーが
エロによって牽引されるように、
アンダーグランド抜きにPCの発展は語れない。

でも、そろそろ、マジメに商売しませんか?

有料CDリッピング、インターネットラジオの録音、
ハッキングを誇張したセキュリティ指南などなど、
PC業界周辺にはグレーな商売が多すぎます。
未成熟だからこうした商売が可能なのか、
それとも成熟ゆえの末路なのか……。
いずれにしても、早く大人になってください。
信号無視をかっこいいと思ってる小学生みたいで、
ナンだかすごく恥ずかしいです。

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