01.デジタルねた

March 28, 2008

i1 Display 2 でカラーマッチング

一線を越えることにした。これまでhueyを使ったナンチャッテカラーマッチングでごまかしてきたけど、もうムリ! 1枚の色見本を出力するのに十数枚もプリントして、挙げ句の果てには何が正しい色なのかわからなくなり、こりゃもうカオス以外のナニモノでもない。そんなわけで、カラーキャリブレーションセンサーの国内業界標準、i1 Display 2を導入することにした。

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【カラマネスペシャリストがやってきた!】
そうはいっても、ぼくはカラーマッチングの専門知識がない。それどころか過去の記事を見てもわかるとおり、相性のあまりよくないジャンル。困っていると、知り合いの写真家さんがカラーマッチングのスペシャリストを紹介してくれた。アドバイスをもらえるだけでもありがたいのに、自宅まで足を運んでセッティングしてくれるというじゃないか。こりゃもう業界人特権(笑)、ありがたくお言葉に甘えて、セッティングしてもらった。

その際、彼がこんなことを言った。「モニターとプリンタの環境が整うと、RAW現像が3倍楽しいですよ」と。このひと言は衝撃的だ。これまでぼくは、カラーマッチングにネガティブな印象しか持ていなかった。表示と出力の色を合わせるだけ。たったこれだけのために数万円も払うなんてありえない。i1 Display 2を買うのだって渋々だ。しかし彼は、とてもポジティブにカラーマッチングをとらえている。そう、写真をより楽しむためのカラーマッチング。そんなカラーマッチングスペシャリストの名言を交えつつ、なぜカラーマッチングやモニターキャリブレーションが必要なのか、最終的な落とし所はどこにあるのか、なんてことを探ってみたい。

【キャリブレーションの目標値を読み解く】
はじめにカラーマッチングスペシャリストはこう切り出した。「そもそも100点満点のカラーマッチングは原理のちがいから難しいのですが、85点レベルでかなり満足のいく写真の画像処理が楽しめます」と。ディスプレイはRGBの世界であり、印刷はCMYKの世界。液晶ディスプレイは自ら“発光”して発色するが、印刷物は外光を“反射”して発色する。ひと口にカラーマッチングといっても色の原理が異なるのだから、パーフェクトなマッチングは困難を極めるという。残り15点というのは、発色原理そのものの差異を吸収する必要があり、きわめて専門的な世界だ。写真に造詣の深い人であっても、85点のカラーマッチングでおおむね満足が得られるという。そこから先は必要に応じて詰めていくということになるだろう。まずはぼくの作業環境を列挙しておく。使用機材は以下の通りだ。

モニター:RDT261WH
プリンタ:PX-G930
キャリブレーションセンサー:i1 Display 2

i1 Display 2を用いたRDT261WHのキャリブレーション方法は、実は三菱電機のホームページに掲載されている。単純にキャリブレーション手順だけを知りたい人は、この上記URLのホームページで問題解決するはずだ。RDT261WHに特化した手順解説だけあって、同ディスプレイを確実に、しかも適切にキャリブレーションできる。ちなみに、上記ホームページの手順は、「モニターの写真とプリントした写真をほぼイコールにするためのキャリブレーション手順」だ。あくまでもプリント向けのキャリブレーションであり、ウェブ素材向けではない。再度強調しておこう。これはモニターとプリントをマッチングするための手順だ。こうしたことを踏まえた上で、この記事ではキャリブレーション手順の肝となる部分を掘り下げてみたい。

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キャリブレーションの序盤、上のような画面が出てくる。これはキャリブレーションの目標値を設定する画面だ。ここの値を目標にモニター表示を調整していくことになる。基本的に前述の三菱電機ホームページの手順通りに設定すれば問題ないのだが、各値の意味を知りたいと思いませんか? がんばって解説してみます、ってできるんだろうか(汗)。

白色点
要は色温度を設定するのだが、問題となるのは何の色温度を設定すればよいのか、ということ。世間ではよく、ウェブは6500K、商用印刷は5000Kなどという。しかし、ここで設定する色温度とは、あくまでも屋内の色温度だ。屋内の色温度をキャリブレーションの目標値にすると、屋内照明下(自然光も含む)で画面の白とプリント用紙の白がほぼイコールになる。これが大切。もう一度くり返しておこう。画面の白と用紙の白をマッチングするのだ。より具体的にいうと、Photoshopで白い新規画像を作成し、その横に普段使っているプリント用紙を並べる。両者の白が近いものであれば、自ずと画面と印刷の調子が近づいてくるというわけだ。

ちなみに、この画面の後にアンビエントライト(環境光すなわち屋内照明)を測定する。白色点の目標値はそれに合わせて再設定可能だ。ぼくの環境を紹介しておくと、日中(窓からの自然光と屋内蛍光灯)で5200K、夜間(屋内蛍光灯のみ)は5500Kだった。よって目標値は5500Kに設定している。少々アバウトな設定だが、実はこの程度でいいらしい。先のカラーマッチングスペシャリスト曰く、プリントを前提とした場合、遮光カーテンと評価用蛍光灯で光の無菌室状態を作っても、必ずしもベストとはいえないそうだ。なぜか? 結局プリントした紙は様々なアンビエントライト下で観賞することになるので、光の無菌室状態で見た雰囲気と変わってしまうというのだ。プリントしたものをいろいろなアンビエントライト下で見て、おおむねOKが出せればそれでよし。この程度のとらえ方が現実的なのだろう。

ガンマ
写真を目的とした場合、Windows、Macともにガンマ値2.2が推奨値だ。AdobeRGB、sRGBともに、策定前提でガンマ値2.2になっており、実際にキャリブレーション後の画面とプリントを見比べた際、ほぼ同テイストに見える。Windowsはデフォルトが2.2なのでなんら問題ないが、Macのデフォルトはたしか1.8。Macユーザーがキャリブレーション後の画面を見ると、少なからず違和感をおぼえるかもしれない。しかし、画面とプリントのマッチングという観点からすると、これがベターな目標値となる。

輝度
これはディスプレイの明るさで、数字が大きいほどディスプレイの画面が明るくなる。写真プリントを前提とした場合は80~120cd/m2あたりが順当だという。写真プリントの明るさと画面の明るさが、80~120cd/m2を目標値にすると大体同じになるわけだ。ぼくの環境を例にとると、はじめ120cd/m2でキャリブレーションしたところ、プリントした写真が心持ち沈んで見えた。つまり、画面の方が明るかったわけだ。そこでカラーマッチングスペシャリストのアドバイスに従って80cd/m2に目標値を設定。これでキャリブレーションを行うとプリントと画面の印象がほぼイコールになった。こうしたオペレーションから見えてくるのは、画面コンディションをプリントに合わせていくというアプローチ。もちろんこの際のプリントとは、ICCプロファイルを読み込んでドライバ補正を無効化して行う。このあたりの手順も三菱電機のホームページに詳しく載っている。

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一通りキャリブレーションした結果が上の画面だ。色温度とガンマは目標値とジャスト。輝度はごくわずかに誤差が出ている程度で、RDT261WHの優秀さが際立つ結果となった。階調を示すグラフは、各色ともきれいな直線を描いているのが理想的。昨今の液晶パネルはおおむねきれいな直線を描くが、もし何度測定し直してもグラフが乖離したり極端に歪むような場合は、グラフィックボードの性能を疑った方がよいそうだ。ちなみにぼくの環境はNVIDIA GeForce 7600 GTを搭載。すでに旧式のグラフィックボードだが、これだけのグラフが描けていれば問題ないとカラーマッチングスペシャリストはいっていた。

このあとPX-G930のプリンタキャリブレーションも行った。ちなみに、エプソンの純正ICCプロファイルは素性がよく、カスタムプロファイルを作らなくてもおおむねOKだという。純正プロファイルとカスタムプロファイルでプリント結果を見比べてみると、シャドウ部の階調に若干のちがいが見てとれた。カスタムプロファイルは画面とほぼイコールであるのに対し、純正プロファイルはやや持ち上げている印象。おそらく暗部が見やすいように調整してあるのだろう。そうはいっても純正プロファイルで十分に画面の印象に近い。この状態になってはじめて、冒頭のスペシャリストの言葉――RAW現像が3倍楽しい――が理解できた。たとえば、RAW現像ソフトでこだわり抜いたトーンカーブを描くと、それがそのままプリントされる。シャドウがつぶれたりハイライトが飛んだりしない。そのまま出てくる。色味だってしかり。グレースケール化した画像にのせたわずかなブルー、その微細なトーンがしっかり出る。ちゃんとプリントしてくれるから、トコトン補正にこだわれる。そりゃRAW現像が3倍楽しいのも当然だ。

なお、スペシャリストはプリンタキャリブレーションについてこんなことを言っていた。「紙で遊べるようになるんですよ」と。一般に、“いい紙”を使わないとちゃんとした色が出ない、専用紙じゃないと正しく色が出ない、と言われている。しかし、プリンタキャリブレーションで各用紙に合わせてカスタムプロファイルを作っておけば、用紙の発色特性に煩わされることなく、おおむねOKなプリント結果が得られるわけだ。発色が一定ならば、光沢感、マット感、テクスチャなど、用紙の味を積極的に選べるようになる。純正用紙以外はグレーが確実に出力できるという保障がなく、人によって邪道に思えるかもしれない。そうはいっても、紙で遊ぶ――そっちの世界もずいぶんと楽しそうだ。

【色に覚醒したとき必要性が生まれる】
これまでぼくは、キャリブレーションとは守りの世界だと思っていた。色がちがうから合わせる。合わせて、終わり……。しかし、カラーマッチングスペシャリストからのアドバイスは、色が合うことで開かれる世界――RAW現像が楽しく、紙で遊べる――を教えてくれた。ぼくの自宅環境で彼が作業をはじめる前、こんなことを言っていた。「カラーマネージメントは一手段です。カラーマッチングが目的なんです」と。モニターとプリンタの色を合わせるために(カラーマッチング)、キャリブレーションセンサーで各機器の色空間のバラつきを調整する(カラーマネージメント)。この“手段”と“目的”の関係をしっかり理解しておけば、何をすべきかが自ずと見えてくるだろう。

たとえば、プリンタドライバの調整画面でディスプレイ表示にプリントを近づける――これだって立派なカラーマッチングだ。画面とプリントの色のちがいを見越して、RAW現像の段階で色味に手を加えておく。これも実践的なカラーマッチングといえる。しかし、こうした手探りのカラーマッチングは、画像ごとに調整が異なるし、それなりにノウハウの蓄積も必要だ。効率性を考えたとき、カラーマネージメントという手法がもっともスマートであり、なおかつ汎用性がある。キャリブレーションは必ずしも、色合わせの必須作業ではない。効率を求めたとき、忽然とその必要性に気付くものだ。

かつてhueyを導入したとき、その見やすい画面に感動した。プリンタとのマッチングもそれなりにとれているように感じた。しかしいま思うと、hueyはキャリブレーションツールではない。モニター自動最適化ツールだ。正しい表示ではない。あくまでも“見やすい”表示にすぎない。するとあの感動は、単なる錯覚だったのか……。

いや、そうとは思わない。あの当時ぼくは、色に対してhueyで事足りる程度の認識だったのだろう。プリントはプライベートに限られていたし、RAW現像もさほどシビアな調整ではなかった。ただその後、雑誌に写真を載せる機会が増え、モニター上の写真とプリント(この場合は雑誌の誌面だけど)のちがいが気になりだし、作例の色見本を付けるにあたってhueyでは完全に役不足になってしまった。結局、仕事で写真を扱うようになり、ぼく自身の色のとらえ方が変わってきたということなのだろう。

キャリブレーションされたモニターとプリンタは、たしかに理想的な環境だ。しかし、必須ではない。色は数値化できるが、それを感受する人間自身があいまいだ。青信号は青なのか緑なのか。キャリブレーションは、色への興味が必要性を喚起する。

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September 13, 2007

Rolly ロボット感情共有論

去る9月10日、発表当日にRollyを予約した。デジタル系ライターという職業柄、すでにブツは何度か触っている。そして周囲の評判も知っている。それでも予約した。迷いはない。こいつを買わずに何を買う!? iPod touchよりもRollyだろ(いや、iPod touchも予約したけど……)。なぜそこまで熱くなるのかって? それはこいつが、ロボットの本質を突いているからだ。

【ホビーロボットブームの草葉の陰で】
Rollyは賛否両論、真っ二つに評価がわかれる。「こんなモンただの玩具だ」という否定派がやや優勢。そのファニーなモーションを目にして興味を持った人も、ふと我に返って「おもしろいけど、でもいらない」と冷静になってしまう。たしかにこのRollyってやつは、音楽プレイヤーとしては致命的だ。いまどき1GBフラッシュメモリしか搭載せず、有線ヘッドホンを付けることもできない(Bluetoothスピーカにはなるけど)。要は非ポータブルプレイヤーというところが今日的に致命傷なのだ。なにしろRollyは踊る音楽プレイヤーだから、日常携行品にならない。家で毎日ダンスさせるかというとそれも疑問。要は使用頻度という現実的な問題が脳裏をよぎり、コストパフォーマンスを考えてしまうのだ。さらにiPod touch 8GBモデルよりも3000円高いという価格差も、同時期発売アイテムとして痛いところだ。じゃあどのへんが熱いのかというと、このRollyというロボット的プレイヤー、昨年暮れあたりのホビーロボットブームと見事に呼応しているのだ。

昨年の暮れ、近藤科学が「KHR-1HV」を発表し、それまで数十万していたホビーロボットがアンダー10万円で買えるようになった。他社も負けじとこれに追随。ホビーロボットは低価格路線まっしぐらだ。雑誌、書籍はもちろん、テレビのバラエティ番組にもホビーロボットは登場し、新たなデジタルカテゴリとして急浮上した。来る、来るっ、ロボットが来る! 2007年はロボットで行くぜっ! そんな機運が一気に高まった。

でもそのとき、ぼくは買えなかった。

ホビーロボットを買えばその手の仕事が舞い込む。デジタル系ライターとしてビジネスチャンスだ。はじめたモン勝ち、買ったモン勝ち。先行投資としての10万円は(これまでの死屍累々とした投資を思えば) 十分にペイできる金額だ。それでも踏み切れない。どこかでストップがかかってしまう……。盛り上がるブームを尻目に、ぼくはホビーロボットをスルーした。男の子はロボット好きだ。大人になってもロボットが大好きだ。しかし目の前のホビーロボットは、ぼくらが夢に描いたロボットと、何かが微妙に――むしろ根本的に――異なる。そんなことを漠然と考えているうちに、ホビーロボットブームは終息してしまった。瞬間沸騰した盛り上がりと同じく、おそろしくハイスピードでのブーム終焉……。なぜか? 値段の問題ではない。モーションプログラムの難しさのせいでもない。ホビーロボットは完膚無きまでに、“ロボット”ではなかったからだ。

ホビーロボットは名称こそロボットだが、その実単なるラジコンにすぎなかった。パソコンでモーションをプログラミングするという目新しさこそあるが、組み立ても制御も操縦も、あらゆる面においてラジコンだった。製造元が悉くラジコンメーカーだったということも要因だが、それ以前にホビーロボットは、ロボット的なるものを備えていなかった。ぼくらが思い描くロボット、すなわちイメージとしてのロボットは、果たして操縦ロボットだろうか。むしろコミュニケーションロボットではなかったか。ガンダムではなく鉄腕アトム。機械の操縦を夢見たのではなく、機械でしかないはずのロボットと、まるで人間とコミュニケーションするように交わることではなかったのか。ホビーロボットには残念ながら、このロボット的視点が欠けていた。そのことに意外と多くの人が、そして意外と早く気づいてしまい、ブームは急速に終焉。それがホビーロボットブームの真相ではないだろうか。

あるモノ雑誌編集者がこんなことを言っていた。
「ホビーロボットなんてただの、サーボの塊じゃないか」
吐き捨てるように。

【Rollyは見る者の感情を喚起する】
実はこのことに気づかせてくれたのが、Rollyだった。Rollyはただ踊るわけじゃない。音楽を解析し、曲調に合わせてモーションする。ハードロックならノリノリのダンス。スローバラードなら社交ダンスのように優雅だ。そんな曲に合わせて踊る姿を見ていると、ふと不思議な気持ちになる。「オレが音楽を感じるように、こいつも音楽を感じるのか!?」そんな気分。いうなれば、音楽を媒介とした感情共有だ。機械であるはずのRollyと、音楽を聴いて同じ気分を共有する。これはある種の疑似コミュニケーションじゃないか。

ソニーは「ロボット」という表現にことのほか慎重で、Rollyもサウンドエンターテイメントプレイヤーと位置づけている。ロボット工学的にいえば、ロボットとはセンサーを備えた自律システムであるべきだ。しかしRollyは、知覚としてのセンサーを搭載していない。曲調の解析は内部処理であり、外部の音に反応して踊るわけではない。そういう意味においてRollyは、決定的にオモチャであり、少なからぬ人々が一刀両断してしまう気持ちもわかる。ただ改めて強調したいのだが、Rollyは感情を喚起する。音楽を通じて我々は、まるでRollyとかよい合っているような気持ちになる。技術的にロボットであるか否かが問題なのではなく、我々人間との関係性において、Rollyはきわめてロボット――いわゆるイメージとしてのロボット――的なのだ。

おそらくRollyを購入した人の多くは、ペットに名前をつけるように何か呼び名を考えるだろう。オリジナルモーションを作成して、人に自慢するはずだ。「ほらウチの子は、こんなに上手に踊れるの」と。

Rollyを否定することはたやすい。Motion PlayerとしてのRollyは、きっとすぐに飽きてしまうだろう。しかし、Emotional Playerとしてとらえたとき、Rollyの内包する可能性が見えてくる。ラジコンに身をやつしたホビーロボット。オモチャに宿るロボットの本質。大げさかもしれないが、こんなことを考えさせてくれるデジタルガジェットを、ぼくはこれまで見たことがない。

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July 23, 2007

P904i Bluetooth経由でデータ通信

P904iを買ってから丸二日、Bluetoothとひたすら格闘した。Bluetooth搭載パソコンとワイヤレスでデータ通信したいのだが、これがなかなかどうしてうまくいかない。ぼくが理想として思い描いているのは、セットアップからデータ通信開始まで、すべてUSBケーブルを使わず、Bluetoothのみで行うこと。いやあ、けっこうめんどくさかった(笑)。そんなわけで、なんとかセットアップできるようになったので、その手順覚え書きを載せておきます。

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まず環境から明記しておこう。ケータイはP904i。パソコンは今年の2月に購入したVistaプレインストールのVAIO Type R master。このマシンはBluetoothを搭載していて、「Bluetooth Stack for Windows by Toshiba」という東芝製のデバイスドライバとBluetoothユーティリティがプレインストールされている。今回はこの東芝製ユーティリティを使い、FOMAの64Kデータ通信パケット通信のダイヤルアップネットワークを作成してみたい。ドコモは「FOMA PC設定ソフト」というセットアップツールを無償公開しているが、どうもこのソフト、Bluetooth経由だとうまくセットアップできない。USB接続のみを想定したソフトなのだろうか。悩んでも前に進めないので、確実な方法で参ります。

【64Kデータ通信のセットアップ手順】
64Kデータ通信から解説していこう。これはごくごくフツーのダイヤルアップ接続と考えればいい。ケータイがモデムとなり、プロバイダのアクセスポイントに電話をかけてインターネットに接続する。特殊事項はひとつだけ、パソコンとモデム代わりになるケータイが、Bluetoothによってワイヤレス化されているだけだ。東芝製Bluetoothユーティリティを使うと、Bluetooth機器のペアリングを行いつつ、その流れでダイヤルアップネットワークを作成してくれる。ペアリングとデータ通信設定をひとつのウィザードで行うわけだ。早速セットアップの手順を見ていこう。

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タスクトレイのアイコンから右クリックメニューを出し、 〈Bluetooth設定〉をクリックする。

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「Bluetooth設定」という画面があらわれるので、〈新しい接続〉をクリックしよう。

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ウィザードが画面にあらわれるので、〈エクスプレスモード〉を選択する。〈次へ〉をクリックしたいところだが、マウスから手を離してケータイを握ろう。この後、パソコンとケータイをペアリングすることになるので、そのためにケータイを待機状態にしておく必要があるのだ。

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P904iでメニューを出し、「LifeKit」メニューの〈Bluetooth〉を選択する。これがその画面だ。3番の〈ダイヤルアップ登録待機〉を選ぼう。

Foma05
端末暗証番号(4桁の数字)を入力する。初期設定では「0000」になっているので、事前に変更していなければ「0000」を、変更している場合はその番号を入力しよう。

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ケータイが待機中になった。このダイヤルアップ登録待機という用語はわかりづらいが、要はペアリング待機と考えてほしい。これからパソコン画面にもどってBluetoothのペアリングに着手する。

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ケータイをペアリング待機にした状態で、ウィザードの前画面の〈次へ〉をクリック。するとこのような画面になり、パソコンがBluetooth機器を検索しはじめる。

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無事発見できた(笑)。〈P904i〉を選択した状態で〈次へ〉をクリック。ここがひとつめの山場、パソコンとケータイのペアリング開始だ!

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Bluetoothのパスキーがウンチャラカンチャラと書いてある。Bluetoothパスキー(PINコード)とは、Bluetooth機器をペアリングする際に必要なコードのこと。双方の機器に同じパスキーを設定して、はじめてペアリングが成立するのだ。

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ケータイを見ると、パソコンから接続要求があったと表示されている。もちろん〈YES〉を選ぼう。

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Bluetoothパスキーの入力画面があらわれる。4桁で任意の数字を入力しよう。

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すかさずパソコンを見ると、こちらもパスキーの入力画面があらわれる。ケータイに入力した4桁の数字を入力しよう。

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ペアリングに成功して、パソコンとケータイの間がBluetoothでワイヤレス接続される。ホッと一息という感じ。なお、このペアリング作業はタイムアウトが短めに設定してあるようなので、さくさくと作業を進めよう。操作にもたつくとすぐにタイムアウトしてしまう。

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モデムのインストールがはじまる。これはケータイをBluetooth経由でモデムとして使うためのドライバだ。

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ここからはダイヤルアップネットワークの設定に突入する。Bluetooth経由でケータイをモデムとして使い、ダイヤルアップするための設定だ。

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ああ、どこか懐かしいダイヤルアップネットワーク設定画面。一応、ここがふたつめの山場だ。電話番号、ユーザー名、パスワードを入力しよう。この電話番号というのは、契約しているプロバイダのFOMA用アクセスポイントの番号だ。ぼくはniftyユーザーなのでniftyを例にとると、「0035-054-101010」と入力する。詳しくはniftyのサポートページを参照してほしい。プロバイダによって電話番号が異なるので、めいめい調べて入力しよう。

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「Bluetooth設定」に新しいアイコンがあらわれる。これをダブルクリックするとケータイにアクセスしてネットワーク接続してくれるわけだが、ちょいとケータイ側で下準備が必要だ。ケータイを接続待機の状態にしておかないと、アイコンをダブルクリックしても接続できないのだ。

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例によってBluetoothメニューを開き、1番の〈登録機器リスト〉を選ぶ。

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この登録機器リストはペアリング済みBluetooth機器のリストだ。画面ではさきほど登録したパソコンが表示されているので、このパソコンを選択する。

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4番の〈ダイヤルアップ〉を選ぶ。ここで選択したBluetooth機器からの接続を待機してくれるのだ。

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待ち受け画面を表示すると、右上にBluetoothの青いマークがあらわれる。これが待機中の目印だ。パソコンにもどってダイヤルアップネットワークのアイコンをダブルクリックしよう。データ通信を開始すると、青いマークが点滅する。

とまあ、こんな具合で64Kデータ通信のセットアップは完了だ。う~ん、長い道のり。ぜんぜんシンプルじゃない(笑)。大まかな流れをおさらいしておくと、ペアリング→ダイヤルアップネットワーク作成→ケータイを接続待機状態に、ということになる。つまずきそうなポイントとしては、ペアリング時はケータイをダイヤルアップ待機中にしておき、データ通信したいときは同じくケータイを接続待機にしておく、というあたりか。みなさん、大丈夫ですか。ついてこれてますか? ああもう、ぼくがへばってます。

【パケット通信のセットアップ手順】
さあ引き続きパケット通信のセットアップに着手だ。すでにケータイとパソコンをペアリングしてあるので、ダイヤルアップネットワークの作成だけでOK。こりゃ楽勝だね、と思ったアナタ、いやいやこれからが本番ですから。気を抜かないように(笑)。

まずパケット通信とは何か。これはケータイを使ったPPP接続ならびにIP接続だ。よってプロバイダに電話をかけてアクセスするのではなく、特定ドメインにネットワーク接続することになる。PPP接続なのにダイヤルアップネットワーク……。この微妙さがたまらない。ポイントはAPN(アクセスポイントネーム)の設定。接続するべきドメインを指定し、そこにアクセスするわけだ。ここに独自のお作法が介在するが、順を追って説明していこう。

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前述の通り、パケット通信はAPNの設定が必要だ。実はこのAPN、パソコンの設定項目ではない。ケータイ本体にAPNのドメイン名を登録し、ダイヤルアップネットワークで登録した番号を指定する。こうすることでネットワーク接続を実現しているのだ。じゃあ、どうやってケータイにAPNを登録するのか? それはケータイ付属のFOMA PC設定ソフトを使う。〈接続先(APN)設定〉ボタンをクリックしよう。

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冒頭で述べたように、このソフトはBluetooth経由でケータイを認識してくれない。ケータイをパソコンとUSBケーブルでつなぎ、〈OK〉ボタンをクリック。せっかくBluetooth搭載なのにもったいない……。

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APNの設定画面があらわれる。初期状態では1番と3番にモペラが登録済み。他のプロバイダを使っている人は、そのプロバイダのドメインを追加しなくてはならない。〈追加〉ボタンをクリックだ。

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〈接続先(APN)〉にドメインを入力する。niftyの場合は「nifty.com」だ。ここは契約しているプロバイダによって異なるので、めいめい調べて入力するように。〈番号(cid)〉は初期状態だと2番になっている。ここではパソコン画面取得のため4番になっているが、初期設定の2番のままで問題ない。  〈接続方式〉はPPP接続とIP接続が選択可能。これもプロバイダによってまちまちのようだが、niftyは双方に対応していた。一通り設定し終えたら、〈OK〉ボタンをクリックしよう。前画面にもどるので、〈FOMA端末へ設定を書き込む〉をクリックする。

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この画面が表示されたらAPNの設定は完了だ。ケータイのUSBケーブルをパソコンから抜いておこう。大丈夫ですか、へばってませんか? まだまだこれからですから(笑)。

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ダイヤルアップネットワークの作成に取りかかろう。Bluetooth設定ユーティリティを起動して、〈新しい接続〉をクリックする。

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〈エクスプレスモード〉を選んで〈次へ〉をクリックする。でもその前に、忘れずにケータイをダイヤルアップ接続待機にしておこう。

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パソコン側のBluetoothがケータイを探してます。がんばれぇ。

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見つかりました。さきほどはこのあとペアリングにともなってBluetoothパスキーを入力したが、この作業は一度やっておけばOK。よって〈次へ〉をクリックすれば自動的にウィザードが進んでいく。

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ケータイと接続してます。しっかりつながってくださいね。

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Bluetooth経由のモデム用ドライバがインストールされる。新しい接続を作るたびにモデムは増えていきます。今回のテストでモデムが最大6個になりました。まあ、どうでもいい話ですが。

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ダイヤルアップネットワーク作成の下準備が整ったようです。さあ、ここからもう一山ありますよ。しっかし長げぇ手順だなあ。

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ハイこの画面、かなり重要。パケット通信は本来PPP接続だが、ダイヤルアップネットワークの機能を使ってネットワーク接続する。 ユーザー名とパスワードは各々プロバイダのFOMAパケット通信用設定を参照して入力すればOKだが、問題は電話番号だ。PPP接続なんだから電話をかけても仕方ない。実はパケット通信の場合、ここにATコマンドを入力するのだ。いやあ、のけぞるねえ。2007年にもなってATコマンドなんて言葉と遭遇するとは。ここまでこの記事通りに設定してきた場合は「*99***2#」と入力。下2桁目の「2」という番号は、APNで指定したcid番号に相当する。仮にAPNの設定でドメインを5番に登録した場合は「*99***5#」となるわけだ。

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ついにできました、パケット通信用のダイヤルアップネットワーク。これまでの苦労をかみしめながらダブルクリックしよう。そうそう、ダブルクリックする前にケータイのBluetoothを接続待機にしておくように。ああ、いろいろ大変だぁ。

そんなわけでパケット通信設定の流れをまとめておこう。ケータイにAPNを登録→Bluetoothでパソコンとケータイを接続→ダイヤルアップネットワークの作成。とまあこうなるわけだが、つまずきそうなのはAPN登録でUSB接続することと、電話番号にATコマンドを入力するところ。特にATコマンドの下2桁目をcid番号にするなんてあたり、かなりクセモノだ。

今回Bluetoothのデータ通信を試してみて、黎明期の無線LANを思い出してしまった。快適だが、その道のりは遠い。そんな感じ。ここに載せた方法も汎用性には乏しいし、もしかしたらもっと簡単につながるやり方があるのかもしれない。一刀両断してしまうなら、インターフェイスが洗練されていない。ISAやSCSI、DMAやIRQのような、どこかレガシーチックな臭いがする。それでもレガシーデバイスは、拡張派はいやでも通らざるを得ない道だった。だからパソコン誌などでひんぱんに特集が組まれ、情報収集しやすくノウハウの蓄積も早かった。でもBluetoothはどうだろう。モバイルユーザーには必須かもしれないが、残念ながらモバイルは流行らない。きっとパソコン誌もBluetooth特集なんて組まないだろう(一応、提案はしてみるけど)。正直、萎えてます……。もっとがんばれ、Bluetooth。

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July 20, 2007

P904i パソコン連携の不毛

ケータイを買い換えた。ドコモのP904iだ。これまでケータイに対して冷淡だったのだが、最近のモデルはやれワンセグGPSBluetoothだと、なにやらとても楽しそう。なかでもGPSとBluetoothはパソコン連携でおもしろことができそうなので、昨年末あたりから気になっていた。ところがいざ実機を手に入れてみると、あくまでもケータイはクローズドな世界。パソコン連携なんてオマケ程度の機能にすぎない。その自己完結ぶりをレポートしたい。

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【思ったほど使えないGPS機能】
まずはじめに注目したのがGPS機能だ。ケータイで撮った画像に位置情報を埋め込み、それをPicasa経由でGoogle Earthに展開。前々からこれをやってみたかった。ええと、結論からいうとですね、P904iではできません(キッパリ)。GPSを使って位置情報の取得は可能。でもそれを画像のEXIFに埋め込むことはできない。ウェブを漁ってみると、この点に関してはauの方が進んでいる様子。ドコモは搭載機能を広くユーザーに使ってもらおうという考えはないらしい。というのも、GPSで位置情報を取得し、現在位置を地図で確認。そこから最寄り駅を調べたり、ナビっぽいことはできる。ただ、その現在位置を表示した地図には広告サイトのリンクがベッタリ……。嗚呼、ケータイ業界お得意のビジネスモデルってやつですか。ユーザーベネフィッツ重視の機能強化ではなくて、あくまでも金になるかどうか。ノッケから気持ちが萎えていきます。

そんなわけで、GPSのトラッキングログなんてモンもとれるわけがない。一部のユーザーは位置情報をメール添付して特定のサイトに連続送信し、それを連結させてトラッキングログを作るという工夫をしている。なかなかおもしろい試みだが、やはり実用的とは言い難い。もしケータイひとつでGPS情報付きの写真が撮れ、トラッキングログを記録できるならば、それをGoogle EarthやGoogle Mapsに展開して自分の軌跡を再現できる。デジタルならではの遊び方だと思うのだが、残念ながら現時点では難しいようだ。

ただトラッキングログに関しては、個人情報保護の観点からケータイでの取得は将来的にも実現不可能かもしれない。なにしろ特定個人の行動がケータイ会社のサーバーに蓄積されてしまうので、SFさながらの管理社会が出来上がってしまう。いや、政府による管理ならまだいい。広告代理店の手に情報が渡ろうものなら、村上春樹がいうところの高度情報化社会どころか、高精度情報化社会の出現だ。現在の広告主体の情報にさえウンザリしているのに、これ以上は願い下げだ。

【Bluetoothでケータイをワイヤレスモデム化】
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Bluetooth
の方は大丈夫だろうか。まずBluetoothで実現したいことといえば、ケータイのワイヤレスモデム化だ。ノートパソコンにケータイをケーブル接続してメールやウェブをチェック。これをワイヤレスでやりたい。幸いなことに、この点は問題なくクリアできる。Bluetoothのペアリングを行った後、ダイヤルアップネットワークを作成。いったん作成してしまえば、次からはパソコン上でダイヤルアップネットワークのアイコンをダブルクリックすればOKだ。ケータイとBluetoothで通信を確立して、プロバイダ経由でダイヤルアップしてくれる。ネットワーク接続の設定は、付属のFOMA PC設定ソフトを使ってもいいが、Bluetoothで接続する場合はBluetooth付属のユーティリティ、もしくはウィンドウズ標準のダイヤルアップネットワーク作成機能を使った方がやりやすいだろう。

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通信速度はドコモの場合、ダイヤルアップ接続で64Kbps。ウェブ閲覧はつらいが、メールチェックなら実用的な速度だ。最近は無線LANスポットが増えているものの、環境に依存せず、通信手段を常に身につけている安心感が利点。しかもケーブル接続や通信カードの挿入も不要だ。日頃からモバイルノートを持ち歩いている人なら、Bluetooth搭載ケータイを買う価値があるだろう。

もちろんパケット通信もBluetooth経由で行える。パケット通信という用語はパソコンユーザーにとってややわかりづらいが、要はPPPもしくはIP接続でネットワークに接続する方法だ。ケータイ版ブロードバンドインターネットと考えるとわかりやすいだろう。通信速度は384Kbps。HSDPA方式に対応したケータイなら、最大3.6Mbpsで接続できる。いずれにしてもダイヤルアップより遙かに高速だ。ただし、今回テストした環境では設定時にパソコンとケータイをUSB接続する必要があり、ちょっと面倒な印象を受けた。Bluetooth経由のデータ通信については、後日詳しく解説したい。

【基本スタンスは周辺機器接続用】
ファイル転送についてはどうだろう。実はBluetooth機能に一番期待していたのはこの点だ。ケータイ内の写真データや電話帳を、パソコンに近づけるだけで転送。こんなことができたらかなりステキ。ただこれは、さすがに虫がよすぎたようだ。

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ドコモはdatalinkというユーティリティを無償公開している。ケータイをパソコンにUSB接続すると、電話帳、写真、テキストメモなど、ケータイ内のデータを一括してパソコンに転送できる。もちろん、パソコン上で編集してケータイに書き戻すことも可能だ。このソフトがBluetoothに対応しているのではないかと密かに期待していたのだが、望みすぎでした(笑)。P904iで唯一可能なファイル転送は、電話帳のデータだ。これはケータイ上で電話帳を開き、機能メニューの「Bluetooth送信」を選べばよい。一件のみでも電話帳全体でも、パソコンにBluetooth経由で転送してくれる。

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今回はBluetoothを搭載したVAIO type R masterでテストしたのだが、ケータイから電話帳を送信するとプレインストールされているBluetooth用ユーティリティが応答。所定のフォルダにVCFファイルがあらわれた。VCFファイルは電子名刺の標準フォーマットで、アウトルックで開くことができる。利用シーンを想定してみると、合コンやキャバクラでおねえちゃんのケータイ番号を聞き出し、自分のケータイに登録。帰宅してパソコンに転送保存する。そんなところだろうか。ちなみにケータイから転送したVCFファイルは、アウトルックのインポート機能でアドレス帳に統合できる。

P904iのBluetoothを使ったファイル転送は、このようにごく限られた機能だ。ではいったい、ナンのためのBluetoothなのか。それはケータイに周辺機器を接続するためだ。ヘッドセットやオーディオ機器などをBluetoothでワイヤレス接続し、ケータイを機能拡張しようというものらしい。P904iはミュージックケータイをひとつの売りにしているので、主にワイヤレスイヤホンをつないでくれということなのだろう。

今回P904iを使ってみて、パソコンとケータイでは機能に対する姿勢がちがうのだと痛感した。パソコンでGPS、Bluetoothといえばフル機能を指す。一方、ケータイは特定機能を実現するために、GPSなりBluetoothの一部機能を用いるという印象を受けた。よってパソコンユーザー気分でケータイに接すると、ぼくのように肩すかしを食らう。おそらくチップ自体はフル機能が使えるのかもしれないが、肝心のソフトがない。誰か画像転送用のiアプリでも作ってくれないかしら、なんて思うのだが、パソコンとちがって早々フリーソフトが出回る世界でもない。当然ながらケータイは専用機だ。汎用性は限りなく少ない。自由がほしいならスマートフォンへどうぞ、ということか。

P904iのGPSとBluetooth、なにかおもしろい遊び方があればおしえてください。

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June 19, 2007

Logicool MX620 マウス選びの難しさ

これまでメインPCはずっとケーブルマウスだった。さすがにPS2マウスではないが、黎明期のワイヤレスマウスに辟易し、メインPCはケーブルマウスと決めている。とはいえワイヤレス化は時代の趨勢。いつまでもケーブルマウスというわけにはいくまい。今回ロジクール「MX620」を長期試用する期待に恵まれたので、サクッとレビューしてみたい。

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【フリースピンモードが快感!】
ロジクールには「MX Revolution」というダブルホイールのハイエンド製品がある。「MX620」はその廉価版という位置づけだ。同社はマウス専業メーカーだけあって、技術的に他社より頭ひとつ抜きん出ている(トレンドメーカーとしては微妙だけど)。「MX620」のアドバンテージはハイエンド製品で採用されたMicroGearプレシジョンスクロールホイールを搭載しているところだ。

一般的なスクロールホイールは、ギアを噛み合わせて回転した分だけスクロールする。いわゆる慣性でそのまま回転しつづけたりはしない。本製品ではこの状態をクリック・トゥ・クリックモードと呼び、これとは別にフリースピンモードを搭載している。ギアの噛み合わせを解除し、ホイールの回転が止まるまで延々とスクロールしていく。たとえばこのブログページはかなり長大だが、フリースピンモードだとワンアクションで一気に末尾へ到達した。さらにページのスクロールが流れるように滑らかで、ハマるともうヤミツキ。ヒュイーン、ヒュイーンとスピンさせまくりだ。ちなみにクリック・トゥ・クリックモードだと、このページの末尾まで40回も中指を動かした。フリースピンモード恐るべし、である。

Lmimg_0313_1モード切替はマウス底面のスイッチで行う。実はこの点がMicroGearプレシジョンスクロールホイールの微妙なところ。フリースピンモードはとても便利だが、小さくページを動かすには不向き。普段はクリック・トゥ・クリックモードで、ここぞというときにフリースピンモードに切り替えるのが一般的な使い方だろう。その「ここぞ」というときに、いちいちマウスをひっくり返すのは面倒くさい。結局どういうことになるかというと、クリック・トゥ・クリックモードのまま使い続けている自分がいた……。宝の持ち腐れだ。スイッチはやはり、上部か親指側の側面あたりが理想的だろう。

【細かな不満が積もり積もって】
基本的な部分でいくつか気になる点がある。ひとつ目は専用ユーティリティのバグ。タスクトレイのアイコンでマウスのバッテリ状態が確認できるのだが、付属の新品電池を入れたにも関わらず!マークがずっと点滅している。手持ちのアルカリ乾電池に交換してもこの状態は相変わらず。しかもユーティリティの画面を開いて度肝を抜かれた。

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「電池残量:フル」でもって「電池を取り替えてください」って気は確かですか? このマウスは単3乾電池2本で一年動くというのが売りなのだが、何はともあれタスクトレイアイコンの点滅がかなり目障り。これは早めに対処してほしい。

スクロールホイールの精度も気になる。インターネットエクスプローラではしごく快適だが、なぜかアウトルック2007でメール画面をスクロールさせると具合がわるい。いったん下方向に移動し、ホイールから指が離れると上方向に少しだけ戻る。なにかこう、ギアの揺り戻しがそのまま反映しているような感じ。IEやエクセルではこうしたトラブルはなく、アウトルック2007だけというのがいやはやナンとも……。

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チルト機能(水平スクロール)は移動の遅さが惜しまれる。上画面のようにほぼ最速状態にしてもIEではジリジリとした動きでいらついてくる。エクセルはまずまずスピーディといった状態で、ソフトによって挙動が異なるようだ。プログラムごとに設定を保存できるので、いろいろとカスタマイズしてチョーダイということなのか。マウスチューニングはたしかに重要だが、あくまでもそれは自分流に使いやすくするのが目的だ。デフォルトセッティングに改善の余地があるのではないか。

Lmimg_0292とまあ、辛口レビューになってしまったが、これもマウスがもっとも使用頻度の高いインターフェイスゆえのこと。入力デバイスはユーザー各々要求レベルが高いので、操作フィーリングの調整はかなり難しいアイテムだと思う。その一方でワイヤレスマウスとしての完成度はすばらしく、スリープ状態からのハイレスポンスな復帰といい、高精度レーザーで狙い通りに動かせる操作性といい、不満を書きながらも毎日このマウスを使っている。ルックスは大人びた品があり、ブラックのレザーマウスパッドとよく似合う。コンパクトUSBレシーバも利点のひとつだ。普及価格帯でこの機能、この質感ならわるくない。なお、専用ユーティリティは本体に付属せず、ロジクールのホームページからダウンロードする。涙ぐましいコスト削減、こういう企業努力は好きです。

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May 30, 2007

Virtual Earth 3D ついに摩天楼が!

高層ビル群ときいて真っ先に思い浮かぶ場所、それはニューヨークのマンハッタンだ。地面のほぼすべてを高層ビルが覆う街。3Dで見たらさぞかし圧巻だろう……と思いきや、Google EarthにせよVirtual Earth 3Dにせよ、一向に3D化が進まない。なぜか? あまりにビルの数が多くて3D化がおっつかないのだ。しかし、マイクロソフトはやってくれた。ついに摩天楼のフル3D化だ!

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【大型アップデートで摩天楼を3D化】
5月29日にVirtual Earthの大型アップデートが行われた。アップデートの詳細はVirtual Earth/Live Mapsの記事を参照してほしいのだが、ざっくりいうと、3D都市の追加、欧州主要都市のバードビュー対応といった内容だ。そしてマンハッタンの3D化は、このアップデートの目玉といっていい。論より証拠、その画面写真を見てほしい。

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見渡す限りビルビルビル……。主要高層ビルだけでなく、小さな建物に至るまでことごとく3D化されている。さすがにここまで見せつけられると、担当エンジニアの意地というか執念というか、ビジネスそっちのけで人間性がにじんでくる。ちなみにGoogle Earthのマンハッタンはこんな感じだ。

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灰色の3Dポリゴンを表示させることもできるが、いわゆる3D建物はこれだけ。こうやって比較すると、Virtual Earth 3Dの突き抜けぶりがよくわかる。ただし、これだけ3Dモデルが増えると、非力なグラフィック環境では表示がつらくなる。GeForce 7600 GT搭載環境で小一時間動き回ったところ、後半は画面が乱れはじめた。3D都市で問題となるのは、建物が増えてくるとパフォーマンスが落ちるという点だ。

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Br03 Br04

これらの画面はGoogle EarthでBerlin 3Dというkmlファイルを表示したものだ。国家プロジェクトとしてベルリン市を3D化し、それをGoogle Earthのkmlファイルで公開している。3Dポリゴン+テクスチャという建物に加え、一部の建物は内部まで3Dモデリングされているのが特長だ。Google Earthのなかで群を抜く3Dモデルなのだが、いかんせんデータが思い。このkmlファイルを表示して何度フリーズしたことか……。Virtual Earthのマンハッタンについても同様のことがいえる。Berlin 3Dほどではないが、グラフィックパワーは必要だ。

なお、今回のアップデートで増えた3D都市は以下の通り。相変わらず北米中心だが、この調子なら全世界3D化もあながちユメではないかも。

Manhattan
Queens, NY
Yonkers, NY
Cheektowaga, NY
Niagara, NY
Levis-St Romuald, Canada
Ottawa, Canada
Northampton
Great Britain
Austin, TX
Cincinnati, OH
Indianapolis, IN
Speedway, IN
Aurora, IL
Joliet, IL
Naperville, IL
Cape Coral, FL
Tampa, FL
Savannah, GA
Hollywood, CA
La Jolla, CA
La Mesa, CA
Miramar, CA
Oceanside, CA

【日本語版登場も間近か!?】Vem10
Virtual Earth 3Dを使っていて、ちょっと妙なことに気づいた。上の画面を見てほしい。メニュー関係が日本語表示されている。こりゃついにVirtual Earth 3D日本語版が出たのか!? と色めいたが、Windows Live日本語版の「地図」をクリックしても3D表示はできない。どうやらメニュー関係だけ日本語対応したということのようだ。でもこれでずいぶんと使い勝手がよくなる。メニューの英語は簡単な単語ばかりだが、やはり日本語表示の方が安心して使えるというもの。もしかすると日本語版の登場が近いのかもしれない。

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May 27, 2007

Virtual Earth 3D都市リスト

二番煎じ、GIS的観点の欠如、そして一向に登場する気配のない日本語版……。すっかり黙殺されっぱなしのVirtual Earth 3Dだが、こいつを侮ってはいけない。Virtual Earthの3D都市がスゴイことになっている。こと都市の3D化に関しては、Google Earthの3D建物なんて足下にもおよばない。今回はその3Dっぷりをドドーンと紹介してみよう。

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【Virtual Earth 3Dのセットアップ&使い方】
Virtual Earth 3Dは英語版だ。日本国内で提供しているVirtual Earthだと、そのままでは3D表示できない。いったん米国サイトにアクセスして、別途Virtual Earth 3Dをインストールしよう。インストール手順は仮想地球通信にわかりやすくまとめてある。参照するといいだろう。

Ve02
3D化は北米の都市を中心に作業が進められている。3D都市へジャンプするには、「Enter city,address, or landmark」の欄に英語で都市名を入力。該当都市にジャンプすると、都市を自動的に3D表示してくれる。3D都市を徘徊するときは[Ctrl]キー+カーソルキーの操作が便利。いわゆる旋回行動がとれておもしろい。また、さりげなくSpaceNavigator PEに対応していることも付記しておこう。インターネットエクスプローラ上の操作となるため、特別なプラグインは必要ない。とまあ説明はこれくらいにして、早速3D都市のナイスビューを見てもらおうか。

【北米17都市の精細3Dビュー】
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Ve04_1 
Ve12 Ve13
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Ve27_1 Ve31

どうですか!? かなり見応えある画面でしょ。Google Earthの3D建物はアニメチックだけど、Virtual Earth 3Dは実写主義といった面持ち。Google EarthやMitakaが好きな人なら、Virtual Earth 3Dもぜひ遊んでみてほしい。タダでこんなにすごい3D都市を見られるなんて、いやほんと、いい時代になりました。ちなみに、以下の17ポイントが3D都市と呼ぶに相応しいできばえだ。北米に偏っているのがナンですが、Google Earthよりも3D化は進んでいる。

Boston
San Francisco
Seattle
Denver
Detroit
Los Angeles
Philadelphia
Las Vegas
Atlanta
Calgary
Redmond
Buffalo
Beaverton
Portland
Swindon
Brighton
San Jose

地名をコピペしてジャンプしてください。これ以外にも3D都市があれば教えてね。

●追補
5月29日の大型アップデートで3D都市が増えました。こちらの記事も合わせてご参照ください。

【実写主義のヒミツを探る】
Virtual Earth 3Dの3D都市は、Google Earthよりもホンモノっぽい。これは誰の目にも明らかだ。3Dモデルの上にテクスチャを貼り付けているので当然といえば当然だが、実はそれ以外にもかなりきめ細かい工夫をこらしている。下の2枚の画像を見比べてほしい。

Ve23 Ve21
これはアトランタの都市部を俯瞰したものだ。1枚目は北から、2枚目は南からの様子である。同じ都市なのに1枚目は明るい日差しがあたり、2枚目は暗くなっている。これはどういうことか? Virtual Earthは下地に衛星写真および航空写真を用いているのだが、その写真の日の当たり方を考慮して3Dモデルを作っている。2枚目の画像を見ると、衛星写真上の影と建物(3Dモデル)の陰が一致しているのがわかるだろう。

Ve34 Ve38
さらに下地の写真に合わせ、建物の色調も調整している。右の写真はアンバーかつ緑にかぶっているが、建物のカラートーンを合わせてあるので違和感がない。左の画面と比べると、トーンのちがいは一目瞭然だ。実はここにVirtual EarthとGoogle Earthの決定的なちがいが見て取れる。Google EarthはGoogleがプラットフォームを提供し、コンテンツは基本的にユーザーまかせだ。Google Earthの3D建物はユーザー提供のものが少なからず含まれているため、都市全体を見たときに違和感のある建物が点在する。ユーザー参画型のプラットフォームという点は評価すべきだが、仕上がりに優劣が見え隠れするのはやむを得ないところだ。一方Virtual Earth 3Dは、プラットフォームからコンテンツまで一貫してマイクロソフトが管理している。言うまでもなく3D都市の完成度は、Virtual Earthの方が格上だ。

なお、Virtual Earthは閲覧時のパフォーマンスにも配慮が見られる。Google Earthで3D都市を表示すると、チップセット内蔵グラフィックではフリーズに見舞われることがたびたびあった。しかしVirtual Earthの場合は軽快。GeForece 7600 GTを搭載したマシンではSpaceNavigatorでグリグリ動かしても安定している。おそらくデータを効率よく圧縮して、システムに高負荷がかからないように配慮しているのだろう。

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Horizon Perfekt

この写真は東京タワーからパノラマカメラで撮影したもの。なんだかVirtual Earthにそっくり……なんて本末転倒な感想を抱いてしまうほど、Virtual Earthの3Dっぷりは見事だ。なるほど、たしかにVirtual Earth 3Dは「見る」だけで完結してしまう。そこから先に何もない。しかし3D都市(=仮想現実)を見せるということに、マイクロソフトは本気で取り組んでいる。この点は積極的に評価したい。Virtual Earthしかり、Mitakaしかり、手軽に体感できるテクノロジーの最先端を、より多くの人に楽しんでもらいたい。

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May 15, 2007

4D2U Mitaka で宇宙空間に飛び出せ!

4D2Uプロジェクト(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)という事業がある。空間的にあまりに広大で、時間的にも長大な宇宙というものを、デジタルの力で視覚的にとらえてみようという試みだ。その成果物のひとつとして登場したのが、4次元デジタル宇宙ビューワ「Mitaka」である。

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これは国立天文台立体視シアター向けに開発された上映用ソフトウェアなのだが、バージョン1.0正式版がフリーウェアとして公開されている。このソフトのなにがスゴイかって、宇宙空間を自由に、しかも時間的変移も交えながら楽しめるのだ。Google Earthもフリーウェアとして画期的な高性能ぶりだったが、Mitakaのスケールと大盤振る舞いはそれを凌駕するかもしれない。早速そのおもしろさを見ていこう。

【プラネタリムより宇宙遊泳!】
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シアター上映用ソフトということもあり、起動するとまずプラネタリウムがあらわれる(写真左)。Mitakaは4次元空間をシミュレートしているので、時間軸を進めていくと天体が動く。スクロールホイールでズームイン/アウトすることもできる。これはこれでおもしろいが、正直なところこれだけなら別段驚くほどのことではない。似たようなソフトは他にもあるだろうし、3D空間とはいっても見え方は平面チック。Mitakaの本領はあくまでも、宇宙空間に飛び出せるところにある。

そこでホイールボタンをクリック。天体を見上げる視点から、地表を見下ろした視点に切り替わる(写真中央)。前述のモードをプラネタリウムモード、これを宇宙空間モードという。ホイールを前後するとズームイン/アウトでき、3D空間を自由に飛び回れるのだ。夜になっているエリアは街の明かりまで見ることができ(写真右)、宇宙から地球を見下ろしている雰囲気が伝わってくる。普段Google Earthばかり使っているのでついズームインしてしまうが、Mitakaを満喫したいならズームアウトだ。ズームアウトしていくだけで、宇宙の壮大なスケールを実感できる。

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ズームアウトしていくと太陽系の全体があらわれ、各惑星の軌道が見えてくる。さらにズームアウトすると太陽系自体が小さくなり、10光年をすぎたあたりから著名な恒星があらわれる。

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ついには銀河系の全体像が姿を見せ、我々の棲む太陽系は宇宙のホンの片隅なのだと痛感してしまう。10万光年をすぎると小銀河が次々を視界をかすめ、銀河系すら宇宙の片隅にすぎないのだと呆然とした気分になるはずだ。

M15 M16
10億光年を超えると、宇宙の大規模構造が見える。これは銀河の分布図で、扇状に分布しているのは観測領域のみを表示しているためだ。実際にはまんべんなく銀河が分布しているらしい。最後は137億光年の境界線があらわれ、宇宙の果てに到着する。宇宙の年齢は137億年と考えられているので、これが宇宙の果て(もしくは宇宙の最先端)というわけだ。ちなみに青い部分はクエーサーの分布状況を示している。クエーサーとは巨大なエネルギーを発している天体のこと。書いているぼく自身よくわからなくなっているのだが(笑)、ともかくも宇宙のスケールだけは肌で感じてもらえるはずだ。

【人工衛星で4次元空間を体感】
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前述の通り、Mitakaは4次元空間をシミュレートしている。3Dスペース+時間。このことを体感したいなら人工衛星の軌道を追いかけてみるといい。太陽系を画面に表示させ、その上で「探査機の軌道」の表示をONにする。時刻表示を1年単位に設定して、1970年代ぐらいから一気にタイムスケールを動かす。するとボイジャーやカッシーニの軌道がぐいぐいと伸び、太陽系の惑星と大接近する様子が手に取るようにわかるのだ。

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惑星大接近の様子をクローズアップしたのが上の画像だ。左がカッシーニの土星大接近、右がパイオニア10号の木星大接近の様子。いやあ、大迫力な3D映像だこと。惑星と人工衛星を、自らの手でランデブーさせちゃうなんてたまりませんな(笑)。Mitakaのいいところは、3D表示が本当にキレイだというところ。地球と火星は地表の隆起も再現され、実に見応えがある。そんな様子をまとめてアップしておこう。

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【インターフェイスは改善の余地あり】
このようにMitakaはフリーウェアの域を超えた極上の知的エンターテイメントソフトだが、操作面でいくつか不満がある。まずターゲットという概念があり、指定したターゲットが視界の中心点になる。たとえば地球をターゲットに据えれば地球が視界の中心になり、銀河系を選べば銀河系の中心部分が視界中央になるわけだ。マウスによって画面をドラッグした場合、この中心点を軸に視界が回転する。つまり、上下左右の移動ではなく、常にターゲットを基準した回転移動になるわけだ。これを理解しておかないと、気持ちよく宇宙遊泳できない。Google Earthや地図ソフトの感覚と異なるので気をつけよう。なお、ターゲットはメニューから選択でき、主要な惑星、恒星、銀河などに瞬間移動できる。

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