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February 08, 2013

漱石とオールドレンズ

昨年、Kindleで赤外写真集を出した流れで、Kindleアプリで近代日本文学を読みあさっている。そして久々に夏目漱石の「行人」を読み返してみた。行人を読むのは20年ぶりだろうか。実は卒論が「行人」論だったので、内容はほぼ記憶している。いまさら読み返しても退屈かと思いきや、これが俄然おもしろい。

「漱石なんて説教臭い小説、いまさらおもしろくもない」と若い人たちは思うかもしれない。ただ、流行作家だけあって実はかなり意欲的な作品だ。「行人」は1912年から1913年にかけ、朝日新聞紙上で長期連載された。新聞小説だけあって、テンポよくグイグイと読者を惹きつける。しかも倫理観の強かった明治末期、新聞紙上で不倫小説を連載するのだから恐れ入るじゃないか。当時の厳格な風潮の下、レトリックを駆使した不倫描写は実にスリリングだ。

作中、「君の家に電話はあるかね?」「あると思いますか!?」みたいなやりとりがあるのだが、これは今風に置き換えると、「君んちネットつながる?」「つながるわけないじゃんw」といった感じになる。当時のトレンドをしっかりと盛り込んでいるわけだ。昔の生活様式を現代のものに置き換えながら読むと、小説本来のおもしろさが伝わってくる。このあたり、オールドレンズの楽しさと通ずるものがあるかもしれない。オールドレンズもどういう時代に、どういう経緯を背景に生まれたのかがわかると、そのレンズに対して俄然愛着がわいてくる。そんなわけで、今日は漱石つながりで三四郎池の写真です。

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Comments

漱石〜面白いコラムでした。
僕も膨大な無料小説が読みたくて、キンドル買おうかなって思っていたのですが
記事を拝見したのをきっかけに、遅ればせながら手に入れてみます。

Posted by: monopod | February 08, 2013 at 12:28 AM

漱石ネタ、楽しんでいただけて何よりです。
また、近いうちに書きますね(^^)。

Posted by: metalmickey | February 08, 2013 at 12:52 AM

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