« Virtual Earth 3D でついに東京が! | Main | Google Earth 4.3 想像を超えない進化 »

April 15, 2008

Leica M8 ファーストライカレンズの悩み方

M8を手に入れて早一ヶ月半。いろいろと発見があったり失敗したり、日々楽しく撮影しているわけだが、撮れば撮るほどライカレンズがほしくなる。もちろん、G Biogon T* 28mm/f2.8はすばらしいレンズだ。そうはいっても、せっかくのライカボディなんだから、レンズもライカで揃えたい。そんなわけで、ライカレンズはじめての一本、これを一緒に悩んでみませんか。

Lmimg_00563

【ライカは35mmがディフェクトスタンダード】
選び方ではなくて、あえて悩み方。いうまでもなく、ぼくはライカ新入生だ。ナニをどう選んでいいのかさっぱりわからない。ただ、わからないなりに参考書やウェブで情報を漁り、「買うならこの辺かなあ」なんてアタリを付けてみたりする。アタリを付けたところで所詮新参者だから、すぐに別の情報に心揺さぶられ、「やっぱこっちかなあ」といつまでたっても決まらない。そんな煮え切らないレンズ選び、きっとあなたも経験があるはず! そんな心の揺れ動きを整理して、清く正しいライカレンズの悩み方を紹介しようかな、と。まずは、予算度外視でほしい一本挙げてみよう。

Noctilux 50mmF1(2nd)

大口径標準レンズの金字塔。ボケ足がドシャブリの雨みたいですごい写りをする。ライカを手にしたからには、一度は付けて撮ってみたい。でも、中古相場は50万後半から60万半ばぐらい。M8ボディより高い。まあ、買えんですよ。冷静にならなくても買えないとわかります。

ではセオリー通り、「はじめは標準レンズから」というアプローチで考えてみる。候補はSummicron 50mmF2だ。世の標準レンズに習い、このライカレンズもコストパフォーマンスがいい。現行新品で15万くらい。新古品ならアンダー10万で買えることもある。いやあホント、安い。こづかいで買えねえ、ズミクロン貯金しないと(泣)。

ただ、ここでひとつ問題がある。一般に標準レンズといえば50mmだが、ことライカに関しては35mmを事実上の標準レンズと考える傾向が強い。ファーストライカレンズはできるだけスタンダードなものを買いたいので、急遽方向転換、35mmレンズで物色してみよう。候補はこんなところだ。

Summilux 35mmF1.4
Summicron 35mmF2
Summaron 35mmF2.8(F3.5)

値段が高い順に並んでおります。ズミルックス35mmF1.4ってのはいわゆる大口径準標準レンズ。どのマウントでもこのクラスはクレイジープライスだ。よって却下。現実路線でズミクロン35mmF2に的を絞っていく。ズミクロンに決めたからといって、即買うレンズが決まるわけではない。ライカレンズにおいては、ことのほか世代が重要なのだ。

ズミクロン35mmF2は、第1世代から第4世代に分かれている。第1世代は伝説の8枚玉と呼ばれ、ありえないくらいに高価。第2世代は6枚玉となり、コストダウンレンズなどと呼ばれることも。第3世代はもっともユーザー数が多く、入手もしやすい。第4世代は現行モデルで現代的な写りをする。予算的に手が届くのは、第2世代か第3世代。ただ、ライカの標準的な写りを堪能するということであれば、現行モデルの第4世代か。M8とは長い付き合いになりそうなので、早い段階で基準となる写りを体験した方がいい。しかし、現行ズミクロン35mmF2は予算と折り合いがつかず、ならばお手頃価格の現行ズミクロン50mmF2で手を打つか、といきなり後ろ向きな発想に……。いかん、こういう妥協はよくない。一度クールダウンだ。

【ライカレンズに何を求めるのか?】
ライカレンズ選びの難しいところは、レンズごとに性格が異なるのはもちろん、同じレンズ名でも世代で描写傾向が異なる(そうですよ)。クセ玉ありぃの現代的な写りもありぃの、バリエーション豊かで個性的な選択肢から選ばなくてはならない。「リーズナブルな標準レンズ(単焦点50mm)でスタンダードを知る」という杓子定規では、高い買い物だけに後悔する危険が……。結局、自分自身がライカレンズに何を求めているのか、それを明確にしないとはじまらないようだ。

ぼくはライカレンズに何を求めるのか。よくよく考えてみると、ふたつの答えにたどり着いた。ひとつは趣味のカメラというスタンス。そもそもライカRのエルマリートR 35mm/f2.8 type IやズミクロンR 50mm/f2 type Iで洗礼を受け、地味な発色とシャドウの粘りに魅せられた。わかりやすくいうとレトロ。よりオールドレンズらしい描写をM8でも楽しみたい。もうひとつはテスターというスタンス。いまライカ社が提唱するスタンダードな画質を、早い段階で体験しておきたいというもの。スタンダードを知っておくことは、原稿を書くときに(まあライカについてお金になる原稿を書くことはそうそうないだろうけど)欠かせない価値基準になる。

オールドレンズか、現行レンズか……。

やっぱオールドレンズでしょ(笑)。というわけで、オールドレンズメインで改めて35mmを物色。するとSummaron 35mmF3.5がよさげに思えてくる。世間の評判は「中間階調が豊かでモノクロ向き」というもの。こりゃアンジェニューみたいなプチ眠い写りか!? けっこう好みかもしれない、と購買欲が高まってくる。さらに調べていくと、同じズマロンでもメガネ付きが安い。メガネというのはフレームの画角を変更するためのアタッチメント。M8で使う分には無用の長物なのだが、そのせいもあってメガネ付きは不人気レンズだ。グレードにもよるが、ざっくり5万円くらい。これなら買える、迷わず買える! 買うぜズマロン、行くぜレモン社!

Lmimg_00684

そんなわけで、Summicron 35mmF2 RFを手に入れました。ええ、ズマロンじゃなくてズミクロン。ズミクロン35mmのメガネ付きは第1世代しかなくて、つまりこいつは、冒頭にふれた伝説の8枚玉。ぜんぜん安くないです。でも、メガネなしの8枚玉は20万コース。メガネ付きはアンダー10万円。ちがいはメガネの有無だけで、レンズ構成はいっしょ。伝説の8枚玉がアンダー10万! こりゃお買い得だ(錯覚です)。記念すべきファーストライカレンズだし、フンパツしてみた。

【伝説の8枚玉の描写力】
ズミクロン35mmF2の第1世代、通称伝説の8枚玉は、数あるライカレンズのなかでも別格扱いになっているようだ。ただ、評判が一人歩きしている感は否めず、ライカユーザーのブログを拝見すると「言うほどでもないよ」という意見もチラホラ。とりあえずは試写したものをズラリを並べてみよう。なお撮影条件だが、6ビットコードはオフ、UV/IRカットフィルターは付けたり付けなかったり(笑)。RAW撮影したものをLightroomに読み込み、露出補正とトリミングのみ行っている。

Lml1000149 Lml1000234 Lml1000140
Lml1000210_2
Lml1000223 Lml1000247 Lml1000293
Lml1000333_2
Lml1000373 Lml1000533 Lml1000594
Lml1000494_3
Leica M8 + Summicron 35mmF2 RF

画像を見た瞬間、ハッセルプラナーみたいだと思った。ハッセルプラナーといっても、Planar C 80mm/f2.8 T*のこと。Cレンズ特有の眠さと繊細さが、メガネ付きズミクロン35mmF2にも感じられる。あまりにシャープネスが繊細で、引いてみたときに眠く感じてしまう。端的にいうと、やさしく写る。やわらかい描写というよりは、やさしい描写といいたい。発色はさすがにカラー向けとは言い難く、ひらすた地味。ライカRのType I世代のような濃厚さはなく、純粋に地味な色合いだ。ワビサビの世界というか枯れた風景というか、エイジングフォト(ってなんだよそりゃ)向けかなあ。わずかにフレアっぽい写りで、それがシャドウの持ち上げ方に影響している感じ。標準露出で撮って、RAW現像時に0.5~1.0EVほどアンダーに落とすと気持ちいい。

【正直、メガネ付きってどうなの!?】
さて、メガネ付きレンズはどうしてこうも不人気なのだろうか。そもそもメガネ付きレンズはライカM3用だ。ライカM3のファインダーは、一番広角寄りのフレームが50mm。つまり35mmのフレーム枠がない。そこでファインダーの前にメガネをかけ、50mmフレームに35mmフレーム相当の視野を収める仕組みだ。

で、このメガネ付きレンズをM8に装着するとどうなるのか。まずフレームは50mmが選択される。そして視野は本来よりも広角寄りになる。広角寄りということは、被写体が小さく見えるため、ピント合わせはメガネなしのファインダーよりも操作しづらい。実際の撮影画角とフレーム枠の関係は、フレーム枠よりもひとまわり広いエリアが写っている。雰囲気的には、トリミング用のマージンもいっしょに撮れるといった感じ。

そんなわけで、M3以外でメガネ付きズミクロン35mmF2を使う場合、メリットは何もない。ピント合わせがやりづらくなるのだから、安いという以外、積極的に選ぶ理由は見当たらない。ただし、デジタル一眼レフユーザーの場合は別だ。特に小型デジタル一眼レフの快適さと無縁のファインダーに慣れていると、M8のメガネ付きファインダーでさえ至極快適に感じるだろう。ぼくは日頃、EOS 20Dにオールドレンズを付けてMFでピント合わせしている。まあ、フツーにシンドイですよ。なもんだから、メガネ付きレンズでさえ十分に快適だった。それどころかぼくは、このメガネ付きレンズを前々から狙っていた。その物々しい出で立ち、かっちょええよぉheart

Lmimg_0071

メガネ付きのデメリットよりも、ブラックボディにシルバーレンズというミスマッチの方が気になっていた。それもレンズフードを付けるだけで解消。黒の面積が増え、シルバーの鏡胴がむしろいいアクセントになってくれた。メガネ付きレンズを装着すると正直重いけど、このアグレッシブな面持ち、ぜんぜん許せます。

●追記
ズミクロン35mmF2 RFで撮った写真はこちらにも掲載しています。
metalmickey's montage - Summicron-M 35mm/f2 RF

|

« Virtual Earth 3D でついに東京が! | Main | Google Earth 4.3 想像を超えない進化 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« Virtual Earth 3D でついに東京が! | Main | Google Earth 4.3 想像を超えない進化 »