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January 10, 2007

MC Sonnar 135mm/f3.5 試写&画質考察

EF 70-200mm F4L IS USMが発売になってからというもの、F4L ISにするかF2.8Lにするかでずっと悩んでいた。なにしろ価格差は新品同士で1万円程度。F2.8Lの中古はF4L ISの新品よりも安い。機動力ならF4L IS、表現力ならF2.8L。それはわかっている。ただ、どうにも踏ん切りがつかない。自分が望遠レンズをどういうスタイルで使うのか、それが見えてこない。結論を出すまでの場つなぎというわけではないが、Carl Zeiss Jena DDR MC Sonnar 135mm/f3.5を買った。

Dpp_0285

ひとつハッキリしているのは、最近の自分はスナップしか撮っていない。スナップ用の望遠レンズということであれば、機動性重視で軽い単焦点がいい。どうせ屋外撮影だからf4程度の明るさで十分。ボディはAPS-CのEOS 20D。ならば135mmでも200mm相当になる。135mm/f3.5、もしくは135mm/f4が候補だ。このクラスは安いクラシックレンズがゴロゴロしている。そうしたなかMC Sonnar 135mm/f3.5に決めたのは、MC FLEKTOGON 35mm/f2.4とCarl Zeissつながりだからだ。ブランド志向といわれてしまえばそれまでかもしれない。MC FLEKTOGON 20mm/f2.8購入の伏線、そういう指摘もあえて否定はしない。きっとJena三兄弟、コレクションコンプリートするんだろうな……。

【スナップ向けの小型軽量望遠レンズ】
Dpp_0286_2そんなヨタ話はさておき、コイツのコンパクトぶりは本当にスナップ向けだ。右の写真はMC FLEKTOGON 35mm/f2.4と並べてみたところ。レンズ径はどちらも49mm。レンズ全長は1.5倍程度。これなら2本持っても軽装備で撮りに出かけられる。EOS 20Dに装着した際のバランスも良好。標準ズームレンズを着けている程度の重量感だ。そもそも重量感などというほどの重さも感じない。最短1メートルまで寄れるので、マクロ的な使い方もできる。今回の個体はカメラの極楽堂で購入したのだが、ややヘリコイドが重い印象。近距離から無限遠に向かってグリグリ回すと、ちょっと腕が疲れてくる。ランクABで21,000円。まあ、価格相応といったところか。

Dpp_0258MC Sonnar 135mm/f3.5は組み込み式レンズフードが備わっている。筒をスッと伸ばせばフードになり、これは思いのほか重宝する。クラシックレンズである以上、やはりハレ切りは欠かせない。MC FLEKTOGON 35mm/f2.4でははじめにラバーフードを買い、でもデザイン的にいまひとつ満足できずに結局はドーム型フードを買い直した(この顛末はこちら)。MC Sonnar 135mm/f3.5の場合はそうした手間をかける必要はない。ただ、じゃあこれがデザイン的に美しいかというと、それはまた別の話。Sonnarもフード探しの旅ですか……。いや、どうやらその必要はなさそうだ。手持ちのSuper-Takumar 135mm/f3.5の純正メタルフードがそのまま流用可能。しかも付けた姿がなかなか美しい。当面は日独合作で使ってみようと思う。

【さすがはMC、解像力は案外フツー!?】
肝心の画質はどうだろう。価格といい、在庫のあぶれ具合といい、MC Sonnar 135mm/f3.5はそれほど期待できるレンズではない。実際ウェブで情報をかき集めても、このレンズをベタ褒めするような記事はあまり見かけなかった。そんな事情を踏まえつつ、サンプルを見ていこう。撮影はRAWで行い、Digital Photo Professional 2.2で現像している。コントラストと色の濃さをそれぞれ+1に、リサイズにともなう解像感減退を加味してシャープネスを+3~5に調整している。EOS 20DでJEPG保存したデフォルトに近い状態と考えてもらうといいだろう。

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まずは左の写真から。開放近辺で撮影。やはりMC(マルチコーティング)を冠するだけあって発色がいい。前ボケ、後ボケともに嫌味がなく、美しいボケ味といえるだろう。ピクセル等倍で見るとちゃんと花粉まで認識でき、シャープネスも及第点だ。ただし、MC FLEKTOGON 35mm/f2.4のようなハッする描写力ではない。右の写真はアンダーになってしまったが、それでもバイク本来のカラーリングを再現できている。f5.6あたりまで絞っての撮影で、ジャスピンの部分は輪郭がスッと際立つ。しかし、前述のように驚くほどシャープというレベルには達していない。

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どうもシャープネスがいまひとつな気がするので、ほぼジャスピンのサンプルを三枚並べてみた。リサイズの関係でわかりづらいかもしれないが、どれもほどよくシャープだ。けっして線が太いわけではない。ただ、繊細な描写かといえば、やはり疑問を感じる。今回は手持ちでの撮影だったので、三脚を立ててf7~11あたりまで絞り込めばまたちがった描写力が見られるかもしれない。見方を変えると、単に圧縮効果で立体感がないだけ……かも。

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無限遠の写りはどうだろう。上の二枚は無限遠からわずかに戻した状態で撮影したサンプルだ。絞りは開放から一段絞った程度。ほぼ無限遠でこれだけシャープなら文句はあるまい。

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ボケがうるさくなった例も紹介しておこう。左は開放f3.5での撮影。二線ボケというほどではないが、ややうるさいか。もともと込み入った被写体なので、やむなしという気もするが。1~2段絞った状態が右の写真。ちょっと絞るだけでごちゃごちゃした被写体も見通しがよくなった。

【優等生にケチをつけるのはナンですが……】
Dpp_0256_1買って日が浅いので試写の域を脱していないが、ざっと触った感想としては素性の良さが気に入った。たしかにMC FLEKTOGON 35mm/f2.4のような感嘆する写りではない。しかし、発色は現代的で、解像力もまずまず。欲をいえば開放からもう一段キリッとしてほしい気もするが、それは価格を考えれば望みすぎというものだろう。むしろこの軽さと扱いやすさで、これだけの描写力が得られるというメリットの方が大きい。手頃な価格で素直に写る。おもしろみには欠けるが、実用的かつハンドリングしやすい望遠レンズだ。

●追記
その他の作例はこちらをご覧ください。

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