Google Earth

April 22, 2008

Google Earth 4.3 想像を超えない進化

Google Earthがバージョン4.3になった。インターフェイスの改良、サンライト機能、ストリートビューのサポートなど、かなり力の入った内容だ。でもなぜだろう、あまり熱くなれない。これまでGoogle Earthのバージョンアップは毎回楽しませてもらっていたのに……。新機能を紹介しつつ、熱くなれない理由を探ってみたい。

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【非リアルタイムな日の出日の入り機能】
まずはサンライト機能から。これは地上から見た太陽の動きをシミュレートする機能だ。任意を場所を表示してサンライト機能をオンにすると、日の出から日の入り、そして星空までも再現してくれる。使い方はシンプルで、手軽に遊べる機能だ。

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任意の場所をメイン画面に表示して、ツールボタンの日の出アイコンをクリック。

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タイムスケールの再生ボタンをクリックすると、以下のように太陽の動きがシミュレートされる。

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陽が沈んでいく様子はなかなかリアルで、3D都市やアルプスのような起伏の激しい場所で再生するとおもしろい。ただし、太陽の様子は非リアルタイム。これがどうにも惜しい。あくまでも天文的なデータをもとにシミュレートしているに過ぎない。たとえば気象情報とリンクして、雲や日照の様子を再現してくれたら心に響くのだが。

【3D前提のインターフェイスに進化】
ナビゲーションが新しくなった。上から順に、3D地形や3D都市の閲覧に便利なルックアラウンド、中央は従来からのカーソルボタン、そして昇降用のスライドバーが並ぶ。ルックアラウンドとカーソルボタンはともにホールド操作に対応。マウスの左ボタンをホールドして、上下左右に移動。これで画面をグリグリと動かせる。

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ルックアラウンドをホールドしたときの感覚は、SpaceNavigator PEの動作に似ている。基点が固定されるため移動こそできないが、自在に角度を変えて俯瞰できるのが気持ちいい。

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地表にズームインするときは、右クリックのホールド機能を使うといい。右クリックボタンをホールドするとこのようなマウスアイコンに変わり、垂直降下からそのまま地表に降り立つことができる。

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右ボタンをホールドして下方向にマウスと動かすと、まずはそのまま垂直降下していく。地表が近づいてくるにつれ、少しずつ角度がつき、ついには路上に降り立つことができる。従来は地表に激突した挙げ句、トンデモない場所に勝手に吹っ飛ばされていたので、これでずいぶんと3D都市を散策しやすくなる。ただし、着地後はナビゲーションを使った操作になるため、シームレスなオペレーションとは言い難い。おそらくは3Dコントローラの操作をマウスで再現しようと考えているのだろう。狙い目はいい。ただ、直感的ではない。地表に降り立ったら、そのままレーシングゲームのように自由に街を走りたい。

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ちなみに、東京が少し3D都市っぽくなってきた。左は新宿、右は汐留の様子。Virtual Earthの3D化にはかなわないが、それなりに3Dウォークスルーが楽しめそうだ。

【ストリートビューのぎこちなさ】

ストリートビューとはパノラマ写真を連続的に見せ、あたかもその場所を歩いているような臨場感を味わえる機能だ。Google Maps向けに提供されていた機能だが、バージョン4.3でGoogle Earthも対応することになった。

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使い方は簡単で、レイヤパネルの「ストリートビュー」にチェックを入れるだけ。提供エリアは北米の一部に限られているが、順次対応エリアは増えていくだろう。

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これはストリートビューを表示した様子だ。カメラアイコンをクリックすると、その場所のパノラマ写真を表示。奥のアイコンを次々にクリックしていけば、その場を歩いているような気分になる。マウスで画面をドラッグすると、周囲の様子をみまわすことが可能だ。

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ちょっと俯瞰してみると、こんな具合に写真が並んでいる。これらの写真を次々に表示していくわけだ。要はフォト機能(地表に写真を立てて表示する機能)の応用。こうした舞台裏が見えてしまうと、一気に興ざめしてしまう。

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上の写真はGoogle Mapsのストリートビューだ。メイン画面にはあくまでも現在位置を示しつつ、バルーンでストリートビューを表示している。どう考えても、こちらの方がインターフェイスとして洗練されている。Google Earthのストリートビューは力業という印象を拭いきれない。

長々とローテンションで愚痴っぽい解説がつづいてしまった……。それもこれも、今回のバージョンアップがサプライズに欠ける点に尽きる。サンライト機能はリアルタイム表示であってほしいし、3D操作は3Dコントローラに遠く及ばず、ストリートビューはGoogle Mapsの方が使いやすい。Google Skyが登場したあたりから感じていたのだが、最近のGoogle Earthはビジョンが見えない。場当たり的な機能追加のくり返しだ。

そういえば、KMLはOpen Geospatial Consortium(OGC)のオープン標準に認定されたそうだ。いまやKMLは、Google MapsやLive Mapsも正式サポート。地勢データに基づいた情報公開は飛躍的に加速していくだろう。結局Google Earthは地勢情報プラットフォームであって、地球シミュレータではなかった。そういうことなのか? ちょっと寂しい気分だ。

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バージョン4.3になって、大気圏表示がきれいになりました。地球温暖化が進む昨今、プチアイロニー!?

 

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April 12, 2008

Virtual Earth 3D でついに東京が!

このところ3D地理ソフトはさすがにブームも下火。このままフェードアウトなのか!? と思っていたら、マイクロソフトがやってくれました。Virtual Earth 3Dで立体都市TOKYOが出現。日頃からおなじみの建物が、ついに3Dで楽しめるようになった。

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【国内Live Searchでやっと3D都市が見られます】
Virtual Earthはマイクロソフトが提供する3D地理サービスだ。国内提供されているLive Search Maps Betaの大元となるサービスである。北米を中心に展開する3D都市は、Google Earthの3D建物よりも精細かつ緻密。ただ、前述の国内Live Search Maps Betaでは3D都市を見ることができず、いちいち英語サイトのVirtual Earthにアクセスする必要があった。わかりやすくいうと、3D表示させるのはちと面倒、というわけだ。そんなこんなのVirtual Earth 3Dだが、今回東京の3D化にともない、国内Live Search Maps Betaでも3D都市が閲覧可能に。早速、東京の3Dっぷりを見てみよう。

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左上から順に、汐留、お台場、新宿、池袋界隈の画面写真を並べてみた。新宿ミロードの壁面ロゴまで再現。泣かせます。ただ、これだけ3Dモデルを表示するため、マシンにはけっこうな負荷がかかる。今回、NVIDIA GeForce 7600 GT搭載機で試したところ、グラフィックドライバが何度もハングアップした。現行中級クラスのグラフィックチップでぼちぼち快適、といったところだろうか。そうはいっても、Google Earthで3D化された都市を表示するよりは遙かに軽い。

ちなみに、御大のVirtual Earthもアップデートが発表され、ラスベガス、デンバー、ダラス、フェニックスの4都市が高精細3D都市になった。Live Searchの検索窓にそれぞれ都市名を英語で入力すると、該当地までジャンプして3D都市が見られる。

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左上から順に、Las Vegas、Denver、Dallas、Phoenixの高精細3D都市だ。従来からVirtual Earthの3D都市は丁寧なつくりだったが、高精細3D都市はよりディーティールまで作り込まれている。上記4都市に共通しているのは、です。いや、冗談じゃなくてマジで。

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これはDenver郊外の遊園地を表示したところだ。遊具や木がしっかり3D化されている。

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これは東京駅の様子。十分に精細ではあるが、3D化は建物レベルに留まっている。これは印象批評になってしまうが、建物自体のテクスチャやモデリングにそれほど大きなちがいを感じない。やはり「どこまで3D化するか」という作り込みがポイントなのだろう。ただし、グラフィックボードの性能によって再現性が異なることは予想できるので、パソコン環境によって見え方が異なるかもしれない。まあ、小難しい話はさておき、そのうち路上のクルマも3D化されちまうのかなあ、なんて気がしております。

【Virtual Earthのインストール手順】
さて、Live Search Maps Betaからダイレクトに3D都市が見られると書いたが、正確には前もってVirtual Earth 3DのActive Xをインストールしておく必要がある。そのステップをざっくりと載せておこう。

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まずLive Search Maps Betaにアクセスする。この状態では2D表示になっているので、ここで「3D」をクリック。すると、「別途モジュールが必要でっせ。ダウンロードする?」というような画面があらわれる。もちろんダウンロードしておこう。

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デスクトップにダウンロードしたexeファイルのアイコンがあらわれる。こいつをダブルクリックだ。

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Virtual Earth 3Dのインストールがはじまる。タバコタイムです。

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インストールが完了すると、デスクトップにアイコンがあらわれる。こいつをダブルクリックしてVirtual Earthを起動しよう。

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インターネットエクスプローラが起動し、自動的にLive Search Maps Betaにアクセスする。すでにこの状態で「3D」表示がONになっているので、そのまま東京にダイブ。[Ctrl]キー + マウスの左ホールドで画面をぐりぐりと動かそう。なお、ウェブブラウザはIE6/7とFirefox2に対応している。

【Google Earthも国内アップデートが進む】
片やGoogle Earthはというと、着々とアップデートが進んでいる。正直、追いかけるのがしんどいくらいチャカチャカとアップデートが進行中だ。そんななか、日本に関係するものをいくつか紹介しておこう。

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はい、富士山です。やっと清く正しい富士山を拝めるようになりました。なにしろ従来の富士山は、赤黒い悪魔山みたいな形相。「いったい元データはナニ!?」と首をかしげるような姿だったので、このアップデートは日本国民として大歓迎です。

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大阪の街が3D化しました。Virtual Earthほどの密集度はないけれど、めぼしい建物が3D化している。先般Google マイマップ EXPOというイベントがあり、ベストマイマップ最優秀賞に「Virtual Osaka Project」が選出されたとのこと。このマイマップはGoogle Earthと連携していて、そのおかげで大阪の主要建築物が3D化を果たした。これはレイヤーパネルで「3D建物」をチェックオンするだけで閲覧できる。

なにやらグラフィックリソース消費合戦のようなことになってきたが、3D都市は俯瞰するだけで純粋に楽しい。たしかWiiボードでGoogle Earth内を歩くフリーソフトがあったけど、Virtual Earth対応版が出ないものだろうか。もしくはVirtual Earthフライトシミュレータとか。Google Earthのフライトシミュレータは操作が難しかったので、VEフライトシミュレータはもうちょいシンプルな操作、たとえば“墜落しないモード”搭載でお願いします。

 

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March 14, 2008

Google Sky ウェブ版が失ったもの

Google Skyのウェブバージョンがリリースされた。Google Earthの一機能として追加されたSkyモードが、ついに独立コンテンツとして登場だ。ブラウザで閲覧できて便利な反面、心に巣食うこの虚しさ……。Google Skyを使っていると、少々複雑な気持ちでなってしまう。

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【Mapsのインターフェイスで使いやすく】
Google Skyウェブ版は、機能的にGoogle EarthのSkyモードを踏襲し、インターフェイスはGoogle Mapsに準じている。日本語ローカライズも徹底し(一部翻訳ソフト調だけど……)、誰もが気軽に使える宇宙ビューワだ。また、KMLファイルの読み込み(当該ファイルへのリンクで実現)にも対応。ベテランユーザーからGoogle EarthのSkyモードを知らない人まで、ユーザースキルを問わず色々と楽しめるはずだ。まずはGoogle Skyウェブ版で何ができるのか、それを見ていこう。

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画面下段にサムネイル上のコンテンツメニューがある。ここをクリックすると、天体写真、星座線、太陽系の惑星の現在位置などが閲覧可能。これがGoogle Skyのメインコンテンツだ。

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上の画面はハッブルショーケースを表示したところ。下段に天体写真のサムネイルが並び、それぞれをクリックすると瞬間ワープして衛星写真を大きく表示してくれる。Google Earthではレイヤーパネルからこうした操作を行っていたが、それよりもインターフェイスとして洗練された印象を受ける。

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画面の右上のボタンをクリックすると、赤外線、マイクロ波、ラムゼイ天体地図をオーバーレイ表示できる。それぞれ透明度を調節するスライドバーがあり、天体写真との相関関係を確認できるのが特長だ。

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検索窓を備えているところは、さすがというかやはりというか、Googleサービスの「らしさ」が感じられる。キーワードを入力すると検索結果をプルダウンメニューで表示。クリックしたものがメイン画面に大きくあらわれる。

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画面左上にはGoogle Moon/Marsのリンクがあり、Googleの宇宙コンテンツがずいぶんと充実してきたことを実感する。特にGoogle Moonはアポロ計画の資料を多数収録しており、一見の価値がある。

一通り使ってみた感触としては、Google Mapsのインターフェイスを拝借したことにより、ずいぶんとコンテンツにアクセスしやすくなった。その一方で、天体写真ビューワという性格がより明確になった気もする。つまりGoogle Skyウェブ版は、Mitakaのような宇宙シミュレータではなく、天体写真を見るためのビューワサービスというわけだ。ただ、この点はGoogle EarthのSkyモードと同様で、いまさら落胆するほどでもない。実はもっと大きな喪失感が待ちかまえているからだ。

【ウェブ版が失った3Dフィーリング】
Google EarthのSkyモードも天体写真ビューワにちがいなかったが、それでも3Dの天球に写真を敷き詰めることで、宇宙空間を再現していた。むろんそれはMitakaのようなシミュレーションではないものの、移動時のモーションに慣性をつけ、宇宙遊泳気分を巧みに演出していたと思う。しかしGoogle Skyウェブ版は、とめどなく平面的だ。Google Mapsのインターフェイスを用いたのが原因と思われるが、移動時に3D空間を感じることはできない。この喪失感は、致命的だと思う。

Google Earthがブレイクしたのは、世界中の衛星写真が見られるからだろうか。もちろん世界中を俯瞰する感覚はとても斬新だったし、地理データベースとしての有効性も先進的だった。しかしそれ以上に、マウスで地球体を動かし、世界の至るところにダイブするようなフィーリング――3D遊泳がおもしろかったのではないか。慣性力をともなうパンやズーミングは、たしかにマウス操作の演出にすぎない。ただ、そのちょっとした演出が、お堅くなりがちな地勢ソフトを、エンターテイメントに昇華していた。残念なことにGoogle Skyウェブ版は、それがない。

ウェブサービスに3Dを求めることは無茶な話だろうか。いや、Virtual Earth 3Dは着々と3D都市を増やし、北米のみならずヨーロッパにも進出しはじめたという。アプローチは色々と考えられるだろう。けっして無い物ねだりではないはずだ。


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December 16, 2007

Mitaka & Google Earth で3D宇宙ツアー

今日はちょっくらお仕事の宣伝をさせてください。このブログでは幾度か、MitakaやGoogle Earth、ならびにGoogle Skyを取り上げてきました。記事ではおもに、3Dソフトの動向、位置づけを論じてきましたが、基本的にはやはり遊んでナンボのもんだと思います。そんなエンターテイメント志向のムックを上梓しました。

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パソコンで3D宇宙ツアー(毎日コミュニケーションズ)
http://book.mycom.co.jp/mook/68397-69-07/68397-69-07.shtml


4次元宇宙シミュレータ「Mitaka」、Google EarthのSkyモード。これらを使い、パソコンで宇宙を飛びまわろうというムックです。そうはいっても、ただ操作方法を解説するだけではおもしろくない。そこで、惑星直列(グランドクロス)、探査機の惑星大接近、かぐやでクローズアップされた地球の出など、どこかで耳にしたことにある宇宙的現象を、Mitakaを使ってシミュレーションしてみました。パソコンをあまり使い慣れていない人でもわかりやすいように、ステップバイステップで世紀の天体ショーを再現できるように配慮しています。

そしてもうひとつ、本書には個人的な野望(笑)を盛り込みました。長年パソコン誌で仕事をしてきましたが、悲しいかな、誌面にパソコンの画面写真が載った途端、どんなにレイアウトにこだわっても野暮ったくなってしまう……。このパソコン誌的宿命を何とか払拭できないだろうか。そんなことを思いながら十数年、書いてきました。しかし、MitakaやGoogle Earthの画面は、緻密な3Dグラフィック、高精細な写真で構成されています。もしかしたら、パソコン画面でグラビアが作れるかもしれない。そんな思いにかられ、本書を企画しました。手前味噌ではありますが、パラパラとページをめくってみるだけでも楽しいムックに仕上がったと自負しています。

PC系宇宙ネタというニッチなムックではありますが、もし書店で見つけたら、立ち読みしてやってください。親子で本書を手にとって、宇宙のロマンを共有してもらえれば……。これが企画者であるぼくの、ひそかな希望です。

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August 24, 2007

Google Sky はただの3D天体写真ギャラリーか!?

宇宙シミュレータ「Mitaka」の正式版が登場してからというもの、「地球もいいけど宇宙はもっと楽しそう」なんてGoogle Earthから浮気していた。そんな折、Google Earthがアップデートしてバージョン4.2に。早速ダウンロードして驚いた。宇宙ビューワ機能Google Skyを搭載。うむ、絶妙なタイミング。きっとこういうのを時代の気分っていうんだろうな(笑)。

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【デスクトップで天体ショーを楽しもう】
Google Earthは3D空間に球体を置き、それを地球に見立てることで3D地球儀として機能する。片や新機能のGoogle Skyは、天体側に写真やプレイスマーク、星座を配置して宇宙空間を再現したものだ。ただし、Google Earthの画面でそのまま宇宙に旅立てるわけではない。ツールボタンをワンクリックしてGoogle Skyにスイッチング。要はGoogle Earthに地上モードと宇宙モードができたというわけだ。まずは論より証拠、その美しい星々を見てもらおう。

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レイヤパネル内に「ハッブルショーケース」という項目があり、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された天体写真のリストが並ぶ。このプレイスマークをダブルクリックすると星雲やブラックホールに向けて宇宙空間をワープ。これはけっこう楽しい。もちろんGoogle Earth同様にマウスやキーボードで自由に宇宙空間を移動できるが、このプレイスマーク集を使わないと上のような写真のある場所にたどり着くのは難しい。だってアンドロメダ星雲の住所なんてしらないし(笑)。このハッブルショーケースこそがGoogle Skyのメインコンテンツであり、宇宙旅行の道しるべというわけだ。

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Google Skyでは太陽系内の星々(月や惑星)も表示できる。レイヤパネル内の「月」「惑星」をチェックオンして、タイムスケールの再生ボタンをクリックしよう。惑星たちが軌道にそってアニメーションしはじめる。月の満ち欠けも再現する念の入れようだ。Google Earthの着想はデジタルアースの具現といって過言ではないが、Google Skyの搭載により、地球を含めた宇宙全体のデジタル置換に着手しはじめたということか。ずいぶんと壮大な試みだ。

【シミュレータではなく天体写真ギャラリー】
そこで気になるのがGoogle SkyとMitakaの関係だ。Mitakaは宇宙をデジタル3D空間(時間軸もあるので4D)に構築したシミュレータだ。距離と時間に忠実で、宇宙全体を3D空間に再現している。一方Google Skyは、天体写真を閲覧するための3Dギャラリーにすぎない。たしかに宇宙空間を自由飛行して恒星や星雲をクローズアップできるが、そのまま突き抜けて宇宙の果てまで旅立てるわけではない。あくまでも制限のある3D空間に写真を配置しているだけだ。Mitakaの目的はデジタル宇宙の構築。Google Skyの目的は天体写真の閲覧。ともに宇宙ビューワという共通点こそあるが、根本的に異なるソフトと考えた方がいい。

しかし、「Google Skyなど注目に値せず」というわけではない。Google Earthのプラットフォームを用いた機能なので、プレイスマークはもちろん、イメージオーバーレイ、ネットワークリンク、3Dモデルといったデータの追加表示が可能。ここに大きな可能性を秘めている。たとえば現状の星座は線で描かれているが、星座絵を収録したkml/kmzファイルが公開されるのは時間の問題だろう。個人的に期待しているのは映画やアニメの3Dモデルだ。イスカンダルと宇宙戦艦ヤマト、デススターとXウイングあたりはぜひリアルに再現してほしいところ。まあ現実には著作権の関係で難しいとは思うけど、例によって映画のプロモーションで利用される可能性は高い。

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Google Skyはシミュレータという発想が希薄だ。ならばいっそ、フィクションスペースとして発展してもそれはそれでおもしろいかも。

●追記
フィクションスペースとして発展だなんて書いていたら、ホントに出ましたファルコン号。しかもアニメーション付きです。

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興味のある方はGoogle Earth Blogの記事からダウンロードしてくださいませ。しっかしナンですな、世界中誰でも同じようなこと考えるんですね。世界とつながった気がします(笑)。

●追記
Google SkyやMitakaの遊び方を満載したムック「パソコンで3D宇宙ツアー」(毎日コミュニケーションズ)を出しました。興味がある方はこちらも記事もご参照ください。よろしくお願いいたします。

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May 30, 2007

Virtual Earth 3D ついに摩天楼が!

高層ビル群ときいて真っ先に思い浮かぶ場所、それはニューヨークのマンハッタンだ。地面のほぼすべてを高層ビルが覆う街。3Dで見たらさぞかし圧巻だろう……と思いきや、Google EarthにせよVirtual Earth 3Dにせよ、一向に3D化が進まない。なぜか? あまりにビルの数が多くて3D化がおっつかないのだ。しかし、マイクロソフトはやってくれた。ついに摩天楼のフル3D化だ!

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【大型アップデートで摩天楼を3D化】
5月29日にVirtual Earthの大型アップデートが行われた。アップデートの詳細はVirtual Earth/Live Mapsの記事を参照してほしいのだが、ざっくりいうと、3D都市の追加、欧州主要都市のバードビュー対応といった内容だ。そしてマンハッタンの3D化は、このアップデートの目玉といっていい。論より証拠、その画面写真を見てほしい。

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見渡す限りビルビルビル……。主要高層ビルだけでなく、小さな建物に至るまでことごとく3D化されている。さすがにここまで見せつけられると、担当エンジニアの意地というか執念というか、ビジネスそっちのけで人間性がにじんでくる。ちなみにGoogle Earthのマンハッタンはこんな感じだ。

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灰色の3Dポリゴンを表示させることもできるが、いわゆる3D建物はこれだけ。こうやって比較すると、Virtual Earth 3Dの突き抜けぶりがよくわかる。ただし、これだけ3Dモデルが増えると、非力なグラフィック環境では表示がつらくなる。GeForce 7600 GT搭載環境で小一時間動き回ったところ、後半は画面が乱れはじめた。3D都市で問題となるのは、建物が増えてくるとパフォーマンスが落ちるという点だ。

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これらの画面はGoogle EarthでBerlin 3Dというkmlファイルを表示したものだ。国家プロジェクトとしてベルリン市を3D化し、それをGoogle Earthのkmlファイルで公開している。3Dポリゴン+テクスチャという建物に加え、一部の建物は内部まで3Dモデリングされているのが特長だ。Google Earthのなかで群を抜く3Dモデルなのだが、いかんせんデータが思い。このkmlファイルを表示して何度フリーズしたことか……。Virtual Earthのマンハッタンについても同様のことがいえる。Berlin 3Dほどではないが、グラフィックパワーは必要だ。

なお、今回のアップデートで増えた3D都市は以下の通り。相変わらず北米中心だが、この調子なら全世界3D化もあながちユメではないかも。

Manhattan
Queens, NY
Yonkers, NY
Cheektowaga, NY
Niagara, NY
Levis-St Romuald, Canada
Ottawa, Canada
Northampton
Great Britain
Austin, TX
Cincinnati, OH
Indianapolis, IN
Speedway, IN
Aurora, IL
Joliet, IL
Naperville, IL
Cape Coral, FL
Tampa, FL
Savannah, GA
Hollywood, CA
La Jolla, CA
La Mesa, CA
Miramar, CA
Oceanside, CA

【日本語版登場も間近か!?】Vem10
Virtual Earth 3Dを使っていて、ちょっと妙なことに気づいた。上の画面を見てほしい。メニュー関係が日本語表示されている。こりゃついにVirtual Earth 3D日本語版が出たのか!? と色めいたが、Windows Live日本語版の「地図」をクリックしても3D表示はできない。どうやらメニュー関係だけ日本語対応したということのようだ。でもこれでずいぶんと使い勝手がよくなる。メニューの英語は簡単な単語ばかりだが、やはり日本語表示の方が安心して使えるというもの。もしかすると日本語版の登場が近いのかもしれない。

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May 27, 2007

Virtual Earth 3D都市リスト

二番煎じ、GIS的観点の欠如、そして一向に登場する気配のない日本語版……。すっかり黙殺されっぱなしのVirtual Earth 3Dだが、こいつを侮ってはいけない。Virtual Earthの3D都市がスゴイことになっている。こと都市の3D化に関しては、Google Earthの3D建物なんて足下にもおよばない。今回はその3Dっぷりをドドーンと紹介してみよう。

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【Virtual Earth 3Dのセットアップ&使い方】
Virtual Earth 3Dは英語版だ。日本国内で提供しているVirtual Earthだと、そのままでは3D表示できない。いったん米国サイトにアクセスして、別途Virtual Earth 3Dをインストールしよう。インストール手順は仮想地球通信にわかりやすくまとめてある。参照するといいだろう。

Ve02
3D化は北米の都市を中心に作業が進められている。3D都市へジャンプするには、「Enter city,address, or landmark」の欄に英語で都市名を入力。該当都市にジャンプすると、都市を自動的に3D表示してくれる。3D都市を徘徊するときは[Ctrl]キー+カーソルキーの操作が便利。いわゆる旋回行動がとれておもしろい。また、さりげなくSpaceNavigator PEに対応していることも付記しておこう。インターネットエクスプローラ上の操作となるため、特別なプラグインは必要ない。とまあ説明はこれくらいにして、早速3D都市のナイスビューを見てもらおうか。

【北米17都市の精細3Dビュー】
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Ve12 Ve13
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Ve27_1 Ve31

どうですか!? かなり見応えある画面でしょ。Google Earthの3D建物はアニメチックだけど、Virtual Earth 3Dは実写主義といった面持ち。Google EarthやMitakaが好きな人なら、Virtual Earth 3Dもぜひ遊んでみてほしい。タダでこんなにすごい3D都市を見られるなんて、いやほんと、いい時代になりました。ちなみに、以下の17ポイントが3D都市と呼ぶに相応しいできばえだ。北米に偏っているのがナンですが、Google Earthよりも3D化は進んでいる。

Boston
San Francisco
Seattle
Denver
Detroit
Los Angeles
Philadelphia
Las Vegas
Atlanta
Calgary
Redmond
Buffalo
Beaverton
Portland
Swindon
Brighton
San Jose

地名をコピペしてジャンプしてください。これ以外にも3D都市があれば教えてね。

●追補
5月29日の大型アップデートで3D都市が増えました。こちらの記事も合わせてご参照ください。

【実写主義のヒミツを探る】
Virtual Earth 3Dの3D都市は、Google Earthよりもホンモノっぽい。これは誰の目にも明らかだ。3Dモデルの上にテクスチャを貼り付けているので当然といえば当然だが、実はそれ以外にもかなりきめ細かい工夫をこらしている。下の2枚の画像を見比べてほしい。

Ve23 Ve21
これはアトランタの都市部を俯瞰したものだ。1枚目は北から、2枚目は南からの様子である。同じ都市なのに1枚目は明るい日差しがあたり、2枚目は暗くなっている。これはどういうことか? Virtual Earthは下地に衛星写真および航空写真を用いているのだが、その写真の日の当たり方を考慮して3Dモデルを作っている。2枚目の画像を見ると、衛星写真上の影と建物(3Dモデル)の陰が一致しているのがわかるだろう。

Ve34 Ve38
さらに下地の写真に合わせ、建物の色調も調整している。右の写真はアンバーかつ緑にかぶっているが、建物のカラートーンを合わせてあるので違和感がない。左の画面と比べると、トーンのちがいは一目瞭然だ。実はここにVirtual EarthとGoogle Earthの決定的なちがいが見て取れる。Google EarthはGoogleがプラットフォームを提供し、コンテンツは基本的にユーザーまかせだ。Google Earthの3D建物はユーザー提供のものが少なからず含まれているため、都市全体を見たときに違和感のある建物が点在する。ユーザー参画型のプラットフォームという点は評価すべきだが、仕上がりに優劣が見え隠れするのはやむを得ないところだ。一方Virtual Earth 3Dは、プラットフォームからコンテンツまで一貫してマイクロソフトが管理している。言うまでもなく3D都市の完成度は、Virtual Earthの方が格上だ。

なお、Virtual Earthは閲覧時のパフォーマンスにも配慮が見られる。Google Earthで3D都市を表示すると、チップセット内蔵グラフィックではフリーズに見舞われることがたびたびあった。しかしVirtual Earthの場合は軽快。GeForece 7600 GTを搭載したマシンではSpaceNavigatorでグリグリ動かしても安定している。おそらくデータを効率よく圧縮して、システムに高負荷がかからないように配慮しているのだろう。

Lmpho20_4
Horizon Perfekt

この写真は東京タワーからパノラマカメラで撮影したもの。なんだかVirtual Earthにそっくり……なんて本末転倒な感想を抱いてしまうほど、Virtual Earthの3Dっぷりは見事だ。なるほど、たしかにVirtual Earth 3Dは「見る」だけで完結してしまう。そこから先に何もない。しかし3D都市(=仮想現実)を見せるということに、マイクロソフトは本気で取り組んでいる。この点は積極的に評価したい。Virtual Earthしかり、Mitakaしかり、手軽に体感できるテクノロジーの最先端を、より多くの人に楽しんでもらいたい。

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May 15, 2007

4D2U Mitaka で宇宙空間に飛び出せ!

4D2Uプロジェクト(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)という事業がある。空間的にあまりに広大で、時間的にも長大な宇宙というものを、デジタルの力で視覚的にとらえてみようという試みだ。その成果物のひとつとして登場したのが、4次元デジタル宇宙ビューワ「Mitaka」である。

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これは国立天文台立体視シアター向けに開発された上映用ソフトウェアなのだが、バージョン1.0正式版がフリーウェアとして公開されている。このソフトのなにがスゴイかって、宇宙空間を自由に、しかも時間的変移も交えながら楽しめるのだ。Google Earthもフリーウェアとして画期的な高性能ぶりだったが、Mitakaのスケールと大盤振る舞いはそれを凌駕するかもしれない。早速そのおもしろさを見ていこう。

【プラネタリムより宇宙遊泳!】
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シアター上映用ソフトということもあり、起動するとまずプラネタリウムがあらわれる(写真左)。Mitakaは4次元空間をシミュレートしているので、時間軸を進めていくと天体が動く。スクロールホイールでズームイン/アウトすることもできる。これはこれでおもしろいが、正直なところこれだけなら別段驚くほどのことではない。似たようなソフトは他にもあるだろうし、3D空間とはいっても見え方は平面チック。Mitakaの本領はあくまでも、宇宙空間に飛び出せるところにある。

そこでホイールボタンをクリック。天体を見上げる視点から、地表を見下ろした視点に切り替わる(写真中央)。前述のモードをプラネタリウムモード、これを宇宙空間モードという。ホイールを前後するとズームイン/アウトでき、3D空間を自由に飛び回れるのだ。夜になっているエリアは街の明かりまで見ることができ(写真右)、宇宙から地球を見下ろしている雰囲気が伝わってくる。普段Google Earthばかり使っているのでついズームインしてしまうが、Mitakaを満喫したいならズームアウトだ。ズームアウトしていくだけで、宇宙の壮大なスケールを実感できる。

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ズームアウトしていくと太陽系の全体があらわれ、各惑星の軌道が見えてくる。さらにズームアウトすると太陽系自体が小さくなり、10光年をすぎたあたりから著名な恒星があらわれる。

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ついには銀河系の全体像が姿を見せ、我々の棲む太陽系は宇宙のホンの片隅なのだと痛感してしまう。10万光年をすぎると小銀河が次々を視界をかすめ、銀河系すら宇宙の片隅にすぎないのだと呆然とした気分になるはずだ。

M15 M16
10億光年を超えると、宇宙の大規模構造が見える。これは銀河の分布図で、扇状に分布しているのは観測領域のみを表示しているためだ。実際にはまんべんなく銀河が分布しているらしい。最後は137億光年の境界線があらわれ、宇宙の果てに到着する。宇宙の年齢は137億年と考えられているので、これが宇宙の果て(もしくは宇宙の最先端)というわけだ。ちなみに青い部分はクエーサーの分布状況を示している。クエーサーとは巨大なエネルギーを発している天体のこと。書いているぼく自身よくわからなくなっているのだが(笑)、ともかくも宇宙のスケールだけは肌で感じてもらえるはずだ。

【人工衛星で4次元空間を体感】
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前述の通り、Mitakaは4次元空間をシミュレートしている。3Dスペース+時間。このことを体感したいなら人工衛星の軌道を追いかけてみるといい。太陽系を画面に表示させ、その上で「探査機の軌道」の表示をONにする。時刻表示を1年単位に設定して、1970年代ぐらいから一気にタイムスケールを動かす。するとボイジャーやカッシーニの軌道がぐいぐいと伸び、太陽系の惑星と大接近する様子が手に取るようにわかるのだ。

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惑星大接近の様子をクローズアップしたのが上の画像だ。左がカッシーニの土星大接近、右がパイオニア10号の木星大接近の様子。いやあ、大迫力な3D映像だこと。惑星と人工衛星を、自らの手でランデブーさせちゃうなんてたまりませんな(笑)。Mitakaのいいところは、3D表示が本当にキレイだというところ。地球と火星は地表の隆起も再現され、実に見応えがある。そんな様子をまとめてアップしておこう。

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【インターフェイスは改善の余地あり】
このようにMitakaはフリーウェアの域を超えた極上の知的エンターテイメントソフトだが、操作面でいくつか不満がある。まずターゲットという概念があり、指定したターゲットが視界の中心点になる。たとえば地球をターゲットに据えれば地球が視界の中心になり、銀河系を選べば銀河系の中心部分が視界中央になるわけだ。マウスによって画面をドラッグした場合、この中心点を軸に視界が回転する。つまり、上下左右の移動ではなく、常にターゲットを基準した回転移動になるわけだ。これを理解しておかないと、気持ちよく宇宙遊泳できない。Google Earthや地図ソフトの感覚と異なるので気をつけよう。なお、ターゲットはメニューから選択でき、主要な惑星、恒星、銀河などに瞬間移動できる。

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基本操作はマウスによるドラッグ、キーボードのショートカットキー、そしてジョイスティックが利用できる。ただし、細かい操作はメニューバーのみで、いちいちメニューをプルダウンさせるのが時としてまどろっこしい。やはり操作パネルがほしいところだ。このあたりはGoogle Earthのナビゲータなどを手本にしてほしい。一応スクリーンメニューというインターフェイスがあり、キーボードの[X]キーで呼び出せる。使用頻度の高い機能にイージーアクセスできるのが利点だが、このスクリーンメニュー自体をショートカットキーで操作する必要があり、カーソルキーとエンターキーで選択決定できないのだ。カーソルキーに画面移動が割り当てられてるためだが、やはり直感的操作とはほど遠い。正式版として公開する以上、ローカルルールに則った操作体系でなく、一般ソフトと共通項のある操作性が望ましい。なお、このスクリーンメニューには3Dチャートと呼ばれる3D模式図が呼び出せる。惑星の大きさを視覚的にとらえることができ、おもしろい機能だ。

M31_1今回、Mitakaを取り上げたのは、本気具合がGoogle Earthを彷彿させたからだ。Google Earthは情報オーサリングツールとして、現存する情報をすべて3D空間に引き写し、デジタルアース実現の可能性を示した(一部にはGoogleスタッフの余技、と一刀両断する人もいますが……)。翻ってこのMitakaは、ドームシアターの上映ソフトをそのまま公開したものだ。機能限定版でも暫定版でもない。マンマ上映ソフトなのだ。それゆえに画面の精細さは圧倒的。しかもアナグリフ方式の立体視データまで収録し、自分で赤と青のセロファンを用意すればモニター上で立体視が楽しめる。バージョン1.0ということもあり未成熟な感は否めないが、今後4次元デジタル宇宙に何を作り上げてくれるのか、実に楽しみなソフトである。

●追記
Mitakaの遊び方を満載したムック「パソコンで3D宇宙ツアー」(毎日コミュニケーションズ)を出しました。ご興味がある方はこちらも記事も参考にしてください。よろしくお願いいたします。

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December 26, 2006

SpaceNavigator PE 速攻レビュー

3Dconnexion SpaceNavigator PEを買ってみた。3Dconnexionという会社は、3DCG作成ソフトやCADソフトで使用する3Dモーションコントローラのメーカーとして有名だ。しかし、このSpaceNavigator PEはちょっと趣が異なる。GoogleとコラボレーションしてGoogle Earthに完全対応しているのだ。要はこいつを使って世界中をビュンビュン飛びまわろうというアイテム。早速使用感をレポートしてみよう。

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【戦闘機で地球をカッ飛び!】
開封して度肝を抜かれるのは、想像以上に重いということ。土台が金属なのでそれなりに重量があるのは想像できると思う。ただ、見た目よりも一二段重い。この製品はラバー製のコントローラを傾けたり引っぱったり回したりするのだが、そうした操作にビクともしない重量感だ。実売1万円弱とお安くないが、この重量感は所有欲を満たしてくれる。なんていうかこう、買って良かった……という気分になる。

Dpp_0248パソコンとの接続はオーソドックスにUSBを採用。つないでドライバソフトをインストールするだけだ。実際に使うときは左手で操作する。右手でマウス、左手でSpaceNavigator PEを操ることで、画面の移動と細かい操作を同時に行えるわけだ。これについては後述するが、使い勝手はかなりイイ。 コントローラを操作するとリニアに画面が動き、マウス操作よりもダイレクトに画面をコントロールできる。マウスでGoogle Earthを操っている状態を気球に乗った遊覧飛行とするならば、SpaceNavigator PEは戦闘機かUFOで地球上をカッ飛んでいく気分。Google Earthユーザーなら一度は体験してほしい爽快さだ。

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SpaceNavigator PEを使うと、あらゆる視点から地球を見下ろすことができる。コントローラを前後左右に動かせば画面が東西南北にパンニングし、左回り右回りに回転すれば同じように画面が回転する。上下に押したり引いたりすればズームイン/アウトでき、前後に傾ければチルト(いわゆるバードライクビュー)するといった具合だ。なかでもおもしろいのがチルトである。まず左の画面が見てほしい。これはGoogle Earthユーザーならおなじみの角度をつけて見下ろしたところ。Google Earthの画面左上にある角度スライドバーで実現できる見せ方だ。では右の画面を見てほしい。逆さ吊りで見下ろしているというべきか、股のぞきというべきか……。Google Earthでは実現不可能の俯瞰図だ。SpaceNavigator PEでチルトさせるとこんな視点から見下ろすこともできる。前述したあらゆる視点とはまさにこのことだ。

【モーションカスタマイズでより使いやすく】
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SpaceNavigator PEがいかに自由度の高い3Dモーションコントローラかはわかっていただけただろう。ただ、あまりに自由度が高いゆえに、ちょっとセンシティブなところもある。たとえば画面の北に移動したくてコントローラを前に押す。そのときかすかにコントローラを押し込んでしまうと、北に移動すると同時にズームインしてしまう。SpaceNavigator PEは前後、上下、左右など、複数の軸を同時に感知して空間内を移動する。そのためズームしたいだけなのに同時に西へ移動してしまったり、回転しながらチルトしてしまったりと、複数軸に感応してしまうのだ。こうした動きが煩わしいなら、ドライバソフトでドミナントを有効にしておくといいだろう(画面左)。これでひとつの軸だけが反応するようになり、東西南北の移動、ズームイン/アウト、回転、チルトといったモーションが個別に行えるようになる。また各モーションは個別に移動スピードが設定できる(画面右)。たとえば東西南北のパンはゆっくりめ、ズームイン/アウトはカッ飛び仕様で、といった設定が可能。モーションはかなりきめ細かく調整できる。

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本体の両サイドはボタンがある。初期設定では右ボタンを押すと3DxWareパネル(ドライバの設定画面)を表示。左ボタンは「Reset Tilt and North」となっているのだが、なぜか画面が左(西)へ動いていくだけだ。このボタンはオリジナル動作の割り当てが可能なので、とりあえずはプレイスマーク作成のショートカットキーを登録してみた。ただ、本来こうした操作はマウス側で行うものなので、やはりReset Tilt and North(チルトを初期状態に戻し、北向きにする)が使えると便利だ。

【Google Earth以外、使い道がない!?】
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さて、SpaceNavigator PEはGoogle Earth専用コントローラというわけではない。3Dモーションコントローラというだけあって、数多くの3DCG作成ソフトやCADソフトに対応している。3Dconnexionのワールドワイドサイトに対応ソフト一覧があるので、参考にしてみるといいだろう。ただ、プロフェッショナルユーザー向けソフトが主で、パーソナルユーザーには旨みが少ないのも事実。そして3DCGやCADをやらない人にとっては、Google Earth以外に使い道がないという現状が浮き彫りになる。一応、3Dconnexion Picture Viewer(画面左)という画像表示ソフトが付属しているが、これはおそらくウィンドウズXP標準のビューワにドライバをフックさせただけのもので、コントローラのモーションデモ的なソフトにすぎない。このように利用シーンが限られているためか、〈スタート〉メニューにドライバのスタート/ストップが登録されている(画面右)。使うときだけドライバをロードできるのは便利な仕様だが、惜しむらくはもう少し汎用性がほしいところだ。

Dpp_0247実のところ、SpaceNavigator PEをRAW現像ソフトで使えないものかと密かに目論んでいた。知ってのとおり、現在のデジタルカメラ画像はデスクトップ解像度を遙かに超えている。100%表示してSpaceNavigator PEでグリグリと画面を動かし、マウスでホワイトバランスや露出のスライドバーを動かしたらさぞ快適だろう……と期待していたのだ。SpaceNavigator PE自体はUSBヒューマンインターフェイスデバイスとして認識されており、さらに3DconnexionのホームページではSDKも公開している。画像の上下左右のパン、そしてズームイン/アウト。これぐらいの動作ならさして難しくないと思うのだが……、誰か対応させちゃってくれませんか!? そもそもSpaceNavigatorはプロ向けSE版と個人ユーザー向けPE版がある。Personal Editionというぐらいなのだから、一般ソフトで使える配慮があってもいいはずだ。マウスと3Dモーションコントローラ。この組み合わせはとても気持ちいいだけに早期対応を期待したい。

●追補
NIKKEI NET IT+PLUSにSpaceNavigatorの記事を書きました。よかったら合わせてご覧ください。

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December 12, 2006

Google Earth 待望のWikipedia対応

年甲斐もなく、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!? と叫びたくなるほど興奮している。以前、Google Earthの記事で「基礎データベースとしての衛星写真に情報をマッピングすることがGoogle Earthの本質だ」と解説した。そのときは具体例としてWikimapiaを紹介したが、その際、Wikipediaの情報をGoogle Earth/Mapsに引っぱってこれればいいのに……とボヤいたことをおぼえているだろうか。どうやら皆考えることは同じらしい。ついにGoogle EarthでWikipediaの情報を表示できるようになった。